『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

2015年7月例会のご案内

2015年06月30日 | 月例会案内

阪神間道路問題ネットワーク
7月例会のご案内

2015年7月25日(土) 1:30~3:30p.m.
西宮市立今津公民館 第3集会室

 早く梅雨が明けないかと思うこの頃。豪雨災害がこれ以上無ければと願いたいですね。

 今回も、勤労会館が満室で今津公民館になりました。くれぐれもお間違いの無いように。地図は書きませんが、阪神電車と国道43号線の間の筋です。東西は今津駅と久寿川駅の中間くらいです。駐車場は4台分しかありません。

 いよいよ『みちしるべ』7月号≪第90号記念≫の編集になります。一般的には既に発行する時期ですが、例によって原稿不足。今回は記念号、数行から10行くらいの記事でも構いませんので、是非、多くの方の投稿をお願いします。最終〆切は例会の日と考えています。8月初旬に7月記念号を印刷配布の予定です。

 6月例会で話し合ったのですが、恒例により、8月は例会をお休みにすることになりました。

 さて、『みちしるべ』第90号記念レセプションにつきまして、以下の通り計画されました。

  •  日時;9月26日(土)11:00~15:00
  •  場所;西宮勤労会館(未予約)
  •  会費;¥1000
  •  巻寿司のみ用意します
  •  飲料は各自持参・その他持寄り歓迎
  •  余興・出し物は提案受け付け中

 第30号記念レセプションは、道路問題も盛り上がった時期で、60人ほどが参加されました。第60号の時は、30人ほどが参加されました。今回も、30人位は集まって頂きたいと思っています。

 巻寿司だけで会費が¥1000というのは、少々高いのですが、年会費と印刷代等の逆ザヤを埋めるという、カンパの要素もありますので、よろしく。

 お昼ご飯を挟んで、午後3時頃まで歓談ということですが、会場は5時まで使用可能。ゆっくりとして頂くのも結構かと。

 これまで、南京玉簾や詩の朗読、アコーデオンやギター、それにオカリナの演奏もありました。何かありましたら、世話人までご連絡いただければ幸いです。

 各団体には、参加目標のお願いをすることになるのですが、30号の区切りは5年に一度です。是非とも、多数参加を。

 9月に入りましたら、出欠の可否を確認する作業に入りたいと思っています。ご協力のほど、よろしく。

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上関原発<スラップ訴訟>について

2015年06月29日 | E-mail news より

我らがS画伯からリーフレットを頂きました。お知り合いの甥御さんが、中国電力からスラップ訴訟(恫喝訴訟)を受けているとのこと。とりあえず、写真でアップしておきます。

 瀬戸内の美しい海を原発から守るために
今、できることがあります。

上関(かみのせき)原発建設に反対する住民を中国電力が訴えている
スラップ訴訟
にまけないようにご支援ください。

上関原発建設とスラップ訴訟

住民の願い

 1982年、山□県上関町において、中国電力は地元住民の合意がないまま上関原子力発電所建設を計画。原発予定地の対岸わずか3.5キロにある祝島の島民は、先祖から受け継いできたいのちや生活・ふるさとを守るために、一貫して原発計画と補償金を拒否してきました。

それに対して

 (株)中国電力が原発建設のために漁業組合や町財源にお金をばらまいた結果、それまで助け合って暮らしていた地元住民は対立しあうようになりました。さらに、選挙では中国電力職員が不正転入を行い摘発されたり、住民が座り込みをしている中で無理やり工事を進め怪我をさせたりと、手段を問わない強引なやり方で計画を進めていきました。

権力でだまらせる!?

 上関原発に対して、全国各地から100万人を超える反対の署名が集まり、非暴力の懸命な座り込みが続く中、2009年12月、中国電力は抗議していた住民4人に対して、4800万円の損害賠償を請求する訴訟を起としました。
 この訴訟は、いのちや生活を原発によって壊されることに抗議した事が、不法な妨害か否か問われている裁判です。
 もし仮に妨害が認められれば、表現の自由が脅かされると同時に、生きる権利を否定されることにもつながります。また、住民の疲弊だけでなく、メディアや世論を萎縮させ、中国電力が司法を盾にさらに権力を持つ事にもなります。
 このように、大企業が個人を訴えるという司法の悪用は、スラップ訴訟(恫喝訴訟)であるといえます。

訴えられている4人を支えよう!

裁判開始から5年、4人の方々にのしかかる時間的・金銭的・精神的な負担は続いています。原発からいのちを守り、SLAPP訴訟の被害者をふやさないために。

清水敏保さん
1955年生まれ 山□県上関町
海上運送業・上関町議会議員・上関原発を建てさせない祝島島民の会代表

 上関原発建設計画が持ち上がって以来、30年にわたり一貫してふるさとでの生活を守るために建設に反対してきた。また、度重なる不祥事を起こす電力会社を信用できなくなり、現在に至る上関町議会議員5期の議会活動の中では、上関原発について毎回質問や抗議を行い、住民の声を町・県・国・電力会社へ届け、未来に続く町づくりを訴え続けている。

