小幡憲仁 議会活動日記

よく考える政治!
20年後の高浜をイメージし、今の政治を考える。

9月定例会:最終日

2006年09月25日 | 議会活動報告
9月定例会の最終日となりました。
午後3時より本会議が開催され、議案の質疑、討論採決が行なわれました。
本会議の冒頭、補正予算案に対する修正動議が提出されたため、まずは補正予算案の集中審議が行なわれました。
修正動議の内容は、脇坂計画の調査費1890万円と坂田グリーンタウン隣の公園整備費万千円を全額カットするという内容です。
この内容で修正動議が提出されることは、もちろん事前に知っておりましたので、自分自身の対応についてはこの数日間熟慮を重ねてまいりました。
結果、私は修正動議に反対し原案に賛成いたしました。理由については、本会議で行なった以下の討論の通りです。

■平成18年度一般会計補正予算案に対する討論

修正動議に反対、原案に賛成の立場で討論します。
脇坂地区で、巨額の県費を投じて開発が進められているプロジェクトです。修正動議の主張もたいへん説得力がありますが、いずれは何らかの開発に着手していくわけであり、今回の調査費で、財政上実現可能な計画を策定することと、事業化調査の精査を行い、その上で、事業の実施について判断したらいいのではないかと思います。

それでは補正予算の個別の事業について意見を申し上げます。
平成18年6月議会の一般質問で私が意見提起した、第三子以降の3歳未満児の保育料の無料化について、4月に遡って無料化を実施するため、保育所保護者から徴収する保育料を180万円歳入から減額しています。更に、議案審議の中で、国の基準に基づいた第2子の保育所保育料の半減化についても、早急に検討を行い1~2年以内に結論を出すとの方針を示されました。これらのことは、今後の高浜町にとっての少子化対策に少なからず効果をもたらすものであり、評価できます。
今後、議案審議の過程で約束された、第2子の保育料半額化の検討を早急に実施し、1日でも早く実施することと、今回から実施されることとなった第3子の3歳未満児の保育料無料化制度を、広く町民に広報されることを要望しておきます。

次に坂田グリーンタウンの公園整備ですが、私が疑問を感じる点は、まず地元から陳情書の1枚も出ていないにも関わらず。突如、公園を整備する点にあります。公園整備に関しては、青戸区から数年来、公園整備の陳情が出されておりながら、その場所は何も整備せずに放置しておいて、陳情さえ出ていない地区に公園を整備するということです。更に、平成17年9月議会の一般質問において、私は総合計画に基づき、子どもたちが遊べる公園を整備すべきと提案した際には、町長から「公園を整備する考えはない」との答弁があったにも関わらず、今回の公園整備です。
当初からの計画だったととのことですが釈然としません。
基本的に子どもの遊び場所を確保するために、私は町内に小公園を整備していくことには、推進の立場ではありますので、あえて反対はしませんが、ものには順番というものがあります。非常に厳しい財政事情の中、今後は、こうした事業の優先順位のつけ方というものについて、町民サイドに立ってきちんと明確な基準をもって説明責任を果たしていただくことを要望しておきます。

次に、脇坂整備事業化検討調査業務委託料1,890万円の予算について意見を申し上げます。

この調査費は、脇坂整備の基本構想について、事業化検討調査結果で明らかとなった課題について、導入施設の機能や事業性の精査を図り、脇坂整備計画の基本計画を最終決定するというものです。

この調査費に関し、少し過去の経緯について振り返ってみます。
この脇坂地区では、県道の山側斜面を削り、道路を付け替える県工事により大規模な平地が出現しました。このため、この平地を活用し町の振興発展につなげる目的から、脇坂整備検討委員会で議論が行われ、平成17年10月に報告書が町に出されております。
報告書では、この脇坂地区が、高浜町総合計画で「体験型観光資源の創出」と位置づけていることを踏まえ、海への眺望を活かし花で特色付けした拠点施設を整備することが提言されています。

私は、今後高浜町において、観光振興といえば、まずひとつは、城山荘を中心とした、高浜の中心部の古い歴史観のある町並みを活かし、景観形成などによる町の賑わいの創出と、日引の棚田などを活かした、内浦地区における体験型観光の創出が有望であるとの認識を持っておりましたので、この脇坂地区の「体験型観光資源の創出」というコンセプトは基本的に賛成でおりました。

しかし、その後、前段で申し上げた通り、事業主体や収支見込などについてコンサルに委託し、平成18年6月に事業化検討結果の報告書が提出されました。
この報告書では、現状のプランのままでは、
①事業主体については、採算性などの理由でPFI事業による民間参画が難しいこと。
②イニシャルコストの面では、多大な初期投資が必要なこと。
③ランニングコストの面では、初年度から相当な金額の赤字が発生すること
などの大きな課題が明らかとなり、基本構想通りの施設計画は財政的にも無理があることが明らかとなりました。

このため、高浜町では、冒頭も申し上げた通り、今議会で調査費を計上し、これらの課題を中心に、導入施設機能や事業性の精査を図り、基本計画を練り直そうというものです。
さて、ここで申し上げておきたいことは、脇坂整備計画の目的についてです。
そもそも、何のために、これ程の費用をかけて脇坂整備を行うのかという点です。
これは、先ほども申し上げた通り、「体験型観光資源の創出」が目的であり、これは高浜町にとって必要なものであります。
ところが、今議会の調査費についての理事者説明では、今後、高浜町が直面する、人口減少や高齢化率の高まりいったことから、高齢者の健康づくりが高浜町には求められており、町の既存施設ではこうした需要に応えるための健康増進は実現できないとして、この脇坂に高齢者向けの健康増進施設の整備計画が必要であるとの理由に変わってきております。

高齢者のための健康増進施設といえば耳に聞こえはいいかもしれませんが、これ以上、現役世代の負担のもと、高齢者の健康増進のための豪華施設を建設する必要があるのでしょうか。高齢者もそこまでは望まないのではないでしょうか。
加えて、高浜町は、今後、厳しい財政運営を余儀なくされます。このため、理事者側でも第3次行政改革大綱、集中改革プラン、財政健全化計画と、町民に痛みを伴う取り組みを進めております。
これらのことを総合的に判断すると、今回の調査費による基本計画策定にあたっては、あくまで、施設の基本路線は体験型観光振興施設を基本として進めるべきでありますし、施設の建設計画については、高浜町の財政事情を充分に考慮して、建設規模、建設時期を考えることと、施設の維持運営については、管理運営費が後年の財政負担とならないよう、大きな赤字を発生させるような施設の建設計画はやめるべきです。

高浜町の将来に禍根を残さない、間違いのない基本計画を練り直していただくよう強く要望しておきます。