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上砂理佳のうぐいす日記

阪神百貨店の女流版画家5人展無事終了。多くの方にご高覧いただきました。ありがとうございました★

大阪初回★

2019-03-09 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
ということで(?)「風の又三郎」大阪版・初回公演。
森ノ宮ピロティはコクーンの倍?はありそうな広いホールで、29回公演こなしてからの演者の疲労とか、ちょっと不安もありました。
しかし…!
杞憂に終わりました。
箱が広がった分、世界観もスケールアップ。演者ものびのび動けているようでした。
ダイナミックでとにかく圧倒されました。
東京では観客席横扉からハケていくところを、私のすぐ横の客席真ん中へん扉からハケるので、舞台からの移動距離が大変そう(でもみんな超俊足)。

大阪ならではのお笑いネタがアドリブで入り、お客さんも東京よりさらに沸いてたと思います。大阪人は笑いの沸点低いから(笑)。
夜の男も織部さんもアクションが大きくなっていた~。
窪田くんの織部は、初めて見た時より「狂った青年」感が増し増しでした。
あっちこっち感情の振れ幅がひどくて…ただの「繊細で清らか」じゃない。ちょっと怖くなった。
エリカの柚希さんも、今回双眼鏡持っていってたもんでオソロシイ表情がアリアリと見えました。あんな白目むいていたんだな…。
でも前は、あらすじを追うのに必死だったから、正直主演二人の恋愛まで意識が回らなかったのですが、今回はくっきりはっきり、織部とエリカの絡み合いが浮かび上がりました。
よ~く考えたらあの行為はかなり性的だよね織部…(^_^;)

二人並んで隠れてるのがバレて逃げるとこ、織部が椅子倒しちゃったり、立てた棺桶の蓋が開きかけてアワワワワだったり(笑)、ナマならではの臨場感ハプニング。
風間杜夫センセイは関西弁も、すっちー物語ネタも駆使して、お客さん沸かせてました(笑)。
カーテンコール四回?だったかな?
私はなんと東京とほぼ同じ方向・距離の座席位置で笑えてしまったのですが、観客数が多い分スタオベの迫力も倍増な感触。舞台にあたるライトが綺麗でした。全てが素晴らしかった。
ロビーにはファンから送られたスタンド花がいっぱいで、フィギュアスケートと同じ(笑)。
これは柚希礼音さんに。宝塚ファンも多く来られてたようでした★
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神楽坂~東京駅をあなどっていたっ★

2019-03-04 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
東京ブラブラ歩き~の続きです。

今回、神楽坂のアユミギャラリーに絶対行こう!と決めていました。
もう10数年前に行ったきり。
大阪で私と一緒に「銅版画二人展」をやった友人が、アユミギャラリーで個展を開いていたこともあり、前に訪れてから随分と月日が流れてしまいましたが、健在でした。



登録有形文化財になっているのですね。レトロな町屋になっていて、とても雰囲気の良い落ち着くギャラリー。
中の灯り(あかり)が、蛍光灯でなく白熱灯なので、ちょっと暗い。版画の細かい画面を見るには難しいものがあったのですが、木版画の人を見た時はちょうど良かったので、内容(絵の)次第かな~。
でも今はLEDになってるのかな?
そういうところも観たかったのですが、しかし今日は残念ながら展覧会をやっていなかった!入れない。。。

おかしいな。。。スマホで調べなおしたら、同じ敷地内のお隣のビル地下に新しく出来た「CAVE」というギャラリーで、次の展示準備中でした。
「オーナーに話して開けてもらいましょうか」と言って頂きましたが、時間も無いしで失礼することに。
また次は絶対来よう。



赤城神社。途中で遭遇しました。いいお天気。



大人しくすぐに「神楽坂」駅から地下鉄に乗れば良かったのですが、せっかくここまで来たので飯田橋まで神楽坂通りを歩いていくことにしました(これが運のつき)。
以前来た時より圧倒的に人が多く、Google先生の道案内よりはるかに時間がかかる~。


趣ある和菓子屋さん。ここは友達に教えてもらったとこだけど、時間が。



コボちゃん像。最初わからなかった(笑)。帽子をかぶっているからか?夏は衣装も変わるのかな。
この日は土曜午後だからか、ほんとに人が多かった。でも色んなスポットがあって楽しい神楽坂。

さてもう10分は歩きました。飯田橋に着くはずなのに。。。
歩けども歩けども着かない!
またスマホを覗き込むも、道と方向は合ってるよね。。。
方向が間違ってたら完璧にアウトなんすけど。
帰りの新幹線まで余裕だったはずが、どんどん時間がなくなってきた!

坂が終わって大きな道路に。飯田橋がやっと見えてきた?
ところがここでもJRと東西線と地下鉄○○線と。。。何パターンとあるわけですね。飯田橋って。
予習していた最速経路は、「東西線で飯田橋→大手町 そこから徒歩数分で東京駅到着」。
ところが「JR」の看板を見た途端、「JRもあるんならそれに乗った方がダイレクトに東京駅に行けるんちゃう?」と魔が差すのです。
しかししかし、飯田橋って山手線ではない…総武線。乗り換えて何分…また頭がグルグルまわる。
いかん。
ここは大人しくGoogle先生のオススメに従い、東西線パターンで行こう。
JRの方向に行きかけて逆戻り(こういうことをするから時間を食う)
東西線のホームに着いたら、電車は今行ったところ!
次まで5分…ギリギリか。ひょっとして間に合わない?
大手町で迷ったら、絶対間に合わない。
車内で「大手町から東京駅新幹線乗車口までの最速(徒歩)コース」を再度おさらいします。
大手町!到着!
ダッシュで進んでいるつもりでも、全然足が動いてません。遅いのなんの。
でも転んだらアウトなので、慎重にならざるを得ないの。それがアラ還さ(啖呵を切る)。

さて心配しなくとも、大手町からは「東京駅方向」の看板に従えば、迷うことなく八重洲口に行けました。
でもその道中は、思ったよりも時間がかかり、発車時刻まであと2分。。。
もう何も雑念を入れることなく、全神経を集中して東海道新幹線19番ホームへ。
(私にしては)信じられないハヤワザで、改札を通り抜けるのでした。
着いたっ。
間に合ったっ。
私はやった!やり遂げたのよ(^^;)
安堵でへたりこんだら、20秒後に新幹線は発車オーライ。。。

今回私はそうとうボケていたのか、行きの新幹線も乗り遅れそうになったのです。
新大阪で乗る列車の、30分以上も前に改札前に着き、買うものもないし本屋さんでつい立ち読み。
(新大阪駅構内には大きな本屋さんがあります)
これがいけなかった!
あ、池井戸潤だ~。そういや「ラジエーションハウス」に窪田君の帯はついてるだろうか…とか、ついつい夢中になってハタと時計を見たら。
出発の7時53分じゃないですか!

え?え?え?(目をこする)
乗り遅れた?(心臓バクバク)
あんだけ前から予約しといて。30分も前に来ておいて。乗り遅れるか私?

