『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

≪E-mail news≫今年の道路全国連の全国交流集会*第一報

2014年04月26日 | E-mail news より

今年の道路全国連・全国交流集会の開催要領が、現地実行委員会よりありました。まだ、概略内容ですが、できるだけ多くの皆さんが参加できるよう、ご案内しておきます。

~*+_+*~*+_+*~*+_+*~*+_+*~*+_+*~*+_+*~*+_+*~*+_+*~

道路全国連のみなさま

横浜環状道路(連協)の事務局長です

 さて、本年度の第40回全国交流集会は横浜地区での開催を決定していますが、横浜地区の実行委員会として、概ね下記日程・場所で開催致したいと思います。

 第一報として、ご連絡申し上げます。

1. 日時:平成26年10月11日(土)~10月12日(日)の2日間

  場所:横浜市栄区 JR本郷台駅前の 「アースプラザ」

  第一日目  10月11日(土)

  • 12時頃に横浜駅集合、大型バスにて横環南線計画地を現地見学
  • 現地見学後、「アースプラザの会議室」において初日の交流集会、懇親会(同じ建屋内)
  • 宿泊者は大船(隣へ1駅)のビジネスホテルを中心に準備(藤沢、横浜市内も可)

  第二日目  10月12日(日)

  • 9時30分~夕方まで  栄区のJR本郷台駅付近の「アースプラザのホール・会議室」で交流集会

2.交流集会の詳細、案内等

 集会内容、報告文書提出、参加者調査等等詳細計画を取り決めて8月末~9月初旬頃にご案内いたします。

 皆様には、ご参加等ご準備方、よろしくお願い申し上げます。

*******************************************

(お詫び) 昨年秋の交流集会時に、10月25日(土)~26日(日)を設定しておりましたが、会場確保等の都合から2週間前倒しとなってしまいましたことをお詫び申し上げます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪E-mail news≫道路全国連の「公害被害者総行動 39th」での国交省への要請書

2014年04月26日 | E-mail news より

 道路全国連は、全国公害被害者総行動の中で、国土交通省との省庁交渉に臨みます。その要請書をアップしておきます。

***************************************

国土交通大臣 殿

2014年6月4日

道路住民運動全国連絡会
事務局長  橋本 良仁

 国土交通省は、国土強靭化や防災・減災を理由に、大型公共事業を推進しています。2014年度の道路事業予算は、これまで実施されてきた事業の継続とともに新規事業も予算化されています。

 全国の道路の多くは30年を経過し、今後の維持・管理・更新には多額の費用が必要なことは明らかです。新規事業を行う余裕はないと考えます。

 昨年の要請時に行った情報の開示、平成22年度交通センサスの公表とそれにもとづく事業評価が行われていません。以下、下記要請事項に対し、具体的な回答を求めます。

事業再評価

  1.  現在、別室のテレビモニターのみとなっている事業評価監視委員会の傍聴を委員会開催場所での傍聴に改めること。
  2. 再評価に用いる関連資料を事業評価監視委員会開催の前に公表するとともに、それに基づき関係住民が意見書を提出し事業評価監視委員会の審査に反映させることを制度として確立すること。
  3. 重要案件については、事業評価監視員会を事業実施現地で開催し、住民を含めた現地関係者の意見を直接聴く公聴会開催を制度として確立すること。
  4. 路線ごとの交通量予測の基礎となる最新交通センサスに基づくゾーンごとの発生・集中交通量、ゾーン間の分布交通量、手段別交通量を地域ごと(例えば都道府県ごと、あるいは関東南部地域、東京湾岸地域など)にわかりやすく事前に公表すること。
  5. 道路整備に伴う路線ごとの将来交通予測、便益効果については市町村(あるいはそれに対応するゾーン)ごとの道路について検証できる形で保管し、開示できるようにすること。
  6. 以上のような改善が可能となるよう、事業評価監視委員会の在り方や事務局体制について必要な見直しを行うこと。

東京外環道(練馬~世田谷の都内部分)

  1. 大深度地下使用に関する特別措置法(以下、大深度法)では、行政側が説明責任を果たすように明記されている。しかし、これまで沿線住民から提示された質問に関し、国道事務所はきちんと回答していない。直ちに回答をしていただきたい。以下は、提出済み質問事項の一部である。
  2. 地下水に関する三次元浸透流解析の計算根拠となるモデル構造、解析条件、境界条件などのデータも、解析モデルの再現性とともに、第三者の検証のために公開すべきである。
  3. 地下水流動保全工法に関しては、目詰まりの回避策、効果の確認方法を明らかにすべき。近年頻発する異常気象による地下水の変動への対応策も明らかに。
  4. 大深度部分で地盤変容が起こると、それが地上部に達するには4~5年或いはそれ以上かかるといわれている。これに対応するため、工事前、工事中の建物調査を行うと同時に、工事終了後も10年以上は継続するよう求める。
  5. 大深度地下に係る不動産物件の都市計画税に関する評価が低下している。これは私有財産権の侵害ではないか。
  6. 大深度トンネルは、その役割が終了した後、原状回復が義務付けられている。具体的に、どのように原状回復するのかを示してほしい。
  7. 東名JCT部分に本線同様のシールドトンネルでありながら、建造物の目的が都市計画変更決定時と著しく異なり、完成後も供用不能な部分が存在する。大深度法認可申請時には、その目的が“土砂排出路”と申請書に記載されている。これは「大深度法」が求める「公共の目的」から逸脱し、また、建造物の目的相違から「都市計画法」からも大きく逸脱しているので、事業から除くように求める。
  8. 練馬区内で、行政側が手続きを踏まずに事業を進めているのは重大な瑕疵である。直ちに事業を中止するように求める。
  9. 上記諸点に関しては、既に昨年来国道事務所に質疑の場で回答するよう求め続けているが、いまだに実現しておらず、本年2月23,24日の国交省都市局主催の大深度地下使用に関する公聴会でもこれらの諸点につき、認可以前に回答させるように求めたが、果たされなかった。工事をこれ以上進展させる前に、早急に回答の場を設けるよう、指導してほしい。

