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舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

小曽根真プロデュース・トリビュートコンサート「井上ひさしに捧ぐ」 @オーチャードホール1階3列下手

2011-05-12 21:06:33 | 観劇/コンサート

第1部

出演
井上芳雄、大竹しのぶ、神野三鈴、木場勝己、辻萬長、剣幸

ピアノ・小曽根真  ベース・中村健吾 ドラムス・高橋信之介

Mack the Knife・・インストゥルメンタル(「三文オペラ」より)

<「組曲虐殺」より>

伏せ字ソング・・井上芳雄

独房からのラブソング・・木場克己、井上芳雄

豊多摩の低い月・・大竹しのぶ・神野美鈴・剣幸・井上芳雄

<「日本人のへそ」より>

半年後家たちの嘆き・・辻萬長ほか客席にいらした「日本人のへそ」キャスト(山崎一、久保酎吉、植本潤、今泉ゆかさん)

思う男はお前様ひとり・・剣幸

命がもえるよ 火のように・・大竹しのぶ、辻萬長

ひょっこりひょうたん島・・全員

信じて走れ(「組曲虐殺」より)・・井上芳雄+全員

第2部

最上川舟歌 大場文男 大場文彦

ピアノ協奏曲 第1番「もがみ」(作曲・小曽根真)

第1楽章~第3楽章

東京フィルハーモニー交響楽団、

全員・・・胸の映写機(「組曲虐殺」より)・・井上芳雄+全員

大雨にも負けず、職場から渋谷のオーチャード・ホールへダッシュ
このコンサートは、ジャズピアニスト小曽根真さんの企画で開催されました。ホールロビーにはこの震災で被災した釜石、大槌町の「蓬莱島」の写真とキャストの寄せ書きがありました。

  

この島は「ひょっこりひょうたん島」のモデルになった小島ですが、写真左にうつっている赤い灯台は津波に流されてしまったそうです。。

客席に入ると、舞台上に掲げられたスクリーンに、井上ひさしさんの笑顔のお写真。「ようこそおこしくださいました。」と、観客ひとりひとりにほほ笑みかけているようでした。

コンサート第一部は、小曾根真さんが井上先生の作品に参加した「組曲虐殺」と「日本人のへそ」から7曲と、おなじみの「ひょっこりひょうたんじま」。

ご出演の井上芳雄くん、木場克己さん、神野美鈴さん、大竹しのぶさん、剣幸さん、そして辻萬長さん。どの方も井上ひさしさんの舞台で素晴らしい演技を見せてくださった役者さんばかり。追悼コンサートということですが、どの方のコメントを聞いても井上ひさしさんへの溢れだすような思いが感じられ、特に井上くんの涙にはもらい泣きしてしまいました。この席で、木場さんから長いこと井上先生と一緒にお仕事をされていた宇野誠一郎さんの訃報をお聞きしました。今ごろは天国から井上先生とご一緒にこの舞台をご覧になっていることでしょう。

井上くんの歌はもちろんのことですが、大竹しのぶさんの歌声も素晴らしかったです。今は14日開幕のスイーニー・トッドのお稽古中とのことでしたが、もうすぐピアフも演じられるとのこと。あんなに歌える方とは思いませんでした。木場さん、辻さんの歌も素敵でした。やはり、表現力のある方は歌も半端ではないですね。

また、「ひょっこりひょうたん島」の「苦しいこともあるだろさ、悲しいこともあるだろさ、だけど僕らはくじけない、泣くのはいやだ!笑っちゃおう!」という歌詞で泣いてしまうとは思ってもみませんでした。

第一部最後の曲、「信じて走れ・・・」では、井上くんの目にも涙があふれていました。「後に続く者を信じて走れ」素晴らしい詞です。

ここで20分の休憩

第二部は袴姿のおふたりが登場。尺八にのせた「最上川舟歌」力強さと清らかさに鳥肌がたちました。これに続き、新進気鋭のシンガポール人指揮 者、ジョシュアタンさんの指揮で小曾根さん作曲のピアノ協奏曲「もがみ」を東京フィルと小曾根さんの素晴らしいピアノ、小曾根さんが教鞭をとっている国立音大生によるコーラスで堪能させていただきました。ジャズ・ピアニストの小曾根さんらしく、荘厳な音色から一転、軽快なジャズテイストへの変化が楽しく、また圧倒されました。

最後の最後は「胸の映写機」
カタカタカタまわる・・・胸の映写機 
彼の姿をうつしだす・・・

と、歌う舞台の後ろに井上ひさしさんの映像が映しだされ、荘厳な気持ちになりました。大雨でも、仕事で疲れていても、行ってよかった~と思える素敵なコンサートでした。

ホールを出て脇を歩いている方をふと見ると、寺島しのぶさんでした。きっと役者さんたちもたくさんご覧になっていたんだろうなあと思います。しかし、オーチャード・ホールは広いなあ・・・