日本人はフランス語を誤解している!・・・と思うけどなあ・・・
フランス語系人のBO-YA-KI
rai info/ライ・ニュース 048
2年前にフランスで爆発的大セールスを記録した RAI'N'B FEVER(上)の第二弾が出る話はお伝えしましたが(ライ・ニュース 038)、Skyrockのサイトで DJ Kore, Bellek, Amine, Leslie のインタビューを載せています。連中えらく野心的ですよ。ベルシーでライブ版をやらかす計画とか、アメリカに上陸する計画とか。まあ全部実現するかどうか分かりませんが、時流には乗っているわけですから目一杯がんばってほしいものです。
発売日はここでは8月28日となっています。
Rai'n'b Fever 2 にはライ界以外からRicky Martin, Kelly Rowland, Amerie, Idir, Amadou et Mariamも参加しています。
なおMagic System, Cheb Akil, Cheb Bilalによるシングル C'est cho ca brule に付け加える形でライ界若手ナンバーワンの Reda TalianiとRappeur d'Instinctという人のデュオ曲も先行発売されるそうです。
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rai info/ライ・ニュース 047
ピーター・バラカンさんから、バラカンさんの番組「ウィークエンド・サンシャイン」(NHK FM、土曜午前7時15分から9時)に次回7月29日にリミッティの遺作 N'ta Goudami から一曲オンエアされるとうかがいました。
これはわたしからのリクエストなので、北中さんの「ワールドミュージックタイム」と合わせて奇しくも1週間に二回(再放送もいれると三回!)、わたしの名前が電波で全国に流れるわけです・・・ なんとも恥ずかしいですねー。 F(^_^;)
でもバラカンさん、ありがとうございます。 m(_ _)m
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クルドの不思議な太鼓
地味なコンサート、と思っていたらとんでもない。いろんな人が来てました。北中正和さん、ピーター・バラカンさんに、鵜飼哲さんまでおられましたね。土田真康さん、松村洋さんとははじめてお会いしました。 (^_^)y
さて音楽ですが、シャハラーム・ナーゼリーの歌自体の素晴らしさは当然ですが、伴奏の器楽演奏にえらく目を引かれました。
涙の粒のような形の胴をもったリュート族楽器を奏でていた人は、人差し指から小指への掻きあげラスゲアドの手つきがなんとも美しく、わたしはうっとり見とれてました。
彼の顔もなかなか趣がありました。
ぱっとみた感じがフランク・ザッパ。ヒゲの蓄え方や顔つきがそっくり。
と思ったら、目をつぶって演奏に没頭する様子はカルロス・サンタナ。
後半でシタールみたいな音の楽器を弾き始めるとこれはジョージ・ハリスン。
ちょっとウォルター・マッソーも入ってたな。
結局どういう顔だ? (^_^;)
デルブッカみたいなの叩いてた人は、立派なあごひげ。よく見ると、なんかバビロニアかアッシリアの浮き彫りにでてくる人物そっくり。まさか四千年くらいこの地域で同じ格好のヒゲ趣味が続いているわけじゃないと思いますけど。 (^_^;;)
それにもまして感心したのは大型のタンバリンみたいなものを担当していた人でした。シンプルなタンバリン様の太鼓を左手で持ちあげて両手の指で叩くだけで、フル装備のドラムセット並の音を出すんです。うまくしたもので、タンバリンのちょっと内側を叩くと、バスドラとまでいかなくても相当低音が出るようになっていて、すごくバランスもいい。
彼のソロに、客席から大拍手が起こりました。
終了後はアリオン音楽財団のスタッフ(2年前のシェイハ=リミッティ公演が実現したのもアリオンの方々のおかげなのです)の方々、翌日出演のバイオリニストのジル・アパップさんと一緒に沖縄料理店へ。
アパップさんはクラシック系のくせに(?)大変きさくな人でしたよ。彼は両親がアルジェリアはベジャイアのピエノワールだったんですね。
楽しくて、有意義な夜でした。 (^_^)
そろそろ試験期間も終わりごろでちょっと贅沢をさせていただきましたが、人生こういう幸せな夜はそういつもはないのが残念です。
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rai info/ライ・ニュース 046 フォーデル
NOUVEL ALBUM DE FAUDEL DANS LES BACS EN SEPTEMBRE
フォーデル FAUDEL のニューアルバム は「9月11日」発表と予告が出ました・・・この発売日にしたのは、他意はないんでしょうね? (^_^;) すでに新曲Mon Pays(「わたしの国」という意味。フランス語です)がラジオで流れているそうです。
