上砂理佳のうぐいす日記

銀座中央ギャラリー「10×10版画展」は無事終了。お越しいただいた皆様、ありがとうございました★

拍手鳴りやまず★9

2007-04-02 | 06-07 コンペとショー
 「DAISUKE TAKAHASHI」の名がコールされて、会場またまた「ウォーッ!」と大歓声。
私も懸命にバナー(ボロですが)を振って叫びます。
出ていく大ちゃんは「行くぞ!」というイメージでした。昨日のSPの「なんとなくフワァ~」とポジションについた様子とは違ってみえました。
もう、やるしかありません。
私の悲愴な決意とは裏腹に、オルゴールが、♪♪♪…と、のどかに流れ出すという。この不思議なギャップ。

最初のストロークはスケートが良く滑ってる。大丈夫!大丈夫だ!
4回転は、跳んだ瞬間「いける!」と思ったのですが(要するに練習通りだと思った)、回転の最後の方でやや軸が傾いたので「!」と思った瞬間、片手をついていました。「キャー」とも「ワー」ともつかぬ悲鳴が上がりましたが、すかさず「頑張れ!」拍手。
この時の私の感触は「助かった~」でした。ただひたすらに「助かった」。
転倒でなくて良かった…基礎点9点から-1で8点。よしよし。あれほど緊張してた癖に、結構私は頭は冷静だったりするんです(笑)。いえ、上から見てても、踏み切り+高さ+回転は充分だったから、大きなマイナスイメージは無かったの。
次のアクセルが問題だ…ところがこれがサイッコーに美しく決まって、大きな拍手。そのお陰で、すぐ次のスローパートの美しい部分が、クッキリ鮮やかな輪郭を描いて迫ってきました。私がジャッジ側だったせいもあるけど、今までの「オペラ座」で、一番美しく感じたというか。元々、あの“抱きしめる”振付が大のお気に入りだったので、なんとも言えぬ幸福感に満たされるのでした。
2個目の3アクセルも美しく成功。みんなここで「ホッとひと息」モードになったんではないでしょうか(笑)。序盤のミスの印象を払拭するアクセル2連発が、結果的にTESにかなり貢献したと見ました。美しかったよ~。
サーキュラーはちょっと切れ味が無かったような…大ちゃん、この時点でもう疲れてたんだね…(インタビューより)。やっぱり「緊張すると、いつもより早く疲労のピークが来る」という、荒川発言はホンマやったんやー。
スピンはNHK杯よりはずっと良くなっていたけど、ややトラベリング気味の箇所もあり。これも緊張から来るものか(スピンはユニバFSが一番OKと思いますが)。もう全てのエレメンツに「頑張れ頑張れ!」と念を送る。ランビやジュベは私が押さなくても勝手に動いてくれるんだけど、大ちゃんはもう永年の癖で「私が念力で動かしちゃる!」状態になるのでした(笑)。
あっというまに後半の「5連発」に突入!
お客さんも良くPGを解ってる人が多いので、「ジャンプ・カウントダウン」を、固唾を呑んで見守ります。特に3ループ前の緊張は、場内、気持ちは一致していたでしょう(笑)。しかし、今日はループのランディングもOK。大ちゃんは、焦らず慎重に、一つ一つを跳んでいたようでした。

