『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

2023年9月例会のご案内

2023年08月31日 | 月例会案内

阪神間道路問題ネットワーク
9月例会のご案内

2023年9月29日(金) 13:30~15:30
今津公民館 第3集会室(2F)
  西宮市今津水波町9-28 ☏0798-22-3529

まだまだ暑い日が続きますが、如何お過ごしでしょうか▼8月は夏休みとしましたが、9月は上記の通り例会を開催します。いつもの勤労会館の空室がなかったので、今津公民館ですので、お間違いのないようにお願いします▼7月例会参加者は、「みち環」H代表とYさん・「川西自然」T代表・S画伯、それに私の5名でした。8/5(土)に名古屋で道路全国連の幹事会が開催される予定でしたが、欠席通告が多いということで延期になりました。今年の全国交流集会は、10月下旬に東京の会場で開催する案が出ていますが、決定に至りませんでした。決定されればご案内します▼『みちしるべ』116夏季号の印刷が、8/15(火)に予定されていましたが、台風の直撃で8/28(月)に延期になりました。取り急ぎ発送しますので、お待ち願います▼「みち環」で活躍されていた神崎敏則さんが、8/12にお亡くなりになりました。65歳だと聞いております。転勤で九州に移っておられましたので、急な知らせで驚いています。お付合いのあった方には、『みちしるべ』に追悼文をお願いできれば幸いです。 (F)

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『みちしるべ』**横断車道(112)**≪2023.夏季号 Vol.116≫

2023年08月27日 | 横断車道

横断車道――112――

マスコミを権力者が統制するのは一般的。国民・市民の意識を都合よくコントロールする為。戦後しばらく、日本の新聞は、多少なりとも反権力であった。が、今日、肝心なところで腰砕け。TVラジオも良識人を排除し、権力プロパガンダ一色。そこにきてネット時代。少なくない人々が、周りの景色を見る時間より、スマホ画面を覗くのが上回るという異常な状況。ネット操作で権力者の思想統制は、いとも簡単になった▼日本は独立国と言う国民は多いのだろう。日本をよく知る世界の目は、「日本には外務省がない。あるのは米国指示具体化省。」「日本の国連大使は、米国の投票機械。」との声が。ここへ来て、米国兵器買い付けや、台湾周辺へのミサイル基地建設が急ピッチ▼米軍兵器の爆買いは、即時現金払いだが、兵器が来るのは米国都合。9年前支払いのグローバルホーク(100億円の無人偵察機)が、やっと届いたがもう旧式に。しかも、敵国軍事領空侵犯となり、憲法9条違反の先制攻撃。航空自衛隊も嫌がり、海上自衛隊に押し付けた。政治屋の意味不明の爆買いに、一番腹を立てているのは自衛隊の制服組だろう▼岸田政権は「台湾有事」を言うが、台湾の人々の85%は現状維持を望むという。独立派や即時統一派は数%の少数過激派。台湾と本土との貿易は、かなりのシェア。有事になれば双方とも大被害。習政権も「統一は急がない」と明言。そもそも、台湾は中国の一部で中国が唯一正式政府と、米国も日本も正式に認めていて、世界の80ヶ国以上がそのように認識。台湾問題は中国の内政問題。部外者が「台湾有事」というのは、内政干渉に他ならない▼中国が「東シナ海・南シナ海で覇権」というが、米国は空母を11隻・原潜を50数隻持っている。対して、中国は空母3隻・原潜6隻。その米軍が中国近海で、軍事演習などの圧力。中国がロサンゼルス近海で何かをしたわけではない。世界の海は米国のもの?▼ところで、米国内も混乱。戦後、ソ連と中国を分断する政策を推進。ニクソン政権でキッシンジャーが米中国交回復をしたのは、まさにソ連対策。ソ連が崩壊し、安心したのか。トランプ政権になり、中国バッシングを強力に推し進めた。その後、バイデン政権は(オバマ政権副大統領の頃から)ウクライナを焚きつけて、ロシア壊滅を試みた。この事態で、ロシアと中国が強力に手を組むことに▼最近、中国に高官を送ったりし、関係修復を模索か。なにせ中国とロシアの2大国相手では、米国の勝ち目は無い。来年は米国大統領選挙。混沌としてきたが、トランプかバイデンか。ロシア寄りか中国寄りか、100兆円の借金大国の改善目途もなく、「グローバルサウス」という国々の勢いが増してきている▼さて、「如何する岸田君!」ということである。対岸の火ではなく、母屋が燃えているのである。

