福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

彫り物(えりもの)宮崎のお神楽

2023年06月24日 | お知らせ(個展・ワークショップ他)

今回、宮崎県に行くことになり

以前から気になっていたお神楽の際に飾る

「彫り物(えりもの)」

を見るのも楽しみにしていました。



「7人のミューズ展」の宮崎会場では
切り絵にちなんで
「彫り物(えりもの)」のワークショップも行われ
祓川神楽保存会の方にきていただき
ご指導いただいたそうです。

興味深いのは

「中畑神社神楽保存会」@高千穂

こちらの形は

私が見てきた東北のオカザリと
かなり形状が似ているのですが

「祓川神楽保存会」@高原町

こちらの真ん中の2つは独特なデザインになっていることです。

宮崎でお神楽と言っても
300くらいあるらしく
それぞれが微妙に違うらしいのです。

左右の格子状になっている四角のタイプは
格子状になっていても
鹿や木など東北でも見たことのあるデザインです。
4枚で四季になっているそうです。

オカザリなど、だいたいが半分に折って切り抜いて
線対称な絵柄になっているのですが
こちらは絵柄は線対称に近いのですが
折って切っていませんでした。

まあ、色々なタイプや切り方があるのだな
と感じました。


宮崎県立美術館では
ゆっくりと所蔵品を見させていただき
(優雅な時間でした〜)

地元出身の画家・版画家・写真家の英九さんのコレクションが素敵でした。


その後、閉館間際でしたが
ご近所にある
宮崎県立博物館へ。






宮崎県の空港をはじめ公共施設には必ずある
防疫マット。
(美術館にもあります)

2011年の宮崎牛の口蹄疫をはじめ
鳥インフルエンザなど
畜産業が盛んな宮崎では
コロナ以前からこうして
菌を持ち混まないよう努力されています。


入ってすぐに


私の大好きエリアが広がっており
じっくり見たい気持ちを


タヌさん・・・


カブトさん・・・



ウミガメさん産卵中・・・
(そうね、宮崎の海岸は綺麗だから産卵にいらっしゃる)




抑えつつ


時間がないので



民俗のフロアーへ


これも漁業の方のお神楽らしいです。


そしてお目当ての


宮崎のお神楽コーナーへ〜!!!

さすが別枠。



こんにちわ。



わーーーーー。


あるある。



これらの面(おもて)は使用されたものではないようで
レプリカかな。
とても綺麗でした。

実際のものは今でも使われているのでしょうね。
(そういう風合いが好きなんだけども〜)



このでっかい
「庭注連(にわじめ)」が
神楽の舞台の外に建てられ
(3本のノボリタケが立つので相当高さがあります。)
ここから「みどりの糸」という紐が出ていて
それが
神楽が行われる
「御神屋(みこうや)」へつながっています。



この「庭注連」を目印に神様たちが天下り



「みどりの糸」をたどって
「御神屋(みこうや)」
に現れるのだそうです。


この「庭注連(にわじめ)」は
高千穂の浅ヶ部神楽のもので
下には2つの龍がいます。


で、


こちらが




「御神屋(みこうや)」
でございます。






こうして
外にある「庭注連」と
「みどりの糸」
で繋がっています。



これらの
彫り物は

結界らしいです。


東北より飾りがカラフルな印象です。




ここの説明文によると
「高千穂神楽は主に民家で行われ、表の間に”御神屋”と呼ばれる
舞処をつくります。神楽では方位が重要とされ、東の高天原の方向に
神棚を設え、中央の天井にはクモと呼ばれる
天蓋風のものが飾られます。
外注連につながる”みどりの糸”は神々を導く印であり、
太陽の光と考えられます。」



これがクモという天蓋。

クモ=雲
なんでしょうね。

基本天界のお話なので。

で、つないでいる糸のこともあって
クモ=蜘蛛の意味もあるのでしょうね〜。

最後にこの天蓋の中から紙吹雪が降りたりするようです。




この日の最後の神楽の映像が見れました!

この日も学芸員の古賀さんにアテンドいただいたのですが
すごいタイミングで見れちゃいました。

ありがとうございます〜!


