先日の日記にも書きましたが、母子家庭に対する公的支援の中心は「児童扶養手当」です。
全額支給で、児童一人に対し月額4万1,720円が高校卒業(正確には18歳に到達して最初の3月31日まで。高校に在学していなくとも支給される)まで支給されます。
第2子については月額5千円追加、第3子以降はひとりにつき3千円の追加です。
ところで、この児童扶養手当てを満額受給できる母子家庭の母親の所得限度額は、
扶養家族が0人の場合、19万円
扶養家族が1人の場合、57万円
扶養家族が2人の場合、95万円
扶養家族が3人の場合、133万円となっています。
従って、例えば母親と二人の子どもの世帯が児童扶養手当を全額支給されている場合(つまり4万6,720円)、母親の所得は95万円に満たないということがいえます。(数字は書きませんが、高浜町でこのケースに該当する世帯数も把握しています。)
さてここで、子どもが高校に進学するとどれ位の費用が必要かを調べてみます。(若狭高校の男子高校生の例)
授業料年額118,800円
学校諸会費年額93,700円
制服代等79,700円
体操服、教科書代等34,550円
通学定期代年額72,460円
以上のことから絶対に必要となる費用が合計で、399,210円であることが分かります。もちろん他にも様々な費用が必要なことは言うまでもありません。
中学校までは義務教育ということから、所得によっては就学援助支給金が交付されますが(現に高浜町では小中学合わせて約70名の生徒が支給対象)、高校ではその制度はありません。
高校の授業料の免除制度はありますが、免除となっている生徒は全体の僅か2%程度であり、しかも高校の就学費用全体に占める授業料の割合はそれ程高くないのです。
私はこれまで、経済的な理由から高校への進学を諦める子どもがいるという認識がそれ程ありませんでした。先ほどのケースの母親たちがどんな思いで子どもを高校に通わせているのかを、本当の意味で深く真剣に考えてきたとはとても言えません。調べてみれば調べて見るほど、自分の認識が甘かったと反省しています。
この問題については6月定例会で取り上げようと思っています。