いやいや。この腕時計は少しすすめてあるの(こういう時のために)。
スマホで正確な時刻を確認してる時間が勿体ない。先に進もう。とにかく改札へ。
駅の時計を正視するのが怖いので見ないように…でも電光掲示板にはまだ私の乗る新幹線が「ある」!

改札もスムースに(イコカにチャージしといて良かった)。
運よく目の前のエレベーターに、今まさに人が乗ろうとしている!乗せて!
エレベーターはホームで止まり、飛び込んだらそこが私の乗る車両。助かった。。。すぐ発車。。。
その後、京都までずっと心臓がバクバクしてました(笑)。

こうして、行きも帰りも「座席到着20秒後に発車」というギリギリの恐怖体験を「やっちまった」私ですが、パック旅行のチケットは乗り遅れたら振替出来ないのですよね。
若い頃より、圧倒的に足の動きも遅くなり判断力も鈍ってるよ。鍛え直さないと。
そして大阪はともかく、東京の電車乗り換えの難易度の高さよ。
決してあなどってはいけない。。。身に沁みたー★
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シアターコクーンの二階から★

2019-02-23 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
観てきました。最後は泣いてしまいました!

織部は「いたいけなこども」で、「ときどきオス」(笑)。
青年の身なりはしてるけど、年齢も性別もわからないような不思議な生き物でした。
というか、この世に存在していない幻のようでした。

周りが腐った魑魅魍魎ばかりなんで、ピュアな織部が浮いてるという(これって「ヒトヤノトゲ」と同じ構図)。
ほんと、皆さんキャラの毒がすごいので、精神病院から抜け出てきた織部が一番マトモに見えた(笑)。
窪田くんは当たり役やと思いました。
このピュア感はそうそう誰でも出せるものではないでしょう。

エリカの柚希さんは歌も踊りもさすがに素晴らしく、とってもタカラヅカでした。赤いシュミーズ姿が印象的。
あんまり猥雑感はなかったけど、エリカがドンと存在感を見せつけるので、フワフワした織部と良いバランスでした。
やっぱりアレ、歌と踊りがふんだんにあるのはファンサービスだろうか?

初演が「根津甚八×李麗仙」コンビだったそうで、そちらも見てみたかったですね。
この平成バージョンは、あまり「アングラアングラ」してない感じだったので、アングラ嫌いな方も楽しめると思います。やっぱりワケワカランけど。。。(^_^;)
ってか「テント」という空間だとまた違うんでしょうかね?
コクーンは小さめの箱で見易かった。二階ほぼ最後列だった私でも存分に楽しめました。ヨーロッパのオペラ座?みたいに、サイドが桟敷席的になってるんですね。
あそこ、落ち着いていいわあ(笑)。
その桟敷席にかなりの人たちが立見で観覧してました。
私も20代ならそうしたな~。

いろんなモチーフが散りばめてあって、しょっぱなから最後まで驚かされ飽きることがない。
あれは何を意味してるのかな?と推測・妄想しながら楽しんで、「これどういう意味?」と「答え」を探さないこと…答え合わせに躍起になる人は楽しめないかも。
あと、主演の二人以外の人たちも相当出番が多く「キャラ立ってます」。
自分のお気に入りキャラを見いだして楽しもう。
北村有起哉さんの役好きやな~。三びきのオッサンたちも。
あの「頭振る人」は、やっぱお笑い芸人のアノ人のパロディか?

個人的には三幕の冒頭が絵的に好きです。
ダリとかポール・デルボーの絵を連想しました。
あのモチーフは、織部の「内耳」の象徴なのかな~。

ちょこちょこ毎日改編していってるようなので、大阪バージョンはどうなるのか、またまた楽しみです。
やっぱりね。
初演が1974年なんで、学生運動とか三島由紀夫とか、昭和の激動期に作られたものだなあ~という色合いは濃いですね。
「あの時代」だからこその表現もいっぱいあるし、私はかろうじて解る世代だけど、今の若者にはどう映るのかなあ。
(ネタバレ無しで感想書くのって難しい)★
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達人たち★

2019-02-16 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
また新しい版を彫り中です。
右腕が痛いっす。

Switch~達人たちのインタビュー~で、美内すずえ×三上博史。
面白くって最後まで見てしまいました。
三上博史が美内さんのマンガこんなに読んでたなんて、驚き。完全にオタクじゃないですか。
「ガラスの仮面」の中で彼がやってみたい役も、意外なキャラでした。私は月影先生かと。。。
演技が上手い人だとは思っていたけれど、デビューが15歳で寺山修司の映画だったとは!

思い出の映画として「わたしをスキーに連れてって」の話をしてましたが、そんなんありましたねえ。あの頃はイケメンかつトレンディ俳優さんでしたね。
私はなんつっても「スワロウテイル」。
それまで邦画って大嫌いだったのに、初めて「日本でもこんなにすごい作品が作れるんだ!」って思えましたから。

しかし、美内さんのオーラ(=大魔神感)もすごい。
魔神が二人でノリノリで(笑)、中身の詰まった対談でした★
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久々に窪田くん話★

2019-02-15 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
一週間後に東京のシアターコクーンへ行きます。
そしてその二週間後には、大阪の森ノ宮ピロティホールへ

窪田正孝くん主演のく舞台「風の又三郎」を観るために!
そうなんです、保険として両方申し込んだら東京も大阪もチケット当たったので、両方行くんです(笑)。

「風の又三郎」といえば「どっどどどっどど」の宮沢賢治ですが、唐十郎バージョンです。
昔々の紅テント時代はどんな感じだったのでしょうね!?
元宝塚トップスターの柚希礼音さんとW主演、演出は故・蜷川幸雄さんの後継者とも言われる新宿梁山泊の金守珍さん。

窪田くんは、六年前に蜷川幸雄さんの「唐版・滝の白糸」に出ていて、私は後に知ったからWOWOWで断片的にしか舞台を見ていないのですが、今回は万全態勢で「ナマ」に臨むことが出来て嬉しい(笑)。
アングラ劇は久々なので、私、三時間も大丈夫だろうか…でも、正直、ストレートプレイ的なやつより肌に合ってると思うの。
わけわからんけど面白い!方が、わけわかるけどつまんない!ものより好きなの(笑)。

東京公演は完売で当日立ち見券が出てるようですが、大阪はまだ若干(平日とか)席あるみたいです。 
窪田くんは、“又三郎”役ではなく、“又三郎”を探して精神病院から抜け出してきた繊細な少年・織部を演じます。
彼はとてもか細くて陰りのあるイメージでしょう。
でも、実際はとてもガタイが良くて(笑)、やんちゃな子ども的な部分もある。どんな織部になってるのか楽しみ~。
それに、美術が宇野亜喜良さんなんですよ。そこもワクワクだわ。

4月からの月9ドラマ「ラジエーションハウス」も今日発表されたし、あとは来年度のカレンダー早く発売してください~!★
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2001年宇宙の旅(宣伝)★

