イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

振り返りはしない

2009-04-15 00:57:47 | ニュース

亀田大毅選手の次の対戦相手、滝壺に転落して?死亡、というニュースをスポーツ新聞の見出しで見かけました。

 滝のそばに上着は脱いで置いてあったそうで、まさか滝打たれ修行を試みたわけではないでしょうが、こうなると流ノ介(@『侍戦隊シンケンジャー』2幕)みたいに公園の噴水にしておけばよかったのに、なんて思ってしまいますね。

さて『シンケンジャー』、第9幕視聴後に、番組、ドラマとして今後どうなってほしいかではなく、自分が今後視聴をどうするか改めて考えてみました。

たぶん414日現在、関係者を除けば、日本で一番『シンケンジャー』について考えている大人が月河かもしれない。←最上級を使って英文に訳せ。それはシンケンジャーじゃなくて英作文の試験じゃー。

…アホぬかしている場合ではありません。第8幕“花嫁神隠”視聴後、「ピンク茉子(高梨臨さん)が薄い」と感想を持ち、ここにも書きましたが、第9幕を見て、ピンクだけではなく「レッド丈瑠(松坂桃李さん)以外全員薄い」ことに改めて気がつきました。

同話の冒頭、変身したレッド丈瑠とブルー流ノ介(相葉弘樹さん)が志葉家中庭で立会い稽古をしている。互角の勝負。これを見せることは同エピソード内だけではなく、今後の展開上も重要です。しかし、「流ノ介相当強いよな」(千明・鈴木勝吾さん)「流さんの剣、綺麗やもんな」(ことは・森田涼花さん)「教科書に載せるなら(丈瑠より)流ノ介かも」(茉子)と、それぞれの表現で賞賛する他3メンバーが、縁側前にいつものカジュアル私服で、ポケットに手を突っ込んだり腕組みしたりの格好で論評しているというのはどんなもんでしょう。“チームメイト”の形ではない。

チームの中でも力量上位の、リーダーとサブリーダーによる、敵もいないのにわざわざ変身しての(←素顔の変身前役俳優さんではそこまで剣戟が上手そうに見せられない、という大人の事情はさておき)“模範演武”と言ってもいい場なのだから、他3人は揃いの道着で正座ぐらいするのが当然でしょう。あの格好ではたまたま外から来て外に帰っていく、行きずりの見学者です。

流ノ介がヒトミダマに操られ、本気で討つ気か止める気か、殿ひとり先に出陣してしまった、さあ大変!と追いかけ現場に到着した後も、3人は見て、「やめろー!」「目を覚まして!」と叫んでいるだけ。まぁこれは殿が「手を出すな」と制したからなのですが、「勝負あったな」と突然現われた流浪の剣士、実は外道衆の一味・腑破十臓(唐橋充さん)の「あの青いほうがそろそろ力尽きる、技術に長けた者は一本を取りに行くが、稽古と実戦は違う」「一瞬の隙を、ヤツ(=丈瑠)は待っていたはずだウンヌン」という解説縷々を、「誰だオマエ」(千明)と言いながら、同じ方向を向いて黙って聞いているのもあまりに無策。これも描写としてはチームメイトではなく、傍観者、せいぜいベンチに控えたサポートスタッフのそれです。

いちばんやりきれなかったのは、流ノ介がヒトミダマの洗脳を浴びたのは咄嗟に千明を庇ったからなのに、庇われた千明がそれを自覚して流ノ介救出&丈瑠との同士討ち阻止のための特段の働きや、少なくとも意欲、思考を見せる描写がほとんどなかったことです。

リーダーであり主君であり、剣でもモヂカラでも別格の使い手であるレッド丈瑠とは違った、未洗練でやんちゃだがすばしっこさなどの身体能力には秀でたグリーン千明ならではの活かし方がいくらでもあるはずだし、そのエピソードの主役ではないキャラを本スジに絡ませることでこそ、戦隊の持ち味である“チームでヒーロー”性も際立つのに。

この回もうひとりの主役(というより行きがかり上変身後の出番が長かっただけ)のブルー流ノ介にしても、結局は“殿への忠誠心”でしか感情も言動も展開していかない。

日下部爺(伊吹吾郎さん)、新規参加の腑破十臓を含めて、顔出しで出てくるキャラが全員「殿=レッド丈瑠をどう思っているか」に低回している(ピンク茉子に至ってはそこすら明確に展開してもらっていない)。

