9月22日

 レオ・ペルッツ/前川道介訳『第三の魔弾』を再読した。
 
 流石のレオ・ペルッツ、面白かった! アステカ王国を征服しようとするスペイン軍に立ち向かったドイツ人、グルムバッハの数奇な悲運の物語。
 これが第一作ということでやや粗いかな…という印象はあるものの、物語を牽引するのが何しろ暴れ伯爵(猪突猛進タイプ)なので、ぐいぐい引き込まれた。史実との絡ませ具合や皮肉な展開も堪らない。あと、今回はあらためてメンドーサ公のグロテスクな造形(美形で残忍)が、敵役として際立っているのに感心した。
 そして終曲にたどり着き、第三の魔弾に斃れたものについて思うと、嗚呼…(呪い怖すぎっ)

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