『みちしるべ』 by 阪神間道路問題ネットワーク

1999年9月創刊。≪阪神道路問題ネット≫交流誌のブログ版。『目次』のカテゴリーからの検索が便利。お知らせなども掲載。

『みちしるべ』**横断車道(85)**<2017.1. Vol.96>

2017年02月27日 | 横断車道

横断車道―85―

大方の予想を裏切って、ヒラリーではなくトランプが第45代アメリカ大統領となった。トランプは56.9%の選挙人を獲得したという事で、接戦と言われているが、選挙制度が複雑で、国民の支持率がそうであったとは言えない。かなりの支持率があったようだ▼民主党の予備選挙では、サンダースが急速に支持を広げだした経緯がある。これに対して、民主党に党員登録しようとする急増した若者たちを、民主党が抑制的処置をとったとの批判がある。ヒラリーを民主党の候補にしようとする、何かの力が働いたようだ▼アメリカ事情に詳しい人ほど、トランプが大統領になるだろうという予想をしていたようだ。しかしながら、アメリカのマスコミだけではなく、日本のマスコミもヒラリー有利の報道姿勢であったのは、今に至っては疑念がある▼「横断車道84」では、ヒラリーが大統領になるのだろう予想をしていた。が、書いたのは10月の事で、11月にはトランプ優勢とは思っていた▼そして、トランプ大統領就任後も、トランプバッシングの嵐はやみそうもない。挙句の果ては、ロシアのプーチン大統領の命令で、アメリカ大統領選挙2016は不正操作されたと言いだす始末。証拠の提示は一切なく、分析したというのが、他国の政権を暗殺も含めて操作するCIAという事ならば、100%信用ならないのは明白▼さて、この大統領選出の事態を、如何に見るのが妥当なのか? 世界での報道はさておき、日本のマスコミは酷いもの。憶測のオンパレードと、アメリカ本国のトランプバッシングに泳がされたモノばかり▼安倍政権など、当初は天と地がひっくり返ったような、動揺を隠せない醜態。気を取直して、一目散で安倍首相は訪米し、ヨイショ・ヨイショのトランプ担ぎ。これを見て、マスコミも目の色を変えて、トランプ政権の下、日本の在り様を言いだす始末。マスコミの変身には驚く▼所詮、アメリカのリーダーであるからには、属国日本を如何に利用し服従させるかしか考えないのは自明。植民地を自認した部族長であれば、ヨイショも当然のことではあろうが…▼戦後70年の世界が、混沌とし出した中で、世界の中心思想(中華思想?)を持ったアメリカが、混乱し始めたとみるのが相当であろう▼悪徳弁護士の看板のような橋下徹が、大阪を席巻したのはなぜか? 有権者の半数くらいしか、選挙を信じられなくなった政治不信の渦の中で、変わったものに期待する投票者の心理と見るのは如何だろう。かつては、派閥が群雄割拠する自民党政権でも、選挙となると一枚岩となったものである。が、東京都では同じ自民党が仲間争いをしているではないか。小池百合子君も所詮は自民党。期待をするのは一夜の夢に過ぎない▼何もアメリカや日本だけに留まった出来事ではない。フランスのオランド大統領は再選されるだろうか? 極右翼のルペン党首の人気が急上昇している。ドイツのメルケル首相の座も、怪しいものだ。ネオナチが台頭しているのも気にはなる。イギリスがEUを離脱したのも、体制固定への反発であろう▼人類経済活動の今を考えてみよう。本来、より豊かで幸せな生活を求め、分業と技術の進歩を求めてきた筈であった。が、いつの間にか、豊かで幸せではなく、如何に儲けるかと言う、偏狭な要求で人々は右往左往しだしている▼経済活動には、製造業やサービス業のような生産事業と、本来、生産事業の補助となる金融事業が存在する。金融事業は、お金の余っているところから預金を集め、必要とする事業に投資するのが本業である▼経済活動の進展の中で、金融寡頭制(銀行優位)が生じてきたが、アメリカの巨大銀行のような、とてつもなく巨大化がみられる。一国政府の規模よりも、遙かに巨大な経済規模になっている。彼らは本国の金融制度を取り仕切るとともに、パナマやケイマン諸島の政府をのっとり、自らの活動をベールの中に隠してしまっている▼資本主義は過剰生産恐慌が付きまとうのであるが、情報能力と技術力で、モノの過剰生産恐慌は克服したかに見える。ただし、自動車は地球上で必要とする量を越えだしている。先進国はEV化やAI化でしのごうとしている。時にはフォルクスワーゲン・バッシングで、最大生産企業を叩いて、少しばかりの生産調整をしているのではあるが▼過剰生産は製造業の話だ。金融業が過剰生産(活動?)になると、如何いうことになるのか?「バブルの崩壊」である。日本では1990年に経験し、アメリカでは2008年にリーマンショックに陥った。金融業が、余っているところから集めて、必要なところに回している間は、このようなことは起こらない。しかし、金融テクノロジーの複雑化で、訳が分からなくなってしまっている▼株価が額面の何十倍、何百倍になることがバブルなのだ。株は所詮、額面の値打ちしかないのである。為替は通貨の交換でしかなく、貿易量の何万倍の取引があることが、不正常なのだ▼これらの金融取引をマネーゲームと言う。所詮マネーゲームは、富の発生はない。実態経済からの搾取が総てだ。マネーゲームは実態経済の寄生虫。寄生虫が大きくなりすぎると、宿主を殺して自らも滅ぶ▼アメリカの巨大銀行は、ヘッジファンドを操って、国内搾取をしつくして、日本などの属国から吸い上げてきた。が、そのことで国内でも属国でも、勤労層が疲弊しつくした。その反発が、トランプ現象と見るべきであろう。が、トランプに力量があるわけでもあるまい▼この歴史的変革期において、マルクス経済学者がみじめにも、経済が見えていない。組織・体制内の個別事情に拘束され、本来の研究が出来ていない。少なくとも日本国内では。この状況を如何に為すべきか? 有力な流れが見えないのは、何とも悩ましい。   (コラムX)