横浜環状南線

  1. 25年間に亘る住民との続行中の話し合いを一方的に打ち切り土地収用法の手続きに入ることは騙し討ちであり信義則に反し許されない。事業認定の申請をしないことを求める。
  2.  同じく現在続行中の公害紛争処理法に基づく調停を無意味なものとするもので不法行為であり、行政として許されない。神奈川県の公害審査会を無視する根拠の説明を求める。
  3. 平成14年の政策評価法施行後、289件の道路事業計画の事後評価の全てが「事業継続」であることは本来の趣旨に悖る。評価は国交省以外の第三者機関に委ね評価法の客観性を担保する必要がある。
  4. 大気の拡散モデルの採用方式について国土交通省のみが旧態依然のプルーム・パフモデルに固執している。経済産業省では最新といわれる3次元流体モデルを採用しているのに国交省はなぜ採用しないのか。その根拠を求める。
  5. 今後50年間の影響評価を考慮すると騒音基準の見直しとPM2.5の評価が必要であり見直しを求める。
  6. 横環南は、大部分が軟弱地盤を縦断する土被りの薄いトンネル構造である。三浦半島活断層に近く危険である。東日本大震災での仙台地域の大規模宅地造成地と極めて似た状況である。どのように安全であるか具体的に説明をすることを求める。

中部横断道路・八千穂ー長坂(山梨県側)

  1. 山梨県側の八ヶ岳南麓を横断する現在のルート案は、地元にも異論が強く、一旦白紙に戻し、拙速なルート決定をしないこと。
  2. 山梨県側については、改めて広く住民参加を保証したPIを実施すること。
  3. 山梨県側については現道の国道141号線の利用を検討すること。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪E-mail news≫道路全国連の「全国公害被害者総行動」への報告書

2014年04月26日 | E-mail news より

 「阪神道路ネット」加盟の「道路全国連」が「全国公害被害者総行動 39th」に提出した報告書を転載します。「総行動」に参加すると、参加団体の総ての報告書や、省庁交渉の要望書・要請書が掲載された、パンフレットがもらえるのですが。今回も、阪神道路ネットは代表派遣を見送りましたので、道路全国連の報告書をアップしておきます。

***************************************************

道路住民運動全国連絡会活動報告

道路住民運動全国連絡会 橋本 良仁

1 2014年度予算の公共事業費は大幅増

 2013年臨時国会で、安倍自公政権は、防災・減災を旗印に国土強靭化基本法を成立させた。

 2014年度予算の公共事業関係費は、5兆9685億円(13年度比で6832億円の大幅増、12.9%増)、このうち道路整備事業費は、1兆3228億円である。

2 大型事業の新規・増額を計上

 民主党政権下で休止や縮小していた公共事業費が復活し、新規事業も計上されている。予算をみるかぎり、これまでの事業を継続させる予算を確保するとともに、めいっぱい予算化しているのが目立つ。25年前の四全総で計画した事業をすべてやるということである。

 全国各地で新規事業を予算化(調査費など)、事業名に政治家の名を冠するものもある。

3 国際競争力強化と国土強靭化(2014年度予算)

 成長戦略として位置づける「国際競争力強化」では、首都圏空港、国際コンテナ戦略港湾・三大都市圏環状道路整備を、「国土強靭化、防災・減災」では大都市圏環状道路整備や道路ネットワークを推進する。

 三大都市圏環状道路整備と物流ネットワークの整備に1681億円(13年度1523億円、10%増)。

 また、重点施策として「特別枠」を創設し、「防災」などの名目で枠いっぱい予算を増やし特別枠1兆2400億円を計上、道路特別枠としては、「災害で不通になった道路の代替ルート確保」「効率的な物流ネットワークの強化」を盛り込んだ。

4 道路の維持管理・更新予算

 2013年度から切り分けて計上してきた道路の老朽化対策などの維持・管理・更新費は、1198億円(2013年度1076億円、11.3%増)であるが、国土交通省所管の公共事業関係費5.17兆円に占める割合は1/4にとどまる。

 日本の社会資本はすでに30年を経過し老朽化しているものが多く、国土交通省試算でも今後50年間に必要な維持・管理・更新費は250兆円、単純計算でも年間5兆円を必要としている。

