みんなしってるフレンチポップ


 この間、いわゆる「フレンチポップ」を初級のクラス(約30名)で聞いてもらいました。

 ①Irresistiblement (Sylvie Vartan)
 ②Tout tout pour ma cherie (Michel Polnareff)
 ③Poupee de cire, poupee de son (France Gall)
 ④Aux Champs-Elysees (Joe Dassin - Daniele Vidal)

の四曲ですが、驚いたことに――か予想通りか――ほぼ全員が「聞いたことある」というんですね。
 コマーシャルとか、どこかで。

 こういうの、やっぱりフランス語文化の「資産」と言うべきなんでしょうね。

 ・・・でもそこで一応学生たちに注意を喚起したのは、これらの曲はいかにもわれわれにとって「フランス」を代表するような感じの音ではあるけれども、発表された時期が集中している:①が1968年、②が1969年、③が1965年、④はオリジナル(といっても元歌はイギリスなんですが)のJoe Dassinのものが1969年である。

 これは何を意味するか、と。

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資格


 フランス語の資格試験としてはいわゆる仏検(文科省後援はこの種の検定では英検と仏検のみ! とかいばっててどうなるもんでもないですが)がありますが、これは日本の中での資格ですね。

 フランス国民教育省認定のDELF/DALFは、何年か前に改定があってそのA1, A2, B1, B2, C1, C2が例の欧州言語共通参照枠に合わせた体制になっています。
 さらに最近、TCF = Test de connaissance du francais も宣伝されるようになってきました。これは、受けたら「あなたのレベルは××です」と教えてくれるタイプの試験です。
 上はそれらの試験の案内です。
 DELF/DALF案内とTCF案内では、同じ男女が同じ服に同じ持ち物で写っていて苦笑します。

 大学がらみのフランス語業界は、フランス政府給費留学生試験(今年の案内はTCF, DELF/DALFの下のやつです。今回の学年はPromotion Camille Claudelと呼ばれるんですね)に合格してフランスに留学して文学とか言語学とかの研究をしてくるというのが普通の道筋でした。
 だけど、たぶん今後フランス文学や思想の研究をしたい人というのは数が減るだろうなと思ってます。
 それとかわってフランス語のもつ、外交とか国際機関とかでの活躍のためのツールとしての側面に関心が高まるでしょう。

 そのために、仏検からTCFやDELF/DALFその他の資格への繋ぎをうまく作っていきたいところです。
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カタルーニャ


 ずいぶん遅くなってしまいましたが、先週のAmazing Voiceも見ごたえがありました。

 カタルーニャというのは美しい民謡の宝庫なんです。Miguel Llobetのギター編曲楽譜を持ってたはずなので写真に載せようと探していてエントリーが遅くなってしまいました。ないなあ・・・
 代わりに92年のバルセロナ・オリンピックのころのVivir en Barcelona の写真を載せておきます。Benvinguts, Bienvenidos, Welcome, Bienvenue... もちろんベンヴィングツっていうのがカタラン語です。

 あのもぞもぞした指のお化けのようなモンセラートの山。その麓にある有名な修道院の少年合唱団。『鳥の歌』歌ってた子は可愛かったですね。Amazing Voiceの人気投票でも一気に上位に登場するでしょう。

 日本人のおじさんがいる中年合唱団も素晴らしかった。

 バルサもあるし、あれだけの文化をもっているカタルーニャは今後も存在感を保ち続けるでしょう。求心力が違います。

 
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二枚のドガの絵


 わたしのツイッターのタイムラインが、ピーター・フォーク死去関係一色になってびっくりしてます。
 わたしのフォローしている人達がみなコロンボ・ファンらしいというのは、なんだか興味深いです。

 わたくしもフォーク氏の御冥福を祈り、ついでにコロンボについてひとこと思い出を申しあげます。

 コロンボ・シリーズでわたしの印象にいちばん残ったのは『二枚のドガの絵』ってやつでした。原題はぜんぜん違うものでしたが、思い出せません。なんでそんなことを言うかというと、まさに二枚のドガの絵が焦点だから、原題がそれでないのが奇異だったからです。

 あれはシリーズの中でも珍しいほど犯人がポカをやる奴で、どうやっても有罪にできそうだなあと思ったのですが、最後にコロンボの出してきた決定的証拠がわたしの意表をつく見事なもので、感心させられたんです。
 こういう構成でアピールするのもありなんだ、と思いました。

 あのシリーズは、犯人がセレブの金持ちばかりでぜったい視聴者が共感を抱かないようにしてあるという点で、Le Diner des cons 『奇人たちの晩餐会』でMonsieur conに傷めつけられるThierry Lhermiteに誰も共感をもたないようにしてあるのと似てました。

[追記] てなこと書いてると、ツイッターの方でも『二枚のドガの絵』がベスト、と言ってるツイートが出てきました。お仲間はいるもんですね。

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季語


このエントリーから続きます)

