8月24日

 @rinakko
 【みじかい髪も長い髪も炎/平岡直子】を読んだ本に追加
 
 〈満席を告げつつ椅子がないことがあなたの夜の深さだろうか〉   
 〈ほとんどの骨はからだに閉じ込めてときどき月に向かって笑う〉
 〈薄氷の上に置かれた猟銃をきみのこころと読んだのはきのう〉
 〈わたしの if を遠く離れたわたしにも遠くて袖をとおすわたしは〉
 〈ゆきゆきて春夏秋冬抱くならきれいな角(つの)は捨ててから来て〉
 〈心臓と心のあいだにいるはつかねずみがおもしろいほどすぐに死ぬ〉
 〈助詞の〈ゆ〉に憧れやまぬ舌たちゆ舌禍が潮騒になっていく〉
 〈なんどでも帰るよ桜の樹の下へわたしを扉だと思ってた手へ〉
 〈火傷のようにめくれる日々をうらがえす人の鼓膜が天才だった〉
 〈まぼろしの椅子に毎日すわること思いどおりに気が狂うこと〉
 〈わたしをわたしの戦利品だというときに喉をあふれない夜の川〉
 〈この世どこかにわたしの四肢を継ぎ合わす犯人としてレモンが光る〉  

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