ジャンプが決まる度に高まる拍手の音。
ラストに向けて気持ちがだんだんと高揚していきます。
「滑り」と「踊り」が一致した、流れのある超自然体ストローク。その中で高いジャンプを跳んでいく!
「The point of no return~」の、切なくも美しい旋律に乗りながら、大ちゃんはまさしく「戦って」いるのでした。
大会直前の「一緒に戦って下さい」というシンプルなメッセージが、私の頭の中をずっと駆け巡ります。「わかったよ!戦うよ!」同じことを思っていた人も多かったのではないでしょうか。
「オペラ座の怪人」のファントムの葛藤と、大ちゃん自身のこれまでの長い長い葛藤が、二つの影のように重なり、「なんとかして助けなくてはならない!」と思わせられるのでした。これまで積み上げてきた事の全てが、このフリーの4分半に詰まっているのでした。
3サルコゥも無事着氷!大きな歓声で「待ってました」なストレートラインステップへ。
あの時の観衆の「ウォーッ!!」はね。
ヨソ様ブログで色々な表現がなされていますが、本当に本当に凄かったです。
TVでは残念乍ら全ては伝わっていない。あれの何倍も何倍もすさまじかった。
月並みだけど、まさしく「地鳴り」「嵐」のような大歓声で、私も便乗して(笑)「大ちゃん、頑張れー!」と叫びまくりました。
大ちゃんは「もう、一滴も力が残ってねえー!死ぬー!」と叫んでいるかのようでしたが、「あと少しや!やるしかないやろ!」と、とにかくその背中を押す押す。会場のお客さんが一体となって、大ちゃんを表彰台へと押し上げているのでした。「上がれ!行け!」と。
あれほどの大歓声を受けたら、もう死んでも滑りきるしかなかろ。点数や順位もブッ飛んだ境地があそこにはあって、東京体育館に巨大な「頑張れ!!!」の念が充満しているかのようでした。

演技後、満場のスタンディング・オベーション。騒然とした中を花束が飛び交ってるんだけど、よく覚えていません。気がついたら、スクリーンの中で大ちゃんが泣いている。驚きました。皆も驚いている。まだ騒然としている。
演技後、泣いているのは初めて見たよ…今まで良い時も悪い時も涙は見せなかった。その瞬間、この世界選手権にどれ程の思いがあって「この瞬間」に賭けてきたのか、誰に解説されなくとも解りました。「あー。凄まじくプレッシャーかかってたんだなー。重くて重くて死にそうだったんだなあ。」と。
思えば丁度一年前の大阪のシンポジウムで「バンクーバーで金メダルを狙っていますが、その前にまず、1年後の東京でメダルを獲ります。」と発言していて、「大ちゃん~。威勢がいいのはOKだけど、余り自分で自分にプレッシャーかけ過ぎちゃ駄目だよー」と思ったものです。
その後もずっと「メダルを獲ります」発言は続き、頼もしいやら不安やらで私も混沌としていましたが、きっと、「強情でも」公の場所で自分を鼓舞し続けなければ、あっという間に崩れ落ちてしまう。そんなモロさが、ずっとずっと大ちゃんにはあるのでした。
だから、「終わった。やり遂げた。」その安堵で「素」の部分に戻ったのだろうと思いました。あれはやはり、胸が締め付けられる光景でしたよね。
やっぱりこの人は「強い人」などではなくて、「強くなろうと頑張っている人」なのでした。その辺の「普通に弱い人」の部分が、私を一番ヒリヒリさせるんだろうな。

騒然とした会場の空気はまだまだ収まらず。
正直、どういうジャッジが下されるのか未知数でしたが、私はもう「これだけやったら順位はどーでもいい!」という境地に至っていました。NHK杯の時と同じ。大ちゃんに関しては「未知数」が多すぎる。
高いTESが出て場内はまた「おおーっ!」と大拍手。これ、帰って録画見たら、西岡アナは「80点台に乗るかどうか!?」と言ってるんですね。TVではミスに焦点が当っている感じになっているのでちょっと驚きました。80点は乗るよ、そりゃ。4回転以外のジャンプは今日は全てスムースだったもの。
PCSも「双璧の王者」と遜色なし。総合点でランビを上回り「2」と出た時に、「表彰台決定!」を、みんな悟り、またまた歓声と拍手が鳴りやまず。
私はスクリーンの順位を見つめていたので、モロゾフ、歌子ママと「三位一体」状態で抱き合っているのはその時は解りませんでした。あれは泣けました。やっぱり「背中に王冠」ジャケットを着てたんだね。モロゾフ。

なんだか、夢を見ているような酔っぱらっているような。
熱気と歓声が場内に充満していて、その余韻でおかしくなってしまいそうでした。
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13 コメント