 ニューオルリンズ・フレンチクォーターのレストラン「Desire」(ここは美味しい、いいレストランでした!)で夕食をいただいているとき、ひとつのテーブルからわあと歓声が上がったので、何かと思ったら、カウンターのところにあるテレビモニターで「ビン=ラディン殺害」が報じられているのに気付きました。

 歓声を上げたのは3,4人にすぎず、他の数十人のお客は淡々と食事を続けていました。

 なぜかわたしは、ここで一句ひねりたくなりました。

 ニューオルリンズ
 にて聞くビン=ラディン
 殺害の報

 わたしとしてはこれはちゃんとした俳句にしたいのですが、季語はどうするか。
 「ニューオルリンズ」って地名だけど季語にできるとしたら、これは「夏」しかないですね。
 「ビン=ラディン」はどうか?

 ・・・「殺害」はどうか? 無理やり季語にするとしたら、季節はなにか?
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やれやれ助かった


 原子炉「もんじゅ」の原子炉容器内に落っこちていた部品の引き抜きが、成功しました(少なくとも報道の上ではそうです)。

 ほんと思わず Dieu merci ! と言いたくなります・・・ でも日本国民はなんでこんな怖ろしい、肝を冷やす思いをしなければならないんだろう?・・・


 昨日の「フランス語演習 読む・書く」ではちょうどこの教科書の第四課やってて、くしくも仏作文にもんじゅが出てきました。

 1995年、ナトリウム漏れのせいで、高速増殖炉もんじゅは停止されなければならなかった。[注意と語彙] ナトリウム漏れ fuite (f) de sodium

という文です。(モデル文をなぞる形で書かせるものですから二年生たちにもなんとかできます。でも"a cause d'une fuite de sodium"とすべきところ、不定冠詞 une を使うというのが学生さんにはなかなかできないんですよね。うむ)

 「ひょっとしたら、いまごろ日本――というか北半球かなあ――の命運が尽きているのかも・・・」と思いながら、授業やってました。実際は作業が遅れて夜になってたんですけどね。





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ソナトラック


 Groupe Jeune Afrique出版社が英語雑誌を出しているので、ためしに大学で購入してみました。The Africa Reportです。

 フランス語誌メインのところが英語の雑誌を出すなんて、と思われる方もいると思いますが、わたしはこれは意欲的な試みだと思います。

 つまり、フランス語でないとフランス語圏諸国(アルジェリアとかコートディヴォワールとかセナガルとかコンゴとか・・・)の細かい情報は得られないのですが、ぜんぜんフランス語情報しかないということになると、これらの国々だけ世界の情報の中で「穴」みたいになってしまいますね。
 適当に英語情報もあってこれらの国が世界の中で存在感を持つようにするならば、より詳しいフランス語情報を探索しに来る人たちも出てくると期待されます。
 それが若くて時間と労力がかけられる人たちだったら、フランス語を勉強し始めるでしょう。

 さてThe Africa Reportのこの号にはアフリカのトップ企業500のリストが載っています。
 ダントツの一位は、いわずとしれたアルジェリアのSonatrachでした。
 2009年の取引高474億7991万8000ドルで、二位のアンゴラSonangolの224億4240万ドルを倍以上引き離してます。

 リミッティがその有名な歌で讃えたアルジェリア液化ガス会社 La CAMEL (Compagnie algerienne du methane liquide)はContinental Oil, Shell, Totalなどの合弁会社でした。アルジェリアの国有化政策のおかげでアルジェリアの資源はこの国営会社ソナトラックが扱うことになっています。

 アルジェリアって、こんな風に非常に重要な国なんですよ。
 日本の人々がもっとこの国のことを勉強してもいいと思うんですけどね・・・
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あらん・とぅーさん


 せっかくニューオルリンズまで来たのですから大御所アラン・トゥーサンを聞きたかったのですが、フレンチメンストリートのライブハウスは、残念ながらソールドアウトでした。彼が演奏している下の階のバーで実況ビデオをやってましたから、音を聞くことはできたとも言えますが・・・ やっぱり残念だったな。

 アラン・トゥーサンもアラン・スティヴェルも Alain じゃないんですね。面白いな。
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騎馬警官


このエントリーから続きます。Jazz & Heritageフェスティバルの思い出です)

 金沢は今日から突然夏の蒸し暑さに突入しました。

 とたんに5月のニューオルリンズの暑さを体感しました。

 この人はフレンチクォーターの騎馬警官さんに、何を聞いているのでしょう。
 
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福島でパリ祭


 「パリ祭」って言い方は好きではないですが、これはいいかも。

 フランス大使館がことしの「カトルズ・ジュイエ」を福島でやるそうです。これをご覧ください。

 東京で恒例のレセプションやるよりずっといい。
 フランス大使の意気や良し。
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