別所沼だより

詩人で建築家 立原道造の夢・ヒアシンスハウスと別所沼の四季。
     

水をよむ

2007-08-18 | アートな時間

   水と生きる (そのⅡ)

  むかしから 雫  露 が好き…    露・ ♯ ・… 滴 ・・♪  雫・・!♭・!!
    
  ・王朝文学と水  ・伊勢物語と水  ・西行物語にみる水  ・御伽草子にみる水
  
  三十六歌仙から 歌人の姿と水面と月の歌
   
水のおもにてる月なみをかぞふれば こよひぞ秋のもなかなりける  源順 ミナモトノ シタゴウ

  ・水が絡んだ情景を 意匠に。   焚殻入 など 工芸にも文学が
  例えば  小倉山蒔絵硯箱 (室町時代)。 幅22.8×奥行25.5×高4.2㎝ と 小さいが 込められる世界のなんと豊かなこと。 

         

   写真 上左から  

蓋表  吹きはらふもみぢの上の霧晴れて 峰たしかなる嵐山かな (藤原定家・眺望・拾遺愚草)
蓋裏   住吉のまつがねあらふしき波に いのるみかげは千世もかはらじ (藤原定家・神祇・拾遺愚草)
見込   大井川岩浪たかしし筏士よ 岸の紅葉にあからめなせそ  (金葉集・秋・源経信)

  つぎはお馴染み ……・・

            

   

 
    秋草にとまるを蒔絵で   
文箱 櫛箱 角盥 茶碗  伽羅箱 料紙箱 

   ・鈴虫蒔絵湯桶 

 跡もなき庭のあさぢにむすぼほれ 露のそこなる松むしの声   (新古今・秋・式子内親王) 
  黒漆地・細い葉が茂る中に鈴虫が鳴いている。葉の上や隙間に多くのちいさな露を結んで。 (カタログより)

   ・秋草蒔絵茶碗 
 
  
置くとみし露もありけり儚くて 消えにし人をなににたとへん  (新古今・哀傷・和泉式部) 
  側面を三面に分け、それぞれ  萩と芒、菊と芒、女郎花・藤袴と芒の組み合わせ。  
   
ため息が出そう  ほかも 全部お目にかけたいくらいです。

 消化しきれないものを あれも、 これも伝えたいと。  時間もなくてお目汚し。 絵巻など これからゆっくり学びたいと思います。  人生いくらあっても足らないくらい…

 

  さて、気になるエピローグは  水色づくし   色調ごとに名前が変わる藍染を展覧。  絲と裂。

  上布に染め上げた藍の一生を、 人生や水との関わりに重ねてみる思いです。  
 
   白藍色 水色(水縹) 空色  甕覗  水浅葱  浅葱色  縹色  瑠璃色…
 … 藍 (深藍コキアイ 中藍 浅藍)

    微妙に変化するそれぞれの色、 一点を吊した布は  緩やかに三角錐となり 落下する水のようにも見えます。 高さ3mくらいあったでしょうか。 流れを表現したと今頃思いました。 十条スジはあったか、 ナイアガラです。
  「水といきる」 展、   最後まで楽しい水遊びでした。
  メモしてこなかったので色名に間違いがありましたらごめんなさい。

  水と生きる そのⅠ

コメント
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