原 康司さん
1972年生まれ 山口県平生町
シーカヤックガイド
ダイドック冒険学校主宰

 アラスカやアマゾン川をシーカヤックで冒険中に出会った先住民に、生まれ育った故郷の大切さを教わる。その後、ふるさとの瀬戸内海を横断中に、美しい原風景や生活文化を色濃く残す祝島に出合う。その海が原発によって壊されることに衝撃を受け、祝島の漁師さんの漁船と共に、シーカヤックで海上での抗議をはじめる。主宰する冒険学校では子どもたちに生きる知恵を伝える体験を行っている。

橋本久男さん
1952年生まれ 山口県上関町
漁師・大工

 福井県敦賀原子力発電所2号機で配管作業に従事。防護服を着ての作業を経験。被ばくの危険性を痛切に感じ、原子力とは共存できないと考える。代々漁師の家系で、イカス漁、素潜りなどの漁業を行い、祝島のほかの漁師さんと共に、中国電力からの巨額の漁業補償金を30年以上拒否し続けている。2009年からの中国電力による強硬な埋め立て工事に対し、一日も欠かさず24時間体制の海上での阻止を続け、いのちをかけて海を守ってきた。

岡田和樹さん
1986年生まれ 広島県三原市
農家・水辺教室講師 八チの干潟調査隊代表

 ふるさとの瀬戸内海に奇跡的に残された手つかずの干潟に、2005年埋め立て計画が浮上。自分たちの世代が貴重な自然を受け継ぎたいと活動をはじめ、計画は取り下げに。同じ想いから、いのちや海を守り受け継ぐために、中国電力の一消費者として上関原発建設に反対する。現在、瀬戸内海の恵みを生かした農業を営みながら、子どもたちに豊かな自然を受け渡したいと、文化の継承や水辺教室を行つている。

弁護団からみなさまへ… …
全国各地から11人の弁護士により結成 弁護団長 小沢秀造(弁護士)

 あるアメリカの学者は、著作で『控えめに言っても、この20年で数千のスラップ訴訟がおこされ、数万の市民が被告席につかされ、もっと多くの市民がその恫喝によって心ならずも沈黙した。』と指摘しました。この訴訟では被告とされている住民4名の言動の正当性を立証し、この中国電力のやり方が問題であることを明らかにしていきたいと思います。

~原発のない豊かな海を受け継ぎたい~

 「裁判沙汰」という、イヤな感じの日本語がある。「裁判沙汰はごめんだ」「裁判に巻き込まれないで』生活したい」と、だれでも思うはずだ。でも、自分の生活と故郷が破壊されてしまったら、そんな悠長にかまえてしいられない。生活を支えてくれる海が、目の前でつぶされそうになったら、がんばって破壊を止めるのは当たり前だ。
 この裁判で「被告」にされている四人は、当たり前のことをした。しかも時代遅れの大赤字計画を止めたわけだから、本当は中国電力の経営に多大な貢献も果たした。「起訴」じゃなしに「感謝」されるべきだ。そんな「当たり前」が、ちゃんと認められる日まで応援したいと思う。

被告4人を応援する応援団
アーサー・ビナード(詩人、絵本作家、アメリカ人)

スラップ訴訟とは?

国や大企業が原告となり、それに反対する個人を民事訴訟で訴え、発言や取り組みを封じることを目的に起こす訴訟戦術です。アメリカ等では、表現の自由の弾圧になるとして多くの州でスラップ訴訟を禁止しています。日本では、スラップ訴訟に対して規制する決まりがなく、各地で同様の裁判が起こされています。国や企業が発言を封じる事の問題性を理解し、弱い立場を守ることができるようにスラップ訴訟を規制する法制定なども考えることが必要です。

支援を形に…
できること
いっぱい!

事実を知る

裁判のリーフレット配布や報告会をしています。
※リーフレットは1部からでも発送いたします。下記へご連絡ください。

裁判に行きましょう!

裁判の傍聴参加は、大変心強い支援です。
【場所:山口地方裁判所】
第29回 2015年7月1日(水)13:30~
※30分前までに地裁へお越しください。報告会もあります。

ご利用ください!日帰りバスツアー
広島県尾道市から大型貸し切りバスを出しています。
【行程】尾道発~三原~(山陽自動車道)~山口地方裁判所
※とりまとめは「フクシマから考える一歩の会」が行います。満席になり次第締め切りますので、下記へご予約をお願いします。

ご支援・ご寄付を!

支援寄付先【上関原発を建てさせない祝島島民の会】
●銀行振込(ゆうちょ銀行)
 [加入者名]祝島島民の会
 [店名]一三九[当座]0067782
●郵便振替…裁判支援とお書きください
 [口座番号]01390-4-67782
 [加入者名]祝島島民の会

詳しくはこちらまで

上関原発阻止被告団・弁護団・応援団
中国電力スラップ訴訟止めよう会

【連絡先】?729-0472広島県三原市高坂町真良1015
      ℡ 0848-66-3592(坂本)

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E-mail nwes 東九州自動車道に踏み潰されかけている農家の悲鳴が届きました

2015年06月17日 | E-mail news より

東九州道の運動をしている岡本栄一です
みかん畑をぶち抜くため高速会社に5月23日に用地は奪われ登記されました。
バりケードや砦を撤去せよと戒告書も来ています。
22日以降に執行令状が来るので緊迫しています。
応援をください!
全国の皆様!!
ヤフーブログ「東九州自動車道予定路線反対期成会」でクリック下さい

 日本の道路事業は、未だ以て封建時代の域を脱していませんね。こんな惨事が、何時あなたを襲ってくるか?