(コラムX)

【投稿日 2023.6.9.】

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『みちしるべ』**6月例会から(斑猫独語 88)**≪2023.夏季号 Vol.116≫

2023年08月27日 | 斑猫独語

6月例会から(斑猫独語 88)

澤山輝彦

 阪神タイガース二軍球場の鳴尾からの移転先として、反対の声もある大物駅南側の工事現場と、大物周辺を6月例会として見てきました。

 この工事現場は元、緑の多い公園で、そこをつぶすのは許せん。というのが反対する理由なのですが、私はこの公園を見たことがないので、そこのところを具体的に指摘することはできません。が、東京の神宮外苑にも似たようなことがおきており、こちらは全国区的に、そのやり方に批判が上がっています。地方区尼崎でも、同じように反対されるのは当然のことだと思いますし、私たちの例会の場とした理由になります。

 みどりの日という国民の祝日を定め、「自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」とまで言いながら、どうも緑を破壊することには、さほど気にならないような事例が各地に多すぎるのが、この国の現状でしょう。原状回復と言う言葉で開発を進めることがありますが、原状回復を100%期待するのは難しいとおもいますし、そのためには時間がかかることも、知っておくべきでしょう。

 マイナンバー法を強行し、健康保険証を廃止するなど、平気でやる連中は「自然に親しみ、豊かな心をはぐくむ」ことが出来ない全く非人間的な心の持ち主で、こんな連中にいつまでも政治を任せておいてはいけません。参政権を大事に使う、ああいう連中を落として行かねばなりません。

 さて、工事現場へ戻れば、現場には囲いがはりめぐらされ、中は見えません。工事車両が出入りする門から中をうかがうのですが、整理のおじさんに注意され、ゆっくり見ることもできません。私は大物駅まで阪神電車本線で来たので、大物駅手前から車窓下に、この現場を見ることができました。大掛かりな地盤沈下を防ぐ基礎工事が行われているようでした。

 暑い日陰の少ない現場を切り上げ、周辺の古戦場であったか、なにかを見て、屋根のある建物、尼崎歴史博物館に到着、見学しました。元は中学校だったという建物が歴史博物館として使われているのです。

 ここで「みちしるべ」既報の、川西市の旧黒川小学校のことを思い出しました。規模、建築様式も違いますから、簡単に比較は出来ませんが、開発のために取り壊す、この短絡的な考えは馬鹿でも出来ます。残そう、何とかならないか、こう考えるのが普通でしょう。そこに知恵をはたらかさねばならないのです。

 歴史博物館の展示ですが、尼崎を総合的に理解して行くにはよく出来ており、じっくり観ていくといいと思いました。歴史教育に私が感じるのは、日本史は近現代史からはじめ、そこを徹底的に頭に入れる。ここが欠けていることがいつまでも「自然に親しみ、豊かな心をはぐくむ」ことの出来ない連中に、思いどおりの政治をやらせ続けることになる一因だと思うのです。

 この辺りは世界史でも同じように思います。ロシアのウクライナ侵攻は非難されて当然でしょう。だが、イスラエルのパレスチナ占領に対してはどうでしょう。ウクライナを支援するならパレスチナも支援しなければならないのでは。このあたりにも世界史としての近現代史、国際情勢の正しい判断ができる教育が必要になるとおもいます。

 そんなことを無視した政治家たちは、G7などとええかっこをしているつもりでも、諸外国から半分馬鹿にされているところがあるなど、気が付かないのです。縄文や弥生時代のことは後回しにしたって構わない、そんな気がします。

【投稿日 2023.7.7.】

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『みちしるべ』**6月例会での阪神二軍球団建設現場視察**≪2023.夏季号 Vol.116≫

2023年08月27日 | 平出正人

6月例会での阪神二軍球団建設現場視察

平出正人

 2025年にプロ野球・阪神タイガースの2軍球場が移転する小田南公園の工事現場を見てきました。写真を添付していますのでご覧になって下さい。

 ダンプの出入りも多く、公園自体は無残な姿になっていました。でも、市民から「残してほしい」との声が多かったイチョウ並木は一部を公園北側に移植し、球場西側には腰を下ろしてくつろげる芝生広場を造り、南側にウメの木を移植するほか、広場を囲むように桜を植えることで、季節を感じて憩える場になるようです。市は小田南公園に合わせ、近くの大物公園や大物川緑地についても散策路や遊具、広場などを再整備する方針です。