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『みちしるべ』**クモと自動車(斑猫独語71)**<2017.1. Vol.96>

2017年02月26日 | 斑猫独語

クモと自動車(斑猫独語71)

澤山輝彦

 クモについて調べることがあり、手持ちの一寸古い昭和54年(1979)発行の本を調べた。調べる事柄は日進月歩に左右されることではなかったので、この本で役に立った。そのついでに、日本に毒グモはいるか、という項目を読んでみた。日本ではカバキコマチグモくらいが毒グモだろうと書いてあった。そういえば、自然観察をしていた時「ここに毒グモがいるから気をつけて」といわれことがあった。それがカバキコマチグモだったのを思いだした。不用意に手づかみして噛まれれば痛い目にあうとのことだった。そんな毒グモだが素手でつかんでしまったとか、不注意な接触をしてしまった時以外、クモから飛びついてきて噛むことはない。毒グモだと恐れることはないのだ、と書いてあった。そんな本の発行から16年後の平成7年(1995)大阪府高石市にセアカゴケグモは上陸した。オーストラリアが原産地の毒グモである。カバキコマチよりセアカゴケのほうが文字面でもおそろしげである。騒がれ一躍有名な毒グモに躍り出た。特定外来生物に指定され駆除の対象になる。セアカゴケグモだってうかつな接触がなければ飛び掛って来て噛み付くということはないのは、先の国産カバキコマチグモと同じである。でも毒グモの見つかった公園などがそばにあれば、小さな子供のいる家庭では保護者はあそこであそばないこわい毒グモがいるからね。と言うにちがいない。

 そんな毒グモよりも、集団登校の児童の列に飛び込む自動車のほうがずっと怖い。殺傷力の強さなど比べものにならないのは歴然である。今年も新学期が始まったとたんにそんな事故があった。統計を見たわけではないが、集団登校の児童の列に飛び込んだ自動車による死傷者は相当数になるだろう。それにくらべれば毒グモによる被害など無きに等しい。恐るべきは毒自動車だ。春夏秋冬、道のある所、場所を選ばす発生する毒自動車による事故に「車に気いつけや」と言う言葉のむなしさを知る。

