HONDA

 ワールドカップでの本田選手の活躍で、たぶん本田技研工業がひそかに狂喜しているはず。
「やっぱりHONDAはすごい」という声があちこちであがってるはずなので。
 
 それから金沢も喜んでます。星稜高校の出身だから。北國新聞によく記事が載ってます。
 彼はロシアチーム所属でロシア語勉強中、っていうつながりで、石川県もロシア語教育に本腰入れないですかね。

 てなこと言ってないで。ワールドカップは、まだ終わってません。
 ガーナが優勝するといいですね。

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日本残念でした、でもよく健闘しました + 前のエントリーへの補足(フランスの人種問題等)

 前のエントリーはかなり多くの方が閲覧されたみたいですので、現代フランスの社会状況に詳しくなくて「郊外」ってなんだ? 等々、もどかしく思われた方々のために補足しておきますね。

 現代フランス語で「郊外」"banlieue"バンリューとかバンリュー問題とだけ言えば、高級住宅街のことではなくて、大都市郊外の低所得者の住居が集中する地区とそこに関わる諸問題のことを指します。
 低所得者地区なので、どうしても外国(とくにアラブ圏、アフリカ圏)からの移民労働者系が多くなります。

 ただアメリカ合衆国の多くの町のように歴史的に白人黒人居住区が截然とわかれているわけではなくて、多かれ少なかれ多民族の混在する「人種のるつぼ」になっています。黒人系、アラブ人系、東洋系だけではなくていわゆる「元からの」フランス人 "Francais de souche"、白人系もいます。フランスの国是である「共和国原則」――つまり国と国民との間に民族コミュニティーのような中間存在を介在させない――からして、そうなるわけです。もっともこの原則は最近かなり実効力があやしくなってきたとも言われていますが。

 リベリは白人系で、ブーローニュ=シュル=メールというあまり大きくはない町の貧しい地区の出身ですが、やっぱり「郊外」系のひとりとして扱われていると思います。(と、わたしはこう思うんですがこのへん、フランスの現地におられる方で「それ、ちょっと違う」という方がおられましたら修正をお願いいたします)

 現代フランスを理解するうえで厄介なのは、いわゆる「人種差別」とこの「郊外差別」が重なっていて分かちがたいところがあるということです。おそらく一部の(全部じゃないですよ)フランス人の頭の中でもこの二つがダブっていて、本人たち自身にも自分がどう考えているのか正確なところが分かってないだろうなと思います。

 前のエントリーの分かりにくいところはその辺にあるかと思います。

(ちなみにアネルカやアンリとなると、カリブ海にあるマルチニーク島出身系ですから、かなり昔からフランス領でありいまでも「海外県」としてれっきとしたフランス本体の一部である地域にルーツを持つので、旧フランス植民地の独立国系とも立場が違います。ヤヒアやゲザル、それから直前のケガでワールドカップ出られなかったメグニたちはフランス出身ながらアルジェリアチームに加わるという選択肢があったわけですが、アネルカやアンリには「戻る」ところがないのです)


 さて日本代表ですが、よく健闘しました。PK戦にまで持ち込んだんだから立派なものだと思います。これが実力だと思います。(すみません、わたし試合見なかったです。忙しくて忙しくて、睡眠とらないと体もたないですから・・・)

 ただ、国民的興奮のあとは冷静に現実を分析したほうがいいと思います。例のオシム氏(あの人は笑っているところ見たことないですね)は、対デンマーク戦の本田のゴールを「あれはキーパーのミスだ」と一刀両断に切り捨ててますしね。喜ぶのは悪いことではありませんが、いつまでもひとつの成功体験に酔いすぎることなく次のステップへ向かっていってこそ、今回の望外の健闘を生かすことにつながると思います。
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どメねクさま  フらんク・リベリ 


 ワールドカップ・フランス代表のフランク・リベリがドメネク監督に書いた手紙というのがネットに出回ってます。

 ここに入ってください(・・・と書きましたがリンク先にとばないみたいですね。でも"Ribery Domenech lettre"で検索したらすぐ出てきます)。[追記]あ、つながりました。タグを書き間違えてました。10.06.30.

 たしかに誤字の羅列です。

 うーんでもなんかウソ臭いですね。ギャグでしょうこれ。

 チャットなんかでよくこういう間違いだらけのフランス語が書かれている例がありますが、わたしはいつも、これは本当の無知によるものではなく、ガチガチに作られた堅牢なフランス語の書き言葉体系に茶々を入れるために意識的に規範を逸脱しているふしがある、と思ってます。

 このリベリの手紙の例はさらに、郊外出身者の学力のなさを笑おうという悪意のあるギャグかもしれません。

 6月24日付Le Monde によると当の郊外の今の若者たちからは:「ナショナルチームの彼らはもう若者とは言えないし、郊外で12歳まで育ったかもしれないけどそのあとは選手養成所に行っちゃったんだし、彼らは国を代表しているので郊外を代表しているわけじゃない」という声があがっているそうです。