2018-10-25 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
今から50年前?に、世界に衝撃を与えたキューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」が2週間限定公開とか。
なんとIMAX!
万博エキスポシティ109シネマのIMAXでも上映あった!嬉しい。
ぜひぜひご覧ください~って、どこかの回し者みたいですが、ホントに凄いんだから。全人類に見て欲しいです(笑)。
私は最近になってテレビで見ただけですが、大人になって見て良かったと思います。50年前だったら当然意味わからんかったでしょうね。
でも、あの時代のSFの描写が、レトロモダンで今見ても美しいんです。そしてちょっとホラーめいてるところも魅力的。

この間、キューブリックの「シャイニング」を実に40年ぶりぐらいに見たんですが、こんなに名作だったんだ~って感心しちゃいました。
確かに時代的に古いんだけど、研ぎ澄まされた美意識は少しも色褪せず、圧巻です。
2001年~も、これを越えるSF映画って、今に至るまでに無いんじゃないかな。あれから幾多の宇宙モノは作られましたが、最近はとにかくCGに頼り過ぎ。
芸術的で哲学的で、ハマる人にはハマる。眠い人には眠い(笑)。
とにかくDVDで見る前にぜひ一度映画館で★
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東山魁夷展★

2018-10-22 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


これはなんでょう?



平安神宮の大鳥居でしたっ。 



ということで、京都近代美術館で開催されていた東山魁夷展に行ってきました。
もう二十年以上前に、まだ万博エキスポランドにあった国立国際美術館で、大きな回顧展を見て以来のことです。
あの時、東山ワールドの素晴らしさに圧倒されましたが、なんといっても当時の国際美術館は広く大きく、絵を架けると、どこまでも山や湖や森や大地の広がりを感じとることが出来ました。
自然風景の中に宇宙を見いだす東山魁夷の絵には、うってつけの「箱」だったわけです。

その体験からすると、今回の近代美術館は狭さを感じました。東山魁夷は、押すな押すなの行列で見るもんじゃない!
だだっ広い空間で絵を一人占め…がベストですが仕方のないことですね。それでも名作から晩年の作品まで、存分に楽しめました。
私思うけど、こういう長期間展覧会って、「この日とこの日は、車椅子・杖の方だけが入れます」って「専用日」もうけたらどうかな。車椅子で見に来てはる方はとても見にくそうでした。

東山魁夷が素晴らしいのって、とにかくテンションが変わらないんですよね。
いや、内面的にはアップダウンが何度もあったことでしょうけど、若い時も壮年の時も最晩年も、画面クオリティが全然変わらない!
テーマへの真摯なアプローチ、完成へ導くまでの異常ともいえる根気、とにかく一枚絵を仕上げるだけでものすごい集中力が要りますから、精神力と体力の両方が備わってないと、あそこまでの作品群は描けないでしょう。
山に連なる樹木を一本一本たゆみなく描いていく。気持ちが緩んでくると、絵もダレてきますから、画面が台無しになってしまう。そうなるともう失敗作であきらめるしかない。まさしくマラソンレースです。
山から見た風景を描くために、実際に登山の訓練も積んだということですが、本当に、「頂上まで登った人間にしか目に出来ない」壮大な自然描写が、えんえんと続きます。
自然を単にリアルに写生するのではなく、「私はこう感じた」というピュアな感覚が、絵から伝わってくるから素晴らしいのですよね。
上手い画家は沢山居ても、東山さんは何かが違うのです。
「地に足が着いたメルヘン」なんです。荒唐無稽じゃない!

白い馬が登場する幻想的なシリーズ、唐招提寺襖絵の大作、ヨーロッパ旅行の町並みの絵、どれを見ても「こんなに美しいものがあっていいのかな~」とため息が出る。
静謐の中に、生命の息づかいが聞こえるというか、しんと冷えた空気や、滝の音まで聞こえてきそう。
いつまでもいつまでも浸りたい原画群でした。
私もあんな絵を描きたい。
とにかく「美しい絵」を★
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シュレッダー絵画★

2018-10-13 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
サザビーズでオークションにかけられた絵画が、落札決定!の瞬間、ズリズリ~っと額縁から降りていってシュレッダー裁断されてしまう。
バンクシーさんというアーティスト本人の仕業だというニュース、絵を描いてる者としては、面白かったです。
私は「バンクシー」知らなかったですが、生年性別不詳とのこと。多分、若い男性なんじゃないかな?女性はこういうことしないような気がする(個人の感覚です)。

シュレッダー仕掛けは遠隔操作としても、あのオークション会場に本人が居ないと、さすがにあのタイミングでスイッチON出来ないのでは。それか仲間が会場に居てたとか。サザビーズは誰でも参加出来るそうなので、充分やれそうですよね。
オークション運営者側が、既に知ってたんじゃないの?という説にも、一票!
普通あんなことが起きたら、もっと大騒ぎになると思うんですが、映像見る限りでは、落ち着いてる人が多い。なんかそこも腑に落ちないわ。

あれって、一億ナンボで落札した人が「裁断されててもいい。歴史的事件まるごと買ったのだから」とOK出してくれたからいいようなものの、激怒クレームがついたらどうなるんでしょうね。「落札前の状態と違うから詐欺だ!」と言われたら。あ、まだ代金振込前だからキャンセル出来るのかな。
でももし、美しい風景画や肖像画の大作で「家か会社に飾ろう」と純粋に思ってたなら、嫌~な気分になるなあ。 
こういうことが可能になったら、今後、落札決定瞬間に作品がプチ爆発!とか、絵具を溶かす薬が画面に溢れてきて台無し、とか。後発バリエーションも出てくるような気がします(サザビーズって、空港みたいに事前の危険物チェックって無いんだろうか)。
アートって、「人を驚かせてナンボ」「瞬間芸」面もありますから、作者は思惑通りになってニンマリしてるかな。ニュースにもなったし。まあネガティブに捉えたら「悪目立ち」とも言えましょう。
だって「芸術が高額で落札されることを批判」する精神がホントにあるなら、原画もプリントも一切売らせないようにするはずだけど、「いつかサザビーズに出た時のために」仕込んだなら、高額落札されるシチュエーションを期待してた、ってことですよね。
高額でないと話題にもならないし、落札客がいないと事件も発生しない。
作者は相当な自信もあってこのゲームを仕組み、目立ちたかったんだなあ、と(笑)。

ちなみに落札額の「一億ナンボ」は、通常、作者には一銭も入りません。
バンクシーさんが最初に作品を売った人が今回のオークションに持ち込んだそうなので、その人が「転売ヤー」となって儲けただけ。
アート作品は、転売、転売、転売、でもし値段が高騰していっても、作者に利鞘が入るわけでもなく、その辺は古本や古着と一緒です。
作者が得た利益は「世の中を驚かせた!」それのみですが、自身のブランド価値を益々上げることに成功してますよね。
昔っから、せっかく作った傑作を自ら壊しちゃう「創造と破壊パフォーマンス」は存在しますが、シチュエーションと遠隔操作ってところが目新しい。
でも、もしかして、サザビーズと作者、結託してるかな~(チラと思う)★
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率直な感想★

