『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

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『みちしるべ』**横断車道(116)**≪2024年春季号 Vol.119≫

2024年06月13日 | 横断車道

横断車道(116)

「経済学」というものは何処に行ってしまったのだろうか。TVや新聞、それにネットなどで、経済評論家とか言われる諸氏が、「経済」について論じられることは多々ある。が、それは如何に儲けるとか、将来予測などでしかない。「経済学」という代物ではない▼ソ連の崩壊とともに、「マルクス経済学」は間違っていたなどという、ド素人的流言が支配しだした。「近代経済学」と共に、経済学が語られることは無くなった感がある。そんな風潮の中で、経済評論屋が外国為替や株取引、はたまたTOB (株式公開買付) やM&A(合併・買収)、要は会社乗っ取りを論じることが、「経済学」であるかのように錯覚されるようになった▼「資本主義」と「社会主義(共産主義)」は、相対する理念には違いない。しかし、現実の社会の中で純粋の「資本主義」と「社会主義(共産主義)」が存在することは無い。「資本主義」はかつて、過剰生産恐慌を起こしてきた。それが「資本主義」の限界と思われた向きもあるが、「社会主義(共産主義)」の理念の、国家(政府)の統制によって、経済のコントロールを実現し、過剰生産恐慌は限定的となった。旧ソ連の経済学者が「資本主義の恐慌10年周期説」を唱えたこともあったが、正しくはなかった▼では、「資本主義」は正しかったのか? モノづくりが中心の社会では、コントロールが効いていたが、金融が大きなシェアを持ち出して、金融恐慌が起こり始めた。日本では1990年の「バブルの崩壊」が起こった。アメリカ発のリーマンショックが2008年におこった。日本では山一證券を犠牲にし、米国ではリーマンブラザーズを犠牲にして、何とか乗り越えた。これも計画経済の内だろうから、社会主義手法に過ぎないかもしれない▼さて、金融恐慌も克服したかに見えた。が、モノづくりの実体経済から、金融(架空)経済が利益を収奪するようになり、実体経済より金融経済がはるかに膨大化しだした。マネーゲームと言われる株式投資・FX・TOB・M&Aなとが、実体経済にそぐわない規模になった。収益率が問題になり、より収益率を上げることを強要するようになる。新植民地も限界になり、手を付けてはならない大国のロシアに触手を伸ばして、ウクライナ戦争を企画した。米国産軍共同体は年間70兆円の生産を拡大し、地球上で戦争を拡大しなければ、存在を維持できなくなってしまっている▼2億年前のシダ類(植物)が地中深くで地圧と熱で炭化し、化石燃料を作り出した。大気中の二酸化炭素を地中に閉じ込めた。それを産業革命以来の200数十年で、多くを大気中に戻してしまったのが、温暖化だと言われる。その真相は人類ごときには、まだ判らない。とはいえ、マネーゲーム加熱の金融恐慌が行き着く果ては、マネーゲーマーの主流には判っている。が、止められないのがやつらの愚かなところなのだ。

(コラムX)

【投稿日 2024.4.21.】

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