 テレビの気象情報担当者は嬉々として、当たろうが外れようが懇切丁寧に天気予報をしている。あの時間、あの回数で自動車を運転する人に注意を与えるテレビ放送が出来ないものだろうか。道路情報というのはある。あれに少しつけ加えるのだ。貴方の不注意が人の命を奪い、負い目も保障も続けねばならないのですよ、とか。あなたの家族が自動車事故にあった時のことを考えて運転しましょう、とか。悲惨な事故の場面や嘆く家族の姿などを入れた、暗いが少し我慢すれば済むようなものを。「そんなん効けへんで」「そうかなぁ無いよりましやろ」。

 分布を広げるセアカゴケグモについては少し弁護をしてやろう。必要以上に怖がる事はない、気をつければ絶対安全であると。毒自動車にはこんな絶対は絶対に無い。

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『みちしるべ』**老い ①老々介護と嗅覚**<2017.1. Vol.96>

2017年02月25日 | パリ&東京&沖縄より

老い

三橋雅子

① 老々介護と嗅覚

 90号【斑猫独語66 きなくささがただよっている】(2015.7.)で、澤山氏が「におい」の記事を書かれた時から思う事、多々のまま今に至った。

 カントは人間の感覚の中で嗅覚が最も下位の、つまり重要でない感覚だ、と言う。私は「あゝ、これがカントの人間知らずの極み」と積年の溜飲を下げた気になる。最も動物的であるが故に、動物である人間にとっても生き死に関わる重要なもの、の筈だ。根底の一動物としての基本的な感覚をないがしろにしては、高尚な「理性」や「悟性」だけで、「よく生きる」前に、「生きのびる」術はおぼつかない。沖縄戦での、情報皆無の真暗闇で、何とか生きのびる術を誘導したのは、嗅覚などの、動物的な感覚による事が多かった筈。人間の存在理由は、並の動物の能力を超越した人間の「理性」や「悟性」であるのは、その通りだが、それを支える根底の「動物としての身体感覚や能力」なしでは生物として失格であろう。近頃、健全な生きる術を見失ったような、例えば病的な「カントおたく」の主は、そこらの犬や猫達のふるまいと半日付き合ったら、「健全な動物」に立ち帰れるのでは? と思うが。きっと彼らは嗅覚も鈍っているのでは? と思うのは、私の勝手な想像の延長だが。

 老々介護に立ち戻ると、このカントが人間の感覚の中で最も蔑視した「嗅覚」が、如何に大切か、如何に頼りになる助人か、身に浸みる。フッとよぎる嗅覚の先には、家人が「ない、ない」と否定する「ブツ」の証拠が間違いなくある。嗅覚よ有難う、鼻に感謝々々の日々である。思うに、この嗅覚も、他の諸々の感覚の老いと同じく、随分と老化の一途を辿っている筈。にも拘らず、この素早さ適格さで、介護の案内役を努めているのは、老骨に鞭打っての獅子奮迅の働き、心して労わねばならない。

 嗅覚の泣き所は、自分自身の悪臭には気付きにくいことである。口臭しかり。特に老臭にいたっては、その感が深いが、従ってある程度の人まかせ人頼みである。同居人の感覚がアテにならなくなれば、「それを教えてくれる真の友人」確保が喫緊なのだ。「私の口臭を教えてね」と言えるような。

 再び「老々介護」に立ち戻ると、「嗅覚の健全」は時に厄介なもの、いっそ鈍ってくれた方が? と思わない事もないではない。が、やはり総体的には、この嗅覚の健在に支えられてこそ、健全な老々介護が成り立つ、と考えざるを得ない。生きている事の喜びは、日々の厄介な労苦と手を携えてくるように。とはいえ、一日が過ぎて、文字通り腰を伸ばしてヤレヤレ今日も何とかツトメを終えた、と安堵するのはまだ早い。これから夜中のツトメがまだまだあるのだ、と苦笑しながら。それまで貴重な熟睡をむさぼるべく、布団にもぐり込む。嗅覚よ、たゆまず頑張っておくれ! 頼むぞ、と鼻をうごめかしながら。