2018-02-02 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
…ということで観劇終わり。
同行の友人も私も高校時代から「ポーの一族」漫画愛好者なので、「4巻のあのシーン」とか、「1巻のあそこね」とか、場面場面のつなぎ方はまあわかるんですが、ちょっとエピソードの詰め込み過ぎなのと、時系列が難しく、漫画読んだことのない方には、「???」じゃないかなあというのが、私の率直な感想。
ユーシスまで出てくるとは…(ちゃんとヘアスタイルも一緒)再現率はめちゃめちゃ高く、アランとエドガーが通った学校の制服とか、懐かしくて感涙ものでした。

しかしなんといっても、エドガー役の主演、明日海りおさんが超美しく
もう、ほんっとに「エドガーそのもの!」でした
漫画のまんまですもんね(笑)。髪型やメイクもばっちりだし、何より立ち姿やふるまいが、美少年エドガー!
クールで、でも苦悩する。可愛いたった一人の肉親であるメリーベルを溺愛する、優しい少年でもあるエドガー。歌も良かったです。
萩尾望都さんの描く「少年」のプロポーションが、タカラヅカにぴったりなのかもしれません。中性的て身長も高過ぎず低すぎず。足が細くお尻も小さくぺったんこ(女性であれだけ平らなお尻になれるものだろうか?)。
もし、他の舞台で男性がエドガーを演じたとしても、14歳の少年ならいざしらず、成人男子ではどうしてもガッシリした体つきになっちゃう。
だから、女性が演じることで「モー様の描く少年たち」が、とても説得力のあるものになっていました。
そこが一番良かったのと、テンポが速く飽きるヒマが無い。クラシカルな貴族の衣装もゴージャスで、見応えがありました

それはいいんですけどね…でもやっぱ「ポー」でミュージカルって難しいのかな。
あの原作の、「透明な空気感」や、「哀愁」といったものは、あまり感じられず。それは受け取る人でだいぶ個人差がありそうです。
私には、「むしろストレートプレイで見たかった」思いが強い。「ポー」のあの物悲しさって、みんなで歌うミュージカルとは、ちょっと違う。。。

♪ポーの一族~♪ポーの一族~♪
♪キング・ポー~♪キング・ポー♪
♪バンパ~ネラ~(イェイ!)♪バンパ~ネラ~(イェイ!)♪

…いやいや!それじゃないでしょ(笑)。
「ポー」にとっては「それじゃない」でも、「タカラヅカ」にとっては、「それが正解」なのです。「ザ・タカラヅカ」なんです!
なので自分を納得させてましたが、ストレートプレイなら、もっと登場人物の性格の違いや心情が、細やかに描ききれてたんじゃないかな~と。
モー様(萩尾先生)は何がいいといって、人物の描写が超絶上手い方なので、イケメン・クリフォード先生と地味な婚約者ジェイン、美しい誘惑者シーラとの三角関係とか、もっと描ききって欲しかったなあ。。。
それに、アランが大金持ちの息子なのに苦悩してる部分とか、エドガーとどこで共鳴しあうのか、が、ちょっと浅いというか。
バンパネラ化してからのメリーベルの神秘性も、ちょっと弱いように思いました(どうしてシーラのクレジットが2番手なんだろう?)。

「ポーの一族」って、「バンパネラ(吸血鬼)みたいな悪魔になってしまって、生きる意味があるのか?」と苦悩するエドガーの「魂の彷徨」が太い芯で、そこに様々な時代の様々な「人間」の人生がシンクロする。
死ねない自分と、いつか死ぬ人間との関わり。俗世の人間と関わることによって、エドガーの中には様々な思いが交錯します。
一族の大半は成人してからバンパネラ化するのですが、エドガーとメリーベルだけは子供のうちにバンパネラになってしまった。
なので、子供の無垢で感じやすい部分をそのまま引きずっている。ゆえに苦悩も大きい。
そこが哀れで美しく、読んでて一番感動する部分なのですが、原作漫画の完璧さゆえに、宝塚でどう再構成するか、脚本家の方もかなり悩まれたような印象です。

こうなったらもう、ビジュアル的完成度は脇に置いといて、「ポー」のテーマを描ききった実写版を見たくなってきますね。舞台は日本で青年主人公でもいいよ(笑)。
エドガーの美しき苦悩さえ描かれていたらいいのよ…それともちろん、メリーベルへの愛、アランへの愛、ですね。
愛する人がいるからこそ、悪魔のような身になっても、「自分は存在している」と実感できる。これは最新コミックスの「春の夢」のクライマックスで、明確に描かれていました。
タカラヅカ版も、もしかしたら何度も何度も劇場に足を運んだら、私にもそれが見えてくるのかもしれないですね。でも、これはこれで充分面白かったです。
とりあえず第三巻「小鳥の巣」に絞って、1本続編やって欲しい。このキャストで!★
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アンナチュラル第一話★

2018-01-19 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ

 「ランブルベリー」 水彩画 160×110mm

カナダ選手権に欧州選手権…来週は四大陸と、フィギュアファンにとっては怒涛の忙しさ。もうオリンピックでは倒れてるかもしれません(!)広島の個展と五輪がちょうど重なるのですが、2/18にサイン会で広島に行く時は、多分男子シングルは結果がわかってるんですよね?
どういう心境で行くんだろうか(笑)。大ちゃん出てないからいいようなものの、それでもドキハラですよね。
 
↑「ランブルベリー」は、昨年の秋頃に描いたのでちょっと時期的にズレてますが、広島展に出品してます。鳥さんと対話する森の精ってイメージです(「ランブルベリー」は造語です)。
そして先日、また新たに「広島にちなんだ一枚」も描きおろして送りました。
前の個展でも「安芸の宮島と鹿さん」の絵を送りましたが、今回は鹿さんではないです。でも春っぽい仕上がりにしました。お楽しみに!

★★★★★
冬ドラマは先週、楽しみにしてた「アンナチュラル」第一話を見ました。
「逃げ恥の脚本家さん」という肩書きが定着した野木さんのオリジナルストーリーということで、ワクワクします。やっぱりドラマはオリジナル脚本がいい。展開がわからないから先が楽しみだもんー。
そしてプロデューサー・監督やスタッフさんがほぼ「Nのために」と同じ。これまた期待じゃないですか。「Nため」完璧なドラマでした。だから再び窪田君を起用してくれて嬉しいですね。