おもえばフォーデルがデビューして、ブール beur(マグレブ系移民二世)出身者としてフランスの全国民的アイドル人気を得たのも97−98年の頃でした。
彼のコンサートを見た人の話によると、「キャー、フォーデル、かわいい!」と叫んで、自分の電話番号を書いたコンドームの袋をステージに投げてた女の子たちがいたそうですよ。 (^_^;;)
フランスで、移民二世から出た好感のもてるスターとしてサッカーのジダン、歌のフォーデルが並び称せされたこともありましたね。
98年7月にフランスがワールドカップを制した2ヶ月半後の9月26日、ベルシー・スタジアムで歴史的コンサート 1, 2, 3 Soleils が開催されました。このコンサートの詳細については、ちょっと古くなりましたが わたしのこのページ をご参照ください。
その後フォーデルは、音楽的にはアラブ色が薄く、フランス語曲が多くなり、普通のフランスの歌謡曲と変わりがない感じになっていって、元からのファンをがっかりさせています。まあ競争の激しいフランスの芸能界で生きのこるためにはこうするしかないのかもしれません。今度のアルバムもたぶんその路線でしょう。
でもその彼も、ライブでは「アン・ドゥ・トロワ・ソレイユ」で共演したラシード・タハの持ち歌「メンフィ」その他をちゃっかり自分のレパートリーに入れて歌ってますね。たぶんライブではCDよりアラブ色を強くするというのが彼の戦略なのでしょう。
ところで最近のフォーデルですが、結婚して子供もできてからは、なんか家庭大事という感じであんまり外へ出たがらないみたいだそうです。やっぱり彼もイスラムだな。 (^_^)
フォーデル FAUDEL のニューアルバム は「9月11日」発表と予告が出ました・・・この発売日にしたのは、他意はないんでしょうね? (^_^;) すでに新曲Mon Pays(「わたしの国」という意味。フランス語です)がラジオで流れているそうです。
おもえばフォーデルがデビューして、ブール beur(マグレブ系移民二世)出身者としてフランスの全国民的アイドル人気を得たのも97−98年の頃でした。
彼のコンサートを見た人の話によると、「キャー、フォーデル、かわいい!」と叫んで、自分の電話番号を書いたコンドームの袋をステージに投げてた女の子たちがいたそうですよ。 (^_^;;)
フランスで、移民二世から出た好感のもてるスターとしてサッカーのジダン、歌のフォーデルが並び称せされたこともありましたね。
98年7月にフランスがワールドカップを制した2ヶ月半後の9月26日、ベルシー・スタジアムで歴史的コンサート 1, 2, 3 Soleils が開催されました。このコンサートの詳細については、ちょっと古くなりましたが わたしのこのページ をご参照ください。
その後フォーデルは、音楽的にはアラブ色が薄く、フランス語曲が多くなり、普通のフランスの歌謡曲と変わりがない感じになっていって、元からのファンをがっかりさせています。まあ競争の激しいフランスの芸能界で生きのこるためにはこうするしかないのかもしれません。今度のアルバムもたぶんその路線でしょう。
でもその彼も、ライブでは「アン・ドゥ・トロワ・ソレイユ」で共演したラシード・タハの持ち歌「メンフィ」その他をちゃっかり自分のレパートリーに入れて歌ってますね。たぶんライブではCDよりアラブ色を強くするというのが彼の戦略なのでしょう。
ところで最近のフォーデルですが、結婚して子供もできてからは、なんか家庭大事という感じであんまり外へ出たがらないみたいだそうです。やっぱり彼もイスラムだな。 (^_^)
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そしてフランスは?
20日の事情聴取で、ジダン自身が差別発言は無かったと認めたので、この件はおしまいです。
これについては以後なにも言うべきことはないでしょう。
肯定的でも否定的でも、わたしのエントリーにコメントをつけてくださった方々に重ねて御礼申し上げます。お一人づつコメントをお返しすべきところですが、状況も変わりましたし、書きにくくなったところもあります。ご容赦下さい。
あとは、これまでアルジェリアの話ばかりしてきましたから、フランスとイタリアとJeune Afrique の話でサッカー関連のエントリーはひとまず終わりにします。
「ワールドサッカープラス」でこんな報道がありました。
ジダン、トレゼゲたちに対するフランスの人たちの暖かい出迎えには、ほんとにほっとさせられましたね。(^_^)
筆者の結城麻里氏はフランス人の間に今回のワールドカップの結果について否定的感情が支配的になることを懸念したようです。
でもわたしにとっては、こうなるのが当然のように思えます。まあ思えばわたしの留学したのが97−98年だったから、非常に幸せな時期といえるフランスにいたからそう思うのかもしれませんが。
あのころはBlack-Blanc-Beurのフランス、黒人系白人系アラブ人系がひとつになって作る新しいフランス!ってのが到来する予感が本当にしてたんですから。
あれからフランスはどうしちゃったのだろう?
