北海道のニセコ町では、毎年、新年度予算成立後に、「
もっと知りたい今年の仕事」と題した、住民向けの詳細な予算説明書を作成して町内全戸に配布しています。
これは、住民一人ひとりが自ら考え行動することによる自治が基本であり、「情報共有」の実践によりこの自治が実現できる(ニセコ町まちづくり基本条例前文より引用)との考え方により、本来町民のものである予算を、町民に分かりやすく説明することは行政の責務であるとして、ニセコ町では平成7年から毎年続けておられます。
そして、今では全国で多くの自治体が同様の取り組みを行うようになりました。
参照=>
平成16年3月議会一般質問
この予算説明書は町外の人でも有料で入手可能で、早速、インターネットで申し込みをして購入しました。(写真参照)
ちなみに、価格は1冊千円です。予算説明書によると住民予算説明書は2千5百冊印刷し、印刷費が93万円ですので1冊当たり372円ということになります。歳入で町外の販売収益を5万円計上してありますので、50冊程度販売する計画のようです。
予算説明書には、今年度実施する事業が非常に分かりやすく写真入りで詳細に記されております。また、事業だけでなく町の財政状況についても詳しく説明されております。
一例ですが、ニセコ町の特別会計の借金(起債)に、過疎対策事業債というものがあります。この借金の残高は3億97万円となっており、このうち実際に町が負担する額は9,029万円で残りの2億1,068万円は国から交付されます。この借金で最近行った事業は福井地区簡易水道整備事業で、この事業の返済期間は平成16年から28年である、といったことがたちどころに分かるのです。
また、例えば町営の堆肥センターで生産される堆肥の量や生産量の推移、小学校費として児童一人当たりに使われている予算額など、ありとあらゆることを簡単に知ることができます。
変な話ですが、この予算説明書を読めば、高浜町の予算や財政状況よりもニセコ町のことの方が詳しくなってしまうほどです。
何とか高浜町も見習っていきたいと思います。