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Unknown (ぷかどんどん)
2007-04-02 16:32:45
うぐいすさん、こんにちは。ここ数日「拍手鳴り止まず」楽しみに読ませていただきました。若かりし頃月9を見てたときの感覚?(今はちっとも見ません・・・)
うぐいすさんは記憶力いいですね。わたしはもうおぼろげです。というか、演技中心臓とか呼吸が止まってる感じで、泣いてる大ちゃんをみて、思い出したように動悸・息切れがしてきたのはよ~くおぼえてるんですけど。大ちゃんが「強くなろうと頑張っている人」っていうのは、ホントそう感じます。わたしもそこにやられてるんでしょうね。

ところでうぐいすさん、ジャッジ側にいたのね。てっきりジェフバナーのあるほうにいらっしゃるもんだと。わたしは、キスクラの上のほうで見ました。あそこは、帰ってきた選手におかえりなさい拍手をする役目(?)があるんですね。面白かったです。とにかく、あのフリーを生でみて、あの空気を味わえたことは一生ものの宝物だと思いました。
何度でも感動 (ミント)
2007-04-02 18:43:57
こんばんは、うぐいすさん。
大ちゃんの順番になったときのうぐいすさんの気持ちがとてもよくわかる記事ですね。
ワールドから10日余り過ぎたのに、記事を読ませていただくとまたまた興奮と感動がよみがえってきました。本当にあの時間は最高でした。しびれました。
そしてこれからはバンクーバーに向けて大ちゃんの未知数の部分を見せてもらえる喜びがありますね。
弱い部分も強い部分もひっくるめて大ちゃんが好きです。
モロゾフの王冠ジャケットは縁起物ですよね。
美姫ちゃんのときは着ないのに大ちゃんのときだけですよね~。何かいわれがあるのかしら?うぐいすさん何かご存知ですか?あれを始めて見たとき大ちゃんの余りをくっつけたの?と思ってしまいました(笑)。そんなはずないですよね。いっぱい稼いでるし。
来季はどんなプロになるのかすごく楽しみです。
今でも夢の中です (ヤス)
2007-04-02 20:20:20
こんばんは。あのときの興奮がよみがえってきます。
私もサーキュラー付近から「疲れてる?」ように見えてしまって、それからずっと「頑張れ、頑張れ、」と叫んで念を送っていました。会場全体が押し上げている、あんなことは初めてです。
私の周りでもテレビで見ていた人が多く、「私あの中にいたよ」と言うと「どうしてあそこまで熱狂できるたの?」と驚かれます。実際もっとすさまじかったよ!と説明していますが、うまく言葉になりません。
あの場にいることができて幸せでした。
ありがとうございました。 (karu)
2007-04-02 20:34:29
お久しぶりです。
少し遠くに行ったり、何かのニュースを目にしてまた戻ってきたりと、波のように引いては返すワールドの想い出。今日はまた、うぐいすさんに引き戻してもらいました。
>やっぱりこの人は「強い人」などではなくて、「強くなろうと頑張っている人」なのでした。
記事を読ませてもらい、あの感動が蘇っていたので、この言葉にうるうるしてしまいました。
頑張ったね~。 ほんとに。。
うぐいすさん ありがとうございました。
まだ泣いています (Y.M)
2007-04-02 22:16:35
うぐいすさん、こんばんは。
「拍手鳴りやまず」楽しみに読ませていただいています。読ませていただいていると記憶がよみがえってきて、そしてまた泣いてしまいます。
「強くなろうと頑張っている人」本当にそうですね。そういう人だから応援したくなるのかもしれませんね。
感動が再び (sakki)
2007-04-02 23:15:30
こんにちは。私も楽しみに読ませていただいてる一人です。某動画サイトでESPN版を見たのですが、辛口で有名とのディックバトン氏が最初の4回転の後、wonderful body movement,wonderful edging,と言った後、まるで計ったように、あの1つ目の美しい3A!Wonderful triple axel、とコメントが続いていました。世界選手権であの演技をやり遂げた事に、今も本当に感激してしまいます。
やっと書けました~ (うぐいす)
2007-04-03 01:23:52
>ぷかどんどんさん、キスクラの上なんて羨ましい!
あそこは正に「花道」ではないですかー。替わってほしかった(笑)いやいや。
SPは背面でFSは正面でしたが、ジャッジとTVカメラのエリアが大きくて、花を投げ込みしづらかったのが難でした(だからあきらめました)。でも、SPの時は頑張って、大ちゃんには「リラックマ」投げましたよ(ジョニーには「ぴよぴよさん&ペンギンさん」だったんですが、投げそびれてしまった!)。
ジェフバナーは、会場に行ったら皆さん素晴しいゴージャスバナーばかりで、本当に情けなくなりました。ジェフ、ごめんね…。
やっと、冷静かつ「笑い」も入れて書けるようになりましたよ。
終わった後の涙は一生忘れられないですよね。なんかまだ、子供と大人の間でさまよってるみたいで、そこがたまらんとです(笑)。
とにかくまあ、「すごい体験をさせてもらった」それだけというか…大ちゃん、ありがたや、です。