主人公・三澄ミコトを演じる石原さとみちゃんが可愛い。だけでなく、冒頭の女子更衣室のトークから激烈に飛ばしてます。男っぽくて女っぽい。この辺の甘辛さじ加減がなかなか絶妙です。
対して男子更衣室トークが情けない。。。男子、弱っちいよ!しっかりしてよ!と思ってたら、「無頼」の先輩医師・井浦新が男くさ~く出てきて、絶妙な人物設定バランス(私、こういう“無頼”が好きなんです)。
窪田くんは新米のアルバイト記録員・久部六郎(くべろくろう)。いや、絶妙にダサい名前だ(ごめん)。
医者志望だけどエリートにはなれず、落ちこぼれ小僧、という役どころです。でもいいね。眼鏡男子 いかにもな理系。現実にはこんなサワヤカな人、なかなか居ないけど(笑)。
解剖医という設定ってなかなか無いので、正直、医療系ドラマが苦手な私は見れるかな…と思ってましたが、説明も展開も完璧でさすが。充分ついていけました。
死因解明の「謎とき」が二転三転していって、えええ~そうなんかい!ミステリーものとしても面白い。
そして女子がときめくように、ちゃんと「バイクの後ろにヒロインを乗っけて窮地を救う」六郎もご用意されてあります。
「姫!しっかりお掴まりください!」って馬を走らせる騎士ね。ベタだけど好き。
第一話最大の「萌えどころ」でしょうか(笑)。
でも、いくらお医者でも火葬云々に権限を持てるんだろうか。法に払拭しないのかなー。
そして、「ここぞ!」でミコトを救うのは、普段は犬猿の仲の井浦新だったりする…早々に婚約者にフラれてしまった(かに見える)ミコトは、この井浦新と窪田くんとの間で揺れ動くんだろな。。。ってそう、恋愛要素も楽しみ。
一話完結だけど、ミコトの過去にも謎が?と、いろんなベールがありそう。今日は二話!★
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萩尾望都SF原画展★

2017-11-29 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ

 「スターレッド」

先月のことになりますが、展示終了ギリギリセーフ!で「萩尾望都SF原画展」に行ってきました。
「神戸ゆかりの美術館」とはポートアイランドにあるのですが、いや10数年ぶりにポーアイに(笑)。三宮や元町や西宮は行きますがここは滅多に来ない…久しぶりに来たらちょっとゴーストタウンっぽくなってて寂しい。でもおかげでゆっくり見られたかな。
私と似た年代とおぼしき女性も、若い人も、平日早い時間でしたが展覧会自体はけっこうお客さんいらしてました。


 「百億の昼と千億の夜」

いや~素晴らしかったです!
なんたって伝説の「あそび玉」の原画(コピー)から年代別に進んでいって、「モー様の歴史」がよく解ります。
「あそび玉」は、超能力を持つ人間を排除する近未来社会で、「僕はあそび玉を動かせる!」ことに気付いた少年の物語ですが、雑誌掲載後だいぶたってから、もと原稿が紛失してることが判明し、単行本収録が出来なくなった!
故に「読むことが出来ないけど素晴らしい作品」「幻の名作」として、モー様ファンの間で語り継がれていたのです。
今ここでコピー復刻といえど、なんて素晴らしい絵なのかと思います。
1コマ1コマに魂が宿っていて…この密度で何ページ、何万枚ページ…と描いていくのですから、ホントに漫画家ってすごいですね。並みの人間なら、1コマ描いただけで倒れそうです(笑)。
「6月の声」「精霊狩り」…私の大好きな「ユニコーンの夢」なんて、もう泣いてしまった(笑)。美しすぎて。
もちろん「11人いる!」も「スターレッド」「銀の三角」もありました。全体的に漫画原稿がどの時代にも偏ることなく、ファンには「あの作品が無い!残念!」ってことなく大満足の展示です。私が考えるに、萩尾さんの大ファンの人がプロデュースしているに違いない!

モー様の原稿は、意外と「ホワイト」=白で修正する部分が多くて、1枚(頁)の原稿で10か所以上はありました。
それだけ妥協を許さず粘りに粘って作成してらっしゃるのだな、とこれまた感激。
昔はデジタルがありませんから、スクリーントーンという「紋様・模様のシール」みたいなものがあって、それをペンで描いた上に貼り込むのですが、そのスクリーントーンの上にまた「ホワイト」で線や点を塗る。そうすると、星屑や、爆発する時の効果線になります。
その描写も丁寧で…ホントに1枚1枚が芸術品だとタマげました!
そして、当たり前のようですが、「漫画で見たのと同じ」生原稿でした。描いた通りに印刷されている印象です。
もっともそれはコミックスの話で、雑誌で掲載されていた当時は(特に昔は)紙の質が悪いから、ここまで美しく再現できてなかったかも。


 「マージナル」

写真のように、大きなスクリーンに拡大されたカラーの絵とか、撮影用スタンディングなどがあり、最近は「マンガ」を「アート」として展示する技術も、すっかり確立されているように見えます。
そして、ハヤカワSF文庫の表紙イラストとか、私が見たこともない絵も沢山ありました。
こうして30年以上(40年?)に及ぶモー様の仕事の跡をたどると、初期と現在では絵柄はもちろん違っているのですが、「基本的に貫かれているもの」=「絵の魂」的なものは全く変わらず、熱量も変わっていない。
一人の作家さんとして「人間・萩尾望都」がドーン!というか、連綿と貫かれていることに、またまた感激するのでした。

撮影は出来ませんでしたが、「百億の昼と千億の夜」の阿修羅王の墨絵タッチの原画がありました。
これは絵本に収録されているので、私は見たことがありましたが、原画は全紙サイズほどでかい!
こんなに大きな絵も描かれるんだ~と、驚きました。漫画家さんって小さい絵しか描かないと思ってましたから。この絵のタッチが荒々しく素晴らしく、どこかのお寺に飾っておきたくなりました(笑)。
阿修羅王は、マンガでは16歳ぐらいの少女の姿で描かれていますが、原作の光瀬龍さんの描写では、少年とも少女とも、どちらにもとれるようになっているそうで。

すんごく高かったけど、図録も買ってしまいました(笑)。もうこうなるとアカン。止められないね(笑)。
来年は年始そうそう、ポーの一族も宝塚で舞台化されるし、ますますモー様熱は高まってしまう私でした★
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「僕やり」最終回を見て。。。★

2017-10-10 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
前半まで面白かったドラマが、後半急に失速してガッカリ…ということが多いのですが(某「アルジャーノン…」とか。はああ)、「僕たちがやりました」は、腰くだけが無く、最後まで走り抜けてゴール。最終回がもっとも印象深いものとなりました。
だいぶ時間経ってしまったけど、感想を記しておきます~。

ハッピーエンドでないのに「面白かった」というのは不思議ですが、「バッドエンドなのに後味が悪くない」というのも不思議。
最終回からかなり時間が経っているのに、今も引きずってるなあ。テーマが凄すぎて…響く人には響くけど、響かない人には響かない?
ギャグ漫画のようなチャラケた描写で進みながらも、「人間が追い込まれた時の本性」が上手くて、おかしくも切ない佳作でした。
正直言って原作者はかなりの才能の方では…小説で言えば芥川賞とか獲るような(この場合は直木賞になるのかな。どうだ?)。
あ、でも最後まであの化学教師が持ってた映像(パイセンが爆弾をガスボンベ近くに転がしたやつ)が、どうやって撮影されたのか謎は解けなかった。。。

