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イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ドナドナドーナードーナー

2010-05-20 19:12:29 | ニュース

収束の見通しがいっこうに立たない宮崎牛の口蹄疫(こうていえき)問題。

畜産や獣医学に無知な向きで、“コウテイエキ”という響きを音声媒体で初めて耳にしたとき、“皇帝液”と脳内で勝手に当て字し、ユンケル的なもの、もしくはいっそヒアルロン酸的なものを想像していた人はいないでしょうか。

…月河宅にはいます。ひとり以上。ユンケルンバで頑張るンバ。

月河本人は、家畜と“コウテイエキ”の音(おん)の組合せで、速攻“口蹄疫”の文字を結びつけることができたのは、実は20年前に読んだトマス・ハリス『羊たちの沈黙』のおかげだったりします。結局、クラリス・スターリング捜査官が釣りとして提案した口蹄疫研究所の島に、ハンニバル・レクター博士は移送されなかったんですけどね。

それにしても、手塩にかけた家畜たちに、ワクチン投与した上で処分し、埋めて、畜舎の焼却までしなければならなくなった畜産農家の皆さんの心痛はいかばかりかと思います。地面に種を蒔き苗を植えて、茂り実るのを待つ普通の植栽農業にしても、命あるものの育成を生業にしている人の思いは同じ。

肥育しいずれ屠られて食肉となる運命でも、心をこめて給餌し水を飲ませ、日光浴をさせ、毛皮を清潔にしてやり、よだれや排泄物にまで注意をはらって、たぶん自分は一生行く機会もないであろう東京のセレブなステーキハウスで「ここのお肉はおいしいね」と言って富裕層の皆さんに高価に食べてもらえることを目標に、二十四時間休み無しの家族労働に耐えているはず。「殺して埋めて焼いて」しかゴールの見えなくなった現状は、過去何年分もに流した、家族全員の尊い労働の汗がすべて無に帰した徒労感にしかならないでしょう。

何がウィルス病原菌をこの地にもたらしたかわかりませんが、身体を疲らせ日夜の時間をついやして働いた人たちを、働いた分だけの報酬にみあわせてあげられない行政はどこかで根本的に間違っていると思う。

月河が子供の頃なんかは、牛肉と言えば年に二、三回クチに入る機会があるかないかという贅沢食材の代表選手でしたが、あれかな、牛さんが人間の役に立つ場面、食材としてはストップでも、ランドセルとか、お財布とかベルトとかもあるんじゃないかと思いますが、処分になる前にそういう方向で生かす機会はないのかな。

…こういうことを考えつく自体冒涜の、蹂躙の、無礼のきわみかな。なんとか、育てた皆さんの労力と、育てられた牛さんの命が、灰燼に帰さない方法はないものかと思うんですけど。

コメント
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