 安倍政権はアメリカに言われたからと、憲法を無視して、自衛隊が戦争に行くことが出来る法律を作ろうとしています。

 当面、自分には関係が無いなどと言って、黙っていたら……。いつその牙は貴方を襲うかもしれない!

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『みちしるべ』**横断車道(78)**<2015.5. Vol.89>

2015年06月11日 | 横断車道

横断車道 ―78―

「大阪都構想」にからみ、大阪市を廃止して5つの特別区を設置する住民投票があった。これを書くと、5月号が何時発行されたのか?ということになるが…▼結果は僅差で「反対」が多数となった。注目は、20~30代では「賛成」が多数と伝えられたことだ。小泉政権の「構造改革」・アベノミクス・「都構想」も、何時も同じ反応である。90年の“バブルの崩壊”から、低迷し続けている日本経済が、特に若者世代に極度の貧困をもたらしている。何とかならないかとの、藁をも掴む気分の祈りともとれる▼半面、中高年層には不人気だった「変革への選択」。70~80年代に“いざなぎ景気”で、絶頂期の経済を経験し、その恩恵を多少なりとも蓄えている。もしくは、とことん悪くなったとはいえ、若者層のような貧困を、まだ体現しているのは少数なのだろう。その意味で、現状は変わって欲しくないのだろう▼「都構想」は大阪市の財源を大阪府に集中するというモノ。特別区には財政権限が限られる。このことで合理的になると考えるのは、アサハカの骨頂ではある。橋下行政のやったことは、破たんしたWTOの買取り、阪神高速淀川左岸線の促進など、特定大企業奉仕で経済を活性化させるという空言ばかり。トリクルダウンで庶民におこぼれがあるという思想だが、それが長期に破綻したのが、まさに今日の超長期不況であったことは忘れまい▼戦後の世界経済を主導した米国の金融テクノロジーは、既に破綻の崖にある。働く者の搾取をするのは実態資本(企業)だが、その実態資本をコントロールしているのは金融資本(マネーゲームの支配者)だ。実態企業活動から、搾取する金融資本。搾取される実態企業は、非人間的に勤労者から血を吸い上げる▼悩ましいのは、実態企業活動よりも、マネーゲームの規模が圧倒的に大きくなってしまったことだ。その帰結、勤労者から吸血鬼が吸う血の量は、勤労者の生命にかかわる規模になっている。実態のないコンピュータの信号だけのマネーゲームは、地球規模で破綻寸前の状態である。イスラム圏にテロリストを増産し、勃興する中国・ロシアを亡き者にしようとする謀略を辞さない。悪行の限り▼「構造改革」もアベノミクスも「都構想」も、その延長線上での悪行でしかないのは明らか。破綻したゼネコンに淀川左岸線をつくらせ、その収益で不良債権化した債務を、銀行の収益にする。地球上で最も高速道路密度が集中する日本に、1mたりとも巨大道路は必要ない。既に作られた高速道路は、危険を放置したままの状態で、メンテナンスの費用はどこからも出てこない。それを放置して、新規に高速道路を増産し、大阪市の税金を金融資本にミツグ必要性は全く無い▼ここにきて、不思議に思うことは、革新政党がサラリーマン化し、事の本質を追究しなくなったことだ

(コラムX)

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『みちしるべ』**おすすめ『三毛猫ホームズの遠眼鏡』(斑猫独語65)**<2015.5. Vol.89>

2015年06月09日 | 斑猫独語

おすすめ『三毛猫ホームズの遠眼鏡』
(斑猫独語65)

澤山輝彦

 「原稿おねがいします」みちしるべ、を編集して下さる藤井さんの言葉は身に沁みる。何々誌や何々会報というものの発行、編集にかかわれば原稿の集まりが全てであることがよく分かる。そこですこしでもと斑猫独語なんて駄文を毎回書いているのだが、いつも締め切り間際までもたもたしてしまう。今回は嗅覚についてやや早めに書き始めたのだが、文献を引用したりしていると結構長くなり、要領よくまとまらず少々手古摺っていたのだ。

 そんな時、妻が「『三毛猫ホームズの遠眼鏡』という本知ってるか」ときた。三毛猫なになには赤川次郎の著作だ。推理物だろう。赤川次郎の推理物は書店、古書店に文庫化されたものがずらりとならんでいる。軽いものなのだ。手にとったこともない。「そんなもん知っとっても見向きもせんもんじゃ」と答えた。妻はこれはそんなもんじゃない、図書館で借りると言い、図書館へ行った。図書館には所蔵なく購入してもらうことにしてき、後日私が外出したついでにそれの貸出し手続きをし持ち帰る電車の中でぱらぱら見るだけで、この本をしらなかったことを恥じたのであった。

 『三毛猫ホームズの遠眼鏡』(岩波現代文庫/文芸257)は、2015年1月発行195p 800円の本だ。岩波書店の赤川次郎とは、考えても見なかった。裏表紙にこうある。

 自民党ポスター「日本を、取り戻す。」に誤植あり!「(誤)戻る/(正)壊」……その実、安倍政権主導ならずともいま、日本は壊れていっている。あれほどの大震災も、継続中の福島原発事故も忘れ、被災地への回帰を怠るこの状況をつくってきたのは、想像力の欠如という現代の病理である。『図書』で大好評の連載エッセイを現代文庫に一括収録!

