バイオの故里から

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消化器疾患の治療に“毒掃菌” 毒素を吸収する大腸菌ができた

2009年01月18日 | 医療 医薬 健康
熱帯地方に旅行する場合,食あたりや命にかかわる消化器疾患の原因になるような地元の細菌叢を摂らないように気をつけるのがふつうだ。だが,オーストラリアのある研究チームによると,有害な腸内細菌から身を守るには,もっと大量の細菌を摂取するのがベストだという。ただし,ふつうの細菌ではない。他の細菌の毒素を吸収するように遺伝子操作された良性の大腸菌だ。
アデレード大学のペイトン(James C. Paton)らは大腸菌の無害株を操作して“おとり細菌”を作った。細胞膜の表面に,人間の細胞にあるのと似た結合部位を持つ。有害な細菌が生み出した毒素を,人間の腸の内壁細胞ではなく,“おとり細菌”に結合させるアイデアだ。 日経BP(Web版)サイエンス 2006-12