11月くらいから年末にかけて寒い時期に行われ
しかも昼間から翌朝への夜通しの長丁場。
聞いている限りだと過酷そうです・・・。
(お子ちゃま寝ておりました 笑)

でも天照大神子(アマテラスオオカミ)がお隠れになっている(=夜)のを
神楽で賑わって岩屋戸から出てきてもらう(=朝日)
なわけで
神話に基づいているのです。


しかも文献によると
かなりあからさまな性的描写が舞の中に組み込まれているようで
そこはユーモアな場面でもある
とか書かれているのですが、
現代の私たちが見て
笑えるかはわからないです(笑)。

まあそれは
基本
神話のお話が男女間の事や
子孫繁栄のお話なので
そうなるのかな〜と思います。


高千穂の方では
観光用に毎晩1時間くらいの神楽が見れるようです。


宮崎県立美術館は宮崎市の中心地に位置するのですが
そこから高千穂は
車で片道4時間くらいとお聞きしして
高千穂訪問は諦め

博物館にてお神楽かざりを
お勉強させていただきました。


そして、
「彫り物」ワークショップの予備用サンプルもいただきました。

ありがとうございます〜。


こうして
火、水、木、金、土は
文字として切られていて



月と日は
形で描かれていました。

アマテラスオオカミをはじめとする「日=太陽」な方と
月読命(ツクヨミノミコト)な「月」な方いらっしゃいますものね〜。


日と月は別格です。


その辺りが
日本創世記の神々が住まう宮崎県らしいなと
感じました〜。



そして最終日は

いよいよ

神々へ会いに〜!





日本の切り絵 7人のミューズ展
宮崎県立美術館
2023年5月20日(土)〜2023年7月2日(日)


〜〜〜〜〜〜〜〜お知らせ〜〜〜〜〜〜〜〜〜

YY ARTS
福井利佐
「Letter pictures」
2023年4月26日~2023年6月30日


「クモとサルの家族」
長澤佳也監督


日本の切り絵 7人のミューズ展
宮崎県立美術館
2023年5月20日(土)〜2023年7月2日(日)



福音館書店月刊かがくのとも 5~6才向け
2022年11月号
https://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_kagaku/



サンリオ展
〜ニッポンのカワイイ文化60年史〜
浜松市総合産業展示館
2023年7月22日(土)〜9月18日(月・祝)
https://www.at-s.com/featured/sanrio/



風月の芸術祭in白河ー境ー
https://shirakawa-art.com
W.Sの動画
https://shirakawa-art.com/artist/risa_fukui/



NHK BSプレミアム
「ニッポンぶらり鉄道旅」
出演させていただきました。
4K放送・国際放送・NHKオンデマンドとNHKプラスにて配信があります。


FM81.3J-WAVE「LIFESTYLE COLLEGE 」
(ナビゲーター 女優吉岡里帆さん)
2020/12/13日の回に出演させていただきました。
https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/



太宰治生誕100周年記念「太宰治短編小説集」
Amazonプライムビデオで配信。
担当「グッド・バイ」
https://www.t-trailers.jp/dazai


NEXTSTYLE Vol.3(2019個展「むしたちのおとのせかい」動画)
NEXTYLE:https://nextyle.tv/nexstar/fukui/



NEXTSTYLE Vol.2(2019個展「絢爛 能」動画)
https://www.youtube.com/watch?v=zQQdayIZAHU&feature=youtu.be

http://nextyle.tv/nexstar/fukui/



福音館書店 かがくのとも 年長児(5〜6歳児)
2019年度 7月号
「むしたちのおとのせかい」発売
https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=5789
https://www.fukuinkan.co.jp/maga/detail_kagaku/



T-JAPAN
The New York Times Style Magazin
ニューヨークタイムズ スタイルマガジン日本版webにて
いま行くべき”必見”展覧会<2019年5月後半>に
私の駿府博物館さんの展示が選ばれました。
https://www.tjapan.jp/art/17272797/p3



ニューヨークタイムズ

スタイルマガジン日本版web

https://www.tjapan.jp/beauty/17214599


2018福島ビエンナーレ「重陽の芸術祭」展示(動画)

APJ NFTアート