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『みちしるべ』**さよなら原発・さよなら関電 自宅から原発NO!!を示そう**<2017.1. Vol.96>

2017年02月25日 | 川西自然教室

さよなら原発さよなら関電
自宅から原発NO!!を示そう

田中 廉

 私は化学会社で働いていたが、安全管理には厳しい会社であった。安全管理担当のマネ-ジャ-がいて、彼は本社直轄でその権限は非常に強かった。彼の口癖は「事故は必ず起こる。どんなに安全策を講じてもそれは起こる。その確率を少なくすることが私の仕事だ」であった。それほど会社が事故を恐れたのは、化学会社が事故を起こせば、人的被害はもとより、会社にとって致命的な損害を与えるからである。

 世界有数の米国の化学会社であったユニオンカ-バイドは、1984年にインドのボパ-ルで数万人の死者と50万人を超える人が後遺症に苦むという化学工場事故を起し、数年後、他の化学会社の子会社になってしまった。

 事故が起これば大惨事になる。どこよりも完璧な安全対策が取られているはずの原子力発電所が、原発が誕生した1951年から現在まで、1979年スリ-マイル島、1986年チェルノブイリ、そして2011年福島と大事故を3回も起こしている。20年に1度の確率というのは決して低くはない。何重もの安全管理をしても事故は生じるのである。

 福島原発事故の場合、放出された放射性物質の70%以上が北西の風に乗り海の方に流れたが、もし福井県の原発銀座で原発事故が起こり、福島の場合と同じような風向きであれば、我々の水がめである琵琶湖、一庫ダムが放射能に汚染され飲み水が無くなり、広範囲、長期間、関西で人は暮せなくなるだろう。原発の大事故は将来必ず起こる。そしてその被害はかように甚大である。

 2013年8月から川内原発が再開された。2015年8月まで約2年間、日本は原発稼働ゼロで何の不自由もなかった。原発は無くても日本は動くのである。それなのになぜ日本政府は原発を推進し、電力会社は原発にしがみつくのか? 原発は造ってしまうとその後のコストは安く、会社の利益が大きいからである。

 昨年4月、電力自由化になった。国民の多くが原発反対だから新電力に移るかと思っていたが、半年たっても東京電力管内で4.2%、関西電力管内では3.4%の乗り替え率とのことである。乗り換えが進まない理由で一番多いのが「手続きが面倒」(32%)であり、2番目が「料金が安くならない」(31%)とのこと。(三菱総研調べ)

 私は昨年、自宅の電気を関西電力から、大阪ガスに変更した。大阪ガスよりエコな電力会社を探していたのだが、これはと思う会社がなく、とりあえず大阪ガスを選択した。手続きは思ったよりずっと簡単である。インタ-ネットで簡単に申し込めるし、もしネット環境にないのであれば、大阪ガスに電話をすればすぐに申込書が送られてくる。ガス料金が自動振替の場合は、さらに簡単である。手元に電気とガスの「使用量のお知らせ(検針票)」を置き、住所、氏名、電話番号、メ-ルアドレス(ネットで申し込みの場合)、希望プラン(ガスを2年間大阪ガスにするという「ガスセット長期2年契約」がお奨め)に加え、検針票に書かれている「ガスご使用番号」、「関西電力のお客様番号」、と「関西電力の供給地特定番号」を記入し投函(郵送の場合)するだけである。メ-タ-の切り替えは勝手にやってくれるので何もしなくて良い。10分、長くて30分で終了する。電気料金がどれ程になるかはネット、又は電話で毎月の電気料金、又は使用量(大まかでよければ1、2か月の数値でもOK)を伝えればネットでは数秒、郵送では数日で試算してくれる。

 私の場合は夜なべすることもあり年間1万円弱の節約になった。電力会社にとって客が逃げることは非常に大きな痛手である。たとえ使用量が少なくともその人数が多ければ大きな圧力になる。関電前に出かけなくても、自宅から「原発NO」は言える。原発反対の人はその意思を新電力への乗り換えで示そう。きっと効くと思います。