 また、2軍球場の観覧席(2600席相当)は津波などに備えた避難場所とし、軟式野球場にも備蓄倉庫を設置。敷地内にはマンホールトイレや応急給水栓を設置して地域の防災拠点にするそうです。

全体の完成イメージ図=尼崎市提供 

2軍球場西側に新たに造る芝生広場のイメージ図=尼崎市提供 

再整備後の小田南公園のイメージ図(南西入り口から芝生広場を見た図)=尼崎市提供 

例会参加者 

【投稿日 2023.6.30.】

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『みちしるべ』**5月例会《安治川隧道視察会》報告**≪2023.夏季号 Vol.116≫

2023年08月27日 | 藤井隆幸

5月例会《安治川隧道視察会》報告

藤井隆幸

 安治川隧道は川底を南北に通るトンネルです。1944年に開通した日本初の沈埋トンネルというのも、特筆すべきもの。「沈埋トンネル」とは、海底・湖底などに鉄筋コンクリートなどで出来たパイプを沈め、それを繋いで造るトンネルです。このトンネル使用には、両岸にある5階建ての鉄筋コンクリートのエレベータ建屋、又は93段の階段を使用するのも、非常に珍しいものです。

 JR大阪環状線・西九条駅、阪神なんば線・西九条駅より南へ500mほどの所に、北側のエレベータ建屋があります。大阪市此花区と西区を結ぶ延長80.6mの歩行者・自転車専用トンネルとなっています。

 建設当初は、両岸に歩行者用と車両用エレベータ、それに歩行者用階段を備えていて、最盛期(1961)日交通量は歩行者約8,500人・自転車約4,600台・自動車約1,200台の通行があったそうです。自動車は維持費一部負担で通行料を徴収していたようです。その後、下流の国道43号線安治川大橋が開通してからは、車両利用減少により、1977年に車両の通行は中止となったとのこと。

 とはいえ、歩行者・自転車(押して通行)にとっては、今でもとても便利なようで、視察日の状況はひっきりなしの利用者がありました。深夜はエレベータが休止して、階段のみの利用となるようです。自転車は利用禁止になり、かなりの迂回路となります。防犯対策として、監視カメラが作動していて、24時間の監視がされているようです。

 夏は涼しく、冬は暖かいという、地底ならではの特徴があり、当日は雨模様で外の気温は高くなかったのですが、トンネル内はひんやりとした感じでした。帰りは全員が階段を利用しましたが、結構な運動量でした。お年寄りが深夜に利用することは、余り無いのでしょうが、チョットしんどいですね。

 S画伯の少年時代の生活エリア、Hさんの若かれし頃の仕事地域ということで、ご両人には懐かしさもあったようです。ということで、全メンバーは視察後会議ということで、大衆酒場での交流となりました。

【投稿日 2023.6.8.】

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『みちしるべ』**国土交通省のレベルの低さを笑ってあげましょう**≪2023.夏季号 Vol.116≫

2023年08月27日 | 藤井隆幸

国土交通省のレベルの低さを笑ってあげましょう

藤井隆幸

 かつて建設省・運輸省・国土庁と別れていた官庁が、現在は国土交通省となっています。しかしながら、かつての省庁の仕事が合理的に合体しているかというと、疑問を呈さずにはおられません。建設省の大部分を占めていた道路行政は、国土交通省道路局・都市局として、独立独歩というか、利権範疇確保というか、体制が変わっていないのです。

 省庁再編以前から、公共事業の7割は建設省。その内の4割は道路事業と、田中角栄以後は長きに亙って現在まで変わることが無いのです。これは世界でも珍しいことで、予算配分の官僚の喧嘩を、政治屋が仲裁できないという、まことに稚拙な国家体制ということです。

 結局、日本には政策決定権がなく、アメリカの指令で動くしかないということ。その指令は官僚トップに指令され、その指令を官僚が政治屋に伝えるという、奇妙な構造になっているからです。

 明治以来、富国強兵で鉄道王国を目指し実現していた政策が、戦後、自動車対応型に変更させられたのもGHQの指令であった。そして、日米貿易摩擦の問題で、海部内閣に対して公共事業を膨大化させられ、更に村山内閣で肥大化させられたのも、日米構造協議で官僚たちが呑まされたアメリカ政策でした。

