日本での10万円の給付金の申請で市町村に人々が殺到していて、中には諦める人もいるらしい。またマイナンバーがあってもオンラインでの申請もハードルが高く、埒が明かないようだ。マイナンバーをもらうために役所に出向く必要がある。そこでまた待たされる。どうしてこうなるのかをオーストラリアの場合と比較してみよう。
オーストラリアではコロナ対策用に失業手当を拡充したJOB SEEKER PAYMENTと、企業経由で従業員の給料を補償するJOB KEEP PAYMENTの2種類がある。日本の10万円給付は個人への直接給付という点はJOB SEEKER PAYMENTと同じである。
JOB SEEKER PAYMENTはセンターリンクという公的皆保険、各種手当などを担当する役所に申請して給付を受ける。センターリンクから過去に手当を受け取ったことがある人は、センターリンク・ナンバーをもらう。教育手当、シングルマザー手当だろうとなんでも同じ理屈である。このナンバーさえあれば今回のJOB SEEKER PAYMENTはすべてオンラインで申請できるし、お金はすべて振り込みである。今時手当を役所で現金でもらうなんて制度は先進国ではありえない。
逆にいえばこのナンバーのない人は、センターリンクに直接出向くか電話をしなければならない。3月ごろはセンターリンクへの電話はなかなかつながらないし、直接行っても2,3時間待ちの長蛇の列だった。先月くらいからそれは解消されていて、待たされても30分以内である。
センターリンク・ナンバーがあり、パソコンの知識があればJOB SEEKER PAYMENTの申請は簡単である。このセンターリンクは公的保険の支払いもしているので、その作業量は膨大なはずだがかなり丁寧な仕事をしてくれる。たとえば専門医への支払いは全額医者へその場で払う。、後日自分で公的保険でカバーされる部分をセンターリンクにオンラインで申請、1週間たっても振り込みがなければオンラインで文句を言える。それに対して丁寧に調査してくれて、ちゃんと電話がかかってくる。
日本の人口は1億2千万人。オーストラリアの人口は2500万人だから作業量が圧倒的に違うのだが、日本の行政システムはあまりにも非効率だと思う。
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