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『みちしるべ』**お手紙 吉田祥子様へ**<2017.1. Vol.96>

2017年02月24日 | 山川泰宏

お手紙 吉田祥子様へ

2016(平成28)年10月28日

吉田 祥子 様

神戸・心絆(神戸・市民交流会改め)
 会長 山川 泰宏

拝啓 吹き渡る風に冬を思わせる木枯らしの到来を感じる今日この頃です。

 本日はご丁寧なるお手紙と故吉田巧充さんの田圃を引き継いで耕し、美味しいお米をお送りくださりありがとうございます。

 妻泰子が天国に旅立ち、121日目を迎え独り身の寂しさを感じています。

 2015年10月定期的な血液検査CA19-9の異常な値が所見され、20年前の卵巣がん、10年前の乳がんからの転移かと心配しながら兵庫医科大学病院に検査入院、結果は膵臓がんで膵臓の腫瘍は2.0センチ、肝臓に1個の転移が告げられ、ステージⅣbの原発で手術はできませんと医師の冷たく冷酷なる言葉のあと、抗がん剤投与しかないと告げられました。

 妻と二人で医師の告知を受け、余命3ケ月から1年半と告げられ信じられない状況でした。抗がん剤投与の兵庫医科大学通院治療を経て、第8クール直前の5月31日、腹痛を訴へかかりつけ医の紹介状をもって、自宅によらず病院からタクシーで急遽、兵庫医科大学病院に再検査入院でした。その入院から31日目6月22日に急激に病変悪化し、主治医から近しい人に連絡を告げられ苦しみながらも長男、長女そして私に看取られての、78歳の早い生涯を閉じたのは、6月30日(木)午前9時54分痛みから解放され発症から8ケ月で神のそばに旅立ちました。豊中教会の主管牧師竹元芳則先生に連絡するも、10時50頃病院に到着、臨終の時間に間に合いませんでしたが、臨終の祈りを捧げていただき感謝です。

 葬儀は泰子の奏楽者として奉仕の信仰する日本福音ルーテル豊中教会で執行手続きをしました。主日礼拝の関係もあり、自宅マンションに遺体を30日から7月3日まで4日間安置、自宅で多くの人たちのお別れをしていただき、自分の終の棲家で荼毘の日まで腹を痛めた子供たちに囲まれた最後を送る幸せをかみしめながらの時を過ごしたと信じます。

 神戸・市民交流会の南野、呉の助け人もすい臓がんで見送り、故大嶋会長も癌でなくなり、巧充さんを病床に見舞いした南野も同じ膵癌でした。

 昨年10月泰子の膵癌で1月17日の追悼行事から少し手控えますと誓い、神戸・市民交流会の解散を決断し、妻、泰子と余生を楽しもうと考えましたが夢のまた夢でした。

 思えば膵癌に罹り2016年8月の宮城県名取市閖上地区の愛島東部住宅への追悼行事へは心の中で辞退すると泰子に伝えていました。しかし、思えば19年間のボランティア活動を共に裏方で支えてくれた愛しき泰子は6月30日の逝去は彼女の最後の優しさであったのかと涙が溢れてしまいます。

 2017年1月17日東遊園地で開催の「1.17つどい」での23年目の竹灯籠の追悼行事は神戸・心絆が引き継ぎ、多くの仲間たち、地域の支援者たちのやりがいの為、引き続き関わり、東遊園地のあの場所を聖地と願う市民の心の拠り所、そして希望の灯りを一人一人の胸に灯す活動をすることで、亡き泰子に伝えるつもりです。

 長くなりましたが、最後に京丹後の皆様一人一人や多くの支援の一人一人に感謝します。皆々様のご健康とご多幸をお祈りしつつお礼の言葉とさせていただきます。

 主イエス・キリストの恵みと平安を祈ります。アーメン!                               