 この本は多くの人に読まれて然るべき本である。タイトルから判断し、また戦争反対、九条は守る、維新橋下大嫌い、そんなことは分かっているから大丈夫とこの本に手をださなかったら損をする。私がこの本で赤川次郎を見直さねばならなくなったように、人(著作)を見る眼を小さな自分一人の主観だけに決め付けてきた誤りは大きい、ということを気付かせてくれただけでもこの本は大きな値打ちがある。この本の中身について、ここは良かった、その通り、とかの説明をすればそれこそこの本全てを丸写ししなければならなくなるだろう。

 『三毛猫ホームズの遠眼鏡』最近これよく売れますな、本屋さんがこう言い、書店にこの本が平積みにされている、そんな時代を作らないと本当に日本は壊れてしまう。この本を多くの人が読んで小さな突っ張り棒になれば壊れていく日本を守ることが出来るのだ。図書館へ返却すればもうこの本とはお別れではさびしい。私はこの本を買う。この本の最後の三行は、こうだ。

 深刻な問題であればあるほど、深刻に語るだけでなく、いかに面白く、笑って語ることができるか、それが私たちにとっての大きなテーマです。これからも、作家としてできるだけそういう立場に立って作品を書きつづけていきたいと考えています。

 作家でなくても私たちの日常でも深刻さに立ち向かう姿勢としてはこうありたいものだ。

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『みちしるべ』**街を往く(其の十六)**<2015.5. Vol.89>

2015年06月08日 | 街を往く

街を往く(其の十六)

藤井新造

短歌好きの短歌知らず(短歌断片記)

手をのべてあなたとあなたに触れたきに
                息が足りないこの世の息

河野裕子

 前回「俳句好きの俳句知らず」を書いた。俳句を作らず、短歌もそうであるが読むのは好きである。TVでの俳句、短歌の放送も時間があれば積極的に見ている。それでいて全然作れないし、作ろうともしないのが悔しい。そんな嘆きに近いものがあっても、こればかりは才能というか、資質があるかどうかによって決まる。だから、これらを作る人に対して羨望と嫉妬心を抱くのみである。

 それ故、短歌について素人として何人かの短歌、その人の生き方について興味をもっている。特に、彼らの昭和の初めから20年までである。何故なら、その後は戦争讃美の歌をつくり、日本の軍国主義突入への一層の拡大に大きな役割を果たからである。

 その一人が斎藤茂吉である。彼について知りたくて、随分昔に中野重治の『茂吉ノート』を丁寧に読んだ。私としては、これ程何回も読んだ本も珍しい。多分、中野の文章は難しい書き方なので、何回も読んだ。それとも茂吉について多くの教示されたものがあり、そうしたのであろうか。

 茂吉については御存知のように、佐藤佐太郎の『茂吉秀歌』(上下2巻 岩波新書)があり、茂吉の短歌の理解に格好の教科書である。しかし、解釈は理解できるが何か物足りないものがある。中野は『ノート』では、こう書いている。

 「茂吉はわかりにくい詩人ではない。わかりやすい詩人といえるであろう。それにしても茂吉にはわかりにくいというところが、どこかにある。わかりそうでわかりにくいものが彼のなかにあり、それが彼の短歌にもあり、散文にもあると私は考えるがどうであろう。」と続いて、「わかりにくいということ、わかりにくいというものがあるということは、一つの弱点として認めねばならぬ。しかし茂吉の場合、わかりにくいというこの弱点が、そのままの姿で一つの魅力となっていることを見逃せぬであろう。」と断言している。中野はこの『ノート』を書く時点で茂吉の歌、約一万八千首を読んでいる。中野程の真面目さと、短歌にむきあう誠実さがない私は、歌を少し読んだだけで、山形県上山市にある茂吉記念館を訪れた。(『みちしるべ』31号32号33号)

 又、中野は次のように書いている。

 「……そして最後にこういうことを感じた。なんと茂吉が肉親主義者であったことだろう。彼が全く人間的に、しかもほとんど動物的に、祖母にたいする、また父にたいする、母にたいする、兄弟たちにたいする、肉親の愛を告白したことであろう。

 彼は、職業の上からも家にしばられていた。斎藤の家(茂吉は斉藤家の養子;著者注)にである。これは全く順当なことである。しかし、彼は同時に、生涯血縁の家にしばられていた。そうして、歌の上での温熱は全くこの方にある。それは悲しいばかりに彼の全矛盾をあらわに出している。そして、そこは、あるいは歴史の問題で多分あるのだろう。このへんのところの解釈は、まだ私にできそうにない。」(『日本詩人全集』新潮社 1967年10月分刊 詩人業書より)

 このような文章(評論)を、それなりに私は高く評価し、又、佐藤佐太郎の入門書が、茂吉の歌について理解しやすいように書いていることを認める。が、しかし、二人とも茂吉の戦争歌についてと、もう一つ女性歌人=永井ふさ子との男女関係について触れてないことについて大いなる不満を持っている。

