サントリー美術館 水と生きる
8/8の 記憶をもとに。
☆ 展覧プロローグ
すてきな演出だ
床の上 つまり鑑賞者の足下に 丸や楕円の石を円く(直径2m位か) 敷き詰めてある。 (ここからは見立て)
滴り落ちる点滴、 ピチャン! 澄んだ音色 深山で聞くごとく。 余韻を味わう。
どうやら石は川か沼底にあるらしい、 想像してみて下さい。 雫は水面に輪を描いて、 波紋をつぎつぎと広げる。 コローの絵のような水辺に、 木洩れ日が射しこむ、 チロチロと輝き、 揺らぐ。
実際は水もなく 落ちてくる雫もない。 ただ、 天井から石のスクリーンに光や波を映写する。 雫の音。 揺れるひかり。 照り返し、波紋に木洩れ陽と翳を感じて。
これだけで涼しくなった。 映像に、 空想を加え、 森のなかを散策するような気分になる。
・ 「清楓瀑布図」 円山応挙。(右写真) 落下の勢いを直線で。 滝壺で流水に洗われる黒い岩。 渦巻く水、 対する若葉の色。 爽やかさも増し、 枝先が小刻みにふるえる。 滝=神、 人間を超える力を感じて。 畏敬の念で見つめる滝。 近づくと飛沫を浴びる。 北斎の 滝見巡礼 も浮かんでくる。
・ ひとは水と共に生きる。 水の恩恵。 水に関わる暮らし。
広重ブルーで東海道五十三次(保永堂版)より、 橋 ・ 船渡 ・ 人足による徒歩渡しのもよう、 水の上の生業… 漁師、筏師、煮売船など。 浜松、草津など 水の名所を浮世絵に観る。
・ 流れる水の模様。 能装束の流水。 波、 硯箱や香合・櫛、キセルなどのデザインに表れる。 青海波など。 ・北斎の図案集 さまざまの波が 押し寄せ散っていた。 ・蒲団地の柄 扇は水の流れにのって舞うように。
・雨の表現 広重の見事な雨づくしで、 東海道五十三次より 「土山 春之雨」 「藤枝」 「大磯 虎ヶ雨」 「庄野 白雨」など。
・雪 浮世絵の雪景色 (広重) ・蒲団地に 植物に積もる雪… 雪持文 丸い周囲に窪みをつけた雪輪紋
・染付の青 徳利や深鉢 ・ガラスの青 切子藍色船形鉢 杯 切子藍色酒瓶 ちろり デカンタ …
写真、 図録より 左 染付雲雷文大皿 右 藍色牡丹唐草文栓付酒瓶 及び 藍色瓶
今回の「水と生きる」の展覧会は何回行ったかと忘れるくらい、会員になって何度でもただで入れるからって、会期が3回もわかれてるのはつらいです。
でもおかげでいろんなこと教えられましたけど、
応挙のこの滝は、最初へんな見方をしてしまって、
なかなかこのよさに気づかなかったのです。
TBしました。
ヨーロッパの画家たちが一様に憧れ、感心したのもうなづけるというものです。
世界に誇ってよいデザインでしょう。
それにしても、お江戸の展覧会の粋な演出は羨ましい限りです。出品目録を眺めては、あっ、これも、あれも出ていると、ため息をついています。
プロローグからして、来て良かったと思いました。 涼味満点の展示で。 午後から出かけたので急ぎの鑑賞です。 直感が働くと そのまま尾を引いてしまう。
覚えがあります。
TBありがとうございました。
水のうねり 飛沫 澱み 線が束になったような流れ 落下の水は 素麺の如く。速度。 デザインが活きています。 勉強になりました。
boa!さんとご一緒でしたら さぞ深みのある鑑賞ができることと存じます。せめて、空飛ぶ教室で、ご教示くださいませ。