在主平安 山川泰宏・泰子

敬具

注) 本文中のお名前は、筆者と奥様のみ実名で、他の方々は総て仮名とさせて頂きました。《編集者;合掌》

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『みちしるべ』**【2017年、勇気ある一歩を!】**<2017.1. Vol.96>

2017年02月23日 | 平出正人

【2017年、勇気ある一歩を!】

道と環境の会 平出正人

 井伏 鱒二(いぶせ ますじ)の短編小説、『山椒魚』を読み返してみた。谷川の岩屋をねぐらにしていた山椒魚は、あるとき自分が岩屋の外に出られなくなっていることに気がつく。山椒魚は外へ出ようと試みるが徒労に終わる。満足に動き回ることもできない狭い岩屋のなかで山椒魚は虚勢を張るが、外に出て行くための方途は何もない。岩屋の外には明るい未来があるはずなのに、穴から出られない状況に自分を持って行った山椒魚の愚かさ! しかもその状況を変えようと努力もせず、穴の中で小さな喜び(自己満足)に浸っているしかない。そんな山椒魚の孤独な物語を小説にしたものであるが、何故か私自身が身につまされる思いである。

 若い頃から色々と活動をしてきたが、実は多くの先輩達が築いたレ-ルの上に乗っかり、何一つ自分では新しい運動を創ろうとせずに一番楽な安易な道を歩いてきた。人間関係のわずらわしさ、失敗することの恐れが私を一歩前に踏み出すことを躊躇させてきた。何も変えようとせず、又自分自身も変わろうとせず淡々と活動をしてきた30数年間の岩屋生活。しかし、昨年6月の出来事が私を変えるきっかけとなった。韓国人労働者2名が私の所属している労働組合に加盟したのだ。彼らは、「私たちは闘うために労働組合に加盟した。何かを変えるために、みんなと共に闘うために・・・」の一言が私の背中を押してくれた。2017年、今年こそは勇気を持って岩屋の外に踏み出したいと思っている。確かに変わろうとすることは勇気がいる。自分を変えることは楽ではないけれども。私の暗く長いトンネルの行きつく先はわからないが、そこには明るい確かな未来が必ずあることを信じて私は勇気ある一歩を踏み出したい。

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『みちしるべ』**【さくらやまなみバス】の経営活性化と【西宮北有料道路】の有料化維持の提言**<2017.1. Vol.96>

2017年02月23日 | 藤井隆幸

【さくらやまなみバス】の経営活性化と
【西宮北有料道路】の有料化維持の提言

世話人 藤井隆幸

はじめに

 昨年12月例会は、【さくらやまなみバス】に乗ってみることと、その主たる利用地域で活動する「北部水源池問題連絡会」のメンバーと交流することでした。

 「国鉄分割民営化」(1987年)の前あたりから、赤字ローカル線の廃止が急速に進み、バスに転換されることが多くなりました。そのバスも、当然赤字で路線廃止されることも多く、地方の公共の足が奪われることになっています。この事が、過疎と車中心社会を推進し、大きな社会問題となっています。

 【さくらやまなみバス】は西宮市(人口489,139人・面積100.18㎢=2017.1.1.推計)の南部主要地区と北部の山口町(人口17,442人・面積23.79㎢=2017.1.1.推計*1951年に西宮市と合併)とを結ぶ、地域の足として2009年に設置された路線バスです。西宮市が阪急バスの子会社に委託するという形で運営されています。

 当然、運営は赤字で、西宮市と地元財産区の補助が必要となっています。地元の足を確保するために、乗車効率を上げるための努力がされていますが、決定的な赤字解消の目途はありません。この路線が無ければ、北部山口町から南部主要地区に行くには、他市を通過し、様々な乗り換えが必要になってきます。何とか存続させたいものです。

 そんな現実を視察するとともに、地元の意見を聞いたのが、12月例会でした。例年、忘年会になる所でしたので、現地のみなさんの配慮で、昼食会もかねました。

【さくらやまなみバス】の現状

 当日は、阪急西宮北口駅から乗車したのですが、阪急夙川駅まで来ると、空席が無くなって立って乗車する人が出てきました。通勤・通学時間帯でもないのに、何時もこのような状況だったらよいのですが。

 原因は、年末最後の日曜日とあって、白水峡墓苑前で殆どが下車されました。お墓掃除なんですね。有馬温泉を出ると、殆ど乗客はいなくなり、我らが目的地の北六甲台センター前では、私たちだけでした。