もっとメンバーをひとりひとり輝かせ、立てなければ、戦隊として成立しません。イエローはイエローらしい形で、グリーンはグリーンの得意な形で、ピンクはピンクにしかできない形で、ちゃんと戦闘プランにも、本スジにも関わらせてくれなければ。

ひとりひとりがそれぞれにカッコよく強くおもしろく、かつ全員集まることで“チーム”として一個のヒーロー人格を持つ、それが戦隊のはず。

この2ヶ月ほど、『シンケンジャー』について書くたびに苦言になっていくのが心苦しいのですが、本当に『シンケン』、スーパー戦隊ドラマとして、不出来とか粗悪とかではなく“ヘン”です。おかしい、作り方が。

ここまで来ると、小林靖子さんの脚本どうこう、鬱期どうこうと言うより、冒頭の私服見学シーンや千明の庇われ自覚なさなど、プロデューサーの指針付け、物語世界の構築力の責任ではないかという気さえする。

全幅ではありませんが、現時点で期待をかけていることが2つあります。

ひとつは前にも書いた、メイン以外の脚本家さんの担当回での新風。世界観や基本的なキャラ設定は踏襲が義務づけられているはずですが、解釈の方向性が鋭く新鮮であれば、キャラごとの未知の面が垣間見える可能性はじゅうぶんある。

もうひとつは、早晩投入されるであろう6人めの追加戦士による地合いの変化です。落下傘エリートだが末弟キャラで頼りないところのあるデカブレイク、図抜けた戦闘能力に敵性を宿したアバレキラー、高スペックで浮き世離れしたゴーオンウイングスなど、初期メンバーの誰ともかぶらないキャラが味方陣営に加わって一緒に名乗りをあげることで空気感が(最終的にはおおかた)良いほうに変わった作品は少なくありません。

あわせて今後の視聴をどうするかですが、打ち切る選択肢だけはとらないことにしました。放送開始前から紙媒体で見て、多少の不安や危惧(大半はマスクデザインについてのもの)はあっても、概ね楽しみにはしていたのだし、何より“スーパーヒーロータイム”は、東海テレビ制作の昼帯ドラマとともに、唯一レギュラーにしているTV連続モノです。

しかも23ヶ月、10週前後のお付き合いの昼帯に比し、こちらは150余週です。大袈裟に言えば、『シンケン』をあきらめることは、2009年をあきらめるに等しい。

そこで、『ゴーオンジャー』期からの、デジタル放送HDDとアナログVTRの両建て録画、当日夜にまずVTRを巻き戻し視聴、時間が空いたらHDDを編集してDVDダビし週中PCでリピート…という視聴手法をやめ、HDDのみに録って、45週分放置しまとめてダビり一気に観てみることにしました。その間は公式サイトのふりかえりや、紙媒体チェックも封印。1幕ごと、1場面ごとに引っかかって苛々することがなくなるし、数週分まとめれば新風や地合いの変化も感じ取れるはずです。

1話見るたびに摩擦感、ギクシャク感が増していく右肩上がりを、何とか最小限に押さえ込むにはこれしかないと思う。来週から実行します。「この話はこれで終わり。二度としない」

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耐えろ!

2009-04-12 19:53:11 | CM

NHK『つばさ』視聴中、背中で音声だけ視聴でも頻々と感じる当惑感。これに似たものは最近いろんな媒体、いろんなコンテンツで感じます。

一例が、自分もユーザーなのに引き合いに出して悪いけど、OCN光のTVCM、♪ 初めてだって セキュリティだって~と、『アタック№1』のテーマ曲に乗って相武紗季さんが鮎原こずえの格好をして、パソコンで“迷惑メール”や“ウイルス”を跳ね返したりするアレ。

本郷コーチ役は誰が扮するのかと思ったらアニメまんまだった、という拍子抜けはさておき、『アタック№1TVアニメ版と言えば、こりゃもうピンポイントで月河プラスマイナス3歳ぐらいの年代の、女性向けです。週刊マーガレットに連載されていた浦野千賀子さんの漫画限定なら、プラスのほうにもう2歳ぐらい高いかもしれない。

