rai infos/ライ・ニュース 099


"MAMI, TU AS FAIT UNE CONNERIE, TU DOIS ASSUMER"

Jeune Afrique誌でもマミ事件をとりあげています(6月24日ー30日号)。
 これもマミには厳しい内容です。
 拘留されていたときのマミには同情もあったけれども、国外逃亡のうえ人種差別的言辞を弄したとみなされては、ちょっとまともに弁護する者はーー少なくともフランスにはーーいない感じで書かれています。インターネットの某所に書き込まれたMouradという人の言葉(このエントリーの見出しです):「マミ、あんたは愚かなことをやったんだから、つぐなうべきだ」というのが皆の気持ちを代表している、としています。
 ただJeune Afriqueは、マミは別に「ユダヤ人が悪い」といったわけではない、ということにも注意を喚起しています。たしかにそのとおりで、彼は形の上では「わたしのユダヤ人のマネージャーの悪いアドバイスにのってしまった、云々」と言ったのです。
 レヴィ側の弁護士の反論はその言葉尻をとらえて巧妙になされたとも思いますが、マミの言い方がアルジェリアの人たちの間ではユダヤ人差別感情をかきたてる効果を持ったことは疑いないですから、不用意な発言には違いありません。

 現在マミは姿を隠していて、「彼に会うよりローマ法王に会う方が簡単」っていう冗談がとんでますが、マミのそばにはいま誰かいるんですかね? 慰めもなく、ひとりで失墜の味をかみしめているのかな・・・

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

国際漫画賞

 麻生大臣が漫画好きでこんなのをやってるとは知りませんでした。国際漫画賞というのがあって、里中満智子(この方は『赤と黒』の漫画化もされてます。頼まれ仕事だと思いますけど)、ちばてつや、やなせたかしの各氏が審査員をやって、優勝作は香港の李志清氏の作品『孫氏兵法』になったとのこと。「池上遼一に作風が似ている」んだそうです。

 うーんこういう賞って、麻生氏が大臣辞めたあと育っていくのでしょうかねー。続かなきゃ意味がない。まずはそれが心配。

 麻生氏は「漫画を通じ世界ときずなができれば言うことはない」と述べたそうですけど、それって「世界と日本のきずな」ってことでしょうかね?
 「日本が優れていることを証明してくれるために世界はある」みたいな発想が衣の下にちらついたりすると、国際的賞として権威ができてこないと思うんですよ。だって世界の日本文化心酔者以外の人々がついてこれないから。

 日本の人はほぼ完全に唯我独尊で、だいたい日本の漫画しか知らないし、そしてその日本の漫画が当然世界一だろうと思っている、と言って過言ではないと思います。
 ちょっとこれ、まずいことだと前から思ってます(審査員が三人とも日本の人っていうのが、外国から呼んで来ようにも誰を呼んだらいいのか分からない、ってことだったら情けない話です)。

 せめてこういう日本創設の賞の優勝作くらいは普通の人の目に触れるところにでてくるところまでやらないとだめだと思うんですけど、どうなんでしょうか。麻生大臣はそのへんまで考えているかな?

 だって、なんで日本の人は日本の漫画しか知らないかというと、手に届くところに日本漫画しかないから、ですね。
 日本はマーケットとしてでかい。市場を独占していったん当てれば物凄い利潤が上がる。だから日本市場はひたすら日本の人の感性にかなうような、くすぐるような作品を用意して、ぶちこむ場所にしかならないんですね。そうやって市場を独占して大儲けする誘惑には、だれも勝つことはできないです。

 でもその必然の帰結として、日本になじみのない外国の文化の産物や歴史にからむ作品は、もう最初の時点で「日本市場では商品にならない」とみなされてアウト、ということになります。

 「教養主義」が機能していた時代にはまだそういうものも存在する余地があったのかもしれませんが、いまはマーケットだけ、利潤だけの時代ですから、もう無理。

 というわけで日本はひどい文化鎖国の時代に入っていると思いますよ。
 これって危険ではないですか。

コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )