私は「エール」のオープニング映像が大好きで、窪田君の「Happy birthday!」カードをNHKに送った際、ドラマ感想と併せこんなことを綴ってしまいました。
「オープニングの二人で海辺を走っていく映像が素晴らし過ぎて、毎日見てるのに毎日泣いてます(笑)
きっと私が死ぬ時に、あの映像が脳裏に浮かぶのだと思います」。
映像を撮影された方の苦労話などもブログで読んでいたので、熱く語ってしまいましたが、あの至福感と疾走感が好きなんです。
若くて力がみなぎっている時に、大好きな人と手をつないで、晴れ渡った青空のもと、輝く海辺を走っていく。
これ以上の幸せがあるだろうか(いやない)。
。。。と常々思っていたら、まさかのそのシーンに最終回でクルリと戻るという(!)
裕一さんに支えられて(ベッドから出る時、裕一さんが音ちゃんの足を大事そうに支えて床に降ろすのも好き)、一歩また一歩、海を見に行くのかと思ったら、足元が白くなって。。。あれ?粉?
と思ったら、暗い木の床は美しい砂浜に変わり、年老いた足元は軽やかに駆け出す。
ここで二人が海へ駆け出し、耳馴染んだGreeeenの主題歌イントロが。
。。。って!
いやもう!
アカンて
号泣するわたくし。
これはきっと音ちゃんの「死への旅立ち」なのでしょうけど、間髪入れず流れる「♪泣いて 笑って ひびく命♪」の歌声で、「新しい命がどこかでまた産まれる。終わりは始まり」という「輪廻」すら感じるのです。
音ちゃんが産んだ命は、また新しい命につないでくれる。
裕一さんが産んだ曲たちも同じ。あの若い音大生たちに、音楽は受け継がれる。
人は老いて病んで必ず死んでいくけれど、精一杯生きて楽しんで、次にバトンを渡せば大丈夫。
だから悲しまないでいいんだよ。そんな「エール」が、鳴り響いているかのようでした。
出会った頃の若い姿に戻って、無邪気に駆け回る二人に、涙が止まりません。
(「まんぷく」のタラッタッタ♪ごっこが秀逸)
監督の演出はノープランで、二人の自然な演技にまかせた、とのことですが、同じ「若い二人」の姿をしていても、豊橋初デートの頃の二人とは違うのですよね。
長い年月を伴走し老いた二人が到達した、「本当の旅の終わり」。
二人が互いの存在に感謝し、出会いに感謝し、ともに過ごした年月の幸せを噛みしめる気持ちが、もうなんとも言えませんでした。バックが海のキラキラなのもいい。
役柄上だけでなく、コロナ禍での撮影の苦労をわかちあった「同志」感が伝わってきました。
これは天国の二人なのか、音ちゃんが亡くなる直前に見た夢なのか。
「見る人がいろんな感情を乗せて共鳴出来るように」無駄な説明は省いた演出だそうですが、「抽象画」ということね。
悲しい最期でなく、無邪気で破天荒に結ばれた二人らしい絵でした。
最後は二人が去った浜辺にオルガンだけが残り、
「人はいつか死ぬけど、音楽は残る」ということを、示唆しているかのようでした。
予想していたドラマとはぜーんぜん違ってたけど、最後のこの表現の素晴らしさで、マイナスポイントの全てが帳消しになった(笑)。
「終わり良ければ全て良し」ですね。フィニッシュは大事なんだねー。
音ちゃんと裕一さんは、天国でもずっと一緒でずっと幸せ。仲間たちも一緒にいる。お父さんもお母さんもいる(安隆父さんは?地獄?)。それがわかって良かったです。
ということは、私が毎朝感動していたオープニングは、「彼岸」だったのか(!?)
だから涙が出たのね(きっと)★