〔出演〕
小栗 旬 長澤まさみ
佐々木蔵之介 石田卓也 矢柴俊博 やべきょうすけ 浜田 学 鈴之助
尾上寛之 波岡一喜 森 廉 ベンガル
宇梶剛士 光石 研 中越典子 石黒 賢
市毛良枝 渡部篤郎
日本有数の名山・北アルプス山系に、そんな山のすばらしさを誰よりも知る男がいた。彼の名は島崎三歩(小栗旬)。北アルプスを庭に生まれ育ち、ヒマラヤや北南米、世界中の巨峰を登り歩き、高度な山岳技術と、あらゆる山の知識を会得してきた名登山家だ。日本に戻ってからはその能力を生かして山岳救助ボランティアとして登山者たちの命を守っている。
三歩は、まるで山のように大きな包容力を持ち、例え自分の過失で遭難した者に対しても決して責めることはしない。仮に要救助者が死んでしまっていても、そのもの言わぬ遺体に向かって「よく頑張った」と労わりの声をかける。誰よりも山を愛する三歩の願いは、山の魅力を多くの人に知ってほしいということ。三歩にとっては、山は「生きる」ことのすばらしさを再認識する場所でもある。だから、どんなアクシデントに出会っても三歩は決して諦めないのだった。
小栗旬。と言えば、お金に困っていなくてシャープでストイックで。。。というイメージを持っていました(あ、でも貧乏男子というのもあったか)・・・が、この映画の彼は今までとは180度違う姿で登場しました。あたたかくて大きくてたくましくて、はじけるような笑顔のできる100%健康的で快活で誰よりも頼りがいのある男性。
その笑顔の深いところにはぬぐいきれない悲しみもある、というところがなお切なく、こういう小栗旬もあったのか~という感じの島崎三歩くんでした。この作品のために9Kgも体重を増やしたとか。あごの線にボリュームが出て体もがっちり。日焼けしたたくましい山男になっていました。次の舞台、新感線「髑髏城の7人」では魔王と対峙する捨之介ですからね~しばらくはガッチリガテン系のスタイルを保つのでしょうか。ガラスの小栗旬も捨てがたいですけど。
ストーリーは長野県警山岳救助隊に入隊した長澤まさみちゃんの成長物語を軸に展開されますが、三歩くんが険しい雪山をまるでスキップするようにとんで歩く姿がとても印象的。隊長の佐々木蔵之介さんや、ヘリコプターパイロットの渡部篤郎さんががっちりと渋い演技で脇を固めて分厚い物語になっていました。
山で父親を失う小さな男の子の演技に泣かされました。「とうちゃんと山で『男めし』をたべるんだ。。」と、大きなおにぎりを前に帰ってこない父を待つ姿の切ない事・・・・本当に涙なしでは見られませんでした。この子も、三歩くんの大きな愛情で成長していきます。
三歩くんが山岳救助ボランティアを始めるきっかけとなる遭難事故のシーン、先述の男の子の父親が遭難するシーンなどはかなりリアルでした。怖いですよね~山。あんなに怖ろしい想いをしてまで山に登りたいという気持ちが私のような臆病者にはよくわからないけれど、それでも「また、山においでよ!」と語りかける三歩くんのはじけるような笑顔をみていると、きっと人を惹きつけて離さないものすごい魅力や魔力があるんだろうなあと思わされました。原作は漫画だそうです。読んでみようかな。