でもそれでもなおフランス人というのは実際に「一番好きなフランス人」にジダンを選ぶような人たちなわけで(アルジェリア系の組織票が入っていたわけでないことはこれまでのエントリーからお分かりと思います)、わたしはこれがフランスの本領だと思うんです。
日本の人はフランスの「同化主義」という言葉の内容を大きく誤解している場合が大変多くて、「フランスは単一文化志向の国で、移民層は言語も文化も奪われて、なおかつ肌の色の違いで二流市民として差別される。白人の支配層はその状態を改善する気もない」のだと思っている人がたぶん多いのだと思います。
フランスをよく知らない日本の人が自分の感覚で想像することは、現実とずいぶんくいちがっているように思います。
そして、たしかに理想状態にはほど遠いですが、Black-Blanc-Beurのフランスを少しでも本物にしようとする努力、苦心はずっと続けられているのです。
この国はなんだか日本とは「向いている方向が正反対」みたいなところがあるなと、ときどき思います。
フランスは(わたしも含めて)日本の人には分かりづらいと思います。それだけに誤解を是正するようじっくり努力しないといけないと思います。
朝日新聞のフランス紹介批判から始まった形のこの「ぼやき」ブログ、NHKの報道も批判しているこのブログは、そういう思いでやっています。
別にフランスの弁護のためにそうするわけじゃありません。自分が世界を正しく見ていたいからです。
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DirecTV
オルフォーさん、コメントありがとうございます (^_^)y
オルフォーさんのご意見にまったく同感です。
ほんと、ディレクTVの消滅は日本の文化にとって大きな損失でした。
それによってフランス系の音楽局が日本から消滅し、それを経由して入って来ていた世界の音楽文化のリアルタイムのフォローが不可能になったからです。
あれで文化鎖国状態が確実に強化されました。
そしてそれは資本主義、市場主義の追求の結果なんですね(それともアメリカ文化以外は日本人に覚えさせないという政治的陰謀があるのかしらん)。
わたしなんかいまだにあきらめきれないので、パラボラ捨てずにベランダに置いてます。 (^_^;) ↑
サッカーファンの方々も、この気持ち分かってくれるかな?
まあでもおっしゃるとおりインターネットの発達を待てば見れるようになるかもしれませんが、いつのことでしょうか。
何人か集まって、少し料金高めでもいいからMCM入れてくれ、とスカパーに頼み込みましょうか?
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「ワールドミュージックタイム」で Sa nou pe fe が
北中正和さんの「ワールドミュージックタイム」(NHK FM 日曜午後9時〜10時、再放送 水曜午前10時〜11時)、次回23日(再放送26日)は「ニューディスク・アンド・リクエスト」ですから、たぶんわたしからのリクエスト、ご存知ジェラルド・トトの Sa nou pe fe (「おれたちになにができるだろう?」。歌詞はフランス語ですがリフレイン、タイトルはクレオール語です)がかかると思います。一度お聞きになってみてください。昨年のフランス都市郊外暴動についてのもっとも優れた音楽表現のひとつだと思います。歌詞の内容についてはこのエントリーの下の方をご覧になってください。
日曜日が待ちきれない! という方は、このサイトを見て下さい。
http://www.dailymotion.com/cyberfabm
(ひょっとしたら見るのに登録が必要なのかもしれません。見えなかったらお教え下さい)
これはジェラルドのともだち、Fくんがジェラルドに関する映像をせっせと集めてアップしているのです。彼はマント=ラ=ジョリに住んでいる sympaでのん気な奴ですけど、ジェラルドの人柄と音楽に心底惚れ込んでるんです。
これでみるとようやくジェラルドもテレビなどでとりあげられるようになり、彼の才能にふさわしい評価を受け始めているようですね。よかったよかった。\(^o^)/
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『週刊ポスト』と『Jeune Afrique』
いろんな方からご意見、ご批判がいただけて、自分の頭の欠落部分が自覚できるのがありがたく思います(これは皮肉ではありません・・・と書いても信じてもらえないかもしれませんが)。コメントをつけていただいた方々に感謝いたします。
