前回のベイビーエンダースに続き今回も修理の御依頼。

油まみれのRADIUS№43
お話では燃料漏れがひどくまともに燃焼しないとか。
一目見て、タンクの接合部に問題があると判断したので早速状態を見るべく分解しようとすると、
あれれ?一瞬で緩んだ?!
本来この部分にはガスケット無しでしっかり締めつけられているはずだからこれはおかしい。
そこでいぶかしながら開けてみると…

劣化し割れたガスケットの破片があちこち!
明らかにこれが燃料漏れ圧漏れの原因。
前述のようにここにはガスケットは入れずきっちり締めこむのですが、
前オーナーが、漏れを気にしゴムのガスケットを入れて使用していた模様。
ですが、この部分にゴムを使うと、容易く劣化し弾力を失いこのように砕けてしまいます。
ですから、入れるとすれば鉛製のガスケットを使用すべきでしたね。
ですので、ここを清掃し対処すれば修理は完了と思ったのですが、
割れた破片のいくつかがヘッド内部に入り込んでおり、これらを取り除かねばきちんと使用できない。
おそいらく今までは、圧漏れ燃料漏れで破片が悪さをする位置まで押し出されていなかったけれども、
今回組みなおし、圧が正しくかかるようになれば、破片がヘッド内で悪さをする可能性が出てくる。
ですので、そうならないために、ヘッドはばらして洗浄せねばなりません。

この様に、汚れと破片が積み重なって真っ黒ケ!
ですがここからが苦労した…
とうのも、スピンドルが全く回らない!
いや、正確には、組んだ状態でハンドル操作する程度の位置までは回るものの、
ニードルを引き抜ける位置まではグラファイトガスケットに食い込む感じで回せない!
どうも一般的なガスケットの劣化とは何か違う嫌な感じ。
ですから、通常使用での可動域で動くならば、それで良しとし無理しないという方法もありましたが、
今回は前述のように劣化ガスケットの破片を取り除かねばなりません。
でないと、通路をふさぎ燃焼しないならまだしも、
万が一ニードルギアにひっかると、ハンドル操作不能で消火できなくなる!
そういうわけで、せめてニードルだけでも引き抜いて、内部の清掃を試みました。
炙って、浸して、吹き付けて…
あれこれ試してまる三日、努力の甲斐ありニードルを引き、内部清掃を完了しました。

内側もピカピカきれいな真鍮色!
ですがその代償として、スピンドル末端の、ハンドル挿入部の一部を欠けさせてしまったので、
そのままではハンドル挿入が難しくなってしまいました。
ですので、その対策として専用のハンドルを製作するとともに、
併せてオリジナルハンドルも使用できるアダプターも制作しました。
(詳細は以下の動画で)

ただ、それでもスピンドルの食い込みはきつく、さらに緩めることは困難と判断し、
今回は、新規でグラファイシートで蓋する感じでスピンドル周辺の気密を保ち、
併せて、微細カーボン粉末も塗り付けることで、今後の潤滑性の保持も目指しました。
確かに、まださらにスピンドルを引き抜く方法もあったと思います。
(例えばドリルでガスケットを砕くなど…)
ですがその作業は、本当の最後の手段。
このままでは使えない個体に用いる一か八かの方法。
正直な話、ここまで強固なガスケットに対して、本体にダメージを与えず行えたかどうか…。
幸い今回は、通常使用での可動域では問題なく回せたので無理はしないことに。
そう、修理やレストアの際毎回心がけているのは、
異常がない場合は極力いじらない!
これにつきます。
特に問題のない部分をいじくって壊してしまうのは本当によくある話。
今回の場合でいうと、先のトラブルを避けるために、ニードルまでは引き抜いたけれど、
もうそれで一応使用できる状態なのだから、そこで折り合いをつけたってこと。
なんかね、言い訳にも聞こえるでしょうけど、ほんとそう。
チャレンジして見事スピンドルを引き抜けた未来もあったでしょうが、
同時に、失敗してヘッドをお釈迦にした未来だってあったわけ。
まだまだパーツが入手可能な製品ならまだしも、
こういう希少なヴィンテージについてはそうもいかない。
本来の目的が正常使用にするために始めたメンテで、壊してしまってりゃ本末転倒。
でも作業に没頭していると、時としてその目的と手段が入れ替わっちゃうの。
だから、その耽美自分にこう言い聞かすのです。
困っていなけりゃ、無理していじるな!
そんなわけで、今回の作業はここまで。

