10月27日(火)のつぶやき(読んだ本、『鷲の巣』)

@rinakko 08:55
【鷲の巣/アンナ・カヴァン】を読んだ本に追加

 アンナ・カヴァンの“冷たい憂鬱”に、またも捕らわれ読み耽る。一際空気も冷たく冴えたカヴァン日和…だったが、主人公の“わたし”は暑熱による幻視に惑い眩暈していた。孤独や不条理を薄っぺらく覆い隠そうとする欺瞞に満ちた現実よりも、彼が抜け出せなくなっていく“もうひとつの現実”の方にこそ、私を宥めてくれる懐かしさがある。どこまでもいっしょに動いてくる黒い影、絡みつく不安の感触…。怖いけれど、どこか馴染みのような世界だと思ってしまう。
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