6月に読んだ本

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:8100ページ

失われた時を求めて(7)――ゲルマントのほうIII (岩波文庫)失われた時を求めて(7)――ゲルマントのほうIII (岩波文庫)の感想
かつては憧れていたはずの場所、美しくも才気煥発(誰もが称える“才気”ですから…)なゲルマント公爵夫人の社交界に踏み込めば、そこで味わうのは幻滅ばかりなり…という現実を、容赦なく描く筆致は戦慄するほど。なのだが、ぐんぐん読めてしまった。しかし切ない。
読了日:6月30日 著者:プルースト
青白い炎 (岩波文庫)青白い炎 (岩波文庫)の感想
素晴らしい読み応え。痺れるほどに圧倒されて快感だ。999行から成る長篇詩に前書きと膨大な注釈、索引まである…と言われても何のことやら、文字通りの手探りにて行ったり来たり(時々あちこち飛ぶ)頁を繰る。そんな按配なので話の運びはもどかしいものの、そこにある「物語」にはどっぷりと魅了された。おお麗しのゼンブラ…。解説の内容もすこぶる興味深い。
読了日:6月27日 著者:ナボコフ
17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義
読了日:6月25日 著者:松岡正剛
思い出を切りぬくとき (河出文庫)思い出を切りぬくとき (河出文庫)
読了日:6月24日 著者:萩尾望都
ストップ・プレス 世界探偵小説全集 (38)ストップ・プレス 世界探偵小説全集 (38)の感想
むふふ面白い…ていいますかかなり好み。探偵小説〈スパイダー〉で絶大な人気の作家リチャード・エリオットの周辺で、まるで〈スパイダー〉がそのまま抜け出して悪ふざけをしているような珍事件が繰り返されていた。そんな最中に開かれた記念パーティでは、ますます事態はややこしいことに…。スパイダーの設定(大物犯罪者が途中で何故か探偵に転向する。クラリネット名奏者、文学通…)とリチャード・エリオットの人となり、癖のある人たちがわらわらと集まったり右往左往したり…という雰囲気もツボだ。(ミス・キャヴェイの芝居の山場とかさ…)
読了日:6月24日 著者:マイクル・イネス
シャーロック・ホームズと見る ヴィクトリア朝英国の食卓と生活シャーロック・ホームズと見る ヴィクトリア朝英国の食卓と生活
読了日:6月22日 著者:関矢悦子
テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉 (ちくま文庫)テンペスト―シェイクスピア全集〈8〉 (ちくま文庫)
読了日:6月21日 著者:ウィリアムシェイクスピア
十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学)十二の遍歴の物語 (新潮・現代世界の文学)の感想
ガルシア=マルケス、やっぱり私には短篇の方が響くような…(短篇集を読むのは2冊目だが)。一篇一篇、ぐうっとひき込まれた。お気に入りなんぞ選べないくらいどの話もすこぶる好きな中、「毒を盛られた十七人のイギリス人」は、もうタイトルからしてツボだった。
読了日:6月20日 著者:G.ガルシアマルケス
エジプト十字架の秘密 (角川文庫)エジプト十字架の秘密 (角川文庫)
読了日:6月19日 著者:エラリー・クイーン
動物園の麒麟―リンゲルナッツ抄 (クラテール叢書)動物園の麒麟―リンゲルナッツ抄 (クラテール叢書)の感想
たとえば、“風呂槽が大変な法螺をふいた/自分は地中海だと彼女は言う/一方の側壁は/ヘルゴランドの沿岸地方で/もう一方の側面は/ヒンドスタン山脈だ(44頁)”…と始まる「浴槽」が好きで、時々読み返したくなる。亡くなる前の入院日誌を物悲しく読んでいたら、朝食に牛の脳みそを召し上がっていた。
読了日:6月18日 著者:ヨアヒム・リンゲルナッツ
第三の女 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)第三の女 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
読了日:6月17日 著者:アガサ・クリスティー
亡命ロシア料理亡命ロシア料理の感想
面白楽しかった! (カロリーを忘れて豪快に食べてみたいものだわ…と、しばし思った。しばし。) 
読了日:6月15日 著者:ピョートル・ワイリ,アレクサンドル・ゲニス
どんがらがん (河出文庫)どんがらがん (河出文庫)の感想