スポーツという観点からはまったく前のエントリーに最初のコメントをつけておられるアッシュさんのおっしゃる通りです。人種差別云々という議論がスポーツの論理を破って試合の結果自体まで左右することになってはスポーツが成り立たなくなるでしょう。
わたしもそういうことを書いたつもりはなかったですけど、スポーツ界への切実な理解が弱くて書き方が甘いんだと思います。すみません。m(_ _)m
それで自分の言いたかったことをできるだけ多くの人に分かってもらえるようにいろいろ書いてみたんですが、どうもうまくいきません。
わたしは、試合自体は手を出した方が負けということを認めた上で FIFA が差別発言に強い態度を示すなら、それはたいへん大きな影響力を持つだろう、と考えたまでです。つまり世界のサッカーファンに「差別はここまで悪いことなのか」と実感してもらう機会を与えることがどれだけ世界のためになるかと考えたい、ということなのですが。
もし仮に、差別発言故の暴力であるのだからジダンの今回の件をまったくの免罪にしてやる(というのは結局どういうことかな? レッドカード取り消しであの時点から決勝戦やりなおす? ぎょえー)と言われたとしたら、ジダンもアルジェリア人たちも「別にそんなことがして欲しいわけじゃない!」とかんかんに怒るはずです。
そうこうしているうちに『週刊ポスト』7月28日号の『ジダンを殺した差別と挑発』という記事を目にしました。差別糾弾を主張に持ったような書き方ですが、読んでて嫌な気持ちにさせられました。
それでこの記事を批判する形で書こうと思いましたが、これもうまく書けませんね。困りました。
いちおう事実関係のことだけ書きます。『ポスト』によればアルジェリアは:
「89年に憲法が改正され、共和制が敷かれるが、92年以降、国内ではイスラム原理主義過激派によるテロが活発化し、情勢は現在も安定していない」
のだそうです。
これだと89年以前は君主制だったみたいですね。 (X_X) もちろんアルジェリアは独立当初から共和国です。89年には「複数政党制」が導入されたのです。
それよりなにより国際社会にそっぽをむかれて孤立無援状態のアルジェリアが必死でテロに耐えて、10年にわたった危機を脱して秩序を回復、成長に向けて走り出して数年がたち、テロ横行の時期に全てほっぽらかして逃げて行った(2年前にオラン大学を見てきましたが、中央の建物の3階ワンフロアほとんど占領しているJICAの部屋が全部閉ざされて人気がないのがなんとも印象的でした・・・写真があったはずなんですが今見つからないです)こわがりの日本人もやっと戻りつつあるというのに、そんなことは全く出てこないというのは、これはなんとも無慈悲な書き方じゃありませんか。そろそろ観光ツアーを組み始めている旅行業者も文句を言うでしょう・・・
こういう書き方をするということは、結局アルジェリアに敬意を持っていないということ、話の都合上アルジェリアは怖いテロリストがうじゃうじゃいるところだということにできればそれでよくて、アルジェリアの本当の現状を確かめる気もなかったのだ、と言われても文句は言えないはずです。
アルジェリアは、観念論の材料として使っているだけになっています。
あえて言えば、わたしはこういうの、日本の人がおちいりやすい悪癖だと思うのです。
あるいはアッシュさんはわたしを『ポスト』みたいな態度と同一視されているのかもしれないな、と思いました。
もしそうなら、それだけはやめてくれ、と言わせていただきます。
日本の週刊誌の話が出たので、フランス語の週刊誌 Jeune Afriqueの話を付け加えます。(Jeune Afrique というのは「若いアフリカ」という意味です)
この雑誌の7月2−8日号では、アルジェリアの携帯電話会社Wataniya Telecom Algerie が先発のGroupe Orascom に追いつくべく、テレビコマーシャルにジダンを起用した話がのってました。コマーシャル撮影は5月であり、この報道ももちろんワールドカップ決勝以前の時点です。これまでもジダンがアルジェリアで完全にそっぽ向かれていたというわけではなかったはずですが、今度の事件でぐぐっと人気が高まったわけで、ワタニヤ・テレコムはいまごろ狂喜しているでしょう。
ちなみに同誌によれば、このコマーシャル出演のギャラをジダンは全額アルジェリアの慈善団体に寄付する意志を示しているそうです。
