音楽が音楽をたたえる


 アリルド・アンデルセン Arild Andersen トリオ。1月12日、於もっきりや(金沢)。
 
 仕事に追われる多忙の合間に、ぽかっと開いたくつろぎのとき。
 ひとりででかけてアルコールをがぶがぶ飲んで、少しうとうとしたあとの醒めたこころできいた音楽は、まことに快いものでした。

 このアリルドさんというひと(ベーシストです)はジャズ界では有名なひとだそうです。わたしは知りませんでしたが。

 たしかにこれは非常な力量の持ち主です。そして、すばらしい。

 音楽は、多くの場合歌詞やその他の仕掛けによってなにか別のものを讃えるものになります。
 昨夜は音楽が音楽を讃えていました。アリルドさんはそれがどういうことか知っていたと思います。

 アリルドさん(ジャケよりさらにお爺ちゃんになってます・・・ でも、客席の前のほうに白髪で、かなりスイングしてるひとがいて、両者いい勝負だなと思いました。むかしは二人とも若かっただろうな、って)にとって、音楽を讃えるためのメディアになるものがJAZZなのだと感じました。
 JAZZはそうやって、そういう形で生き残っています。

 で、アリルドお爺ちゃんにサインしてもらいました。

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新年 日経さんへひとこと


 新年あけましておめでとうございます。

 今年のことはじめに、『日本経済新聞』を取り始めた動機について。

 それは、スポーツ欄が意外と面白いからだったと思います。誰も期待していない『日経』のスポーツ欄。だけど短いスペースで表現に工夫してましたし、豊田泰光さんとかがいいことを書いてました。
 文化欄もなかなか良いと思います。フランスのことも――当然ながら?――よく出てきます。

 面白いことに、前の方に行くほどつまらなくなります(株式欄は除いて)。フランスの扱いも不必要に冷たくなるし・・・
 いちばんいらいらするのが、『朝日』の「天声人語」に相当する「春秋」というコラムで、去年デヴィッド・ボウイが亡くなった時もなんかまとはずれなこと書いてましたが、昨日もサンテグジュペリについて、彼が撃墜されたときは「ナチスドイツに脅かされている祖国のために」飛び続けていたとか書いてまして、なんてぞんざいな書き方だろうとかなりいらいらしました。歴史の扱い方がいいかげん。「称えてるんやから、ええやろ?」といいたげなのがよけいに不快。日本「経済」新聞のアイデンティティを主張したい心が根底にあるせいなんでしょうか?・・・
 大見出しの記事の罪滅ぼし?か、真ん中へんの「大機小機」とかいう小さいコラムでバランスを取っているふしもありますが・・・

 やっぱり『私の履歴書』は面白いです。あえて言えば、内容の真偽はあまり問題ではない。

 ここのところ服部克久、高田賢三、カルロス・ゴーンとフランス関係が続いてますね。
 昨日の回で、ゴーン氏――このひと家ではアラビア語を話してるんでしょうね――が「ル・コストカッター」と呼ばれた、というのを読んで思わず笑ってしまいました。
 
 Oh là, là, il est LE cost-cutteur... quelle horreur...

とフランス人にかかげでささやかれてたんでしょうね。
 この「コストカッター」は、フランス人が嫌なものを英語で言う例のひとつなのだと思います。あはは。この定冠詞の「ル」le というのも、味わい深いです。フランス語の授業に使えそうです。



 
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