『エステルハージ博士の事件簿』が大好きなのでこちらも手に取った。前から読んでみたかった「ゴーレム」がすこぶる好みな話で、嬉々として頁を繰る。不気味で異様でグロテスクで、“わざとわかりにくく書いてある”ような作風がとてもよかった。のと、編者解説と巻末の特別収録インタビューの内容の充実ぶりも嬉しい。
読了日:6月13日 著者:アヴラムデイヴィッドスン
ハムレット復讐せよ 世界探偵小説全集(16)ハムレット復讐せよ 世界探偵小説全集(16)の感想
ふふふ、面白かった! 舞台となるのは英国有数の貴族の大邸宅。そこへわらわら寄り集まってくる一癖二癖ある名士たちは、悲劇『ハムレット』の出演者なのだ。だが、その“素人芝居としては第一級”に仕上げられた舞台の最中にある事件が。シェイクスピア劇の台詞を使った予告状、狙われた公文書『カワカマス・スズキ共同計画』、スカムナム版『ハムレット』の作品解釈と事件の絡み…などなど。と、英国の彼らが優雅に余暇を楽しめる時代もそろそろ終わりに近付く中、“奇蹟的に生き存えてきた古色蒼然たる空気”が描かれているのも読みどころだった
読了日:6月12日 著者:マイクルイネス
シャーロック・ホームズの事件簿 (創元推理文庫)シャーロック・ホームズの事件簿 (創元推理文庫)
読了日:6月11日 著者:コナン・ドイル,深町真理子
シェイクスピア全集 (7) リチャード三世 (ちくま文庫)シェイクスピア全集 (7) リチャード三世 (ちくま文庫)
読了日:6月10日 著者:W.シェイクスピア
不死の人 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)不死の人 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)感想
再読。
読了日:6月9日 著者:ホルヘ・ルイスボルヘス
アヴィニョン五重奏IV セバスチャン (アヴィニョン五重奏【全5巻】)アヴィニョン五重奏IV セバスチャン (アヴィニョン五重奏【全5巻】)の感想
とうとう次が最終巻! 大戦後の陰鬱な空気の中、生き残ったことをそのままには喜べず、暗い記憶に苛まれやましさに苦悩する…といった人物の姿などが描かれる、死の影も濃く重い巻だった。でも、作家ブランフォードとその創造物サトクリフの会話(境界のぐだぐだよ…)といい、各々の物語が錯綜しながら紡ぐ数奇な模様といい、いよよ目が離せない。ここからどう収束していくのか、アヴィニョンへ引き寄せられていくその行く末を読むのが楽しみだ。
読了日:6月8日 著者:ロレンスダレル
愛その他の悪霊について (新潮・現代世界の文学)愛その他の悪霊について (新潮・現代世界の文学)の感想
久方ぶりにガルシア=マルケス。読むのは4冊目。何のため、誰のための信仰か…と暗澹としてくるが、内容は面白く読んだ。
読了日:6月6日 著者:G.ガルシア・マルケス
薔薇忌 (実業之日本社文庫)薔薇忌 (実業之日本社文庫)の感想
うとり、再読。新たな装いも嬉しい。芝居に携わり生きる男女を、儚く狂おしく描いた短篇集。舞台上では他人になりすます役者と、それを様々な方向から幇助する生業に就く者たちと。虚と実の二重性に捕りこまれた彼らは、知らず、死者たちの過去の姿さえ呼び寄せてしまう魔性の場を生み出す。その、やわやわと境界が解け合い入り混じっていく様の、妖艶で残酷なことといったら…。今回好きだったのは、表題作や「紅地獄」「化粧坂」。とりわけ「桔梗合戦」。怖くて美しいラストに至るまで、張り詰めた母娘の物語にひき込まれた。
読了日:6月6日 著者:皆川博子
失われた足跡 (岩波文庫)失われた足跡 (岩波文庫)
読了日:6月5日 著者:カルペンティエル
ナイトランド 6号 (夏2013)ナイトランド 6号 (夏2013)の感想
「狩り― そして、そのあとさき」が面白かった。あと、「屍の顔役」のB級ぶりもいい(これが続篇というか、シリーズで続いてるのかな)。
読了日:6月3日 著者:朝松健,ジョー・R・ランズデール,デリク・ガン,ウィリアム・ミークル,グリン・バーラス,ロン・シフレット,ラムジー・キャンベル,田中啓文,星新一,菊地秀行
回想のシャーロック・ホームズ (創元推理文庫 (101-2))回想のシャーロック・ホームズ (創元推理文庫 (101-2))
読了日:6月2日 著者:コナン・ドイル

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