この雑誌はアラブ、アフリカのフランス語圏を中心にした世界の情報(もちろんアラブ、アフリカとの関わりの文脈で日本もよくでてきます)満載の面白い雑誌でわたしは愛読してます。広大なフランス語圏の事情に関しては、日本語による情報はほとんどなくて、英語情報でさえぼやーっとしか分からないので、この雑誌や他のフランス語情報が使えたら事態を克明にリアルタイムでフォローできて楽しいですよ。もちろん情報発信源自体のもつ政治傾向はあるわけで、それは注意しないといけませんが。
次の号でジダン事件のことをどう報道してくるか楽しみです。この事件は日本でも大報道されてますから情報自体はたぶんそんなに目新しいものはないと思いますけど、「アラブ、アフリカから見ると世界はこんな風に見えるのか」とはっとさせられるような意見があるかもしれません。
そういう思いを知って、それについて考えることが、異文化を理解することだと思います。 (^_^)
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ジダン事件ここまで
前のエントリーのコメントに、わたしの書いてきたことへのご批判がありました。全くもっともなご批判ですので、ここでお詫びをしておかねばなりません。
わたしは暴力を肯定する気は毛頭ありませんが、それをはっきり書くことは怠っていました。これは申し訳ないと思います。
ジダンの行為は、当然ながら許されるべき行為ではありません。悪い行為です。
事件が起こってから一週間のうちにいろいろ報道があり、考えもしました。当事者の心のなかでどういうことが起こったか、現時点でのわたしなりの考えを書きますが、無意味と思う方は読み流して忘れてください。
わたしも最初は道徳的に悪いだけでなく、あらゆる点でまったく無意味と思った行為ですが、ジダンにとっては両親の祖国、彼が誇りにしているアルジェリアの人々の支持につながるという、非常に大きな意味があったのではないか、と思い当たりました。
アルジェリア式の技−−アルジェリアのおばちゃんたちもよくやる象徴的攻撃法−−でアルジェリアの価値−−家族−−への侮辱に反撃した(というのは頭突きの瞬間は誰も知らなかったですが)ところを世界注視の場で、自らのサッカー人生の締めくくりに見せたわけです。これをやれば、少なくとも大部分のアルジェリアの人には受けるだろうと、意識的に計算したかどうか分かりませんが、彼は体レベルで分かっていたと思います。
アルジェリア人というのはいい人たちなんですが、反面非常に難しいところのある人たちで、いくら世界のサッカー王者でアルジェリアの血を誇りにしているジダンでも、これまでなかなか簡単には愛してもらえなかったのです。
そこで、たぶんこの試合を見ていたにちがいないブーテフリカ大統領も膝を打ったことでしょう。ジダンの行為のはらむ意味を理解して「これでこの世界のサッカー王者をアルジェリアに回収できる。国をまとめるのに使える」と思ったのではないでしょうか。ジダンが大統領のもくろみにどれだけ乗るかはまだこれからの話ですが。
さてもうひとりの当事者マテラッツィの心の方はあまり触れてませんでしたが、こちらはフランス人とイタリア人の気質の差という、たいへんスタンダール的な議論に入る誘惑にかられます。でもそういうことをやるとしらけるか、とためらってます。ずいぶん昔のテキストを引き合いに出すことになりますし・・・
それから実はわたしがマテラッツィについて書いた部分(確かにずいぶん変な書き方にもなってます)が冷たくて悲しいというメールもいただいています。
それは仕方がないかなあと思います。イタリア人気質について膨大な考察を残したスタンダールの書いたものを読んで実際のイタリア人に触れたりしていると、やっぱりなんかこういうことを書くようにどうしてもなってしまうように思うのです。
不愉快を感じた方にはお詫びを言わせていただきます。
わたしは暴力を肯定する気は毛頭ありませんが、それをはっきり書くことは怠っていました。これは申し訳ないと思います。
ジダンの行為は、当然ながら許されるべき行為ではありません。悪い行為です。
事件が起こってから一週間のうちにいろいろ報道があり、考えもしました。当事者の心のなかでどういうことが起こったか、現時点でのわたしなりの考えを書きますが、無意味と思う方は読み流して忘れてください。
わたしも最初は道徳的に悪いだけでなく、あらゆる点でまったく無意味と思った行為ですが、ジダンにとっては両親の祖国、彼が誇りにしているアルジェリアの人々の支持につながるという、非常に大きな意味があったのではないか、と思い当たりました。