5 市民、住民運動の闘い

 2013年1月に公共事業改革市民会議を発足させ、道路全国連はその中心的な役割をはたしている。

 ダム、道路、湿地・干潟、スーパー堤防、リニア中央新幹線などの公共事業と闘う市民、住民団体が共同で、調査、政策立案し、国会議員に働きかけることを目的としている。

 また、北海道から九州まで全国各地で、つぎつぎに裁判が提起されている。

 2013年11月に東京で第39回道路全国連全国交流集会を開催した。以下は集会アピールである。なお、2014年は今秋、第40回交流集会を横浜で開催する予定である。

************************************

集会アピール

 第39回道路全国連交流集会は、東京国分寺市の東京経済大学で開催され、34団体149人が参加した。昨年の交流集会以後、2回実施された国政選挙で自民党は多数を占め、安倍政権は公共事業費の大幅増額や特定秘密保護法の制定など強権政治の暴走を始めた。

 中央自動車道の笹子トンネル事故は、「老朽化したインフラの維持管理こそ優先すべき」ということを明らかにした。自公政権はこれらの事故や、また、近い将来に到来するといわれる「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」に備えるとして、強靭な国家建設が必要だとして公共事業予算の大盤振る舞いを始めた。

 メンテナンス元年と言いながら、2012年度補正予算と2013年度当初予算の15ヶ月予算の公共事業関係費の老朽化対策の割合は公共事業全体の6.4%しかなく、既存インフラの老朽化対策は隅に追いやられているのが実態である。

 人口減少社会の到来を考え、東日本大震災の被災地復興を優先させるならば新規事業を始める余裕はまったくない。このような施策の繰り返しは、次世代に膨大な負担だけを残すことに他ならない。またこうした施策は、貴重な自然を破壊し、培われてきた人と人とのつながりを断ち切ることに他ならない。

 本集会の現地見学は、圏央道で無残に破壊された高尾山の惨状を確認した。特別報告では、都市部だけでなく全国いたるところで不要不急の道路建設が住民合意のないまま進められている実態が知らされた。

 こうした事態が進行する中、運動と裁判の両面にわたって重要な前進を勝ち取っている団体があることも報告された。テーマ別分科会の議論を通して、参加者は勇気と元気と今後の活動へのヒントを得ることもできた。

 法政大学の五十嵐教授の記念講演で指摘されたように、私たちは「政策的思考」力を高め、運動のあり方にも知恵と工夫を凝らしながら国土強靭化政策に真っ向から対決していくことが求められている。

 そしてこの道こそは、3.11直後に道路全国連が発信した「不要・不急な公共事業予算を震災復興費へ」を実現する道そのものでもある。

 自公政権の暴走に不安を感じ、また異議を唱えて立ち上がっている多くの各層各分野の国民運動とも連携を強めながら、私たちは「国土強靭化」に対峙する新たなたたかいに全力を挙げていくことをここに決意する。

2013年11月10日

第39回道路住民運動全国連絡会『全国交流集会In東京』

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪E-mail news≫今年も「全国公害被害者総行動」が近づきました

2014年04月26日 | E-mail news より

 私たち阪神間道路問題ネットワークが加盟する道路全国連が、今年も「全国公害被害者総行動」に参加します。事務局からチラシと署名用紙が届きましたので、チラシをアップしておきます。

第39回 全国公害被害者総行動デー

青空を返せ!
有明開門!
ノーモア・ミナマタ!
原発ゼロ!
つぐなえアスベスト被害!
福島を救え!
公害被害者を救済せよ!

2014年6月4日(水)
11:00~ 大臣交渉
12:00~ デモ行進(日比谷公園・霞門)
14:00~ 一斉各省交渉
18:00~ 総決起集会(日比谷公会堂)

2014年60月5日(木)
08:30~ 早朝宣伝
10:00~ 財界各省交渉
12:00~ まとめの行動

全国公害被害者総行動とは

 全国各地の公害被害者などが手をたずさえてとりくんできた運動です。
 1976年、政府・財界の公害対策全面後退の攻撃に対し、全国の公害被害者が立ち上がりました。それ以来、38年間、政府や公害発生源企業との交渉など被害者救済と公害根絶の運動にとりくんでいます。
 全国公害被害者総行動は、国民のいのちと暮らし、自然環境を守る国民のみなさんの運動とむすんで発展してきました。

ストップ温暖化! 原発から自然エネルギーへ

 2011年3月の東日本大震災と東京電力福島原発事故から3年がすぎましたが、ふるさとを追われた数十万人はいまだに帰県できません。原発事故はいまだに、収束の目途さえたっていません。今こそ、原発に依存しない自然エネルギーへの転換を決断する時です。
 異常気象による被害が頻発し、人類の生存が危ぶまれています。温暖化防止対策は待ったなしです。温室効果ガスを大量に出す企業の責任は重大です。石炭火発などの電力を始め、鉄鋼、自動車を入れると排出量は日本全体の約8割。見逃せないのは、私たちを苦しめてきた公害加害企業が主な発生源になっているということです。
 日本政府は世界に公約した「温室効果ガス25%削減」を果たさなければなりません。第39回公害総行動はこうした活動と連帯して泉南アスベスト、よみがえれ!有明訴訟、ノーモアミナマタの早期全面解決、新たな大気汚染公害被害者救済制度の実現を緊急の課題にかかげてとりくまれます。

 

なくせ公害 守ろう地球環境

全てのアスベスト被害者の救済・賠償と被害の根絶をを!