 それにまた例によって:「チームが勝ったら選手たちはフランス人とみなされるけど、負けたら奴らはフランス国籍のアフリカ人だ、ということになる」という声も。

 「アラブ系がチームにいなかったのはラッキーだった。もし入ってたら敗戦はイスラム教のせいだと言うやつがいたはずだ」ということを言う人もいます。でも当のリベリがイスラムに改宗してますから、それ、言えないことはないんですね・・・ 




 

 
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テルミドール

 前のエントリーに「フランス大革命」勃発の可能性を書きましたが、来てるのはどうやら「バスチーユ」というより「テルミドール」みたいですね・・・

 いまフランスで起こっているのは1998年のワールドカップ、ジダンたちの大活躍でフランスが優勝したあのワールドカップ--わたしがその興奮を目の当たりにしたワールドカップ--の反動だと思います。

 多くの移民系の選手たちの活躍で勝ち得た勝利、国民戦線Front Nationalのルペンさえ褒め称えざるをえなかったあの勝利ですが、その移民系の選手たちの多くが育った「フランス大都市郊外」という問題の地区がまた白い目で見られています。

 今回は、この種の地区で育った選手たちの規律のなさが槍玉にあげられているのですね。

 1998年に活躍した世代がフランス・サッカー界の実権を握ろうとして、ドメネク監督に非協力的になっていたとか、そういう指摘も聞こえています。

 ううむ。
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ガーナに期待 ハイライフ


 日本チーム、決勝トーナメント進出おめでとう! よくやりました。前評判があれだけ悪かったのに、信じられない感じです。
 それにしてもゴールの前に立っていたデンマーク選手たちは、キーパーの目隠しにしかなってなかったような気がしましたね。

 日本と同じように前評判の悪かったフランスは本大会でもやっぱりダメで敗退したと思ったら(これだけボロボロだと、逆上したフランス人たちが「大革命」を起こすような気がします。今回はアラブ系がチームに入ってなかったのが敗因だという声も聞こえてます)、付き合いのいいことにイタリアも予選敗退ですね。前回の決勝で対戦した両チームが姿を消しました。

 アフリカ勢は、南アフリカもアルジェリアも、カメルーンもコートディヴォワールもナイジェリアも負けてしまって、残ったのはガーナだけですね。

 ガーナは、その音楽ジャンル「ハイライフ」high life でアフリカのワールドミュージック史を開いた、と言ってもいい国です。写真は先日のアフリカン・フェスタでのガーナのアーチストの演奏です。ハイライフもやってました。

 アフリカ初のワールドカップでできるだけ上に行って、ここでも新しい歴史を開く役割を演じてほしいものです。
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残念。でもアルジェリアよく健闘しました。Merci et a bientot !

 残念ながらアルジェリアは、決勝リーグ進出はならなかったです。
 アメリカに1点入れられて負けでしたが、勝たなければ意味のない試合だったのですから、これはこれでいいです。

 両チームとも懸命に点を取りにいって、最後のロスタイムまで点が入らないという死闘でした。
 選手たちはよくやったと思います。これが今の実力ということです。

 El Watan 紙は

 Merci et a bientot 「ありがとう。またね」

と書いて選手たちの労をねぎらっています。
 次回大会でのアルジェリアのさらなる飛躍を期待しましょう。

(もっともアルジェリアのマスコミも全部が好意的ではなく、たとえばLiberte 紙はサァダヌは無能だ、フランスでクビになったドメネクを雇え、とか叫んでますけど)
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フランスぼろぼろ アルジェリアがんばれ

 フランス、やっぱりダメでした。ははは。グルキュフまで一発退場では、どうしようもない。
 どうせ負けるなら4-0で負けて、南アフリカを決勝リーグに送ってあげればよかったですね。

 あとは皆さん、どうかアルジェリアが決勝リーグに行けるように応援してあげてください。

 サァダヌ監督は最後のアメリカ戦を前に、「イングランド相手に健闘したのはよいが、そのいいムードが保てるか。アルジェリアのナショナルチームは好結果を次につなげることがつねに問題だった」と述べています。
 さすが老練な知将ですね。イングランドと引き分けという望外の好結果に選手も国民も大喜びでその気になりすぎちゃってる(アルジェリア人らしい!)ところを引き締めているのです。

 とにかく、今回のワールドカップでアルジェリアはまだ1ゴールも決めていないのです。
 なんとかロフタス・バースフェルトのスタジアムのゴールにシュートを突き刺してほしいものです。

 グループCは、どのチームにもグループリーグ突破の可能性がある最激戦区になっています。
 ええと、アルジェリアが2点差でアメリカを下せば文句なし決勝リーグ進出、1点差でもイングランドがスロヴェニア相手に負けか引き分けならOK、ですね。当然ですが、アルジェリアはとにかく勝たなければいけません。