当時の小学生女子はあの影響でみんなバレーボールが大好きで、一度でいいからネットを張って前衛後衛に分かれたレシーブ、トス、スパイクの本格的なゲームをしてみたくてたまらず、滑り台の前にゴム跳びのゴムを張って、審判役が台の上に座って、ふにゃらふにゃらのビニールボールで、ゲンコツでバン、ボボンしては「そんなことじゃレギュラーに入れないワヨ!」なんて富士見学園ゴッコをしていたものです。早川みどり役の子はわざわざお下げほどいて手で外巻きにしたりなんかしてな。ホラ恥ずかしいだろう。言葉攻めか。

残念ながら月河は年齢的にはじゅうぶん真っ只中だったものの、身体が小っさすぎる上、外遊び、とりわけ女子グループでの集団遊びがまったく駄目な子ちゃんだったので、窓からビニボーで、「魔球木の葉落としー!」なんちゃらやってるのを眺めては“TVでやってることをまんま真似するのはえらくカッコ悪いもんだな”との認識を深めていた昭和40年代でした。

それはともかく、このCMと『つばさ』に共通する当惑感「参っちゃうな」という感じは、ある特定の層に向けて、狙って狙って、なりふり構わず“当てに来ている”という息苦しさのもたらすものだと思う。『つばさ』も昭和40年代中~後半から50年代初頭頃の、あえて絞れば“ドラマの”という冠語が付いていた頃のTBSのドラマを思い出させるように作られているのは明白です。

「あぁこれこれ、このキャラ好きだったんだよね」「この感じ、懐かしいね」と言ってほしい気持ちが製作側にあるのはひしひしと伝わってくるし、乞われてそう言ってあげることのできる層の中に自分もいるという自覚はあるのですが、そういうものを見せられて「懐かしい」という気持ちになれるような心理や気分には、こちらはすでにないのです。

むしろ、その狙って来かたの、なりふり構わなさが恥ずかしいし、しらけると感じる。仮面ライダーやスーパー戦隊など、まがりなりにも(まがりなりかい!)新作コンテンツがリリースされ続けているものならともかく、鮎原こずえなんて、記憶の中に辛うじて残ってたようなキャラや、あの時代でさえすでに古めかしかった家族卓袱台ドラマのフォーマットを引っ張り出して、無理クリ喚起した懐かしさから、認知度好感度アップに結びつけようというのならあまりにさもしい。

しかも、そのさもしさが、まさに自分のほうを向いて、狙って繰り出されているさもしさだとわかったときの当惑感、“参っちゃうな”感は相当なものです。

OCNCMの場合、相武紗季さんがアイドル出身女優でありながら、巨乳や美尻といったセクシュアル方面をあまり訴求せず、女性客にも反感を持たれにくいキャラであることがこの企画を成立させてしまったのかもしれませんが、広告効果的に「食いついてきたのは紗季ちゃんのショートパンツ太股ジャンプに釣られて来たお父さん、おっさん、お兄さんだった」という結果に終わったほうが気分がいいですね。

『侍戦隊シンケンジャー』12日放送が第9幕。もうそろそろはっきり言った方がいいと思うので言ってしまおう。『シンケン』、暗いわ。お話が。物語世界もキャラも。とにかく暗い。

剣の腕なら殿・丈瑠(松坂桃李さん)と互角、教科書的な太刀筋の端整さならむしろ上かも…と仲間内でも一目おかれる流ノ介(相葉弘樹さん)がアヤカシに操られて敵性人格となり味方に刃を向けてしまい、ならば致し方ない俺が倒す!と立ち会う丈瑠、「流さん、目を覚まして!」とことは(森田涼花さん)、「アンタ殿様と戦ってるのわかんないの!?」と茉子(高梨臨さん)、「(丈瑠が)いつも殿様の顔崩さねぇから、こういうとき(流ノ介を本気で斬ってしまわないか)100パー(セント)信じられねぇじゃねーか!」と千明(鈴木勝吾さん)(←丈瑠が本気で立ち会う理由としてヒトミダマが“手加減したらすぐさまブルーに腹を切らせる”と釘を刺している)、丈瑠の腕を値踏みするように見守る腑破十臓(唐橋充さん)…という高テンションなお話だったのですが、ここまで流ノ介が“アナクロ忠臣”としてコメディリリーフも担当してきたことが筋にほとんど活きていなかった。