「僕やり」面白かった要因として、人間の「醜いところ」の描き方がリアルで、4人の若者の「絆の薄さ」の表現なんかも、いかにも「今」を感じさせます。ベタな友情物語でないところもいい。
ヤンキーとか女性の描き方はまあ…蓮子とか今宵ちゃんみたいな賢く強い女の子は、そうそういるもんじゃない(笑)。
そこは作者の女性への願望が入っているかも、ですが、それを差し引いても、メイン4人男子の描き方が上手くて「実際に居そうで居なさそうで居る」ぐらいの温度感が良かったです。

実はドラマと並行して、原作をちょこちょこ流し読みしてしまってたんですが、原作の結末では10年後、主人公トビオは「死んだように生きている」感が強かった。
社会的制裁も受けず経歴に傷もつかず、「そこそこ幸せな人生」を手に入れたのに、常にちらつく「死への願望」からは逃れられない。
ドラマでは、原作と違い少年院で何年かを過ごしたようで、多分高校も中退したのでしょうか。
バイト先でも過去の罪を暴露され退職を余儀なくされる(今はネットに全て残る…)。
「もう、“そこそこ幸せ”は遠いものになった」人生を送るトビオ。

死なせてしまった市橋の幻影に苦しめられ、「死ねたらどんなに楽か」という誘惑にもかられ、何もいいことは無いかのように見えますが、「それでも生きる」ことを決意した。
なぜなら、「自殺したら何も成長していない」ことを、トビオをは悟ったから。
苦しいことから逃げていたら楽だけど、結局それは蟻地獄に過ぎず、捕まることで地獄からの脱出を試みた。
27歳になったトビオの人生は、これからも相当厳しそうですが、私には彼が望んだ「自由」が手に入ったように見えました。
それは「罪を隠す」ドス黒い「しみ」のようなものが、多少なりとも薄らいだから。
「しみ」を薄くして幸福になるかどうかは、これからの彼の生き方次第。
その選択肢を残した、というところで、原作と変えたラストを私は気に入ってます。
それと同時に、原作の方は4人ともほぼ成長してなくて、「結局人間なんてこんなもんだよね」というところに落としてあるように思うのですが、ドラマ版は2段階ぐらい4人の誠実度を上げてあるので、「みんな頑張れよ」という気になります。特にパイセン(!)

人間、何をやっても生きていかにゃならんのね。。。
才能があったり努力して成功したり元々お金持ちだったり血筋が良かったリ、プラス要素の多い人間だけが生きてるんじゃなくて、マイナスをいっぱい抱えていても、生きなくてはならないし、生きてる価値は同じ。
パイセンが義理の弟をメッタ刺しにするところ、ビックリしました。
こんなことする勇気があったなんて…でも、私「いいぞ!もっとやれ!」って思っちゃいました。
「ゴミみたいな人間は死んだらいいんだ」なんて、誰も言う権利ないし、ましてや恵まれてる義弟になんか言われたかーねーよ!
パイセン、頑張れ!って思っちゃいました。

パイセン、学歴も職歴も無い30歳で、あるのは懲罰歴だけ。お金も無い。家庭も無い。
こんなに無い無い尽くしになったのに、「夢」だけはあるのです。
それもほぼ実現不可能そうな(?)夢。そして楽天性。
彼がトビオに放つ「時々死にたくなるのが、生きてる証拠やで」という名言は、不幸な育ち方をしたパイセンが身に着けた、いわば処世術から来るものでしょう。
「生きてるから、死ぬまで生きにゃ、しゃーないやん」。
そだね。
キャバクラ経営で荒稼ぎしても、貧乏子沢山でも、実現しそうにない夢を見ていても、とにかく「生きる」。
なんか、「成功して幸せにならないと生きてる価値が無い」ってのより、「ジタバタみっともなくても、生きてていいんだ」と思える方が、ずっといい。
そのメッセージが、とても響きました。

街で再会したかつての恋人・蓮子が、他の人との家庭を持っていて、もう一生、人生で交わることはないんだってシーン。あるなあ。
でも、別れても、人間として自分のことを大事に思ってくれてるって、なんて有難いことなんだろ。
苦い思いを噛みしめながら、人はそれでも生きるのね…。
トビオの人生に幸あれ~と、祈らずにおれない。深い余韻はずっと心に残ります★
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「ふぬけた生より、生きた死を」★

2017-09-18 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
カンテレショップで買ってしまいました。
うちわと同じバージョンと、もう一枚「そこそこ念入り?爆破計画」クリアファイルって。イラストがアホらしくて可愛い(笑)。
大仏バカンスTシャツもあったけど、かなりサイズが大きそうなんでちょっと考え中。ドラマ終わっても販売するそうな(クライシスグッズもありました)。

「僕たちがやりました」も明日で最終回だあ~。もう夏も終わり。早い。。。
第9話は、自首することを決めた4人がパイセンの全財産1億2千万円(!)を使って、派手な自首計画に着手。パイセン、全てはカネね(笑)。
警察に言ってもまたもみ消されるものね。
なんだか文化祭みたいなノリですが、文化祭で楽しい思い出が一切無いパイセンは、実は仲間とこんな時間を過ごすのが、嬉しかったのかもしれません。
考えてみれば当初の爆破計画も自首計画も、全てパイセンの主導であとの3人は従うだけなんで、パイセンって「仲間でワチャワチャ」が大好きなのね、きっと。
チラシの裏に諭吉さんを貼り付けて…えぐいー(笑)。マルがIT有能なことに驚きだ。やっぱり起業したら向いてるよ。。。

でもこの回のハイライトはなんつってもトビオと蓮子の恋模様。
市橋自殺に大きなショックを受けたトビオは、「生まれ変わって幸せになる」なんて決意もすぐに捨て去り、今度は「自由」を求めます。
社会的立場としては、今、牢に入れられることもなく「自由」なのに、罪を隠していることで「心が不自由」極まりない。なんという皮肉。
つかまって牢に入れられる方が「心が自由」なのですね。
4人とも自首の選択を肯定しましたが、それぞれの理由が微妙に違うのが面白い。

連子はトビオが「何かおかしい」ことを敏感に感じ取っています。ホントに女子はカンが鋭い(笑)。
水族館でのデートは、二人の最後のデート、水と魚のイルミネーションが幻想的で、美しければ美しいほど悲しさが増します。
はしゃぐ連子のことを、まるで遠くから見ている他人であるかのように、
「俺はこの人のことを多分、一生好きでいるだろう」
…とつぶやくトビオのセリフは、別れの予兆のごとく胸にささります。

「嫌いになったんだ」と言って別れる時は、好きなんだよね。。。
好きだけど別れなくてはならないときは、相手に自分のことを嫌いになってもらう。
未練を残さないように。未練があると、相手が苦しむから。
トビオは突然別れを告げますが、連子に対してはかなりの進化を遂げている~。
最初の頃は「俺たちそこそこ好き合ってるから、やらせてくれてもいいじゃん」だったもんなー。
ちゃんと相手を思いやることが出来るようになって、ほんと、連子に「育てられている」ように見える。。。連子、しっかりし過ぎ(笑)。
賢く強い連子は一瞬涙を見せますが、「何かおかしい」感は消えません。そうこうしていると「自首計画」の動画がLINEで回ってきます。

