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上砂理佳のうぐいす日記

阪神百貨店の女流版画家5人展無事終了。多くの方にご高覧いただきました。ありがとうございました★

バトン★

2014-02-16 | ソチ五輪
スピードスケート男子5000mだったか解説の人が、「実績のある第一人者を若手が順位で上回っていくのは、その国の世代交代が上手く進んでいるということ」と語っていて、なるほどとうなずいてしまいました。
オランダがスピスケでメダル独占ですが、若手選手の育成に成功しているという証なのでしょう。
清水宏保氏が「加藤・長島は長年本当に良く頑張った。彼らを脅かすような若い選手や、才能のありそうな子はジュニアまで見渡してもいない。日本のスピードスケートは若手を育てていないので、男子は2人が引退したら衰退する一方だろう」と朝日のコラムで語っていて、 なんとも寂しい話ですが、今からでも巻き返しを図って欲しいものです。

日本男子フィギュアは上手くバトンリレーが出来て、本田君も大ちゃんも羽生君の五輪優勝を喜んでいることでしょう。
二人ともトップ選手として「俺が取りたかった」という気持ちは当然あるでしょうが、自分が切り開いてきた道を同国の後輩が引き継いでくれたら、積年の苦労も報われる。そんな気持ちもきっとあると思います。
本田君が先鞭をつけて、大ちゃんが受け継いで織田君、小塚君と続き、町田君、無良君、村上大介君と続き、羽生君が急激に伸びてきた。次には刑事君、昌麿君。上手くバトンは渡っていきそう。
フィギュア男子のテレビ放映や雑誌類が皆無だった時代から、今はDVDやCD、応援グッズまで販売され、会場はどんな大箱でも満杯になる。そんな時代が来るなんて、ヒトカケラも想像出来ませんでした(;^_^A
でも、素晴らしい時代を堪能出来て本当に楽しかった!
今の採点法にストレスを感じるので、もう私は熱心にフィギュアを見なくなるかもしれませんが、日本男子がここまで花盛りになる状況に出会えて、フィギュアファンとして本当に嬉しかったです。

なお、スケート連盟が、羽生君を金メダル候補筆頭として盛り立てていたことで、先駆者の大ちゃんが犠牲になった…と多くのファン仲間と同じく私も快くは思っていませんが、いつの時代でもどの競技でもどこの国でも、仕方ないことだとも思う。五輪王者ウルマノフですら、怪我で低迷が続いたら、後輩のクーリックやヤグ、プルに連盟もコーチも期待をシフトしていってたし(ミーシンもひどいよ)。
それに大ちゃんもある意味、言い方は悪いけど先輩の本田君やヤマト君を踏みつけて上に上がったのだから。
「俺を踏み越えて上に行け」「自分なんか目標にせず、世界のトップを見据えて欲しい」と、大ちゃんも以前言ってましたしね。
本田君の現役の最後が非常に悲しく、「連盟はひどい」と当時の私は思ってました。
あんな扱いだけは受けて欲しくなかったので、大ちゃんはまだ幸せだと思う。もちろんそれも、自分が築いてきた実績によるものだけど。

羽生君は4回転含めジャンプを自分の武器として磨きまくってきて、体が柔らかい部分でもジャッジアピールが上手い。
ここ一年位は試合巧者になって、「頭は冷静に。でも心は熱く」を体現出来ていると思う。それがパトリックを脅かす原動力になったのではないかな。
プログラム全体の大きな流れ・魅力とスケートレベルの高さで判定するというより、各エレメンツの加点積み重ねで稼ぐ…のが今のフィギュアの採点傾向。戦略をたててそれを実行出来る、というのは、アスリートとして真に強いのだと思う。
今後、デニス・テンやハンヤン、ブラウン、ファリス辺りがライバルになってきそうですが、私は日本の同世代の刑事君・龍樹君に、羽生君と競うレベルまで上がって欲しい。
そして、お兄さん格の小塚君、無良君、村上君にも、世界の頂上を目指して頑張って頂きたい★
コメント (4)
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フィギュア男子が終わりました★

2014-02-16 | ソチ五輪
ソチ五輪男子を終えて…友達が二人泊まりに来てたので、なんとか乗り越えられました。一人だととても見る勇気ないよ(;^_^A

大ちゃんの顔が、16歳の世界ジュニアの頃と同じに見えたのは何故だろう。後で世界ジュニアのビデオ見返してみたら、本当に一緒だった!
ソナチネもビートルズも、大ちゃんの「無垢な表現者としての魂」が滲み出ていて、清らかで一切の濁りがなかった。だからそう感じたのかな。
多分もう、あの足の状態からすれば、「最後のオリンピックを“滑り切る!”」ことだけを考えていて、メダルを取るにはあと何点…というのは無意味だったのでしょう。
“滑り切った”喜びと安堵が、フリー後半と演技後インタビューの穏やかな笑顔に現れていて、なんとも幸せでまた泣けてくるのでした。
ビートルズ冒頭の、はるか彼方を見上げた瞳が、美しくて美しくて。今までのスケート人生を回想してるかのよう。
世界タイトルをとった時や五輪メダルをとった時も、勝って勝って勝ち続けていた時も、あのような顔はしていなかった。穏やかな、感謝の表情。
もう大ちゃんは苦しまなくていい。
解放されて、羽ばたいて欲しい。
ショートのソナチネが「人生の厳しさ」を象徴していて、フリーのビートルズは、自分に関わってくれた人達との日々と、心の交流。愛と喜び。
プログラムは2つとも、「大ちゃんそのもの」でした。
最後のオリンピックで、大ちゃんの美しいスケートからあふれるものを受け取ることが出来て、私も本当にホッとしました。
殺伐とした演技で終わったら悲しかったから。幸せに終わることが出来て、大ちゃんありがとう。

日本男子初の金メダルでしたが、自分が年をとったせいか(?)、ジュベール、アボット、ベルナー…引退する選手の懸命な好演技の方に、ずっと感動して泣きました。年長の選手達はやっぱり「点数稼ぎ」だけじゃない、「フィギュアで表現したいもの」を「核」として持っているから。長年かけて熟成した核というか。だから泣けてくるんだと思う。
パトリック・チャンはあれだけ無敵状態だったのに、羽生君がかけるプレッシャーに、精神が「揺れた」感じ。しっかりせんかい!と呆れながらも「パトリックも人の子」と微笑ましくなってしまった。

羽生選手のエレメンツの精度は確かに素晴らしい。昔のプルシェンコより高い。そしてやっぱり若いからパワーが増してきた!
けれど、演技構成点があれほど高いのはおかしいよ。パトリックや大ちゃんとほとんど変わらず、アボットやベルナーよりはるかに高いって有り得ないでしょ!!
ショートのアドバンテージとパトリックのミス多発で、優勝は納得するけれど、私は彼の滑るプログラムには何も感動が無い。
音楽を表現しよう!ではなく「勝ってやる!」しかないから、感動のしようがない。
これはプルシェンコやボイタノの滑りに感じた感情と一緒やわね。

とはいえスポーツなので、ジャッジが点を沢山与えた人が勝ち。
もどかしいな。大ちゃんの一番良い部分=スケーティングと音楽表現の巧みさが、今のジャッジの傾向では点数に大きく反映されないのだから。
もうこのステージを卒業して、大ちゃんには怪我を癒して、次のステージで輝いて欲しい。これ以上消耗しないで欲しい。
2月14日、ファンの多くはそう思ったんじゃないかな★
コメント (3)
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