 すこし、現状を数字でご説明しておきます。出典は、西宮市ホームページ > さくらやまなみバス(くらしの情報) > さくらやまなみバスの概要 とすすみ、≪利用実績≫と≪さくらやまなみバス事業評価委員会 開催記録の公表≫です。

URLは http://www.nishi.or.jp/navi/ln_0010400718.html

 利用者数の年間統計が、2015年度までですが、直近の月別利用者速報を見ても、それほど伸びているとは思えません。伸び悩みと言うところでしょうか。一方、経常収支については、2011年度までしかなく、最近のものが見当たりません。情報公開をするのも面倒です。おおよそ、6000万円から7000万円の赤字と言うところでしょうか。

 2011年度の1人当たりの平均乗車運賃は263.1円/人ですから、殆どは西宮南部の間の利用者と、山口小・中学校と船坂間、山口町と甲山高校間の通学定期ということでしょう。西宮南部地域から北六甲台センター前までは、780円(大人通常運賃)という事です。何とも高い感じがします。

 この運賃を安くする方法を講じれば、通学だけではなく一般客も増えるのだと考えられます。そのことは、増便にもつながり、ますます利用者が増えて、黒字経営になることが可能になります。

【西宮北有料道路】の無料化を前に

 【さくらやまなみバス】が南部と北部を通過する際に、兵庫県道路公社の運営する【西宮北有料道路】、通称「盤滝トンネル」があります。この道路も、西宮市北部の住民が南部へ行くためには、宝塚市経由か有馬~芦屋市を結ぶ、芦有(有料)道路を使用しなければなりませんでした。

 そのため、急なヘアピンカーブのある山道ですが、県道大沢(おうぞ)西宮線が建設されました。当初、地図には記入せず、地元民だけが使用したものと聞きます。が、余りにも難走行の為に、1991年3月25日に「盤滝トンネル」が供用されました。

 この道路、計画交通量が7000台/日のところ、かなり上回る利用があり、兵庫県道路公社にとってはドル箱と言う現実があります。ただほど安いものはないと、政治的な単純な思惑から今年度末に、一般県道に移管し、無料化に踏み切るとのことです。

 この道路の概要について、少しふれておきたいと思います。

 出典は<兵庫県道路公社HP>より http://www.h-dorokosya.or.jp/

西宮北有料道路(盤滝線)の平成2015年度予算

■維持修繕計画(単位;千円)

トンネル覆工・舗装板補修工事、法面等修繕工事、舗装修繕、橋梁修繕工事、トンネル防災・換気・照明等設備更新、路面清掃、除草、設備保守点検、雪氷対策、道路附属物等点検等

729,300

■業務委託計画(単位;千円)

料金収受業務、交通管理業務、料金収受機器等保守点検業務等

121,248

 【西宮北有料道路】の通行料金を徴収するのは、1954年に成立した有料道路制度に基づくものです。借金で道路を造っておいて、通行料金を徴収し、元金・金利を返済するというものです。当初、ペイすれば無料化を言っていたのですが、現在は「プール制」に変更され、ペイしても他の道路の資金に回すこととなっています。

 ところで、道路である限り維持修繕費は発生します。2015年度では7.3億円の予算であった訳です。無料化にすると、業務委託費の1.2億円は不要になります。この7.3億円の支出は、今まで通行料金で賄われていました。が、無料化後は、県の一般財政(税金)から支出されることになります。大部分がトンネル(1.7㎞)構造ですので、大規模修繕が長期間となるでしょうが、必ず発生します。これは相当の負担となるでしょうね。

 また、この道路は通過道路として利用されるのが多く、今でも通勤時間帯や行楽時には、大渋滞が日常化しています。盤滝トンネルを下って、南部市街地に行く県道大沢・西宮線は高低差が大きく、道路構造令に適合するためには、広い場所を確保して巨大ループを設置するか、登坂車線を新たに新設しなければなりません。何でもやって不可能ではありませんが、市街化の進んだ土地利用から、膨大な予算が必要になります。費用対効果からは、考えることが無駄な事業と言えるでしょう。

