道路特定財源、特にガソリン税の暫定税率を延長するか否かが関心事になっています。
私はこのガソリン税の暫定税率延長問題についてこんなことを考えています。
ガソリン税は国税です。全国のドライバーから集められたガソリン税は一旦は国の財布に入って、その後、国の裁量で全国の道路整備に使われます。
つまり地方にとっては自分たちの地域の道路整備に使ってもらえば儲けものの構図になっています。
当然、全国の首長や地方議員は自分たちの県や町の振興について真剣に考える人たちですから、少しでも多くの道路整備予算を獲得しようと血眼になります。…そうでなければ首長や地方議員失格です。
だから大挙して上京して、わが古里の道路事情が遅れていることと整備の必要性を声高に唱えるのです。一般の人から見ると奇妙に映るかもしれませんが仕方のないことで、国の制度がそうさせるのです。
他の地域に先がけて自分たちの地域の道路整備が進めば、県益、町益につながるのですから当然です。
ところで、もしもこうした国の制度が道路は地方で建設するものであり、ガソリン税の税収は一括して地方に交付されるか、または地方の税収として入る仕組みになっていて、しかも何に使ってもよい制度だったらどうなるでしょうか。
果たして現在の制度の下で、どうしても必要だと声高に主張していた道路整備をそのまま地方は続けるでしょうか。
学校の耐震改修が進んでいない。福祉の財源が足りない。医療が崩壊している…。地方には他にも多くの切実な財政需要があります。そうした中で、現在の制度の下で必要だとする道路整備をそのまま進めるとは私には到底思えません。
道路が必要なことは十分に理解できますが、今の道路特定財源の制度が、必要な道路を増やしている側面があると私は思います。
国に陳情して自分たちの町に少しでも多くの道路予算を獲得すれば得をする、そんな制度そのものを見直す議論を国会に望みます。