アルジェリア式の技−−アルジェリアのおばちゃんたちもよくやる象徴的攻撃法−−でアルジェリアの価値−−家族−−への侮辱に反撃した(というのは頭突きの瞬間は誰も知らなかったですが)ところを世界注視の場で、自らのサッカー人生の締めくくりに見せたわけです。これをやれば、少なくとも大部分のアルジェリアの人には受けるだろうと、意識的に計算したかどうか分かりませんが、彼は体レベルで分かっていたと思います。
アルジェリア人というのはいい人たちなんですが、反面非常に難しいところのある人たちで、いくら世界のサッカー王者でアルジェリアの血を誇りにしているジダンでも、これまでなかなか簡単には愛してもらえなかったのです。
そこで、たぶんこの試合を見ていたにちがいないブーテフリカ大統領も膝を打ったことでしょう。ジダンの行為のはらむ意味を理解して「これでこの世界のサッカー王者をアルジェリアに回収できる。国をまとめるのに使える」と思ったのではないでしょうか。ジダンが大統領のもくろみにどれだけ乗るかはまだこれからの話ですが。
さてもうひとりの当事者マテラッツィの心の方はあまり触れてませんでしたが、こちらはフランス人とイタリア人の気質の差という、たいへんスタンダール的な議論に入る誘惑にかられます。でもそういうことをやるとしらけるか、とためらってます。ずいぶん昔のテキストを引き合いに出すことになりますし・・・
それから実はわたしがマテラッツィについて書いた部分(確かにずいぶん変な書き方にもなってます)が冷たくて悲しいというメールもいただいています。
それは仕方がないかなあと思います。イタリア人気質について膨大な考察を残したスタンダールの書いたものを読んで実際のイタリア人に触れたりしていると、やっぱりなんかこういうことを書くようにどうしてもなってしまうように思うのです。
不愉快を感じた方にはお詫びを言わせていただきます。
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ジダン。アルジェリア。フランス。宣伝。
ちょっと嫌らしい我田引水というか、宣伝をします。 f(^_^;)
やっと仕事から少し解放されたので、ジダンの頭突き事件についてインターネットでの議論を少しながめてみました。
まあ当然いろいろ意見はありますが、気になることがあります。ちょっと日本人の感覚だけで理解しようとしているコメントが多すぎる気がするんです(わたし自身のもそうかもしれませんが)。というか、日本人の感覚で当然世界は理解できる、と信じているみたいな。
この事件に関してはアルジェリア系人、フランス人のメンタリティ、価値観まで考えた方がいいんじゃないかと思うんです。(たとえば前の前のエントリーごらんになってください。「力道山が空手チョップで悪役外人レスラーを倒す」みたいな感覚をなんでアルジェリア人が味わいそうか、ということに関してなどは、この国の歴史、記憶、社会の現状をある程度ご存知でないとなにが言いたいかわかりにくいかなと思いますが)
日本のテレビ(ほとんど見られなかったですけど)のコメンテーターは「ジダンには自重してほしかった」なんとかかんとか、当たり障りのないこと言ってましたけど、あれはテレビでは日本の既成価値観を否定するような言辞は言いにくいからです。
日本の人々、とくに若い人たちには、テレビは置いておいて、世界には日本とは別の道徳感、メンタリティがあるということを体感できるようにしておいてほしいです。でなければ日本の社会感覚、倫理観しか知らず、外国人を理解しない人間にしかならないことになりますからね。そんな人間ばかりになっては、この国の破滅じゃないですか。
そのへん、金沢大学文学部に来ていただき、わたしの「ゼミ」や「異文化理解III」でも受講していただけるなら、ゆっくりお話しいたします。 (^_-)y
平成20年からは「国際学類」というのが発足して、わたしはたぶんそっちへ移るかなと思います。国際学類ではより異文化体験・理解をメインにしたお話ができるでしょう。
お望みとあれば音楽を交えて、楽しみながら。 (^_^)v
それともうひとつ。フランス語勉強しましょうね。フランス語とそれにまとわりついた文化を知らないと、アルジェリア系人はなかなか理解できないと思いますよ。 (^_^)y
はい、我田引水、コマーシャルをしてしまいましたことを重ねてお詫びいたします。 m(_ _)m
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