 無料化になると、当然交通量はかなり増えます。これまでの渋滞に、増えた交通量はそのまま渋滞の車列になります。地元利用者にとって、大変迷惑な話です。このシュミレーションは、別の資料が必要になりますので、本稿では割愛させて頂きます。しかしながら、ドライバーと同乗者の時間給を800円にしたところで、渋滞追加損失よりも通行料金の方が半額以下となるのは確実です。

【さくらやまなみバス】と【西宮北有料道路】の維持で

 ここで提言です。最近の資料が無いのですが、【さくらやまなみバス】の年間赤字は、6~7000万円でしかありません。一方で、【西宮北有料道路】の利益は、確実に2億円あります。

 有料を維持したうえで、この2億円のうち、1億円をバスの維持費に回すことを提案します。西宮市と地元財産区の赤字補てんが無くなるだけではなく、210円より高い運賃を半額にすることが可能です。

 ここまで書けば、もう何も説明することもありませんね。【さくらやまなみバス】の活性化は間違いありません。また、【西宮有料道路】も快適で、時間ロスが増えることはありません。

 ただ、問題は有料道路制度の例外措置を実施しなければなりません。欧米先進国では、簡単にやってのけることが、日本の利権機構では難しいのです。国土交通省の道路局の抵抗を排して行うのは、かなりの政治力です。革新だの保守だのと言う枠組みは通用しません。ここが悩ましいのです。

 無理やり進め続けたモータリゼーションの混迷を、如何に解きほぐすか? JR北海道が独自では16路線の赤字ローカル線を廃止するとのこと。鉄道部門だけで考えても、解決策はないでしょう。垣根を越えた政策提言で、簡単に解決することなのですが。

 自動車交通には、莫大な投資が行われています。一方で、明治以来、戦前まで続けられた鉄道中心路線は、予算が消えて無くなりそうになっています。なに? リニアとな! バカ言ってんじゃないよ!!

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『みちしるべ』**みなさんの年賀状から**<2017.1. Vol.96>

2017年02月22日 | 単独記事

皆さんの年賀状から

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2017年2月例会のご案内

2017年02月11日 | 月例会案内

 

阪神間道路問題ネットワーク
2月例会のご案内

2017年2月18日(土)13:30~15:30
西宮市立今津公民館 第3集会室(2F)

3月例会のご案内 2017年3月25日(土)13:30~15:30
         ぷらっとアイ(西宮市立勤労青少年ホーム)会議室B
           ※ 西宮市立勤労会館の隣です、お間違いの無いように。

早いもので、もう二月の上旬も終わり。ですが『みちしるべ』1月号の編集が終わっていません。原稿をお願いしている方で、まだの方はお急ぎを! また、当ネットワークの会計年度は1月です。各団体の会計年度が優先しますが、ご都合のつく団体は年会費をお願いします▼2月例会は早目になります。会場の予約が早まっていて、今津公民館しか取れませんでした。3月も「ぷらっとアイ」ですので、お間違いの無いようお越し下さいますよう▼世界情勢も国内政局も、混沌としてきた感があります。一方で、マスコミが肝心なことを報道しなくなりました。普天間・辺野古・高江は沖縄ですが、日本の進路に係わる国政の中心課題。反面、トランプ大統領が注目されていますが、視聴率を上げる事しか視点の無いTV評論家には、何の事だか判っていないのでは? 東京都では、同じ自民党で割れています▼私たちのお仲間も、既に随分と先立たれました。老々介護などと言うお知らせも届くようになりました。しかし、「希望の星」若手の台頭がありません。と言った中でも、何かしなければという義務感のようなものが…。人類史の変換ポイントに立っているのかも…▼1月例会は、「川西自然」のT会長・S画伯・「道と環境」のH代表と私の4人の参加でした。今回は公民館(社会教育施設)という事で、アルコールは控え目にしたいと思っています。阪神今津駅の下には、スーパーもありますし、ご近所の自販機でご調達願います▼このところ年度末という事で、仕事も込み合っていますし、仲間内の入院など、余裕のないご案内になりましたが、よろしく。 (F)

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