“三十六計逃げるに如(し)かず”と言う故事があります。
これは、「作戦はいろいろあるが、困った時には逃げるのが最良の策であると云う意味で、形勢が不利になった時はあれこれ策を練るよりも逃げて身の安全を保ち、後の再挙を図るのが最上の策である』と云う中国の故事です。
今日はこの故事にある「三十六計」について調べました。
「三十六計の由来」
「三十六計」は、古代中国の兵法で用いられた三十六種の計略のことです。
宋の将軍 檀道済(だんどうさい)は北魏(386年~534年)への北伐の際、歴城まで達するも兵糧不足となり、逃亡者や士気の衰えが出始めていました。
やむなく檀道済(だんどうさい)は撤退を決定しますが、宋軍の損失を最小限にとどめるための策を練ります。
それは、枡に砂を盛って米のように見せ、また余った兵糧を地面にばら撒き、兵糧が豊富にあるかのように偽装したのです。
これを見た北魏軍は、宋軍の兵糧が尽きていないと思い込み、伏兵を懼(おそ)れて追走してこなかったといいます。
そこで檀道済は宋軍を悠然と退却させました。
後世になり、この出来事を南斉(479~502)の将軍である王敬則の「檀公の三十六策、走ぐるは是れ上計なり」の句に基づいて作られたもので、この「三十六計逃げるに如かず」の語源とは直接関係ないそうです。
参考までに、兵法の「三十六計」の一つに、自国が圧倒的劣勢の場合に用いる奇策に「美人計(びじんけい)」と言う策略があります。
これは、土地や金銀財宝ではなく、あえて美女を献上して敵の力を挫く、いわば色仕掛けの策略だそうです。
この策は、“人間は快楽に弱いもの。相手の望みのものを与えたら、苦痛な仕事にやる気を失くしていく。”ことを狙っているものだそうです。
驚きましたね。中国では圧倒的に劣勢となると色仕掛けによる策略もあったのですね。
そう言えば昔、中国が仕向けた女スパイに日本の某首相が関わっていたことが週刊誌で話題になりましたね。
中国は油断出来ない国ですね。