 昨年12月25日、泉南アスベスト国賠訴訟2陣控訴審は、国の重大な責任を認める画期的な判決がでて、いよいよ1陣、2陣とも最高裁を舞台としてたたかわれることとなりました。この訴訟は、「産業発展のためには国民の生命健康が犠牲になっても仕方がない」というすべての公害事件と共通する問題が劇的に争われています。
 また、全国6ケ所ではじまった、「建設アスベスト訴訟」も今年は重大な場面を迎えます。被災地での大規模なアスベスト飛散や学校アスベスト問題など、現在も、これらの被害も予想される重大問題です。

原発事故から3年 誰も住んでいない地が東京都の半分

 福島県ではいまだれも人が住んでいない地が、東京都の面積の5割に当たります。ふるさとを追われた14万人は家族そろって住める家も、希望も、展望もない過
酷な避難生活を続けています。その避難先で環境激変などにより死亡する人が続き、震災関連死はついに直接死を上回ってしまいました。多くの県民も自然放
射線量を上回る人工放射線にさらされ、ストレスと不安な中で暮さざるを得ません。
 「子どもの健康を守ろう」、「原発を廃炉に」はオール福島の声となっています。その実現をめざす集団訴訟が福島県内はもとより、全国13か所で行われています。みなさんのご支援を心からお願いいたします。

水俣病被害者救済の闘いは終わっていない…

 2013年6月「水俣病特別措置法」で救済を拒否された方や申請に間にあわなかった被害者が「ノーモア・ミナマタ第2次国賠訴訟」をおこしました。現在、熊本325名、新潟22名の原告団となり、さらに関東や関西でも新たな裁判の動きが始まっており、水俣病被害者救済の運動は三度全国規模の闘いに広がろうとしています。
 いまだ救済されない水俣病被害者がいる限り、この闘いは終わることはありません。

患者切り捨てを許さず!「新たな被害者救済制度」の実現を!

 「公害は終わった」と公害指定地域を解除し、新たな被害者の救済の道が絶たれ26年。自動車排ガスによる大気汚染は依然として深刻で、幹線道路沿道では環境基準を超える汚染が続いています。「肺がん」「循環器疾患」「ぜん息」等の発症・増悪の原因といわれるPM2.5等の早期の対策が求められています。
 一方、東京都は、ぜん息患者医療費助成条例の「新規認定」を打ち切り、患者負担の導入を強行しようとしています。一人の患者切り捨ても許さず、増え続ける被害者の救済のため国の救済制度創設は急務です。

「よみがえれ!有明海」排水門を開放し、宝の海を取り戻そう!国は確定判決を守れ!

 昨年12月、国は、福岡高裁確定判決で命じられた諫早湾潮受堤防排水門の開門義務を果たしませんでした。確定判決を国が守らないという前代未聞の異常事態です。憲法で定められた三権分立を踏みにじる暴挙は絶対に許すことができません。
 この間、有明海では漁業被害が続いており、漁業者の自殺があとを絶ちません。有明海の再生に向けた潮受堤防排水門の開放は急務です。国に開門義務を履行させ、一日も早く宝の海を取り戻しましょう。

基地の爆音被害を無くせ!

 沖縄の嘉手納・普天間基地をはじめ、岩国・厚木・小松・横田の各基地で、裁判所が繰り返し「騒音は違法である」と断罪した、米軍や自衛隊による爆音被害の根絶と損害賠償を求め、36,000名を超える住民が裁判を闘っています。日米両政府は、普天間基地に配備したオスプレイを、嘉手納や横田基地へ拡大配備し、さらに同機の飛行訓練を全国各地に広げ、墜落や爆音を日本中に拡散しようとしています。空の公害をこれ以上許さず、力を合わせて無くしていきましょう。

「人からコンクリートへ」の復活を許さない

 国土強靭化、防災・減災の名の下に、安倍政権は不要・不急の大型公共事業を増やしています。かって批判された自民党流利権政治の復活です。まだ記憶に新しい若者たちの命を奪った中央道の笹子トンネル事故。全国いたるところに、耐用年数を超え赤く錆びついた橋や壁面が落下するトンネル、インフラの維持管理補修すらままなりません。新たに1メートル1億円もの高速道路を建設している時ではありません。日本の美しい山・川・海を壊す大型公共事業は人の心も壊します。政・官・財癒着の利権政治を止めさせ、主権者である国民が決めることの出来る公共事業に転換しましよう。

道路住民運動全国連絡会

全国公害被害者総行動実行委員会
〒160-0022 新宿区新宿2-1-3 サニーシティ新宿御苑10F
TEL 03-3352-3663 FAX 03-3352-9476