 中野のものは、戦時中の執筆なので、当時、執筆禁止、出版禁止の期間が長く、官権(軍部)の弾圧を恐れて筆先が縮んだかも知れないが、佐藤佐太郎は自由にものが書けた筈である。弟子は師匠を批判できないので、この世界の古かった時代を思わせる。

 そもそも、この文章を書く動機になったのは、高校生の時の教科書にあった、正岡子規他の短歌、例えば「瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり」(正岡子規)、「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲」(佐々木信綱)、「ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」(石川啄木)等の歌に魅せられ、暗唱したことによるのだろう。

 若い時に多くの者は、石川啄木・島崎藤村の歌に接し、共鳴したものである。このことは年齢をましても忘れないものになっている。

 永田和弘は次の様に言っている。

 「明治以来の近代という時間の中で、当時の歌人たちは、これだけの豊かな世界を築いてきた。そして、それらの多くは、日常の生活の隅々で、さりげなく呟かれ、意識されてきた歌たちであった。謂わば、われわれ日本人の身体の中に、DNAとして(細胞生物学者としてはという言い方は嫌いなのだが)刻み込まれてきた歌たちなのである。はっきり知っていようと、そうでなかろうと、それらの歌が日本人の心情のもっとも深いところで我々の情緒を知らず知らず規定してきたものであることは間違いない。再々言うが、それらを知らなくとも今の世界で生きてゆくことはできる。しかし、知っているのと知らないのとでは、現実の世界を感受する豊かさにおいて圧倒的な違いがあることは言うまでもない。」(『近代秀歌』永田和弘;著)

 短歌は日本人にとって心の恵みを与えてくれ、勇気を与えてくれるが、前述したように戦争を礼讃し、讃美する歌を作った歌人もいたことを決して忘れてはいけない。

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E-mail news 大阪府警の不当弾圧をはね返そう!

2015年06月08日 | E-mail news より

言いたい放題・もの申す
迷惑通信

by M.Hirade

大阪府警の不当弾圧をはね返そう!
西警察署抗議行動に多くの仲間が結集(6/6)

 6月4日(木)、大阪府警本部警備部公安三課は、「道路運送業違反(無許可営業)」容疑で、京都・大阪の反戦・市民運動の活動家の自宅・事務所など十数箇所の家宅捜査を行い、3名を逮捕するという近年まれにみる大弾圧を行いました。

 今回の「容疑」は昨年9月の米軍Xバンドレ-ダ-基地建設に反対する抗議行動に大阪から大型バスを準備し、参加者が費用を出し合って参加したことを「金儲けの営業行為」と決め付け、法に違反しているというのです。このような理由による市民運動団体に対する捜査や逮捕は前代未聞です。

 そもそも、「道路運送法違反」というものは、不当な利益を得たり、合法的に営業している者に不利益を及ぼすような常習的な不法行為を対象とするものであり、しかも通常は警告ですむ事象にすぎません。このような微罪ですらない罪状をでっち上げ、長年にわたって地道に広範な市民連帯を作り出してきた運動に対し楔を打ち込もうとする今回の不当逮捕・家宅捜査を私たちは決して許しません。このような無茶苦茶な弾圧を行っている大阪府警に強く抗議します。

 政府自民・公明党は、自ら参考人招致した憲法学者が国会で「集団的自衛権を行使可能にする安保法案は、憲法違反。」と、明言しているにもかかわらず、無視して、「8月中には、法制化」と突き進んでいます。いかなる声も押しつぶして、戦争への道をひたはしる政府が、警察力を行使して逮捕-投獄-抹殺の治安体制を強化しようと、不当・不法な弾圧を展開しているのが現状です。

 ひるむことなく、拘留されている人々を開放し、「戦争法案粉砕! 新基地建設阻止!核戦略――原発再稼働反対!」を闘い取りましょう。

 全世界では「憲法9条」に賛同し、戦争や差別や競争のない、平和な未来を共にしようという民衆運動が胎動していることを確信して。

 平和のために、米軍基地に反対し、戦争立法に反対する人々の大きな立ち上がりを押さえつけ、分断しようと目論む、安部政権・ 警察権力の弾圧を跳ね返そう!

 たたかう人々は権力の弾圧に決して屈することなく続々と立ち上がり続けることを、奴らの目の前に示していきましょう。

 沖縄では戦後70年の総括とも言うべき圧倒的な沖縄民衆の力が、辺野古に新基地を建設するという安倍政権の野望に立ちふさがっています。関西でも戦争に反対し、日々平和を求めて闘う民衆が、Xバンドレ-ダ-基地配備に見られるような具体的な形での日米軍事一体化に激しい怒りを表すと同時に、自分たちの運動の中から沖縄の闘いに深い連帯の意を表明しつつあります。集団的自衛権と戦争法に対する闘い、そして辺野古に連帯する闘いが重要な局面に入っているこのタイミングでの弾圧をすべての人びとの力で跳ね返すことを訴えます。

 不当逮捕された3名に対しては、すぐさま弁護士の選任を行い、接見を行っています。今後の弁護士費用も必要になります。そのためのカンパも今後訴えさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

抗議行動に参加されたみなさん お疲れ様でした!