 アメリカは日本の政治を鑑みて指令をしているのではなく、アメリカの都合を押し付けているだけです。80年代頃までは、アメリカにとって急速に経済大国になる日本は、敵性国家であったようなものです。ところが、バブルの崩壊で30年及ぶ日本経済の低迷で、世界的国力のなくなった日本。アメリカも戦後世界の憲兵を自称していた地位から、中国・ロシアの台頭、BRICS(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)がG7を凌駕し、グローバルサウスと言われる勢力が世界で大きな地位を占めるに至っています。

 危機感を抱いたアメリカは、「日米同盟の強化」という日本の経済・軍事がアメリカの補足をするように仕向けています。これまで、日韓が手を組むとアメリカ離れを起こす懸念から、対立を陰で煽っておきながら、今日、手を組ませる方向転換をしだしています。

 さて、そういった情勢の中で、我らが日本の道路情勢を如何に見るかということです。70年代には、日本の高速道路延長は欧米に比べて短いものでした。しかしながら、急速に進展する日本経済の中で、延長距離で欧米を凌駕してくると、一人当たりの道路延長が短いと言い出しました。

 欧米の人口密度は、日本の様な高密度社会ではないので、一人当たりにすると当然ながら長くなるのは道理です。それが、高速道路が足りないという理論にするのは、あまりにも稚拙というもの。とはいうものの、一人当たりの道路延長でも、欧米に追い付いてしまうと、高速道路が足りないという言い訳が出来なくなりました。

 そこで考えたのが、高速道路の都市間速度が、欧米よりも遅いという理屈です。どのようなデータによって言っているのかは知らないのですが、データを出さないのは道路族の何時もの手法ですね。ここで欧米人が日本に来て不思議に思うことをご紹介します。列車に乗っていて、「この街はどこまで続くのですか?」とよく聞かれます。東京から横浜まで列車が走って、人口が密集する家々が途切れることが無いのです。阪神間で言うと、大阪から神戸まで、森や林があるわけがない。

 欧米は人口密度が少ないのと、歴史的に都市が集まってできた国が殆どで、城を中心に街があるのです。街を出ると、そこは森しかないのです。そのような都市と都市を結ぶ高速道路では、制限速度一杯に走れるのは当然。日本のように、出入路が小刻みにあり、圧倒的な交通量があれば、都市間速度が落ちるのは改善しようもない現実です。

 道路交通工学で以て道路施設を考える欧米では、交通が混雑すると、道路を増やすと逆効果であることは自明なので、そんな馬鹿なことはしません。交通量を削減することを考え、例えば通行料金を取ったり値上げしたりします。

 アメリカは既に、日本の公共事業を増やせとは言っていません。でも、日本の官僚機構が、既得権益を守ろうとする属国棄民政策が止められない。アメリカは中露を念頭に、軍事予算を要求するようになりました。道路族と防衛族の喧嘩を、アメリカは如何に支配するのでしょうか。

 欧米との違いを言うのなら、欧米の道路は長き歴史の中で建設されたものです。道路メンテナンスも考慮に入れた中でのもの。ところが、日本は急速に建設した高速道路網。特に高架橋やトンネルが多用されており、使用不能の老朽化時期が急速に固まって発生する事態に遭遇しています。

 道路族よりも防衛族にシフトが考えられる中、新設道路を考える余地は全くないということです。維持管理もままならない事態になっていることを自覚すべきですが、古き良き時代に浸っている道路族。地元に高速道路計画が降ってくると、一世一代の金儲けなどと、淡い考えを持つ時代ではなくなっていることを、高学歴の頭の悪い官僚たちに、みなさん、憐れみをもって教えてあげましょう。

【投稿日 2023.6.10.】

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『みちしるべ』**東京外環道工事差止仮処分 最高裁の上告棄却に抗議**≪2023.夏季号 Vol.116≫

2023年08月27日 | 道路全国連

東京外環道工事差止仮処分 最高裁の上告棄却に抗議

東京外郭環状自動車道のシールドトンネル工事で、調布市の住宅前が陥没したのは記憶に新たなところです。陥没とは別に、大規模空洞が複数見つかり、住宅が沈没する危険にさらされています。なかば強制的に直上の住宅立ち退きをせまり、空洞を埋め立てる工事を強行しています。まさに憲法も人権も完全に無視した工事に、地元住民が仮処分を申し立てましたが、最高裁は国家行政に従属する通告を行いました。それに抗議する原告団の声明をご紹介します。

2023年7月12日

東京外環道工事差し止め仮処分について最高裁の上告棄却に抗議します!

