11月に読んだ本

11月の読書メーター
読んだ本の数:11
読んだページ数:3541

最新版 指輪物語1 旅の仲間 上 (評論社文庫)最新版 指輪物語1 旅の仲間 上 (評論社文庫)
読了日:11月30日 著者:J・R・R・トールキン
ナイトランド・クォータリーvol.31 往方の王、永遠の王〜アーサー・ペンドラゴンとは何者だったのかナイトランド・クォータリーvol.31 往方の王、永遠の王〜アーサー・ペンドラゴンとは何者だったのかの感想
アーサー王をめぐる物語の短篇や抄訳を楽しんだ中で、とりわけアレクサンダー・レルネット=ホレーニアの『帽子の男』(抄訳)がとても気に入った。アーサー王伝説の特集に便乗してニーベルンゲン伝説を題材にした作品の紹介(ちょっと強引w)とのことだけど、同作者の『両シチリア連隊』が好きだったので、是非全訳を読んでみたい。
読了日:11月28日 著者:トマス・マロリー,マイクル・ムアコック,チャールズ・デ・リント
柑橘類と文明: マフィアを生んだシチリアレモンから、ノーベル賞をとった壊血病薬まで柑橘類と文明: マフィアを生んだシチリアレモンから、ノーベル賞をとった壊血病薬までの感想
再読。昔から北ヨーロッパの人々が抱き続けた地中海南部への憧れ、その心象風景としての “レモンの花咲く国” をめぐる紀行文であり、イタリアとその柑橘類の物語を紹介するエッセイでもあり。突然変異のキメラ(例えば仏手柑のような)が珍重されたメディチ家の柑橘類コレクションについて、シチリアに富をもたらしたレモンの果樹園がマフィアの台頭を招くことになった経緯、大量のオレンジが武器として使われるピエモンテ州のオレンジ合戦を見物した話…などなどとても面白かった。アマルフィ・レモンを使ったカラマラータの美味しそうなことよ
読了日:11月27日 著者:ヘレナ アトレー
源氏物語 2 (河出文庫 か 10-7)源氏物語 2 (河出文庫 か 10-7)の感想
再読(源氏物語は他の訳者で幾度か読んだが、角田源氏は初めて)。「紅葉賀」から「明石」までの流れで、様々な女性たちが描かれる。私は朝顔の斎院が好きだけれど、彼女の立場は身分の高さに守られているとあらためて思った。寄る辺ない紫の上に対する光君は、そもそもの始め方から(誘拐、そして手〇〇)扱いがかなり軽いという側面は否めない。この先も紫の上が “最愛の人” ではあり続けても、対等な存在として光から見られることはない(その発想すらこの時代にはない)んだなぁ…と。
読了日:11月23日 著者:
パピルスのなかの永遠: 書物の歴史の物語パピルスのなかの永遠: 書物の歴史の物語の感想
素晴らしい読み応え。本を閉じて「書物の歴史の物語」という副題に向き合うと、本当にその通りだったなぁ…と胸がいっぱいになる。古のギリシアからローマへ、本を巡る遥かな時間旅行のようなエッセイ。ただ歴史をたどるのではなく著者自身の本への深い思いが伝わってくるのもよかった。思い出の中の数々の本たち。書物はそこにありつづける、これからも。手に取るのが楽しみだった装幀は、カバーを広げてみてなるほど…と感嘆。“ある意味では、私たちすべての読者は、自らに轍を残した言葉をおさめた秘密の図書館を自分のなかに持っているのだ。”
読了日:11月22日 著者:イレネ・バジェホ
セシルの女王 (5) (ビッグコミックス)セシルの女王 (5) (ビッグコミックス)
読了日:11月16日 著者:こざき 亜衣
レオナルドのユダ (エディションq)レオナルドのユダ (エディションq)の感想
ペルッツ再読8冊目。とても好きな作品だが、刊行順をたどって読み返してきたので、遺作なのねぇ…としみじみ。『第三の魔弾』の解説には、未完で見つかったのを弟子で友人でもあった人物が完成させたとある。“「君はユダの秘密と罪を知っているのかい? なぜユダがキリストを裏切ったのか、わかるかい?」/「ユダは、自分がキリストを愛しているとわかったから、キリストを裏切ったのです」少年は答えた。”
読了日:11月14日 著者:レオ ペルッツ
視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話視点という教養(リベラルアーツ) 世界の見方が変わる7つの対話
読了日:11月12日 著者:深井 龍之介,野村 高文
恐竜の復元 (たくさんのふしぎ2023年12月号)恐竜の復元 (たくさんのふしぎ2023年12月号)
読了日:11月10日 著者:犬塚則久
源氏物語 1 (河出文庫 か 10-6)源氏物語 1 (河出文庫 か 10-6)の感想
再読。源氏物語は他の訳者で幾度か読んだが、今回は気になっていた角田訳で。帚木巻の序盤に雨夜の品定めがあり、その後の光君の行動に及ぼした影響を思うと、ある意味で物語展開の予告になってたんだなぁ…とあらためて面白かった。紫式部が描きたかったのが “中流の女” たちだったとしたら、それも得心がいく。あと、これは仕方がないと思うけれど、源氏物語を読むのがかなり久しぶりで、かつて以上に光君に対していらっとすることが多いw(『女は素直がいちばんですよ』とか何なん…)
読了日:11月08日 著者:
教皇ハドリアヌス七世教皇ハドリアヌス七世の感想
すこぶる面白かった。久しぶしに奇書を読んだという満足感。「澁澤龍彦が絶賛」というのもさもありなん…と思いつつ、訳者あとがきでかなり自伝的な内容と知って驚いた(そして19世紀末のロンドンに生まれた作者が、何故カトリック教会なのか…という理由にもw)。“人間嫌いの利他主義者” ジョージの半生がほぼ自伝であるなら、その後の型破り教皇爆誕からの展開が幻想文学…か。“教皇には大きな目標と、見通しのきく目と、よく聞える耳と、機知と、ひねくれた性格と、大胆さと、寂しい心とがある。おまけに世界から敵意を向けられていた。”
読了日:11月07日 著者:コルヴォー男爵

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