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『みちしるべ』**ちゅら海②**<2015.5. Vol.89>

2015年06月08日 | パリ&東京&沖縄より

ちゅら海②

三橋雅子

 この記事は『みちしるべ』第88号に掲載の「ちゅら海(美しい海)の辺野古」の続編です。現在進行形で、沖縄では米軍基地反対の地殻変動が起こっています。その模様を、現地からの報告として、短い文章にしたものを集めています。マスゴミには載らない、とれとれニュースです。どこから読んでも良いので、読みやすいものです。阪神間でも、地殻変動を!……、と感じさせるものです。

<編集部>

<次々と集会の盛り上がり?>

 5月25日の新聞に私は不覚にも涙を流してしまった。これは沖縄の絵ではない。前日24日の、紛れもなく、国会を囲む、全国の反基地の声の代表、1万5千人の東京の話だ。現に他の各地でも辺野古基地建設反対のデモや声が……と。ついこの間まで、辺野古に冷たかったマスコミの多くもやっと……これを載せたか……。載せざるを得なくなったか? 少しは、ほんの少しでも、風向き変わってきた? アベはともかく、全国ベースの「国民の」風向きが。

 この1週間前の5月17日、沖縄那覇のセルラー球場を埋め尽くした3万5千人の熱気も本土の新聞は伝えたらしい。もっとも現地でも、テレビはチラチラっとだけとか、「ずーっとラジオの実況を聞いていた」という人も。現地に行かなくても、ラジオにしがみつき、だれかれの主張にうなづき、そうだ、そうだ、とこぶしを挙げて「オナガがんばれ、頼むぞ!」と口角泡を飛ばしていた家族も少なからず……に違いない。

 このド暑い日、「家で応援」が賢いかも。

<うちなーんちゅーうしぇーてぇないびらんと>
(沖縄人をないがしろにしてはいけませんよ)

 この県民集会での、翁長知事の結びの言葉。幸か不幸か梅雨入りが遅れて、ガンガンの日照り、加えてびっしりの席の熱気。

 この日の人出は3万5千人との発表だが、外野席はもちろん会場外の道路にも溢れていた人波はそれを遥かに超えていただろうという。本土の集会のように、「主催者発表」との2本立てでないのがいつも不思議に思っていた。なぜかいつも主催者側発表の数字のみで、それを下回る数字が挙がったことがない。

 この日の発表は、消防法による「定員」を超えるのはまずいので実際より内輪になっているのだという。また、人口1千万を超える東京での「国会を囲んだ1万5千人」と、ざっと東京の1割の人口の沖縄本土の3万5千人とは比較にならないが。ともかく大東京で、まあこれだけ集まってくれたのはルンルンの出来事。

 とにかく暑かった。あれは気候の自然温度よりも、人々の内から発する熱気が上乗せされて?

 午後1時の開始なのにどうしてこんなに早くから? と怪訝に思いながら、3台のバスに乗りそびれては、と読谷役場前には9時半過ぎから続々……。積み残しは自家用車を置いて路線バスで。

 かなり遠くで降ろされてからも、行列の密度はムンムンとすごい。しかし、この、人の波で驚くのは早い。帰りは同時に溢れ出したからニッチモサッチモとはこのこと、満員電車の如く、遅々として動かず、バスを乗り捨てた所までの遠いこと。国会議事堂からすぐに地下にもぐって……と言うわけには行かないのが身に浸みた。(もっとも1万5千の帰りは、地下鉄への通路もさぞ溢れたことだろうが)沖縄には鉄道がないのだ、辛うじてモノレールはあるけど。そういえば、わが前住地「本宮」も鉄道のない町だったなあ。

 壇上の顔ぶれで沸いたのは、もちろん期待の王子、翁長知事。滅多に大会と言えども顔を見せられないこともあるが、やはり今この人に何とかこけずに初志貫徹で乗り越えてもらわねば……との悲願がこもっている。そして必ず話題になるのは、「こけた」前知事もここに顔を出して一言詫びてくれれば許すのにね、と。

 壇上の、一人ひとり貴重な人材に群集は絶大な拍手を惜しまなかったが、中でも「本土から超多忙の、貴重な時間のやりくりをして」駆けつけてくれた佐藤優氏と鳥越俊太郎氏には、感謝の拍手が鳴り止まなかった。私は壇上のスターにではなく、この群集の熱気と期待に涙が出る。(この日は出なかったが、「辺野古基金」の共同代表に名乗りを上げた、映画監督の宮崎駿さんにも、バスの中など、折に触れ絶大な感謝と感激の拍手が沸く)本土から如何に見放されていたか、本土で燃える「9条を守る」も、「原発なくせ」も、それぞれないがしろにできない切羽詰った問題には違いないが、それと同列に繋がっているはずの「沖縄の基地問題」がいかに、ないがしろ(言い過ぎなら「軽い扱い」)にされてきたかを、私は身に浸みて思う。

遡って………

<「屈辱の日」4月28日 海に出る> 

 1952年のサンフランシスコ講和条約が発効されたこの日は、日本にとって目出度い「主権回復の日」でも、日本政府に切り捨てられた沖縄にとっては、歴史的な「屈辱の日」でしかない。

