イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

「ゲーテとは俺の事かとギョエテ言い」…あ、逆だ。

2010-05-07 16:59:05 | 朝ドラマ

 『あさイチ』プレミアムトークに7日(金)松坂慶子さん登場。何だかんだ言っても、ゲストが豪華だとついチャンネル据え置き、かつ手も止まってしまいますね。いつもながら抜けるように白いお肌に、パステルピンク基調のブラウスがお似合い。50代後半、肌色の透明感によほど自信がなければなかなか着られない色ですよ。二の腕や胴回りのもったり加減も、豊満バストの包みこむような眼福感で行って来い。同性ながら拝んでいるだけで幸せにしてくれそう。

松坂さんと言えば、いまはすっかりNY在住のジャズミュージシャンの旦那さまと2人の娘さんと幸せな家庭生活を送っておられるようですが、かつてはもうひとりのベテラン女優さんと、カントリーアイドル歌手出身の俳優さん(故人)を挟んで、芸能誌やレポーターたちを忙しがらせる三角関係を展開したこともあったし、やはり故人の大物映画監督、現存活躍中の大物小説家さんの“愛人説”もまことしやかに根強かった。まぁ映画監督や小説家さんは女優さん大好きと相場が決まっていますから、荒削りだった女優さんがその監督作や原作映像化でひと皮剥けて美しくなり、演技も大胆になってたりすると「…お手がついたな」、次作でも連続主演なんてなると「決まりだな」と、観るほうは妄想してしまうし、作品鑑賞も妄想込みで盛り上がり、それが付加価値になったりもするものです。

まぁこうしたドロい経緯はさすがにNHKのトークでは触れられていませんでしたが、現旦那さまとの結婚をお父さんが強く反対され、一時絶縁状態になったりということも。そのお父さんも、松坂さんが一昨年の大河『篤姫』出演中、亡くなられる頃にはすっかり和解、最後はたまたま病室に松坂さんひとり付き添っていたときに「ありがとう」と言い残して目を落とされたとか。

松坂さんはそんな“オンナ史”を経ても少しも(心身ともに)すり減らず、薄汚い感じになることもなく、揺るぎなく“大輪の花”に咲きとどまっておられる。番組中、『ゲゲゲの女房』520日放送予定の回の一部シーンが紹介されていましたが、再来週になるこの頃には布美枝(松下奈緒さん)も「夫が漫画家水木しげる」とカムアウトしているらしく、松坂さん扮するこみち書房美智子さんの指揮のもと、地元すずらん商店街のおかみさんたちも広報宣伝に協力してくれるみたいです。

夫(光石研さん)が兵役帰りで健康を損ない就職もうまくいかず寝たり起きたり競馬行ったり、リウマチ持ちのお姑さん(佐々木すみ江さん)とともに、大衆食堂から貸本屋に商売替え、朝10時から銭湯帰り客の繁忙をはさんで夜10時まで正月以外休みなし、しげる(向井理さん)&布美枝夫婦とさっくり鏡像のようなカタチで苦労が絶えない美智子さんですが、まったくへこまない、くすまない、くたびれない。明るさだけを燦燦と放射。オンナとしても、女優としても“芯がふっとい”松坂さんにぴったりの役ですね。

こみち書房の常連さん・製菓工場工員の役でゲキレッド(@『獣拳戦隊ゲキレンジャー』)鈴木裕樹さん。先週、『その男、副署長』再放送の若手刑事役でも久しぶりにお顔を見ましたが、顔の上半分を所謂Mラインに切り取る的な髪型じゃなく、今回のように額まる出しの短髪だと、本当にクレジット見るまで識別つきませんね。

設定ではこの工員・太一さん、中学を出てすぐ岩手から上京して「訛りが抜けないのを気にして寡黙であるため、他人からなかなか理解されない」となっていますが、それほど記号的に訛っているわけではなく、むしろ“吃(ども)り気味に訥弁”という感じ。鈴木さんご本人が岩手県北上市出身なので、“東京の人がイメージする東北訛り”をティピカルに演ろうとすればいくらでもできそうですが、それじゃドラマが安くなるし、岩手地元で見ている視聴者にも噴飯もの。

“客観的には気になるほどの訛りではないのに、本人が過剰に気にして、言葉を発する前にひと躊躇いするので、つっからかったような喋り方になる”、訛り以前にナチュラルにハニカミ屋さん。この辺の匙加減は演じる鈴木さんの独自の工夫なのか、監督さんの指導か。劇中、訛っているだけでは“この人は東北出身設定ですよ”という情報しか読めないけれど、こういう喋り方なら、性格や、職場でも友人がなかなかできず、半ドンの土曜でも近所の貸本屋以外遊びに行くところもない日常など、いろんなことが想像できます。

ハニカミくんなりに気心が知れて土曜のお昼を食べに寄る美智子さんには、本棚の高いところを整理してあげたり電球を取り替えてあげたりしながら結構闊達に談笑するのに、布美枝さんが卓袱台の隣で話しかけるとちょっぴり緊張気味で、ご飯食べながらもそわ~と上体が逃げてるのね。このへんの描写も節度がある。

水木漫画が好きな理由を「怖いけど、なつかしい感じもする」「子供の頃、ばあちゃんが聞かせてくれた昔話みたい」「明るく楽しいだけ(の漫画)は嘘っぽいっす」と太一さんが訥々と語ってくれて、まだ“私の旦那さまは水木しげる”と言いそびれている布美枝さんも勇気づけられた様子。

設定昭和36年、世間は高度成長で、石原裕次郎さんや加山雄三さんのカッコよさがもてはやされていた時代でも、まだ戦争の傷の癒え切れない大人たち、地方から東京に就職し親や弟妹たちのために労働に明け暮れる若者たちは“明るく楽しいだけではない”漫画に、きっと心惹かれたことでしょう。

太一くんがひそかに片思い中らしい、同じ工場の工員真弓ちゃん(菊里ひかりさん)と、漫画が縁でデートに漕ぎつけなんてことになればいいですが。

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