技術において上回るものの一本狙いにこだわる流ノ介が攻めてきた瞬間を狙って、一か八かモヂカラでの一撃でアヤカシの操り力を追い出し、正気に戻すことに成功した丈瑠が「あれだけのモヂカラを打ち込んだら、おまえは死んでいたかもしれなかった」「俺は勝手におまえの命を賭けた…ごめん」と、操られていたとは言え殿に刃を向けたことを悔いる流ノ介に不器用に謝るラストで感動の締めにしたかったようですが、持って行き方も落とし方もあまりに暗く、爽快感がない。

殿が人間らしい本音を垣間見せてくれたというより、“(人命を守る)大義のためには味方とも斬り合うし、味方の命を危険にさらしもする”というやりきれなさのほうが色濃く残ってしまった。

期待していただけに、脚本小林靖子さんどうしちゃったの?という気持ちです。作家さんにはたまさかあることですが、ちょっとした“鬱期”に入ってしまった時期の執筆なのでしょうか。クリエイティヴな仕事をしていてこれに嵌まると、明るい題材を扱い明るく書いているつもりでも、知らず知らずのうちに通奏音がマイナーコードになってしまい、差し引き暗くなってしまうものです。

月河は小林脚本作視聴デビューは遅めで、02『仮面ライダー龍騎』からなのですが、“手続きとしてドロドロどんよりしても、最終的には掬(救)ってくれる”という安心感があって、それが小林脚本の魅力だと思っていました。

今作、“ショドウフォン”という武器設定は玩具のバンダイ主導の提案でしょうが、モヂカラ=“言葉の力”で敵を倒すという結構も、いままでのところ物語の活性化にあまりつながっていないように思います。今回の第9幕も、レッドの“反”でヒトミダマの操り力をはね返す、あるいは先週の第8幕“影”でシンケンジャーの分身を繰り出す、いっそ“石”で石つぶてが飛ぶといった程度で、月河が期待した正義の“言霊(ことだま)”vs.三途の川=死の世界由来の.邪まな妖気パワー、という図式の具現化はなかなか見せてくれません。言霊が『ゴーオンジャー』の炎神みたいにひとつひとつキャラになって喋り出されたら尺的にもえらいことになるでしょうから、そこは各折神が言霊の霊媒的役割を果たすのかなと思ったら、“お子様人気安全パイの動物モチーフ”以上でも以下でもない。

こうなると、メインライターである小林さん以外の、サブ脚本家さんの担当回でどれだけ局面打開があるかに期待したい。世界観やキャラごとのスタンスは動かさず、如何にして解釈の幅を広げられるか。それによって小林さんが新たなインスパイアを受け、明るいほうに改めて舵を切ってくれる可能性もありますから。

明るさというのは、別に漫才チックなどたばたコントチックなやりとりで“笑いを取る”ということではないのです。今日の話でも、本気で対戦しなければかえって流ノ介の命が危ない、一瞬をついてモヂカラを撃ち込めば、流ノ介の力量なら耐えてくれるはず、耐えてくれよ頼む…という丈瑠の葛藤と並行して、「操られても眠らなかった部分の、流ノ介のヤミクモ忠義魂が土壇場でアヤカシの力を上回った!」「殿の信頼をこめた一撃を“殿のモヂカラに持ちこたえられず散るなら本望”と進んで受け、操り力を振り切った!」という転帰にすれば、殿ひとりハラにためてためて、チームメイト=臣下を危険に曝す痛みに耐えるという重さ鬱さが払拭され、見違えるように明るい後味になったはずです。

とにかく、“ヒーローらしさ”の部分が、殿の一本かぶりという構造を変えないことには明るくなりようがないと思う。

やっぱりスーパー戦隊も、脚本家としての小林靖子さんも好きなので、暗いからといって視聴を打ち切る気にはなれない。当面「がんばれシンケンジャー」です。

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春はバブル

2009-04-11 17:50:25 | CM

さほどあたらしものに敏なほうではないのですが、まぁ気温も上昇、空気も乾燥、ぼつぼつシーズンですし、先日店頭で見つけて「いちばん旨い発泡酒を、決めようじゃないか。」という、豊川悦司さんのさすらいの剣豪チックなCMを思い出したので、Asahi“クールドラフト”を試飲。

