今日は津高のオープンキャンパスだ。馨五と樹は行ってるはずだ。由生は・・・附属中学は今週から授業が始まっている。昨日は津西、今日は津高、両校を志望する生徒、大変やな。
そういや津高から学習塾対象の説明会開催の知らせが届いた。日時は9月24日だ。それ以外にも津高OBの学習塾経営者の懇談会もあるはずだが、そっちの知らせはまだだ。
『鎌倉』から『バロー』へまわってコピー用紙を買い込み塾に戻る。中3は少ない・・・各中学の試験範囲を眺めながら各自で該当個所の勉強をしている。夏休みも今日を入れて4日、いつもなら生徒たちの裁量に任せて好きにさせている時期だが・・・今年はついつい指示を出してしまう。
そこへ瞭(20期生・名古屋大学機械航空4年)がやって来る。「スッ単騎あがったんやって?」 ハナッからこれだ。「オマエこそ、院試に受かったんだろ。face book で見たぞ」 「ああ、それそれ・・・大変やったって、今までの人生で初めて、受かったか落ちたか分からんような試験を受けたよ」 「そんなに難しかったんか」 「いや・・・倍率がハンパやない、2倍。院試じゃ、こんな倍率ちょっとありえんよ、構内でも全国で最も過酷な試験やなんて騒いでたな」 「それを受かった。・・・良かったよな」 「でさ・・・」と瞭、ここで表情を緩める。「合格通知にさ、成績優秀者って書いてあったよ」 「そりゃすごい。・・・何かプレゼントでもやろうか」 「今夜、マージャンがしたいな」 「リクエストは?」 「慎也チャン(大阪大学基礎工学4年)って言いたいけど、もうこっちにおらんらしいし・・・そやな、大典(21期生・愛知大学法学部2年)と打ちたいな」
それからは玄太(24期生・三重大学医学部1年)の打ち方についての俺の分析を御所望のよう・・・院試に受かったご褒美か、しゃあないな。俺なりの玄太の打ち方・・・というよりは、打つ姿勢について話す。「なるほどね、それは俺が知ってる時の玄太じゃない。少しずつ変わってきているわけや。それで最近目にするブログの記事で、ちょくちょく振ってるわけやな」 「まあ、成長の一過程と捉えれば、今の振り方はよく分かる。もうひと皮剝けるとお互い手に負えなくなるかもしれないけどな」
マージャンの話をしている瞭、ふと携帯に気づく。「やべ! 彼女との約束忘れてた。先生、ちょっと津駅まで行ってくるから夜には面子集めておいてよ」 階段を駆け下りていく瞭の背中を眺めている。初めて塾に密航してきた小5の時の腕白小僧、あれから15年・・・あの頃のままだ。