>ミントさん、やっと大ちゃんの出番まできましたのよ。連載が長くなってしまって。もっと簡潔に書けよ~という(笑)。
J-SPORTSの樋口さんの解説は、もうちょっと興奮して欲しいというか、あの時の緊張感があまり伝わってない~。フジの西岡さんは良かったですね。お塩さんでなくて良かったわ。
私の周囲はけっこう、ジュベもランビもトーマス君もジョニーも、いろんなファンが混在してたんですが、大ちゃんには、日本選手ということもあるし、頑張れ!モードで皆、拍手を送っていました。ガイジンさんのお客さんも総立ちになってくれたのが嬉しかったな。
あの声援がプレッシャーになったのか励ましになったのか、自国開催は難しいなあ、とも思いました。なんか会場ムードがスゴイんですよね。でも、大ちゃん的には「パワーになった」ことと思います。
「地鳴り」はもう、感覚的に一生忘れられないです。誰か小説にして欲しいくらい(!)

>ヤスさんも画面の中におられたんですよね。いや、お疲れ様というか…大ちゃんのバナー振ってる人、多かったですね。
ナマ観戦だともう逃げようがないというか、「やるしかない!」気持ちになって…それに世界選手権があれ程、重圧がかかるものだとは予想してませんでした。
世界の精鋭が集まる大会で、ランビエールはやっぱり王者だな、と思ったし、ジュベールの4回転も迫力がありましたね。
大ちゃん、「よくやった」のひとことです。あの場にいられたことを、私も「有り難い~」と噛み締めています。

>karuさん、こんにちは。
今日はニュースで関大の表彰式をやってましたが、これから倉敷にも凱旋するのかな?
もう銀メダルの余韻はない、ときっぱり言ってましたね。
「前を向け!銀で喜んでなんかいられない!」と、またまた自分を鼓舞しているのかな、とも思えました。でも実際、メダルを獲るのがこれほど大変だとは、思ってなかったです。
PBとか他の試合の成績とかより、「あの場で力を発揮できること」が、真のチャンピオンなんだと思い知ったワールドでした。
「強くなろうと頑張ってる」は、大ちゃんをずっと見てきたら自然に思ったことなんですが、今季はいろんな姿を見せてくれましたね。
なかなか日本の男子選手でこういう人は出て来ないので、本当に一歩一歩上がっていって欲しいです。

>Y.Mさん、感動的でかつ楽しかったですね。
まだまだ引っ張ってしまうというか(笑)。
大ちゃんってやっぱり、基本的に気が弱いというか優しい子だと思うんだけど、スポーツで勝つにはそればかりではいけないから、「強い自分」をイメージして、練習段階から「オレはやれる」と、意識改革してるのかな。
トリノ五輪でもう、大舞台には慣れて大丈夫かな?と思っていたんですが、やっぱりSPでは足が震えてたんだな~と。
普段あまり泣かない人なので、なおさら驚いてもらい泣きしましたね。「乗り越えたんだ!」と思った瞬間でした。

