バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

微生物によるS-アデノシルメチオニンの製造法

2005年10月04日 | 菌類 細菌
近年、脂肪肝、繊維症、肝硬変、肝細胞腫瘍などの症状となって表れるアルコール性肝臓疾患(ALD)は、世界的に主要な病気および死亡の原因となっている。現在、このようなアルコール性肝臓疾患とS‐アデノシルメチオニン(S-adenosylmethionine、以下AdoMetとする)との関係が注目されている。

出願番号 : 特許出願2004-81318 出願日 : 2004年3月19日
公開番号 : 特許公開2005-261361 公開日 : 2005年9月29日
出願人 : 国立大学法人広島大学 発明者 : 宮川 都吉 外2名

発明の名称 : 酵母変異体およびその利用

【課題】 肝臓疾患・うつ病治療・骨関節症・がん治療等の各種疾患治療薬剤として有効なS‐アデノシルメチオニンを大量生産し得る酵母変異体、およびその利用方法を提供する。
【解決手段】 本発明の酵母変異体は、メチオニン代謝系酵素、特にS‐アデノシル‐L‐ホモシステイン加水分解酵素をコードする遺伝子に変異がある。その結果、メチオニン代謝系に異常が生じ細胞内にS‐アデノシルメチオニンを大量に蓄積する。当該酵母変異体を培養することによって、S‐アデノシルメチオニンを大量に生産することが可能となる。また当該酵母変異体は、37℃において細胞周期がG1期で停止するという特徴を有していた。それゆえ当該酵母変異体は、S‐アデノシルメチオニンの生体内機能の解析に利用することができる。

出願番号 : 特許出願2004-39210 出願日 : 2004年2月17日
公開番号 : 特許公開2005-229812 公開日 : 2005年9月2日
出願人 : 株式会社興人 発明者 : 佐藤 宏次 外1名

発明の名称 : 安定化されたSAMを含有する乾燥微生物又は微生物抽出物、及びその製造方法

【課題】簡便な操作で容易に調整でき、食品素材で構成された、食品あるいは健康食品として幅広く利用可能な、安定なS-アデノシル-L-メチオニンを含有する乾燥微生物あるいは微生物抽出物を提供する。
【解決手段】S-アデノシル-L-メチオニンを含有する微生物又は微生物抽出液に、有機カルボン酸、好ましくはクエン酸、コハク酸、及び/又はキレート形成能を有する化合物、好ましくはEDTA、コウジ酸、から選ばれた1種以上の化合物を添加し、濃縮及び/または乾燥する。

出願番号 : 特許出願2003-80116 出願日 : 2003年3月24日
公開番号 : 特許公開2004-283103 公開日 : 2004年10月14日
出願人 : 独立行政法人酒類総合研究所 発明者 : 家藤 治幸 外4名

発明の名称 : S-アデノシルメチオニン高蓄積微生物の取得法

【解決手段】ナイスタチン耐性株を選択することによるS-アデノシルメチオニン(SAM)高蓄積微生物の取得方法が提供される。具体的には、ナイスタチンを含有する選択培地で生育してくる菌株を取得すればよく、ポジティブスクリーニングによるため、効率的且つ正確に目的とする変異株を取得することができる。
【効果】本取得方法は、酵母、特に清酒酵母(Saccharomyces cerevisiae)のほか各種微生物に広く適用することができ、本法によって育種分離された変異株を大量培養することにより、SAMの大量生産が可能となる。

出願番号 : 特許出願2004-62766 出願日 : 2004年3月5日
公開番号 : 特許公開2004-267209 公開日 : 2004年9月30日
出願人 : コンゾルテイウム フユール エレクトロケミツシエ インヅストリー ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 発明者 : ズザンネ レオンハルツベルガー 外1名

発明の名称 : S-アデノシルメチオニンの発酵製造法

【課題】SAMの精製を明らかに単純化する、細菌を用いるSAMの発酵産生法。
【解決手段】SAM合成酵素を有する出発株から入手可能であり、かつ出発株と比較してSAM合成酵素の強化された活性を有する細菌株を培地中で培養し、その際、細菌株はSAMを培地中へ分泌し、かつSAMを培地から分離する。

「マシコヒゲムシ」の生態仕組み解明

2005年10月04日 | 医療 医薬 健康
消化器を持たず共生細菌から栄養をもらう珍しい生態のマシコヒゲムシが、動物には猛毒の硫化水素を血液中のヘモグロビンで安全に細菌に届ける仕組みを、京都大理学研究科の三木邦夫教授(構造生物学)、沼本修孝研究員らのチームが解明した。 京都新聞2005-10-04

有害な硫化水素吸収、海洋生物の構造解明・京大など
 京都大の三木邦夫教授らと金沢大、理化学研究所のチームは、有害な硫化水素をエネルギーにして生きる海中生物の体内の仕組みを解明した。「有鬚(ゆうしゅ)動物」の仲間の生物で、海底で発生した硫化水素を取り込んで酸素と一緒に体内に運ぶ血液成分の構造を突き止めた。成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載される。日経ネット2005-10-04

ノーベル医学生理学賞に豪の2氏 ピロリ菌研究を評価

2005年10月04日 | 医療 医薬 健康
 スウェーデンのカロリンスカ医科大学は3日、今年のノーベル医学生理学賞を、オーストラリアのバリー・マーシャル西オーストラリア大教授(54)と、病理専門医ロビン・ウォーレン博士(68)に贈ると発表した。ピロリ菌が胃炎や胃・十二指腸潰瘍(かいよう)の発生に深く関与していることを突き止めたことが評価された。近年は胃がんとの関係も次第に明らかになってきている。賞金は1000万クローナ(約1億4600万円)で、両氏で折半する。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。朝日新聞 2005年10月03日

がん増殖止めるカギ、たんぱく質発見 米の日本人教授ら

2005年10月04日 | 医療 医薬 健康
がん細胞の増殖を止めるカギになるたんぱく質を、米ハーバード大の中谷喜洋(なかたに・よしひろ)教授=分子生物学=らの研究チームが発見した。がん細胞内で、このたんぱく質「p600」の合成を妨げたところ、がん細胞は増殖を止め、次々と自滅したという。子宮がんや骨肉腫など、様々ながん細胞で効果を確認しており、新しい抗がん剤の開発につながると専門家は期待している。朝日新聞2005-10-04