連子を演じている永野芽依ちゃんは来春の朝ドラのヒロインに決まったそうですが、いやさすがの演技です。
連子の心の機微が良く解るし、ただの「良い子」じゃないところが好き。
窪田君は相手役の女優さんの演技が上手いと、「本当の恋人みたい」にカチッとハマるんですよね~。
「Nのために」も、榮倉奈々ちゃんが上手いので「あ、今、心が通じ合ってるな」という瞬間とか、よ~く分かりました。
トビオと蓮子は、幼なじみから本当の恋人同士になる一歩手前って感じで、くっついたり離れたり、微妙な揺れ動きがいい。
はかなく脆く「高校生」って感じで…いいなあ若いって(笑)。

パイセンって哲学者みたいやなあ。案外、本ばっか読んでるのかな。
「ふぬけた“生”より、生きた“死”を」って。
名言やん。
私、作者は自分の言いたいことをパイセンに言わせてて、主人公のトビオは「道化」だと思うな。
みんながトビオの愚かさをアハハと笑うけど、笑われているのは実は自分。。。の姿(でもある)。

自首することで「社会的には死んだ」ことになるから、「どうせ死ぬなら意義のある死を」ということでしょうか。
または、「死こそ“生きた証し”」ということでしょうか。
答えは、市橋が示してくれました。
市橋の死はトビオを大きく動かしましたから、彼の死は無駄ではなかったということ。
市橋こそが「ふぬけた生より、生きた死」を、実行したことになるでしょう。

今まで「死んだように生きていた」4人が、はからずも罪を背負ったことで、「なんのために生きるのか」考えざるを得なくなった。
そして「死」に向かっているのに、生き生きと輝くかのような4人。
最終回でどんな答えに辿り着くのか、肩すかしがありませんように。。。
しかし、伊佐美の命名センスどうよ。
今宵ちゃんのお腹の子供に「明日男」=トゥモロオって(笑)★
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「アメイジング・ジャーニー~神の小屋より~」★

2017-09-14 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ


せっかくテアトルグループ映画館の会員になったので、これからはもっとテアトル系の作品を観よう!と決意しまして。
年会費1000円を払って会員になると「いつでも1300円」「火曜・金曜は1000円」の特典が使え、入会時に「1000円で見られるチケット」がもらえます。
(以前は「1回無料鑑賞券」がもらえたようですが、今はそのサービスは終了したもよう)

シネコンばかりになって、見やすいのは確かですが、「珠玉の映画」「芸術性の高い映画」「低予算だけど頑張ってる映画」「マイナー国の映画」は単館系じゃないと見られない!
特にヨーロッパの映画なんて絶対シネコンではやってくれませんから…昔はコッポラとかヴィスコンティの映画を当たり前のように大箱でやっていたのに、何故こうなった!?

さてこれは欧州ではなくハリウッド映画ですが、予告編を見て気に入りシネ・リーブルで観てきました。それに、石田純一氏のお嬢さん、すみれちゃんが出ている!
ハリウッド映画デビュー作だそうで、既にドラマは出ておられるそうです(「アナザースカイ」で言っていた)。
演技の勉強してるのは知ってたけど、やっぱりNative Englishはいいなあ。すみれちゃんは日本語セリフの方が難しいそうで、だから活躍の場を海外に移したのですね。

主人公のマックは敬虔なクリスチャン。少年の頃、家庭に悩みを抱えていました。
アル中の父が毎日、優しい母を殴る蹴る。それを見て耐えられず教会で告白してしまいます。
そのことを父にとがめられ、彼もまた激しく殴られる。
父への憎しみが募る日々で、ある日ある行動に出るのですが…というシーンから始まります。

大人になり結婚して家庭を持ち、三人の子供にも恵まれ幸せいっぱい。良き友人もいます。
ある日、一家で楽しいキャンプに出掛けますが、末っ子の幼い娘が行方不明に。
捜索の末、ある山小屋で娘の服と床に染みた血の跡が見つかります。ショックの余り泣き叫ぶマック。
仲の良かった家族はこの事件以降ギクシャクとなり、マックは心を閉ざし鬱々と過ごしますが、ある日ポストに手紙が。そこには「父より」と書かれてありました。もうとっくに他界した父から?

手紙には「あの山小屋に来るように」と書かれていました。
車を借りにいった友人にそのことを話すと「危ないから俺も一緒に行く」と言われますが、彼は一人で行くことに。
車を走らせる途中で、暴走する大型トレーラーとあやうく衝突しかけるのですが。。。

マックは「ある美しい家」にたどり着きました。
そしてそこには「三人の神様」が。
黒人のおばさん。若い男。若い娘。みんな普通の人間の姿をしています。
この「若い娘」が、すみれちゃんなのですが、欧米人と交じると「無国籍の人」に見えました。一見、どこの国の人だろ?と不思議な感じ。服はエスニック系だけど。
すみれちゃん、堂々とした演技っぷりで「癒しの聖女」のような役割でした。
セリフもそこそこあるけど、何より「あたたかな微笑みで包み込む」ムードが良くて、ちょっと感動してしまいました(笑)。
チョイ役じゃないですよ。重要な役よ(でもクレジットが下の方だったのはちょっと納得がいかない)。

ここからマックの「旅」が始まるのですが、その途上で、いろんな人に出会います。
そしてその度に様々な「問いかけ」があり、自分自身の苦しみと向き合っていくことになります。
キリスト教徒でないとちょっとわからない?比喩が一杯あるのですが、マックの自問自答が、観ている自身の内部に響くとき、「ああ~そういうことか~」と、思わずうなずいてしまいます。
マックは自分が受けてきた「傷」から、なかなか立ち直れないでいる。
でも、傷つけた相手を「赦せない」と憎んでいる間は、自分自身の苦しみも続くのだ、ということを悟ります。
「赦し」は「救い」なのだということ。
そして、「あなたは人を裁くのね?」とも言われて戸惑いますが、人は知らず知らず「他人を裁いている」ということでしょうか。

美しい自然映像が満載でそれだけでも癒されるし、何かに怒ってる人とか疲れた人とか、問題を抱えている人…には、とても響く映画だと思います。
それに、深い意味をとらえなくても、ファンタジーエンタメとして楽しめる!
最後にマックは「ある選択」をすることになりますが、選択の末にあるドンデン返しが…「えーっ!?」と思ったら、上手くまとめてエンディングで、ああ良かった(笑)。ちょっとサスペンスめいたところもあるので、上手い作り方ですね。

残念ながらお客さんは数人でしたが、こういう作品こそ満杯になって欲しい。。。丁寧に誠実に作られていて、ラストはたまらずすすり泣く声が(私も泣いた)。
それにしても、原作本が「全米70週連続ベストセラー1位」という謳い文句なのですが、こういうお話が売れるって、アメリカの人達の「良心」なのか。トランプ圧政で「癒し」を求める人急増なのか★
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悟る4人。結論を出す市橋★