東京外環道訴訟原告団

 最高裁第3小法廷(今崎幸彦裁判長)は、私たちが提起していた東京外環道シールドトンネル工事の差し止めを求めた仮処分申請について、2023年7月7日、特別抗告を棄却した、と通告してきました。私たちは、この決定に抗議し、裁判所がわれわれの三権分立の憲法の下で、行政に対する最終審査機関として正常に機能するよう、改めて求めるものです。

 私たちの訴えは、大深度地下の掘削工事について、一部差し止めを認めた東京地裁の決定について、同様の地域で、同様の立場にいる一部差止区間以外の原告についても差し止めを認めないのは、どう見ても不合理で、憲法に違反している、というものでした。

 つまり、仮処分決定は、杜撰なトンネル工事による2020年の陥没事故の近隣の原告1人について、「東名ジャンクション部を発進する本線トンネル(南行)及び同(北行)の工事を続行することによってその居住場所に陥没や空洞が生じる具体的な恐れがある」とし、「居住場所に陥没や空洞が生じれば、家屋の倒壊等を招き、その生命、身体に対する具体的な危険が生じる恐れがあり、その被害は(当該原告の)日常生活を根底から覆すものといえる」とし、「東名立坑(東名ジャンクション部)を発進する本線トンネル(南行)及び同(北行)の工事」について、「被保全権利(人格権に基づく妨害予防請求権としての差し止め請求権)及び保全の必要性」を認めて、本線部分の約60%にわたる工事の差し止めを命じたものでした。

 しかし仮処分決定は、トンネル直上や掘削コースのすぐ近くに居住している他の原告について「疎明がない」と片付け、大泉ジャンクション発進の本線トンネルやランプ・トンネルについて工事差し止めを認めませんでした。この結果、国と事業者は、大泉発進等の掘削工事を強行し続けています。「人格権に基づく妨害予防請求権としての差し止め請求権」は、なぜ他の原告について認められず、差止区間以外の掘削工事が認められるか。それらの地盤は、強固で安全なのか、陥没の危険はないのか。それこそ、その「疎明」はありません。

 一方で、陥没地域のトンネル直上の約220m×16mの地域の約30戸に「住宅解体・更地化・地下47mまでの地盤補修工事」を押しつけ、このために、入間川の河川上約400メートルに地盤固化剤と排泥を圧送する6本のパイプを通すという大工事を始め、平穏な住宅街を工事現場に変え、住民の命と暮らしを破壊しつつあります。同様の惨事が差止区間以外でも起こる可能性があることは、2022年の大泉の事業地でのシールド機自損事故で明らかです。

 そもそもこの仮処分決定は、本訴の結論が出る前に、一時的に、司法が事業の「暴走」を防ぐため、問題の再検討を求めるという機能を期待されているものです。国と事業者の態度は,こうした状況を無視し、裁判所の決定について異議申し立てもせず、「差し止められていない場所では、何をしても構わない」といわんばかりの姿勢で終始し、2年4ヵ月を経過しました。これは、まさに「司法に対する侮辱」以外の何ものでもありません。

 「まだ、最高裁がある!」――映画「真昼の暗黒」で描かれたこの言葉は、「憲法の番人」として、行政の誤りを正し、日本国憲法の正義を実現する最高裁判所への期待を示したものです。

 私たちは、ただ、行政の手続きに乗っただけの中途半端な仮処分決定を追認した最高裁の無責任な姿勢に抗議し、本訴で一層の運動を進めることを宣言します。

 大深度地下法は、憲法に決められた財産権制限に対する「補償」の規定を持たない憲法違反の法律です。その法律さえ守らず事故を起こし、多くの住民の人権を侵害している、東京外環道事業の認可・承認は無効であり、取り消すべきです。

【投稿日 2023.7.16.】

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2023年8月例会は夏休み

2023年08月18日 | 月例会案内

 

8月例会は夏休み

 いつものことながら、ご連絡が遅くなり、申し訳ありません。
 8月例会は夏休みとすることが、7月例会で決まりました。8月15日に『みちしるべ』夏季号の印刷で、おもだったメンバーが集まりますので、その際に9月例会日程を決めることになっていました。その決定に従って、8月例会の夏休みと、9月例会の日程をお知らせするはずでした。
 ご存じの通り、8月15日は台風7号の直撃で、印刷作業は延期になりました。とりあえず夏休みのお知らせをする次第です。
 9月例会日程のお知らせは、その後にさせていただきます。お知らせが遅延してしまい、重ねてお詫び申し上げます。

(F)

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