忖度
「忖度」、この漢字、何と読みますか?
森友学園問題ですっかりお馴染みの言葉になりましたね。
「そんたく」と読みます。
この言葉は今年の年末には流行語大賞にノミネートされるかもしれませんね。
この「忖度」と言う言葉、森友学園問題が報道されるようになってからよく聞かれるようになった言葉です。
しかし、学園の理事長の証人喚問の後は影を潜め、最近では全く報道されなくなりました。
一体どうなったのでしょうね。
もっとも、森友学園問題の根本は、政府が国民に不利益を与えたか否かの、国有地売却価格が適正であったかどうかであり、更に8億円の値引きについて政治的な圧力があったかどうかということなので、昭恵夫人への「忖度」の有無については追求順位が低かったと言うことなのでしょうか?
それにしても、理事長のあの証人喚問は一体何だったのでしょうか?
何ら結論を得ることなく、国民には何も知らされないまま幕が引かれたような感じになりました。
このようなことの繰り返しが政治不信に繋がるのではないでしょうか?
さて、政治の問題はこのくらいにして、今日は「忖度」の語源について調べてみました。
「忖度」を広辞苑で調べると、(「忖」も「度」もはかる意)他人の心中をおしはかること。推察。と説明しています。
推し量るとは、ある事柄を基にして見当をつけたり推測することです。
つまり「忖度」とは他人の心を他の事柄を基本にして推測すると言う意味になります。
忖度という言葉は四書五経の一つである『孟子』に遡る言葉のようです。
ネットで調べると、〔孟子、梁恵王上〕詩に、「他人に心あり、われはこれを忖度す」とあります。
忖度の「忖(ソン)」は、「立身偏(りっしんべん:心)に「寸」が組み合わさってできています。「寸」には長さを測ると言う意味があるので、つまり「忖」には心をはかると言う意味があって、人の気持ちを推測すると言う意味になります。
そして「度」ですが、この漢字には「ものさし、はかる」という意味合いがあります。
従ってこの二つの漢字が組み合わさった「忖度」と言う言葉は、何か基準となるもので他人の心をはかると言う意味になります。
森友学園問題ではその忖度があったかどうかを問題にしている訳ですが、忖度は当然あった筈です。
官僚組織にしても民間の会社組織にしても、組織内で働く人には「忖度」は当然求められるものです。
部下は上司の胸の内を忖度して判断をしなければならないとは多々あります。
大阪府の松井知事が言っていたように「忖度」には良い「忖度」と悪い「忖度」があります。
「忖度」が全て悪いという野党の追求には無理があったような気がしますが、如何でしょうか?