ちなみに、なんとなくですが、Asahiってビールの“スーパードライ”で業界をリードしている自負があるんでしょうか、他社に比べて、発泡酒・新ジャンルにはあまり熱心ではなくチカラ入れてないイメージを持っていて、“新生3(スリー)”“極旨”などは特に、飲んではみたけれど、積極的にいただけないなぁと思っていました。ビール的な爽快さが少なくて、単純に、甘いんですよ。あとクチもなんかねっちょりしていて、“ビールにちょっと見、似せた清涼飲料水”風。

Asahiで“スーパードライ”以外に「これならいけるかも」と思ったのは“ぐびなま”と“贅沢日和”、いま市場で好評中の“クリアアサヒ”ぐらいでした。“クリア”はそれでもちょっと甘め寄り…と思えたのですが、甘めは甘めでも、Clearを商品名に掲げてるだけあって、わりとさわやかで後をひける甘めです。

まぁ嗜好品ですから、純粋に嗜好の勝負になりますが、月河の場合、香りや旨みより、飲み口の軽さ、切れのよさ、あと微量のホロ苦さだけはこだわりたい。最近は若者層を中心に、ビール伝来のこの“ホロ苦さ”を歓迎しない向きが増え、そこで各社苦労していると聞いたことがあります。

しかし個人的な意見を言わせていただければ、この“ホロ苦さ”であまり妥協し過ぎると、将来にわたって、ビール本来の魅力を解しない客を増やすことになって、首を絞めると思うのですがね。

…さて、剣豪風名乗りの“クールドラフト”、第一印象としては「なんてことないな」。いや、いい意味での、イヤな引っかかりのないなんてことなさです。もっと詳しく言えば、甘さと切れと軽さ、ホロ苦さといった諸要素のバランスがとれている。ただ、バランスが取れているがために、あまり「他の銘柄ではなくコレ」というピンポイント支持を受けにくいかもしれない。

本格シーズン開幕を前に現時点で整理すると、

ビール:①サッポロ“CLASSIC”。当地限定でもあり飲食店で注文するとき、地域外からの客にも積極的に薦められる。

    ②Asahi“スーパードライ”。安全パイという以上に、やはり特に暑さピーク時の爽快感は随一。

発泡酒:①サッポロ“生絞りみがき麦”。同社のCLASSICや黒ラベルを忠実に発泡酒エリアで再現した几帳面作。

    ②Asahi“贅沢日和”。金色地のパッケージを採用、ビールの中でもヱビス的な、ちょっと引っかかる濃いめの風味を積極的に表現した勇気作。

 新ジャンル:①サントリー“金麦”。ウイスキーの会社だけに麦と水の風味が前面に出ているが無駄な甘みがなく飽きない。

       ②Asahi“クリアアサヒ”。上述の通り。

 やはり地元だからかな?サッポロへのシンパシーが全般に高いんですよね。店頭でも、他の地域よりは陳列スペースが広いはずです。

ちなみに、サッポロの新ジャンル“麦とホップ”は、昨年3月発売で全国的にもだいぶ定着してきたようですが、月河は同社の廃番になった“WDRY”のほうが好きだったなぁ。最近コンビニで広く展開中の“冷製SAPPORO”はちょっとパッケージデザインに新鮮さが感じられず、いまだ未試飲。でも最近は新ジャンルも消長サイクルが速いので、シーズン中に一度は試してみたいと思います。

今回試飲したAsahi“クールドラフト”は、発泡酒の③ぐらいに入れてもいいかな。シルバーを広く、ゴールドをラインでコンビネーションさせたパッケージデザインは悪くないと思いますよ。キレ感がありますからね。これも嗜好の問題だけど、麒麟“淡麗(生)”ぐらいには定着、広く長く愛される銘柄になってもいいと思います。

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売れそな気がします

2009-04-10 21:52:13 | CM

昨日NHK『つばさ』のことを書きついでに前番組『だんだん』にも触れようと思い、公式サイトを参照すべく、登録してあったブックマークをクリックしたら、URLがまったく同じ“…asadora”のまま、そっくり『つばさ』公式になっていてびっくり。女房と思ってべッド入ったら愛人がいた、ぐらいの驚きです。

