上砂理佳のうぐいす日記

「夏への扉」展では暑い中、たくさんの方にお越しいただき誠にありがとうございました!★

ロベール・ドアノー★

2021-12-14 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
フランスの写真家、故ロベール・ドアノーの映画を見てきました。
現在、京都の伊勢丹で写真展が開催されているので、並行してドキュメント映画も上映されているのです。
四条烏丸の京都シネマは初めてでしたが、小さいながらも素敵な劇場でした。
単館系あるあるの「シネマへの愛」が溢れまくっているという(アルバイト募集中です。行きたい)。

ロベール・ドアノーは知っていました。
私はアンリ・カルティエ=ブレッソンという写真家が好きで、彼が活躍した1950~1970年代のパリの写真集などを漁っていたら、ドアノーにも行き当たりました。
共に、第二次大戦後の古き善き時代のパリを、ユーモラスな視線で美しく切り取っています。

昔、心斎橋のアート系書店「アシーネ」で買った「パリの犬」という写真集に、ドアノーの写真がありまして。
このユニークな犬を連れてるおじさんは誰だろう?(庶民?)と思っていたら、なんとジャック・プレヴェールということが、映画でわかりました。
プレヴェール、有名な詩人ですね。シャンソンの「枯葉」の歌詞とか。「月のオペラ」のお話もそうじゃないのかな。
ドアノーと友人だったそうでよくつるんでいたとか。
こんなふうに、画家や写真家や詩人や映画監督や俳優と、友達になって夜な夜なワインなんか傾けてたんだろなあ。
みんなキャラが濃くって、こんな連中が集まってたら文化も熟成するはずやわ。

ドアノーは元々、生粋のパリっ子ではなく、パリ郊外のジャンティーという町で生まれ育ったそうです。
最初に出した写真集は、そのジャンティーで撮影したものでしたが、全く売れず「だから!誰がパリ郊外の写真なんて見たいもんか!みんな、パリが見たいんだよ!」と嘆きまくったとか。
本人乗り気じゃない企画だったんですね(笑)。でも駆け出しの頃はワガママ言えませんもんね。。。

色んな苦労がありながらも、早くに結婚しパリにスタジオを構え、子や孫を作り、おじいさんになっても活躍し続け(それでも晩年はお金に困っていたとか)、軽妙な写真スタイルそのまんまな人のようでした。
彼の撮影するパリはやっぱり楽しい。
そこに映る人々は庶民ばかりだけど、生命が輝いては消えていく。鼓動が聞こえてきそう。
パリは建物も美しいけど、「そこに生きる人々」がみんな、役者みたいでおかしい。

あんまり映画が面白かったので、肝心の写真展を見る時間がなくなった!
のでもう一回京都に行かねば★
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