>sakkiさん、バットン先生、大ちゃんがお気に入りみたいですね(笑)。動画はYのつくサイトでも見られるかな。なんか、海外の方が日本より大ちゃんの評価が高いように思えるんですが、社交辞令ばかりとは思えないし~。3アクセルはベタ褒めされてもいいと思います!
アメリカの実況席は、バットン氏とカートが来てましたが、私はすぐに解らず、友達が教えてくれました。いろんな人の「大ちゃん評」も聞いてみたいですね。
世界選手権、一生忘れられないものにしてくれて、大ちゃんも他の選手も、感謝感謝です。
ランビエールが来てくれて、なおいっそう盛り上がりましたねー(GPも欠場しないでー)。
お疲れ様でした (虹川)
2007-04-03 11:02:15
こんにちは。
渾身のレポート、がっつり読ませて頂きました。あの時あの場所での興奮が伝わって来て、読んでいる方も幸せのお裾分けを頂いた気分です。ありがとうございました。

>「普通に弱い人」の部分が、私を一番ヒリヒリさせるんだろうな。
同感です。私もそういう人に弱いです。
神経が図太い人は一見強いけど案外土壇場で崩れる。でも繊細さを持ちながら自分の弱さと戦って来た人は、最後の土壇場で踏みとどまれる。それが私の持論です。私のミカ(笑)もそうでした。
すごくスリリングで、見ててゾクゾクするんですよね。本人はそれはもう、大変だと思いますけど。

この試合を見て、これからは世界中に彼のステップを待っているファンが出来たのではないかと思います。来期からは、世界のどこで戦っても、観衆の拍手に後押しされて華麗に舞う大ちゃんが見れるのではないかと、今からわくわくしています。
ありがとうございました。
感動です! (あつこ)
2007-04-04 00:23:50
SPは自分が千駄ヶ谷に近づいていく電車の中で緊張してドキドキしていましたが、FSでは「絶対だいじょうぶ!大ちゃんはやる!」と隣の席の方にずっと話しかけていて、自分は泣かなかったし、しっかりやり遂げてくれた大ちゃんにありがと!だったんです。…がうぐいすさんの「…9」を読ませていただいていると大ちゃんのFSがスタートから映像で流れていくんです。5回くらい読み返してしまいそのたびに涙が出てしまいます。プリントアウトしてしまいたいくらいすばらしいレポートをありがとうございました。
ありがとうございました (七色ぺんぎん)
2007-04-04 13:05:32
初めまして。長い間観覧してきましたが、感謝の意を伝えたくて投稿を決意しました。

ウグイスさんのような方々が高橋君を支えて見守っていらっしゃる事、今程嬉しいと思った事はありません^^

エリック、ラウル、クリスティーヌの姿が見え隠れしていたキャンベル。エリック目線だと気付いたカナダ杯。男の嫉妬、対決、女性への愛、あぁジャンプが2人の愛渦を表現しているのねと理解したNHK杯。ドラマチックな全体像の完成が見えた全日本…。

でも22日のリンクには、その中の誰の姿もなかったと感じました。あそこにいたのは高橋大輔ただ1人。自己と対峙し、ぶつかり、葛藤しながら滑ったスケーターがいただけでした。

それはランビエールがあの日魅せた、外側へ向かう内面の表現とは異なるものです。強い瞳で自己以外もしっかり見据えたランビエールの姿にはオーラが見えました。

でも、異なる2人の表現の根底にあるものは『フィギュアへの愛』であったと思います。それだけに向かってあの日の高橋君は滑っていたと思います。

今の彼の全てが、フィギュア人生が表れていた『高橋大輔のオペラ』を見る事ができた事、応援し彼の背中を押せた事、感謝の気持ちで一杯です。

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