なんだこの喩え。

…とにかくこの枠のドラマ、新しくなると、URLはそのまま中身が入れ替わっているらしい。枠ごと無くする、移動するなんてことは想定に入れていないんですね。NHK教育や、総合でも深夜なんかは続々番組編成が変わっているのですが、さすがNHKと言うべきか、さすが朝ドラというべきか。

で、せっかくなので『つばさ』のキャストページを見たら…こりゃどう考えても高齢家族が興味を持ち直しそうなドラマじゃないなと改めて思いました。あまりにネタ寄り過ぎ。

1週頻出した、つばさの舞い戻り母さん(高畑淳子さん)とお祖母ちゃん(吉行和子さん)との卓袱台はさんだ言い合い、立ち回り、止めるつばさに逃げる弟、オロオロ父さん、家族の周りに出入りする漫画チックな裏社会風一味…という情景、空気感は、ある年代前後の人なら『寺内貫太郎一家』もしくは『ムー一族』辺りの昭和家族・ご近所コメディを想起するはずです。おそらく脚本の戸田山雅司さんを含め、制作陣の主流もその年代なのだと思う。

ただ惜しむらくは、家族の中でのいちばんの強力磁場の持ち主が、頑固一徹親父ではなく母親、それも、女性視聴者には最も受け容れられにくい人物像パターンのひとつである“子を捨て家庭を捨てた母親”に設定されているところがきついですね。2009年の日本ではこうなってしまうのも仕方のないところでしょうが、数少ない女性の“怪優”候補である高畑淳子さんの熱演で、どれだけ取り返せるか。つばさ弟・知秋役の冨浦智嗣さんの、声変わり完了してるのかしてないのか微妙なハイトーンヴォイスが、“すべてにおいて女性重心にならざるを得ない”ドラマ界への圧力をはしなくも表しているようです。

 『エゴイスト』はタイトルの音声ロゴ「…えごいすと。」からして、やはり鑑賞の主眼は川島なお美さんでいいんでしょうね。劇中何度か画面に大写しになった、“西条玲子”名義の母子手帳の交付が昭和599月、子の誕生が605月で、母・玲子“(17歳)”と表紙に記載されていますから、玲子は昭和42年か43年生まれ、ドラマの現在時制がリアル2009年なら41歳か42歳です(ちなみに川島さんは1960年=昭和35年生まれ、今年49歳です)。

 こんなところからも01年の『女優・杏子』からの年月を感じますね。あの頃は“アラフォー”なんて流行語は存在せず、まだ設定36歳と、玲子よりは56歳は若かった香月杏子(荻野目慶子さん)が「いちばん中途半端な年」「老け役ってわけにもいかないし、子持ちの役はイヤだって(杏子さん本人が)言うし」「(TV)局は世代交代で、少しでも若い子を使いたがるし、いまはまだ不倫モノでウケているけれど、主役一本じゃもうきつい」と事務所社長兼マネージャーの孝枝さん(茅島成美さん)に愚痴られていました。

 一方『エゴイスト』の、川島さん扮する玲子はと言えば、マネージャー(蘭香レアさん)にも事務所社長(藤堂新二さん)にも無断で作家に体当たり(←たぶん)売り込みかけて開局記念ドラマの主役取ったり、杏子を髣髴とさせる営業努力は日々怠りないようですが、プライド満々アタクシ上等な現場での振る舞いも、Pも監督も受け入れて言うなりになってくれていて、杏子のように“陰で鼻つまみ”とか、若手に押され気味といった下り坂描写はいまのところありません。

要するに『杏子』からの8年間で、現実のドラマ界が高齢化したのだと思います。『杏子』の01年、“女優36歳、スターの座からの忍び寄る凋落”というのは結構、現実味がありましたが、09年現在、“アラフォー女優がメイン時間帯のドラマで主役オファー”というのも満更ウソっぽくはありません。

小劇団“イノセント・スフィア”の、そのまた若輩の香里(宮地真緒さん)が、見たところ30歳前後の設定と思われる先輩女優・トモ美(一青妙さん)について「もうオバさんなのに、演出家とデキてるからって主役」とブーたれるのも、ちゃんと“ゴマメの歯ぎしり”に見えています。