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

≪E-mail news≫震災時の車避難について

2014年04月21日 | E-mail news より

 道路全国連メーリングリストの上岡直見(環境経済研究所技術士事務所)さんから、紹介のあった記事をご紹介します。

 東日本大震災の時に、車で避難しようとしたために、津波に呑まれて多くの人々が死亡しました。その事に関しての記事です。

「柔軟な避難行動をとるためにもMM 教育を」

東北工業大学 工学部 准教授 菊池 輝

http://www.mm-education.jp/magazine/MMedu_mailmaga11.pdf

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2014年5月例会のご案内

2014年04月17日 | 月例会案内

阪神間道路問題ネットワーク
5月例会のご案内

2014年5月17日(土)午後1時30分~4時30分
西宮勤労会館 第4会議室(3F)
会館案内 http://ticket-search.pia.jp/pia/venue/venue_access_map.do?venueCd=NMKR

4月の例会は、川西自然教室の“加茂地区の桃源郷を鑑賞する会”に合流しました。阪神道路ネットの常連8名を含めて、総勢15名の隊列になってしまいました。「ネット」と「教室」のメンバーは重なりますが、「教室」のイベントとしても、久しぶりの多人数だったようです▼天候にも花の時期にも恵まれ、楽しいイベントとなりました。川西市加茂遺跡の歴史探訪も兼ね、勉強にもなりました。ブログ版『みちしるべ』に、多少の記事をアップしていますので、ネット環境のある方はご覧ください▼『みちしるべ』3月号の印刷が遅れていて、ご迷惑をおかけしております。近々、印刷したいと思いますので、よろしく。と言っているうちに、もう5月号の時期が迫ってまいりました。原稿をお願いしなければなりません。例会にお持ちいただければ幸いです。E-mail・FAX・郵送等でも結構です。是非、初めての方も、お気軽にご投稿を期待しております。内容につきましては、特段、道路問題に限ってはおりません。反社会的なもの以外はOKということになっております▼ブログ版では、かなりの部分をアップできています。参考にして頂ければ幸いです。バックナンバーに付きましても、必要があればお届けしたいと思います。ただし、若干、品切れもありますのでご容赦を。特定の記事であれば、品切れに付きましてもコピーは可能です▼今週末4/20には、西宮市長選挙の結果が出ます。身近な関心事もありますが、ウクライナ情勢も深化しています。戦後のアメリカを中心とした、世界体制が崩れだす中で、安倍政権の戦前回帰も不気味です。「維新」や「みんな」など、湧いては消える勢力に見られる流動性は? また、東日本の復興が進まない中、原発問題も大変な状況が拡大の一途。地球温暖化や海洋性巨大地震の事態。色々、ご意見を持ち寄ってください。(F)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みちしるべ』横断車道(73)**<2014.3. Vol.83>

2014年04月08日 | 横断車道

原始時代、人はその日暮らし。富の蓄積による差はなかった。農耕の発達による古代。既に、穀物の蓄積による身分差が現れた。エリアの支配体制という概念の国家という存在。王家と奴隷という身分差。その体制を維持するための、軍事・警察も現れ、それを正当化する法制度ができた。富の蓄積を増やすために、他国の侵略は、既に古代に始まる▼科学技術が発展した今日も、基本的に差別社会が変わったわけではない。中世の農耕時代に、貨幣制度が出来て、金融テクノロジーの萌芽はあり、今日の支配構造になるのだ。産業革命は工業の飛躍を為した。富の蓄積も爆発的に肥大化した▼20世紀は世界戦争の世紀。列強による植民地争奪戦だった。国家間で、資源と弱小国の支配争いをした。第二次大戦後、植民地は独立運動により困難になった▼第二次世界大戦後は、ヨーロッパの列強は衰弱し、唯一戦場にならなかった米国が君臨する。ブレトンウッズ体制は、米ドルを基軸通貨(貿易決済貨幣)として、西側貿易を活発化させ、金融植民地化に成功した。ジョージワシントンを印刷すれば、米国が世界で使え、権勢をふるった。中世から続く金融資本、石油メジャーの戦後成上り、それに地球上の4割の軍事費を消費する産軍共同体。これらがアメリカを支配し、1%の支配者が90%の富を収奪する国家になった▼ここにきて、この国がおかしい。2012年末、『財政の崖』に直面。財政法による国家借金限度の規制、それを守ると、償還期限国債の手当てが出来ない。当面、借金限度額を増やすことで、デフォルト(債務不履行)を回避した。米国の国債の1/3は国外依存で、世界経済に影響が大きい▼当面の危機は脱したかに見えるが、国内産業の7割は第三次産業(サービス業)で、モノを作らない国。輸入に頼るしかない。貿易赤字は回避できない。元は米国企業でも、多国籍企業となると、海外にしか税金を払わない。企業栄えて国家滅ぶ国。この先に改善が無い▼良くも悪くも世界の憲兵、米国の衰弱は、世界の権力者が注視。日本だけが、安穏としている。GDP(国内総生産)では2016年に中国が米国を抜く。今、米国の力は、軍事力だけ。それも、近い将来は崩れる。軍事力に依存して拡大した米国の多国籍企業も、どうする。が、「大男、総身知恵が廻りかね。」という実態である▼ウクライナのクリミアがロシアに編入された。国際法云々はあろうが、所詮ロシア人の国(地域)。米国CIAが仕掛けたウクライナのEU化が、大きなしっぺ返しを受けた形。それをどうにもできない実力なのが、今日の米国だ▼問題は、日本の戦国時代の様相が、今日の世界に繰り広げられないかである。世界での群雄割拠は、人類の滅亡以外にない。総身知恵が廻りかねた支配者から、世界市民が権限を委譲されなければならない時代になった▼地球規模の激変の時代(コラムX)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みちしるべ』アッ! パリみたい**<2014.3. Vol.83>

