山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

京都議定書から10年  逆行の日本

2007-07-01 21:59:08 | 街づくり
 今年も後半に突入した。
 地球温暖化防止京都会議において議定書が議決されてから今年で10年になる。 しかし日本では議定書(※1)の目標(温室効果ガスの削減)に大きく逆行する街づくりが進められてきたと申すべきであろう。
(※1 正式には、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書と呼ぶ)
 代表的な温室効果ガスとしての二酸化炭素の排出源の一つであるクルマの走行だけは全体の20%程度だが、クルマ社会を支える産業の裾野は広大で、合わせると40%ほどにもなるから、まさにクルマは二酸化炭素の主要な排出源とみなしてよい。
 それでもクルマの走行量の増加と二酸化炭素の排出量の算出は困難だが、自動車の保有台数の大幅な上昇は(財)自動車検査協力会の統計からもはっきりしている。
日本の排出削減の割当て目標(約束)は1990年の排出量を2008年~2012年までに6%削減することにあるが、
   総台数 (1990年) 57,993,866台 → (2007年1月) 79,452,557台
   乗用車 (1990年) 32,937,813台 → (2007年1月) 57,521,617台
 総台数では37%、乗用車では何と44%の大幅増加を見せている。たとえいかに燃料消費が少ない軽乗用車の増加が多くとも、これではクルマ関連だけでも二酸化炭素の排出量が格段に増加していることが充分に推察できる。
 また、この十数年の間に高速道路、高規格道路、その他の幹線道路の新設や延長、拡幅が進められ、また、市街地の郊外への膨張、大型商業施設や病院等の公共施設の郊外移転や進出が進められ、車1台あたりの走行距離と高速化が大幅に進められたことに伴い、二酸化炭素の排出量も格段に増加したことは容易に推察できる。
 行政は京都議定書を事実上無視したに等しい。今や官民挙げて地球温暖化「防止」を叫んでいるが、これでは「抑制」すら困難ではないか。

※ 写真は山形市の中心市街地で進められている幹線道路の拡幅用地。完成後は郊外の大型商業施設へ向かう車が増加し、中心部はますます衰微する恐れがある。
 
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