日航機と海保機の羽田空港事故について
藤井隆幸
正月早々、元旦の能登半島地震に次ぎ、2日には羽田空港における大事故。海上保安庁の事故機は、能登半島地震の支援に向かうことになっていたという。何ともやりきれない気分なのは、多くの人々と共通するものだろうと思う。
気になるのは、なぜ起きた事故なのかと言うこと。正式な手続きとして、運輸安全委員会(旧 航空事故調査委員会)が結論を出すことになる。それには様々な調査が行われ、今後の安全に生かすことになるというのが立場ではある。国民は即日、結論を知りたがるのではある。期待に応えると言うことか、早々と斎藤国交省大臣は「海保機がC滑走路の手前で待てという管制塔の指示を、離陸許可と認識間違いしたことが原因である。」との会見をした。
さて、空港管制業務も航空会社も、国土交通省の所管。運輸安全委員会は国土交通省の内局。海上保安庁は国土交通省の外局。意地悪い見方とは思うが、総ては内々なのではある。物語を作り上げるのには、極めて都合が良い。運輸安全委員会くらいは、法務省か総務省の所管であるべきではないのか。
海保機はC滑走路に40秒もスタンバイしていたという。空港管制官が気付かなかったミスもあるのだろうし、日航機側も確認できなかったのかという疑問もある。素人が論評すべきことではないが、海保機の機長の認識間違い(離陸許可が出たという)が主だった原因とすれば、もっとも事なきことと納められるのではないかとの疑問がある。
気になるのは、昨年の8~11月に多くの新聞記事があることである。NHKのWeb News(2023年11月30日16時16分)【成田空港 増便など受け入れられる見通し3分の2に 人手不足で】と言う記事だけを紹介する。
コロナ禍での航空需要の減少で、航空機の地上誘導や荷物の積み降ろし、チェックインカウンター業務などを行う「グランドハンドリング」の従業員の数は4年前と比べて全国で15%近く減少し、人手不足が深刻になっています。……(中略)……その結果、海外の航空会社の新規就航や増便の希望は週152便あり、空港の発着枠には余裕があるにもかかわらず、今年度中に受け入れられる見通しが立っているのは101便と、3分の2にとどまったということです。
これはグランドハンドリング(地上) 諸業務であって、空港管制業務の事ではない。が、コロナ禍での仕事の減少で、新規採用が縮小したのと定期退職があったのが同じであれば、人手不足という、同じことが言えるのではないのか。成田空港や全国の空港であることは、羽田空港でも同じ現象があるものとは思う。
ここで指摘したいことは、1985年8月12日に起きた日航機123便の墜落事故。さまざま不可解な疑問が多くの人から指摘されている。運輸省航空事故調査委員会(当時)の結論は、以前に着陸時に尻もち事故を起こした機体で、ボーイング社の不適切な修理により、圧力隔壁が吹飛び、垂直尾翼と油圧系統が脱落することにより、操縦不能となった事が原因とされた。
事故機のボイスレコーダーは回収されており、当初アクシデント時の機長の声が公開されている。聞き取りにくいのだが「オレンジ・エア」と言っているとの意見がある。オレンジ・エアというのは、海上自衛隊の使用する標的模擬ミサイルだという。それが日航機123便と衝突したのではないかと言う疑問。この機長は海上自衛隊出身だったとのこと。オレンジ・エアの存在を知っていたのだろう。
横田基地の米軍輸送機が事故直後から目撃していたという。当初、米軍は事故機を横田基地で受け入れると連絡してきたという。日本政府は支援を断り、輸送機も撤収したらしい。その後、日航機は御巣鷹の尾根の方向に変更して飛ぶこととなった。
墜落した場所が中々分からなかったので、救出活動が遅れたというが、F4ファントム戦闘機(自衛隊機)2機が日航機を伴走していたという目撃証言は多くある。地元捜索隊が御巣鷹の尾根に到着した時には、既に自衛隊員が活動していたし、その後撤退したのだという。その自衛隊員は何をしていたというのか。
航空燃料はナフサである。現場では遺体は不自然に焼けていたという。その匂いは火炎放射器の燃料の匂いだったという専門家の意見がある。生存した4人の証言では、墜落当初は多くの人の声が聞こえたという。生存した人は後部座席にいて、墜落した時には谷の下まで落ちていたのだという。自衛隊が活動していなかった場所だという。
当時、中曽根内閣は自衛隊増強の方針を打ち出していた時期で、自衛隊が事故を起こしたと言うことはあってはならないのだった。ボーイング社は、当初、事故機の修理は完璧であったと主張していた。その後、我社の修理ミスと認めることとなるのだが。以後、しばらくは日本の旅客機購入がボーイング社に偏ったという、本来の反対の事が起こっていた。田中角栄のロッキード事件を思い出すのではある。
この日航123便の事故が、何が原因であったのか。書いてきたことが本当かどうか、小生には分からない。とは言うものの、羽田事故は、これから検証されることになるのだが、納得の行く結論になるのだろうか。
日本政治はもとより、世界でも混乱しているように見える。G7が世界の中心であったように思っていたが、今やマイノリティーだと言われるほどになっている。歴史上の帝国も総ては滅んでいった。驕れる平家久しからずや。欧米天下の思い込みも、崩れる時代の混乱であるのか。マスコミは事実を報道しなくなった。ジャニーズの崩壊のように、悪あがきが続くのではあろう。
【投稿日 2024.1.14.】