2014年04月08日 | パリ&東京&沖縄より

アッ! パリみたい

三橋雅子

 車の切れ目があまりない県道で、横断歩道でもないところを老婆が悠々と渡っている。車は静かに止まり、ゆっくり渡り終わるのを、無論せかす気配もなく見守る。何かと車に追い立てられる気配を感じつけている身には、思わずパリの街の心地よさを思ってしまった。ここは沖縄読谷村(ヨミタンソン)。

 歩道を歩いていると、さっきからなんとなく後ろにシャカシャカいう気配を感じてはいたが、向かい側の景に気を取られていた。海まで続くのか、ぼうぼうたる空き地の壮大さ・・・・さすが元基地。ふと振り向くと自転車を押している老人が。こんなに広い道なのに、もしや追い抜けなくて? と脇へ寄ると、「すまんのう」とほんとにすまなそうに、頭を下げて追い越していった。荷台には重そうな荷物が。これが重くて押していたのか、と思いきや、サッと乗って行ってしまった。悪いことしたな、ながいこと。声をかけてくれればいいのに。東京だったら、もっと狭い歩道でも、無言で風を切ってすり抜けていく。この道幅なら両脇を二台が駆け抜けるだろう、携帯片手に。

 帰り、同じ道で、またも背後にカシャカシャの気配。今度はすぐによけたが、自転車を降りて押している若いお兄ちゃんが、恐縮して追い越し、サット乗っていく。降りなくたっていいのに。私だって、優に乗ったまま追い抜いていける道幅。これが始終なら、彼らは多分スカスカの車道を行くだろう。しかし人が歩いているということが、恐らく想定外のことで、きっと歩道は彼ら、これも極めて稀な自転車族の専用道路なのだ。

 それはパリと違うところ。パリの自転車の多いこと。しかし歩道を疾走する自転車はなかった。それも始めはどうして皆こんなに同じ型と色の自転車に乗るのだろう、と怪訝に思った。たまに超スマートで色鮮やかなのが、これはまたやけにカッコイイ。ある日、この「ドンくさいベージュの同型の自転車ばかり」のなぞが解けた。ずらり並んだ自転車置き場、そこへ次々何やらを差し込んでガチャンと引き出し、サッと乗っていく。また乗り付けた自転車をサッと降りて、ガチャコンとはめ込んではスタスタ歩いて去る。なるほど、これだったのか。バスに乗っていると、始めは建物の景観にばかり気を取られていたが、随所に、多分地下鉄の駅ごとくらいにある模様。日曜日などは、小さいカラフルな自転車が、親が引き出すのを待って、後をチョコチョコついて行く。

 東京の歩道は人ばかりごちゃごちゃだから、私の自転車は車道を行く(本来これが正しいはず)。同行者は危ない、危ないとたしなめるが、遥かに安全である。いつかは歩道を走っていたお蔭で、携帯片手に疾走する自転車と歩行者をよけようとして転んで膝を痛めた。どっちもよけなきゃ、という時の機敏な反応がもう鈍っている。

 ここ読谷では、すぐに自転車の調達を考えたが、坂が多くて、とても無理・・・と周囲にたしなめられ、いまさら立ち乗りでもないか、と諦めた。六甲山の北側で、ずいぶん坂道を征服したものだが。で、もっぱら歩きで、時には車道を悠々と。草が茂って、あるいは土砂で、とても「歩道」とは言えない所も多々。ここはまったくの車社会、車なしでは暮らせないと思い込んでいるようだ。楽しみな挑戦である。しかし車道を歩いていて、咎め立てするような眼差しを送るドライバーもいない。お蔭で郵便局までの超早足往復の50分や海岸までの散歩で、すぐに5千歩を越してしまう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みちしるべ』身も蓋もない(斑猫独語 60)**<2014.3. Vol.83>

2014年04月08日 | 斑猫独語

身も蓋もない(斑猫独語 60)

澤山輝彦

 朝食を終えて、書斎兼画室兼寝室へ籠るまで、しばらくパソコンをさわったり、新聞をみたりする間がある。その時、NHK・TVの朝番組を耳にすることがある。これは毎日必ず見るというものではないけれど妻が見る番組で、私は耳に栓をしない限り番組の声は聞こえるので、聞いている。(あ、今、私の机から2メートルほど離れた庭のクロガネモチの木でウグイスが盛んに鳴きだした。枝を渡る姿も見える。一寸寒いが春そのものだ。ええ飛び入りだった)NHKの番組の話に戻ると、今日はバッグの話だった。バッグ評論家が出ていろいろ言っている。バッグなんて要するに物を入れて運べたらそれでいいのであると私は思うのだが、そうはいかないのだろう。私のように言ってしまうと、「身も蓋もない」と言うことになるのだろうか。念のため国語辞典三省堂大辞林で「身も蓋もない」を調べると、「表現が露骨すぎてふくみも情緒もない。にべもない。」とある。露骨すぎるかどうかはともかく、ふくみも情緒もない、という所ははずれてはいない。

