pippiのおもちゃ箱

舞台大好き、落語大好き、映画大好き、小説大好き、猫大好き!なpippiのつれづれ日記です。

たいこどんどん@シアターコクーン1階A列センター

2011-05-02 23:19:46 | 観劇/コンサート

作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄

出演:中村橋之助、古田新太、鈴木京香、宮本裕子、大石継太、大門伍朗、
    市川夏江、大林素子、飯田邦博、塚本幸男、立石凉子、六平直政ほか


あらすじ:

江戸日本橋の薬種問屋の若旦那・清之助と、忠実なたいこもち桃八が、ひょんなことから漂流して、拾われた船に連れて行かれたのが東北・釜石。各地を転々とする九年の珍道中がここから始まる。二人には思いもかけないような災難が次から次へと降りかかる。流れ流されたあげくようやく「江戸」に戻ってくると・・・。


以下、ネタバレ満載ご注意あれ




G.W.の観劇第一弾は、長女とふたりでシアターコクーン。今回はXB列が最前列となるため、A列は3列目となります。
蜷川常連の役者さんたちに古田新太さん、橋之助さんやそのお弟子さんたちもご出演で、今までの井上 蜷川作品よりも、なんとなく歌舞伎っぽい仕上がりりに思えました。通路使いもたくさんあります。上手通路は橋之助さん、下手通路は古田さんが多いです。


歌舞伎にうとい私ですが、さすがに橋之助さんは光っていました。生まれながらの幇間=たいこもちのような古田さんのどんな変化球もしゃらっと受け止め、安定感と余裕の感じられる演技でした。歌舞伎役者ってすごい。そして、どんな状況でも品を失わない若旦那っぷりがさすが最後の方で大道具の松が倒れてしまうアクシデントもありましたが橋之助さんがご自分で演技の流れのようにさりげなく直して、「松、倒れちゃったけど・・・」と、何事もなかったように台詞にいれていました。(その後。黒子の方が支えに走り出て事無きを得ました。)


古田さんも、薮原検校の時以来の井上 蜷川作品ご出演でしたが、長台詞に早変わりの連続で、物凄く大変。特に後半の捨て身っぷりは見ごたえ十分です。楽までお怪我がありませんように。


女性陣では、鈴木京香さんがかなりの「毒婦」ぶりでびっくりですが、宮城ご出身とあって東北弁が滑らかで違和感がなく色っぽさも満載でした。時々古田さんにイジられて苦笑いする場面も。ダンス・オブ・ヴァンパイア初演でマグダを演じた宮本裕子さんも捨て身の演技。前方席なのでちょっとハラハラするくらい。

そして六平直政さんの怪演!迫力満点です。


小舟から落ちた若旦那・清之助と、たいこもち桃八が浦賀沖で東北行きの舟に拾われて9年。これでもか、これでもかと迫りくる困難に翻弄されながら、決して挫けず楽天的なまでに明るく乗り越えながら最後に帰りつくことができた自宅は、江戸は、もはや昔の姿ではなく・・・・という結末、そして、そこから立ち上がってゆく姿は、まるで今の日本の状況そのものに見えて、本当に蜷川さんは井上ひさしさんの脚本を一言一句変えていないんだろうかと不思議に思うほどでした。エンディングの演出は辛くなりそうな恐怖を含んでいますが、だからこそそこにいる人々の立ちあがる姿が美しいんだなあと思わされました。


20分の休憩をはさみ3時間40分。終演は10時45分くらいになっていました。カーテンコールでは泣いていらっしゃる役者さん多数。橋之助さんと古田さんは固く握手をされていました。


本日初日。扇田昭彦さん、蜷川幸雄さん、ドラマ「セカンド・ヴァージン」で鈴木京香さんと共演されて話題になった長谷川博己さんがいらっしゃいました。蜷川さんと談笑する長谷川さん、素敵でした~



また、今夜は劇場で思いもかけず職場の先輩にお会いでき、嬉しい時間になりました。

コメント (4)
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