 El Watan紙は、よほどのことがない限りイングランド戦と同メンバーが出てくるだろうと予想しています。

 運命の対アメリカ戦は、今日23日、日本時間23時の開始です。
 がんばれアルジェリア。

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もうひとつ、どん


(二つ前のエントリーから続きます)

 最初の「どん」の前の半拍、というのは、日本の太鼓というのはバチで思い切り叩くので、バックスイングに入ってどん、と叩くまでにタイムラグがどうしてもできるから、必然的にできてしまうからでしょうね。
 逆に素手で叩くセネガル太鼓はそういうのはないのかも。 

 全然話変わりますが、尾田栄一郎氏は『ONE PIECE』の中でよく「どん」という字を響かせますよね。
 この「どん」の前には半拍想定できない気がします。

 ちなみに、『よつばと!』フランス語版では日本語の擬音語擬態語がていねいにひとつづつフランス語に置き換えられていたのですが、さすがに『ONE PIECE』フランス語版(↑ 最近大学に入れました)はそうはいかず「どん」は「どん」のままに残してあります(フランス語が書き添えてある形です)。

 ロロノア・ゾロがはじめて彼の「三刀流」をみせたコマにも「どん」がありましたが、ありゃ笑いましたね。なんじゃこりゃ、マンガやんけ、こんなん・・・って。あ、マンガか。

 ルフィの出身地って「フーシャ村」っていって、風車があるんですが、どうみてもこれオランダ風車ですね。
 それじゃ彼は「さまよえるオランダ人」か。ならば乙女の愛による救済があるんでしょうか・・・

 
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アネルカが言ったとされる暴言について(ワールドカップ)


 いやーフランスチームはすごいことになっちゃいました。

 でも、「こういうバラバラ状態になったチームが勝てるわけがない」というのが少年ジャンプ的世界観だろうと思いますが、案外「雨降って地かたまる」ということになるかもしれない。
 とくにフランスに関しては。

 今日日本時間23時から対南アフリカ戦ですがちょっと見てみようと思います。

 ところで、アネルカ選手が対メキシコ戦ハーフタイムに首脳陣の指示を拒否して暴言を吐いたかどでチームから追放され、その処分に反発した選手たちが練習ボイコットとエスカレートしたというわけですが、アネルカが言ったとされるその暴言は日本では「オカマを掘られろ。薄汚い売春婦の息子」と報じられています。

 わたしはこれを見て、原語は「Tu te fais enculer, sale fils de pute」かなと思いました。
 調べてみたら正解は「Va te faire enculer」だったですね(こんな汚い言葉、ブログに書いてしまって申し訳ないです)。ちょっと違ってましたがse faire構文だろうとみたのは当たってました。

 フランスチームやワールドカップのことはおいておきまして。
 わたしはこのse faire構文について、フランス語教育の場では、初級文法でやらないことが多いし、その後もあまりまともにこれだけとりあげない傾向にあると思います。わたし自身、この構文がかなりよく使われる重要な構文だと気付いたのは相当経験を積んでからでした。

 暴言を吐く練習を大学のフランス語のクラスですることはありませんが、構文自体は他の普通の場面でもよく使われるのですから、もう少し日本の学生さんの口から的確なシチュエーションで自然に出てくるような教え方を考えたいところです。
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どん、の前の半拍


(前のエントリーから続きます)

 この日は日本の太鼓と韓国の太鼓でリズムの交錯があったわけです。短い時間だったこともありますが、意外と違和感はなかったですね。

 でも去年のスキヤキ体験からすると韓国太鼓はアフリカ太鼓とも合っちゃうんでした。

 だから日本はどっちかというとここで聞いた中国太鼓に近い方に入るかなあと思ったんですが・・・

 それで考えたのですが。

 太鼓のリズムというのは、ひょっとしたら全て最初の「どん」が入る前に半拍あって、すべからくシンコペーションなのである、という心持で、叩いて叩けないわけではないし、聞いて聞けないわけではないんじゃないですかね?
 こういうこと、誰でも一度は考えるバカアイディアなんだろうか?


 ・・・話変わりますけど、先日のアフリカン・フェスタ(↑ このテント群の手前の右の方に毎年アルジェリアのブースがあります)で最後のところを拝聴できたサカキ・マンゴーさんのリズム講座(このテント群の真ん中あたりでの開催)で、マンゴーさんは「みかんみかん」というハチロク・リズムと「みっかんみっかん」という16ビートの違いが認識「できない」ことの方に「ポリリズム」の極意がある、というようなことを言われたような気がします(聞き間違いでしたらごめんなさい)。

 シンコペーションの有無というのは、あるいはそれに類することなのかもしれません・・・

 ウラって本当はオモテで、オモテはウラでもあるとか。

 ちょっと無理かな。
 それに、そろそろ自分で何いってんのか分かんなくなってきました。
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