 この日、10人乗りの漁船をチャーターして海上保安庁の、ウミザルに迫る。立ち入り制限区域を示すフロートぎりぎり、海保の面々が、まじかに見えるまで接近。「海猿たちよ、恥を知れ!」「海で育でられ、海を愛して海保の仕事をするなら、まず海を守れ!」と声をからして怒鳴ってきた。彼らはひたすら「離れてください、これ以上接近すると、拿捕(ダホ)します!」

 この黄色いフロートで囲った、「臨時的制限区域」なるもの、まっとうな法的根拠に拠るものではないという。しかしカヌー隊が勇敢に、カヌーを降りてフロートをくぐり、フロート内から、カヌーを引っ張り込んで……とやるとたちまち海保のウミザルたちが寄ってたかってボカボカにカヌーをひっくり返し、胸ぐらを掴んで……と「暴力」を振るう。先日観た、この「海の戦い」のビデオでは、それはもう怪我人が続出してもおかしくない、というひどさだった。これは1月から3月までのもので、その後正当な法的根拠を問う弁護士らの抗議などで、「暴力」がやや緩和され、このビデオ程ではなくなったという。

 この日、別のところで一艘ひっくり返され、そんなこともあろうかと着替え一式は車に積んでいたが。

 まあ、無事に終わり、帰り、折角だから、もうチョイがんばって、ヘリパットの高江に足を伸ばして激励しよう、と女5人。こここそ「世界一危険な、故に辺野古への移設が必至」と言われる『圧殺の海』の大本。近頃、皆辺野古、辺野古に結集して手薄のはず。案の定、行ってみれば車輌侵入を阻止している重要なゲートに二人、本部らしきテントに一人、という心細さ。せめて、やれることは?……と皆でなけなしを叩いてのカンパ、船チャーター料に加えて、身軽になり過ぎたスカスカの帰りになった。早朝からの出動で、もうエネルギーまで切れ、ひたすら爆睡、夜の「屈辱の日・那覇集会」はパス。年取ったものだ。長道中の送迎を勤めてくれた女性元社会科教師は、私達を読谷に送ってすぐ、きびすを返しての那覇行きだったが。「やれる人が、やれる時に、やれることを」の読谷スローガンに素直に従おう。

<山城議長一時引退>

 平和運動センター議長・山城氏入院(前号の肩書き間違い)。悪性腫瘍が日に日に大きくなっているのに、みんなの懇願にも振り向かず、気持ちは分かるけど……それは無茶すぎない? これが最後……かといわんばかりの、シュプレッヒコールのマイクも人に渡さず、最後まで地を蹴って……。

 謎のしこりが、大分前から気掛かりのまま、癌と分かって、第一線からの退場となった。辺野古第二ゲート前で、「必ず戻って来るからな」という彼の挨拶に、「ゲートの向こう側の最前線」の機動隊長も、「必ず戻ってきてください」と見送ったという。

 もっと早く退場して治療に専念すればいいのに、と悔やまれるが、最前線で体を張ってきた彼としては、常に今が正念場…………と容易に引けなかった心情も分かって痛ましい。
これに先立ち、読谷の、辺野古行きのバスの中では「山城議長からマイクを奪って少しでも休ませるよう」と読谷勢のへたくそな歌で時間稼ぎをするべく「黄金(くがね)の歌」を練習しながら行ったのに……そんな暇は与えられず、彼はマイクを握ったまま声をからし続けた。(私達がテント前で涙しながらこの歌を披露したのは山城議長入院後。)

 「黄金の歌」とは、「黄金でその心を汚さないで 黄金の花はいつか散る……」というものである。

 そういえば、読谷村の辺野古行きのバスには、「日当が出る」という噂が立っているという報告に、「純情な」人たちは憤慨し、落ち込んだりもした。毎回バス代に充当する1000円を払い、それではまかないきれない赤字に、カンパ箱が回ってくるのに……。「敵のあせりを物語るのではないか? 言うことに事欠いて……」と私は思う。「そうだ、気にするな」と賛同者。

<ハワイにオスプレイが落ちた日>

 やっぱり落ちた。この夜ここ読谷の我が家の頭上をあたかもスレスレといった感じで、4機続けて轟音をとどろかせて通過した。いつにも増して屋根スレスレか? と本気で思うほど。今夜もまた、低く、4機続けて行った。話し中の電話に、「何も聞こえないのよ。どうしてか聞こえる?」「聞こえる、聞こえる、そんな物騒なとこ、早く帰ってきたら?」

 この騒音、思わず国道43号線被害の何とかデジベルを「懐かしく」思い出してしまった。その都度、個々に当局に抗議をしてカウントさせよう、と。基地そのものの町、お隣、嘉手納ではこの受付をしている。ここは皆我慢強いのか?