深読みすればなんとなく、over40が貪欲でパワフルで地位を手放さないために、アタマ数と絶対力量で凌駕しあぐねている20代”という、当節の労働・雇用市場を反映しているととれなくもない。本当に、TVドラマに限った話ではなく、どのジャンルにおいてもマーケティング、商品作り、“本当は若者に興味持ってほしいんだけど、実際おカネ落とす米の飯になるのは4050代”という乖離に悩んでいますからね。

久しぶりにこの枠を毎話録画視聴していると、当方まだアナログVTR視聴だもので、編集できないCMがちょこちょこ目に入ってしまうんですが、お昼仕様のCMまたまた独特なことになっていますな。“タンスにゴン”の新製品“ゴンゴンフレンズ”の♪ウ~サギさんクマさんネコさんよ~ ってあやしげなフレーズ、かなり脳内にループでミゾを刻みますよ。字幕では「カワイクなった」ってあるんだけど、だったら着ぐるみ向きのカワイイ映像カワイイアクション、カワイイBGMにすりゃいいのに、あえてぜんぶアヤシクしてしまったと。向かって左端のピンクのウサギさんが、腰グラインドさせてるつもりで腹グラインドになって、ヨロッてつんのめるところがいいんですよね。

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つばさをください

2009-04-09 21:42:58 | 夜ドラマ

4月期からのNHK朝の連続テレビ小説『つばさ』はどうなんでしょうね。なんだかんだで『だんだん』は最終週まで追尾したウチの高齢家族、どうしてるのかチラチラ様子見てると、どうも謎の実業家にしてヒロイン母の出奔中の元彼?ヒロリンこと西城秀樹さんが画面に出てきた段階で「これは団塊世代以降のためのドラマ」と見切りをつけてほぼあきらめたようです。

朝ドラには数年前、野口五郎さんもレギュラー出演されていたようだし(02年『さくら』)、元・新御三家の起用は“ある年代”の視聴者にはピンポイントなんでしょうけど、ある年代に絞って露骨に当てに行くと、それ以外の年代の客にこうして見事に引かれることになる。国民のみなさまのNHKもつらいところです。

月河はキャストより、メイン脚本の戸田山雅司さんが、『相棒』にseason4から6までレギュラーで参加している脚本家さんであることに注目していますね。特にseason5の、平田満さんが天才的嘘つき窃盗常習犯に扮した“せんみつ”、高橋克実さんがマーロウ気取りの、お笑い風味だけど手腕はある私立探偵として捜査に貢献した“名探偵登場”、特命コンビが山中で雨に降り込められ、大空真弓さん扮するカリスマ服飾デザイナーの豪邸パーティーに飛び込み参加する“女王の宮殿”など、シリーズ中では変化球的と位置づけられるエピソードで味を出してくれました。

これらがかなり好評だったと見え(月河も好きなエピの中に入ります)、season6では元日SP“寝台特急カシオペア殺人事件”の拡大枠も任されているし、原田龍二さんの陣川警部補、木村佳乃さんの片山雛子議員といった、戸田山さんご自身が参加する前に他の脚本家のホンで種蒔かれていた、“相棒汁(じる)”の滲み込んだ重要キャラを引き継ぐエピもしっかり書いておられます。

ヒロリン率いる黒スーツ黒メガネの2人組なんか、“名探偵登場”で克実さん扮する八木をボコって、最終的に組織犯罪対策課の大小コンビに取り押さえられた、ブルース・ブラザーズ風のアイツらにそっくり。9日放送分でも、「甘玉堂の店が存続することがどんなに大事か」をヒロリン一味に熱弁ふるうつばさ(多部未華子さん)への、弟(冨浦智嗣さん)お父さん(中村梅雀さん)のツッコみなんかは、『相棒』風味でした。場面場面で見るとドタバタギャンギャンしているんだけど、結構計算ずくのドタバタなんですよね。こうした漫画っぽさ、慣れない人は何話見ても慣れられないかもしれない。

それでもNHK朝ドラなるがゆえに、ヒロインのお仕事成長物語や、結婚・花嫁を視野に入れたほのかなラブストーリーや、家族再生を入れないわけにはいかない。個人的には戸田山さんには、早く朝を片付けてもらって、せんみつ槇原やマーロウ八木が新生特命係に再びからむエピソードを書いてほしいのですが。

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