結果、こんなに見事な燃焼状態!
ついでにこういうものも作りました。

これは欠品だったタンクのヒートガード。

こうして隙間に差し込みセットします。

収納時はケースにぺたんとはめ込めばOK!
**動画**
困っていなけりゃ無理にいじるな! ~ラデイウス№43~ RADIUS №43

油まみれのRADIUS№43
お話では燃料漏れがひどくまともに燃焼しないとか。
一目見て、タンクの接合部に問題があると判断したので早速状態を見るべく分解しようとすると、
あれれ?一瞬で緩んだ?!
本来この部分にはガスケット無しでしっかり締めつけられているはずだからこれはおかしい。
そこでいぶかしながら開けてみると…

劣化し割れたガスケットの破片があちこち!
明らかにこれが燃料漏れ圧漏れの原因。
前述のようにここにはガスケットは入れずきっちり締めこむのですが、
前オーナーが、漏れを気にしゴムのガスケットを入れて使用していた模様。
ですが、この部分にゴムを使うと、容易く劣化し弾力を失いこのように砕けてしまいます。
ですから、入れるとすれば鉛製のガスケットを使用すべきでしたね。
ですので、ここを清掃し対処すれば修理は完了と思ったのですが、
割れた破片のいくつかがヘッド内部に入り込んでおり、これらを取り除かねばきちんと使用できない。
おそいらく今までは、圧漏れ燃料漏れで破片が悪さをする位置まで押し出されていなかったけれども、
今回組みなおし、圧が正しくかかるようになれば、破片がヘッド内で悪さをする可能性が出てくる。
ですので、そうならないために、ヘッドはばらして洗浄せねばなりません。

この様に、汚れと破片が積み重なって真っ黒ケ!
ですがここからが苦労した…
とうのも、スピンドルが全く回らない!
いや、正確には、組んだ状態でハンドル操作する程度の位置までは回るものの、
ニードルを引き抜ける位置まではグラファイトガスケットに食い込む感じで回せない!
どうも一般的なガスケットの劣化とは何か違う嫌な感じ。
ですから、通常使用での可動域で動くならば、それで良しとし無理しないという方法もありましたが、
今回は前述のように劣化ガスケットの破片を取り除かねばなりません。
でないと、通路をふさぎ燃焼しないならまだしも、
万が一ニードルギアにひっかると、ハンドル操作不能で消火できなくなる!
そういうわけで、せめてニードルだけでも引き抜いて、内部の清掃を試みました。
炙って、浸して、吹き付けて…
あれこれ試してまる三日、努力の甲斐ありニードルを引き、内部清掃を完了しました。

内側もピカピカきれいな真鍮色!
ですがその代償として、スピンドル末端の、ハンドル挿入部の一部を欠けさせてしまったので、
そのままではハンドル挿入が難しくなってしまいました。
ですので、その対策として専用のハンドルを製作するとともに、
併せてオリジナルハンドルも使用できるアダプターも制作しました。
(詳細は以下の動画で)

ただ、それでもスピンドルの食い込みはきつく、さらに緩めることは困難と判断し、
今回は、新規でグラファイシートで蓋する感じでスピンドル周辺の気密を保ち、
併せて、微細カーボン粉末も塗り付けることで、今後の潤滑性の保持も目指しました。
確かに、まださらにスピンドルを引き抜く方法もあったと思います。
(例えばドリルでガスケットを砕くなど…)
ですがその作業は、本当の最後の手段。
このままでは使えない個体に用いる一か八かの方法。
正直な話、ここまで強固なガスケットに対して、本体にダメージを与えず行えたかどうか…。
幸い今回は、通常使用での可動域では問題なく回せたので無理はしないことに。
そう、修理やレストアの際毎回心がけているのは、
異常がない場合は極力いじらない!
これにつきます。
特に問題のない部分をいじくって壊してしまうのは本当によくある話。
今回の場合でいうと、先のトラブルを避けるために、ニードルまでは引き抜いたけれど、
もうそれで一応使用できる状態なのだから、そこで折り合いをつけたってこと。
なんかね、言い訳にも聞こえるでしょうけど、ほんとそう。
チャレンジして見事スピンドルを引き抜けた未来もあったでしょうが、
同時に、失敗してヘッドをお釈迦にした未来だってあったわけ。
まだまだパーツが入手可能な製品ならまだしも、
こういう希少なヴィンテージについてはそうもいかない。
本来の目的が正常使用にするために始めたメンテで、壊してしまってりゃ本末転倒。
でも作業に没頭していると、時としてその目的と手段が入れ替わっちゃうの。
だから、その耽美自分にこう言い聞かすのです。
困っていなけりゃ、無理していじるな!
そんなわけで、今回の作業はここまで。

結果、こんなに見事な燃焼状態!
ついでにこういうものも作りました。

これは欠品だったタンクのヒートガード。

こうして隙間に差し込みセットします。

収納時はケースにぺたんとはめ込めばOK!
**動画**
困っていなけりゃ無理にいじるな! ~ラデイウス№43~ RADIUS №43
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