2017-09-06 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
はい「僕やり」第8話。
今回もまた面白くてずんずん前のめりに。感想もどんどん長くなる(笑)。
4人+市橋を加えて、5人のそれぞれが「現実の壁」にブチ当たる様が、バランス良くシュパシュパとしたテンポで描かれています。
いつもながらオープニングの曲とエンディングの曲が絶妙。二つとも、メンバーが20歳前後という若いバンドが、ドラマの為に書き下ろした曲らしいですが、いやこの感覚のマッチング。ピタリとハマってます。

前半は久々にコミカルなシーンが面白かった
「リトル伊佐美」復活で意気揚々と今宵ちゃんに会いに行ったのに、今宵パパと鉢合わせの伊佐美!
パパはマグロ漁船とか乗ってそう(笑)。まさかの竹内力。怖いよー。必殺ワザの「グルングルン」で笑いが止まらなかった(笑)。
妊娠を告げられても、伊佐美ひるまなかったー。ちゃんとパパになる気でいたんだ。
やっぱり根が真面目…「堕ろしてくれ」って常套句を吐くかと思ってたのに。偉い!
と思いきや、今宵ちゃんから別れを切り出すとは予想外でした。
伊佐美のことは好きだけど、お腹の子を「犯罪者の子」にしたくない。いやすごい決断だ。
「どーしてくれるのよ!」と怒りもせず、「責任とってね」とも言わず、ただ事実を告げるのみ。あとは自力でやります…男前っぷりに泣けました。
なんかこのカップルは応援したくなりますね。最終的に結婚して10人位子供作ってるような気がする(笑)。
伊佐美は一人、夜の橋の上で、「汚れたままの自分ではいけない(綺麗にならないと今宵は許してくれない)」と悟ります。いいシーン!

頭を殴られ大けがを負ったマルは逆襲に燃え、夜の街で待ち伏せして「ウンコ」に殴りかかりますが、「この世は弱肉強食だ!負けてたまるかー!」と、結構熱い(笑)。
大金を持って派手に遊ぶし、復習に燃えるしで、ここまで罪の意識が無きに等しいマルでしたが、スキを見せてしまい再び殴られ、「お前、友達いないじゃんか~!」と馬鹿にされてしまいます。ショック。
すがる思いでパイセン…伊佐美…トビオの順に電話をするも誰も出ず。自分の無力感。世界で一番の孤独を味わいます。
金よりも暴力よりも、「仲間がいない」という惨めさでいっぱい。
マルも何かを悟ったような。

パイセンは遂に父・輪島とご対面。しかしその場でトコトン馬鹿にされます。
輪島は息子への愛のカケラもなく、全ては秘書が取り計らっていた。
「誰?こいつ?息子?ぶっさいくだなー」状態。ヒドイ奴です。
そしてあろうことか、別の愛人に産ませたもう一人の息子をけしかけ、パイセンを傷つけようと…そこへ菜摘先生が現われ、輪島を殺し。。。ところがここでもまた「金の力」で難を逃れるのです。どんだけ金の権化なの輪島。「分厚い札束が我が身を守る」なんてー。
「愛」どころか実の父に殺されかけて、ボーゼンとするパイセン。
父の汚い金で生きてきた自分の人生…なんやったんや。
もう、決別したい、と思ったのではないでしょうか。
そして傍らには、復讐に失敗してこれまた茫然とする菜摘先生。
このシーン、パイセンと輪島の掛け合いが、舞台劇みたいで素晴らしかったですね。
「間」がいい。笑えるのに悲惨という。

パイセンと菜摘先生の二人は、まだ輪島に執着するのでしょうか。私はすると思う。
それに、飯室刑事が「トビオ達にはまだやってもらわないといけない役割があるんだ」と言ってましたね。
飯室刑事は、輪島一味の逮捕を狙ってると思うので、最後にドンデン返しで天誅が下されるといいなあ。

さてトビオは蓮子と本格的に付き合い出しますが、前回の「生まれ変わった俺」のチグハグ感はかなり抑えられ、精神が安定に向かったような。連子の純粋な気持ちの影響かな。
幸せの絶頂なのに吐き気もない…これはもう、「新しい俺」に生まれ変わることに成功したのか?
二人が付き合ってることを市橋に言わねば悪い…と、マトモな感覚に戻ってきましたが、市橋の祖母が亡くなったりでタイミングを逸し、告白出来ず。
トビオは市橋へビデオレターで「直接言うのが照れくさい」と応援メッセージを送ります。
これがやたら明るく前向きですが、「演技」感が強い。
自分たちが爆破事件の犯人だということをもう少しで告白しそうになってる…市橋への罪悪感は消えないので、自撮りに滲み出る「ごめん」の空気。
でも蓮子との事は、「爆破事件」に比べたら罪が軽い?ので、遂に直接告白しました。

トビオは市橋へ好意を見せたとはいうものの、それは自分の罪悪感を減らしたかっただけで、献身的な「愛」ではない、と感じます。
結局…とどのつまり、人間は「自分が可愛い」のだから。
でもそれは、誰でもそうなんですよね。そんな部分がある。

市橋は医者から「足はもう元に戻らない」と宣告され、未来への希望が無くなります。
彼がトビオを自ら誘い、ボーリングやらダーツやら一緒に遊んだのは、もうこの時点で「死」を覚悟してたのでは。
昔、強者として「ゴミみたいなやつら(弱者)」をいじめていたら、今は自分が「ゴミ(弱者)」になり、かつての仲間や手下(強者)からいじめられる。この屈辱。
市橋はレーサーを夢見ていた位だから、「強者」として生きられなかったら、最早生きている意味が無かったのでしょう。
トビオと連子の仲を告白されても、それは自殺の大きな要因ではなく、「最後のダメ押し」に過ぎなかったと思います。

「友達になった」といってもそれは短期間の表層的なもので、トビオは市橋の内面にまで深く関わろうとしません(もっと月日が経てば別かもしれませんが)。「祖母が死んだ」と言われても「そうなんだ」で、とどめます。
それは市橋にしても同じで、「俺が死ねばトビオが、蓮子が悲しむ」とまでは考えなかった。
みんな、自分の事でいっぱいいっぱいで、深く考えずに衝動で行動してしまう。
この辺の描き方が「いかにも若者」だなあ、と思います。唸ってしまいます。

市橋の自殺は大体予測していたのですが、ラストの展開が原作の漫画とは違うらしく、どういううねりを見せるのか(市橋蘇生も考えたけど、さすがに3回目はないわなあ)。
それぞれがやっと、「人生をなんとかしなくては」と悟り始め、市橋は一足早く「彼なりの結論」を出した。
多分、トビオは今回の事で、嫌というほど「命の重み」を知ったことでしょう。
もう逃げる余地は無く、4人は答えを出す時。でも、自首だけかなー。
私はどこかで「真犯人は実は4人ではない」展開を期待していて、うう~ん、読めない!?★
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