退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「大正センチの味わいと哀しい母親の愛の物語」について

2020-07-01 02:29:10 | Weblog
雨。終日降り続ける。

「全著作 森繁久彌コレクション3 世相」を読む。

なぜか3のみ図書館で見つけたので借りてきたもの。
自称「大正センチ」の森繁節が炸裂といった趣き。

彼曰く「耐えること」を忘れた者たちが増えたと。
それをもたらしたのが「豊かさ」だということを忘れずに。

「衣食足りて礼節を知る」というのは「貧しさの記憶」があってこそ。
実は「衣食足りて礼節を忘る」というのが正しい模様。

列車が停止する間に人々が尻を外に出して大小を排泄する光景よ。
便所でホカホカの大便を豚が争って食べる勢いに怖気づいて余所でしたということなど。

確か開高健は魚たちがそれを争って食べる姿を書いていたか。
小さな虫を怖れる子どもたちが増えた現在では想像を超える出来事だろう。

知床旅情」を載せておく。
半世紀前に出た歌ということでよろしく。

アンディ・ムスキエティ「MAMA」(’13)を観る。

製作総指揮にギレルモ・デル・トロの名がある「哀しい母親の愛の物語」。
その姿はまるで「煤けたモディリアーニ」。

ロックバンドをやっているいかにもな女ベーシストが「母親」になる。
エンドロールには「われわれの母に」という言葉も。

冒頭の父親の「わがままさ」を忘れずに。
娘ふたりの行く末についても同様。

十分に言葉を覚えていた姉とそうでもなかった妹と。
後者の「狼少年ならぬ狼少女ぶり」がなかなか。

本作の雰囲気は「童話」のよう。
娘ふたりが描く絵も悪くない。
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