福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

歌舞伎鑑賞

2007年02月01日 | 過去のBLOG記事

初めて歌舞伎を観に行きました!
昨年の11月頃から母親が、「年初めにやる”新春歌舞伎”がキャストも豪華で
おもしろい演目らしいから、是非歌舞伎座で観たい!」との要望があり、
私もいい機会だと思い一緒に観に行く事にしました。

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歌舞伎座入り口。酒樽も積まれてめでたい感じです。

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演目の看板。手書きです。

この日は昼の部、夜の部で各4公演ありました。
歌舞伎座は座席での飲食可能です。歌舞伎座の中に注文する所があり、
頼んでおけば幕間にお弁当を運んできてもらえるそうです。
私たちは待ち合わせがぎりぎりだったので、とりあえず
外のお茶屋さんでお弁当を買いました。歌舞伎座の中に入ると、
売店がデパ地下状態でいろいろなお店があってそれだけでウキウキしました。
もちろん俳優のブロマイドも販売しています!2階にもちょっとしたお茶屋や売店、
吉兆などのお食事所、衣類などのお店もあり、幕間ごとに探索してしまいました。
品のいい昭和な感じです。

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お弁当注文所。

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デパ地下状態の売店。その場で作ってるお菓子もあります。

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2階の売店は和菓子が充実。どれも美味しそう!

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看板がたまりません。昭和の匂いがプンプンですね。ここでは飲み物以外に「さくらアイス」も売っていました。

さてさて本題の演目の方ですが・・・。私たちは昼の部だったので
「松竹梅」「俊寛」「勧進帳(かんじんちょう)」「喜撰(きせん)」の4つが上演されました。

1番最初はめでたさの象徴である「松竹梅」で、
「松」「竹」「梅」の3巻で構成されている長唄による舞踊です。
初春を寿ぐ祝儀舞踊の新作です。「松」では中村橋之助と中村梅玉が
在原業平と舎人に扮して勇ましく踊り、「竹」では3羽の雀の精がでてきてかわいく踊り、
最後の「梅」では魁春、芝雀、 孝太郎3人の女形による華麗な踊りでしめくくられました。
巻きごとに装置も替わる三段返しというもので、本当にめでたさ満載でした!

ちょっと長めの幕間があり、お菓子などを散策に。高齢者向けなので、
小さくて品がよく甘さ控えめで見た目にも美しいものばかりです。
お茶などを飲んでちょっと一服したら、次の幕の始まる木を打つ音がしはじめたので席に戻りました。

次は「島流し」を題材にした中村吉右衛門のあたり役、「俊寛」です。
こちらは最初の華々しい舞踊とは打って変わって、しんみりとした近松門左衛門作の物語でした。
しんみりとした中にもユーモアや見せ場がたくさんあり、
最後は吉右衛門の名演技に涙腺がうるうるしました。
舞台装置もすごくて、廻り舞台や浪布を効果的に使っていてそちらも注目です!
そしてまた長めの幕間があり、座席でお弁当を食しました。一品一品が凝っていて美味しかったです!

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左が母の選んだ「冬のめぐみ」。右が私が選んだ「茶屋弁当」

お次は、松本幸四郎の弁慶役900回記念の歌舞伎十八番「勧進帳」です。
兄の頼朝に疎まれ、都落ちを余儀なくされた義経を護衛する弁慶のお話です。
幸四郎さんは普段も舞台などで活躍されているのですが、やはり声にはりがあり、
大きい感じがしました。見せ場は何と言っても最後の飛び六方です。
弁慶が豪快に花道を「おっとっとっと!」みたいな感じで引っ込み幕するやつです!
掛け声の「高麗屋!」「幸四郎!」がすごかったです!そして短めの幕間があり、最後の演目です。

最後は百人一首でおなじみの六歌仙「喜撰法師」を中村勘三郎、
小野小町の分身である「お梶」に坂東玉三郎と豪華な顔ぶれで「喜撰」が上演されました。
中村勘三郎の飄々とした坊さんの演技に加えて、玉三郎の美しさにみんな釘付け&骨抜きでした。
最後には舞台を埋め尽くすばかりの小坊主さんが迎えにきて、
みんなで住吉踊りを踊って大団円となりました。新春だったからなんでしょうか、
本当に豪華でおもしろかったです。舞台のデザインや色使いもとっても勉強になりました。
はまるのも頷けます。

公演中、解説をイヤホンで聞けます。こちらは実況中継と言った感じで、
演目ごとに解説者が変わり、生な感じがおもしろいです。
女形の着ている着物の柄の説明などもしてくれます。今回は黒船来航の図柄がありました。

私はこの日、案の定、締め切り前で2時間しか睡眠がとれなかったので、
寝てしまったらどうしよう!心配しましたが、歌舞伎座に着くとそんなことは吹っ飛び
本当に楽しい一時が送れました。お母さんに感謝です。また、一緒に行こうと思いました。

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おみやげ。手前があんず大福。美味しすぎました!後ろが色々なくまどりの金太郎飴。これも美味しい!

そして2日後、無事作品を仕上げて、「ユメ十夜」の展示をしてきました。

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設営中。ショップの店員さんがシール剥がし中。その間に座って、解説のチェックする私。


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バックのライトを消していただき、より見やすくなりました。