 世の中の道具(自動車なんかまさにそうだ)、小物というかそんな物のホトンドが、含み、情緒、趣味性などに立脚して作られており、機能だけにこだわって作られた、身も蓋もない物など無いのである。人間の欲望が要求した結果であるのだが。ここで思いつくのが百均の商品である。ある意味機能だけにこだわって廉価で売られていると考えられないこともない。経済学の立場からはそうでないことは分るのだが、まあ機能のみの安い物ととらえておくことにする。それなら機能的には完璧かと言えばそうではないところが百均なのであり、こう言うとここにも「身も蓋もない」という言葉を使うことも可能である。むつかしいのである。

 道具が機能以外に人の情緒に訴え、趣味に取り入る、この心がデザインというものを産んだのだ。デザインの好みによる物の選択は美的感覚に訴える分、美学という哲学に基づいており、人々は哲学をしたはずだから、これは特に非難することもない。人と物がある限りこの分野の進化は止められないのである。進化しすぎの弊害は古生物学でマンモス、アンモナイトなどがその例となるが、道具機械として自動車では往年のアメリカ製大型車のデザインに似た進化があったのだ。持つ物は十分な機能、そこそこのデザイン、そんな物で十分である。可能であれば自作の物が一番の優れものである、と言えるのだ。

 道具をめぐって[身も蓋もない]言葉で一蹴したい物に、高価であることだけで、持つことに優越感がうまれる、見栄張りの持ち物、そんな道具、物がある。その物自身に罪はないのだが、そうなってしまう運命を持った道具を私は不憫に思わない。そんな物を持って優越感を持つような人は大嫌いだ。(私がもし、君のデジタル時計と私のローレックスの時計を取り替えてあげましょう、なんて言われたらハイハイ喜んでと絶対逆らいませんが)

~-+*+-~*~-+*+-~*~-+*+-~*~-+*+-~*~

 道具、物を「身も蓋もない」言葉で決めつけたところで、自分一人で納めておけば、なんの害もない。しかし、己一人の世の中ではない。それに望むと望まないにかかわらずの高齢化である。こんな時代、長生きしようと思えば「身も蓋もない」言動で問題をおこすのは避ける方が得策である。ふくみ、情緒、繊細という語も加え、これらを身に備えておくことは、対人関係において――備えあれは憂いなし――となるであろう。こういう気を持たず、「身も蓋もない」物言いで世渡りすれば、そこは渡る世間は鬼ばかり、年中豆を投げつけられかねないことになるかもしれない。俺はそうして豆を手にいれんねん、という人は別にして。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『みちしるべ』赤い夕陽⑪**マレンスキー少佐の快挙**<2014.3. Vol.83>

2014年04月08日 | 赤い夕陽

赤い夕陽⑪ マレンスキー少佐の快挙

三橋雅子

 敗戦の年の秋のある日、当時同居していたソ連軍将校の一人、マレンスキー少佐が奉天に出張するという。奉天(現・瀋陽市)といえば両親は只ならぬ面持ち。私たちの住む、この新京から近く、叔父一家が住んでいるが、無論のこと敗戦以来消息が判らない。私たちが色めき立つのを見て、彼は何だ何だ、と持ち前の好奇心で、腕まくりでもしそうな勢い。例によって手振り足振りを総動員して、事情を説明した。彼は「ヤー、ポニマーユ(判った)」と厳かに言うと、胸をたたいて何とかしよう、という素振り。そういったって・・・・どうやって? とそれからは、みんなでまた、別の知恵絞りに集中した。父は墨をすり、巻紙に得意の達筆で当方の状況をしたため、万が一、この書状が手元に届いたら、の話だが・・・・と、先に日本に無事着いた者が受け入れ準備をしよう、それまでは、ともかく一人も欠けることなく、無事に内地の土を踏むまでは・・・・などと綿々と書き連ねた模様。私たちはまだ無事だったアルバムをかき回し、叔父の写真を見つけて剥がした。彼はその二つを胸のポケットに入れて「まかしとき!」と言わんばかりに胸をたたいて、意気揚々と出かけていった。もとより私たちはその「成果」に期待を寄せることもなく、帰りの日程も意に留めていなかった。