<金髪の女性・オーストラリア人>

 シュプレッヒコールの声がひときわ高い金髪の女性。「私が米軍兵のレイプにあった被害者です」と堂々と日本語で言う。直視出来ないような気がして、こっちが目を伏せてしまう。彼女の「元気」が逆に痛ましい。彼女は自費をはたいて、これまでの「米軍による市民の被害事件」の一覧ポスターを作っている。彼女のレイプは東京立川でのことだったという。「米兵による被害」の多い沖縄の方が彼女の活動の場になるのだろう。

<記憶語れぬ残酷さ・・・ある日のバス>

 バスに乗るたび、回を重ねるたび、新しい友人ができる。辛い告白を聞く羽目にも。ほとんど全滅したといわれる読谷村の「チビチリガマ」の体験者。その家族が生き残ったのは「6歳だった私が泣き出したので、家族がまわりをはばかって、一家でガマを出た」から。中に残った人たちは全滅(?)。その幸運は、「人には決して言うな」と永く、きつく口止めされ、沈黙を守る辛い数十年だった、という。彼女らの生き残りが、他の家族の死に繋がったわけでは全然ないのに。当時6歳といえば私より4つ若い、とそのいたいけさが身に沁みて、辛かったであろう、その真っ白の髪を、長年の苦渋の沈黙を強いられた年月を刻む深い皺を、せめて撫でて上げたいと思いながら、私は涙で、その皺も白髪も見えなくなった。

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『みちしるべ』**『みちしるべ』第90号を次号にひかえて**<2015.5. Vol.89>

2015年06月07日 | 藤井隆幸

『みちしるべ』第90号を次号にひかえて

世話人 藤井隆幸

 戦後70年の節目。唯一、戦場でなかったアメリカが独走した時代。しかし、相対的経済力低下と、爛熟し腐敗した資本主義の再編成を迫られる時代となりました。

 トップ維持を目論むアメリカは、各地で謀略による戦乱を起こし、新たな混乱を体現しています。イエメンではアラブの王国連合に戦争を任せ、アジアでの混乱には自衛隊を投入すべく、安倍政権に国の在り方の変更を急がせています。

 身の危険を感じたロシアのプーチン政権は、アメリカに対抗できる唯一の能力である核戦力の使用も辞さないと言う。中国は大国になったが、文化大革命(1966~1976)の間、教育機関が閉鎖され、指導年齢層の教育レベルの低さが腐敗を生んでいる。

 ヒトの活動は巨大化し、グローバル化どころか、宇宙に飛び出すほど肥大化しています。ある意味で人類史上、最も興味を持てる時代に遭遇しているのかもしれません。それは破滅なのか? 新たな発展の序章なのか? いずれにしても、今生きる我々の選択肢と言えるのでしょう。

 さて、話は『みちしるべ』の節目に戻して、次号で第90号を迎えることになります。説明すべき理由はないのですが、30号と60号の発行後に、祝賀レセプションを行いました。そこで、次号(第90号)を発行した後に、それなりに祝賀のパーティーを開こうということに、一月例会で決まりました。

 道路建設当局と、住民がガチに衝突していた頃は、多くの住民団体からの参加がありました。首都圏では、未だにその状態が推移しているところも多くあります。特に、東京五輪の勢いで、原発事故はなかったことにして、昭和21年の都市計画決定を、あちらこちらで持ち出しているようです。阪神間の道路建設は東京に盗られているようです。それが悪い事か良い事か? と言った状況ですが、今回は60号の記念パーティーの半分くらいは集まりたいですね。

 第90号は7月号です。8月は恒例でお盆休みが多く、9月頃にレセプションということになろうかと考えています。西宮勤労会館にて、会費制(一部持寄り)にてというのが、前例ですが。拘る事も無いので、みなさんのお知恵を拝借したいものです。それに、財政活動という側面も加味して頂ければ、大変助かるのですが……。

 とは言いながら、7月号がショボクレては意味がありません。筆を休めておられる方も、まだ書いたことがないという方も、この際、記念の記事を投稿して頂けるよう、よろしくお願いします。余り大上段に振りかざすと、収まりがつかなくなりますので、そこは程々に。とりあえずは記念号ですから。

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2015年6月例会のご案内

2015年06月05日 | 月例会案内

阪神間道路問題ネットワーク
6月例会のご案内

西宮市立勤労会館 第1会議室(4F)
2015年6月29日(月)1:30~3:30p.m.

梅雨入り宣言が出たようです。何かと大変ですが、お米の国の人だから、稲穂の為と歓迎しておきましょう▼5月例会は異例の今津公民館ということで、間違って勤労会館に行ってしまい、遅れて参加した人もいましたが……。今回は前回参加者のご都合で、今度は異例の月曜日となりました。平日なので、会場は定例の勤労会館が取れました▼毎回、参加者により、次回の例会日程を決めるという方法が、適切なのかどうか? 御意見を伺いたいと思います。長期日程を決める方法も考えられます。会場の取得も早めにできるので、和室しかないという事も少なくなるとは思います▼『みちしるべ』5月号は校正に入っています。近々、印刷発送ということになりますので、よろしくお願いします。いよいよ、第90号記念の7月号の原稿をお願いする時期になりました。多くの人の原稿を期待しています▼つきましては、90号記念レセプションの提案も、併せてお願いします。まだ、開催だけが決まっているという状況です。公民館は原則、飲食はできません。飲食可能な勤労会館を予約するのであれば、早目の日程を決めることも視野に入れなければなりません。会費を如何するのか? 何か出し物を考えるのか? 御意見をお願いします。

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