軌道エレベーター派

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遺灰を打ち上げる「宇宙葬」、日本でも申し込み受け付け

2014-12-05 20:54:03 | ニュース
遺灰を打ち上げる「宇宙葬」、日本でも申し込み受け付け

 亡くなったあの人が星になり、地球の周りを回っている--遺灰のカプセルを積んだ人工衛星を打ち上げる「宇宙葬」のサービスが日本でも募集を行い、話題を呼んでいる。スマートフォンのアプリで軌道を追跡でき、大気圏に再突入する時期や位置も把握可能だ。

 宇宙葬は、1997年に米国の企業が実施して以降、民間宇宙ロケットの打ち上げが盛んになるのに伴い、徐々に希望者を増やしている。このうち、米カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くエリジウム・スペース社は、日本でも申し込みの受け付けを行っている。
 申込者の元には約1cm四方のアルミ製容器が送られ、遺灰を封入。これを大勢の申込者の容器と合わせて小型衛星に最大約400個収納し、ほかの宇宙計画の宇宙機など相乗りでロケットに積み込んで打ち上げ、高度数百kmで地球を周回する低軌道に乗せられる。
 1件1990ドル(12/5のUSDJPY終値換算でおよそ23万8000円)で、容器には3文字まで刻印ができる。打ち上げられた衛星は、スマートフォンやタブレットに無料のアプリをダウンロードすれば、常に位置が確認でき、肉眼では見えないものの、自宅の上空付近を通過する時刻にはアラームで知らせてくれる。衛星は数か月~1年ほどで大気圏に再突入して燃え尽きる。必ずしも自分の住む土地の上空になるとは限らないが、運が良ければ流れ星となって光る様子が見られる可能性も。

 同社は近く最初の打ち上げを目指しており、今年6月に都内で開かれた宇宙関連イベントに出席した同社CEOのトマ・シベ氏は「今、多くの起業家たちが次々に宇宙へ行く新しい方法を生み出しているが、我々は宇宙の美しさやロマンを生かしたい。天の川や流れ星など、星空の美しいイメージを持つ宇宙葬は、日本の葬送文化にも合っていると思う」と語った。焼却された遺灰は、税関の検疫を問題なく通過できることから、現在打ち上げを扱うのは遺灰のみだが、将来は遺品や思い出の品なども打ち上げるサービスも検討したいという。
 関連会社「スペースシフト」の金本成生さんは「きょう、おじいちゃんが夜空に上がってくるといった感じで、新しい故人のしのび方ができるようになる」と話し、日本でも事業を広く展開し、宇宙葬の文化を定着させていきたいとしている。エリジウムスペース社のホームページ(日本語版)はこちら。(軌道エレベーター派 2014/12/5)

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