 ある日、彼、マレンスキー少佐は意気揚々と持ち前の赤ら顔をさらに赤くして帰ってきた。出しなの仕草と同じように軍服の胸をポンと叩いて、「戦利品」を得意げに取り出したのである。あっけにとられる私たちの前に出されたのは、間違いなく叔父の手紙であった。ソ連の将校に「踏み込まれた」叔父は、はじめ「引っ張られる」のかと緊張した、という。当時はやたらとゲーペーウー(GPU=ソビエト連邦下の秘密警察)に引っ張られては、身に覚えのないトガで不当な拘束をされることもざらだった。身に覚えのある父(関東軍への一手石油納品という戦犯もの)はどれだけ「引っ張られ」たか。叔父は逮捕状ならぬ(もっとも当時、逮捕状など存在しなかったが)紛れもない父の懐かしい「達筆」を見て、一家の無事を知り、どれだけ安堵と感激に浸ったか、が綿々と綴られていた。先方の無事も分かって、われわれも安堵の幸せに浸った。情報というのは、不思議な因縁だと思う。行こうと思えばすぐ近くなのに叶わず、あれこれ思い悩むもどかしさと不安。消息が分からないといえば、遠く内地で出世したままの兄達は無事除隊になったのか、ひょっとして敗戦間際に南方に行かされたかも知れない不安もあるのに、もうこれは手の届かぬ入手不可能な情報、と諦めがとうについている。兄たちもまた、我々が引き揚げて東京の地を踏んだ時、ああ、生きていたのか、ととうに再会の望みはないものと諦めていたという。すぐ手近にあって得られない情報にはヤキモキする。だから阪神大震災の時、「とりあえず見てくる」組の乗用車がびっしり主要道路を塞いで身動き取れなくしてしまったのも、心情としては良く分かるから、公的な対策が必要なのだろう。(これに関する藤井隆幸氏の提言は果たして有効に災害時対策に組み込まれているのかしら? と関心のあるところ。)

 さてわれわれの感謝やら感動が収まるのを待って、彼はその「戦利品」獲得の経緯を得意気に語り始める。

 先ず、叔父一家は父の書いた住所にはいなかったらしい。我が家とて、追い出されて他家に居候の身である。しかし彼はそこで諦めず、賑やかなバザール(マーケット街)に行って、叔父の写真を高々と掲げて「オタコイ イエース? ニエ ズナーイエチェ(こんな人いませんか? 知りませんか?)」「オタコイ イエース?・・・・」と繰り返しながら行きつ戻りつしたという。何回も何回も、何日も、ほかのバザールでも・・・・。おそらく、持ち前のロシヤ人特有の、繰り返しに強い粘り強さで。彼はそのゼスチャーを部屋をぐるぐる回りながら、何回も繰り返す。私たちはおかしいやら、彼の一生懸命さに涙が出るのか分からないまま何回も涙を拭いた。

 やっと一人のおばさんが名乗り出た。「ダー(はい) ヤー ズナーユ(私知ってます)」と彼女は言って叔父の家まで連れて行ってくれたという。マレンスキーの小躍りせんばかりの喜ぶゼスチャー。叔父は私たちが「ドラム叔父さん」と呼んでいて、その名付け主の兄は他界して由来を聞くすべもないが、おそらくビールを浴びるほど飲んでドラム缶みたいだったのか、ドラム缶くらいのビールを一気に平らげてしまうという「万里の長城」的表現だったのかは分からないが、特徴のある風貌が、この際役立ったのかもしれない。

 ともかく、マレンスキー少佐は、自分から申し出たこととはいえ、安請け合いではなく、軍務とはまったく関係ない「任務」を全うしたのだ。ただ私たちの喜ぶさまが見たかったのか。それにしてもヒマな出張だったことは間違いない。

 日本軍の将校だったらどうするだろうか? と、すぐに気になるところである。敗戦国民への憐憫と協力? 日本軍の内部で散々な目にあってきた兄は、即座に「考えられないこと」と、吐き捨てた。彼は他の兄たちとは違って、甲種合格になり損ねた体格。軍靴のびんたはもちろん、もっともこれは甲種合格組とて免れるものではなく、学徒出陣の兄は、どんなビンタでも大学に戻れないつらさよりはましだった、と語っていた。毎日、『クオレ物語』(アミーチス)の「長い休暇が終わって明日から学校だ」と寄宿舎に帰る喜びのセリフを黙唱しては往復ビンタに耐えていた、と。

 体格不良の乙種兵は、或る時「貴様のようなへなへなのヤセッポチは、こんなことで役に立つのをありがたく思え」と、「重要な実験」と称する「横隔膜を吊り上げる実験台」とかに「抜てき」された。彼が敗戦で除隊になって、内地に向かうはずの列車から、これはおかしい、シベリヤ行きだ、と察知して飛び降りて脱走、何とか無事に我が家にたどり着いた時、あらわになった首の付け根の、異様に赤く膨れ上がった傷跡を見て、思わず私は「弾にあたったの?」と尋ねた。短く「人体実験」の話をしたが、「くだらん実験さ」と吐き捨てるように言うだけで、その話題はとてもいやそうだったので、以来、醜いケロイド状の傷跡に、私たちは触れないように用心した。その傷をもたらした行為が、彼の寿命を短くしたかどうかは知る由もないが、その後、彼は肺結核になり、父の奔走でようやく手に入った、「治らないはずの結核が治るらしい」というパスの壜の口を開けたばかりで、30そこそこで逝ってしまった。

 もとより、日本兵の中にも「敵国」に感謝されたり、共感の喜びを分かち合った行為はあったはずだと信じる。しかしそれは大方、とてつもなく厳しい軍規の中での、危険と隣り合わせ、という勇気と犠牲を必要としたのでは? マレンスキーの、軍務に無関係の、どうでもいい口約束に、あんなに一生懸命だった屈託のない赤ら顔を思い浮かべながら、私たちは幸運にも、きわめて多くの「敵国の友情」に恵まれたことを感謝したい。

感涙に手を取り合いて喜ぶは軍服毅し敵国将校

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする