温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

四重渓温泉 新亀山別館 (台湾南部)

2010年11月26日 | 台湾
四重渓温泉は日本統治時代には4大温泉のひとつに数えられていたそうですが、今では「本当に4大のひとつ?」と疑いたくなるほどうらぶれており、確かに温泉旅館が建ち並んでいるものの、温泉街というより一本道に肩を寄せ合いながら静かに佇む田舎の集落のようです。だからこそ派手さが無く落ち着いて滞在できるのかもしれませんね。


 
何軒かある温泉宿の中でも、日本人温泉ファンの間で評判の良い「新亀山別館」へ日帰り入浴で立ち寄ってみました。戦前は「亀山旅館」と名乗っていた老舗の宿です。昼間だからか受付には誰もおらず、何度か大声を張り上げてようやく宿のおばさん登場。料金を支払い、おばさんが指し示す奥のほうへと進みます。

 
細い通路には、途中に客室の他、小さな家族風呂があったのですが、その名は「情侶湯」。なんともいえないエロい語感が漂ってきますが、つまりはカップルや夫婦で仲良く入りましょ、という意味なんでしょうね。


通路どん詰まりドアを開けると、屋外に出て露天風呂のエリアに。まずは階段を下って右手にあるシャワー兼更衣室で水着に着替えます。台湾では一般的ですが、シャワー兼用更衣室であるため中がビショビショで着替えにくいことこの上なし。

 
浴槽は全部で5ヶ所。一番左に長方形の大きなプール、建物側(上段)に丸い浴槽二つ、そして奥の下段にこれまた丸い浴槽が二つ。丸い浴槽は縁が石、側面や底はタイル張り。上段2つの浴槽は結構熱めで、長方形のプールがそれに次ぐ湯温、下段の2つは右側がぬるめで左側はほとんど水風呂でした。各槽とも源泉掛け流しでドバドバと投入され、ザコザコと溢れ出しています。下段の浴槽の向こう側は何も無く長閑な田園風景が広がっており、実にのんびりとした露天風呂です。


西瓜・蕃茄(トマトのこと)と手書きされた小さな看板が、お風呂に面して立っていていました。ここに書いてある番号へ電話すれば直売しますよってことでしょうね。いかにも農村地帯って雰囲気が出ていて、嬉しくなっちゃいます。
これで頭上のビニールのビラビラ装飾が無ければ、最高の開放感なんですけど…。また、下段のお風呂の前に広がる何も無い土地は、おそらく最近まで耕地だったのでしょうが、訪問時は休耕されて土砂が山積みになっており、若干殺風景だったのがちょっと残念。ついでに言うと、上段の一番右にはカラオケセットが設けられており、先客のお客さんは皆さん大音量で、ひっきりなしに野外カラオケを楽しんでいます。カラオケブースに近いお風呂に浸かっていると、音の響きが内臓にビリビリ伝わってくるほど。イメージとしては、ジャイアンが原っぱでリサイタルを開催すると、のびたやスネオ達がグワングワンと衝撃波を受けて参っているような感じでしょうか。まぁ皆さん楽しんでいるわけですから、それも異国の文化として素直に受け入れるのも旅の面白さかと思います。


上段2つの湯船はかなり熱めで、日本人でも熱く感じるほどですが、先客のおじさんおばさんは熱いお湯に好んで入っていました。上段右側が一番熱いお湯ですが、この槽がここでは一番多く源泉が投入され、オーバーフロー量も最多でした。


お湯は無色透明、思わずクンクンしたくなるほど明瞭なタマゴの味と匂いが感じられます。ツルツルを通り越してヌルヌルスベスベの浴感が実に気持ちよい。湯口には固形物を漉すネットが被せられていますが、お湯の中には細かい半透明の湯の華が浮遊していました。

野外カラオケの大音量にはちょっと辟易しちゃいますが、レジャー色の強いSPA化されてゆく温泉が多い中で、素朴な昔ながらの温泉の姿を残している当宿は、温泉の質も良好なので、B級感をこよなく愛する温泉ファンにはきっと高評価だと思われます。



ご参考までに、フロントに掲示されている料金表です。宿泊料金の定価は、2人部屋2000元、4人部屋3000元、8人部屋5000元となっていますが、その下に平日は5掛け(半額)、休日は7掛け(つまり3割引)と書かれているので、結構お安め。台湾ですから交渉次第でもっとディスカウントできるかもしれません。


高雄から墾丁列車(屏東客運・高雄客運・国光客運・中南客運の4社共同運行バス)に乗って2時間半~3時間の恒春で下車。そこでタクシーを拾って15分ほど。

屏東県車城郷温泉村温泉路106号 地図
08-8822738
ホームページ ←音が出ます

7:00~23:00
150元
コインロッカー20元

私の好み:★★

コメント (4)    この記事についてブログを書く
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4 コメント

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温泉好きです (我愛台湾)
2017-01-22 17:42:47
愛台湾のhiroshiと申します。
台湾は留学していた関係もあり今まで
116回行きました。
今回、偶然に貴ブログに遭遇し今、ここに
コメントを差し上げている次第です。
私も新亀山温泉に泊まり食事も同じ所で
とりました。それでは今後とも宜しくお願い
致します。先ずはご挨拶まで
返信する
Unknown (K-I)
2017-01-23 19:47:44
hiroshiさん、はじめまして。台湾へ116回ですか!? 私なんかとても足元に及びません。恐れ入ります。
同じ宿に泊まって同じ店で食事を摂ったとは奇遇ですね。四重渓には久しく行っていないのですが、hiroshiさんの旅行記を拝見していたら、初めて見る新しい宿が開業しているなど、細かな変化がありそうなので、また再訪したくなりました。台湾に関して色々とご教示くだされば幸いです。今後とも宜しくお願い申し上げます。
返信する
新亀山温泉無くなりました (我愛台湾)
2018-11-27 19:08:42
投稿されていた新亀山温泉は昨年残念ながら閉鎖しました。雇われ経営者の方が故郷へ帰る事になり次の方がみつから無かったのが原因かも?
返信する
Unknown (K-I)
2018-11-28 14:08:36
hiroshiさん、こんにちは。
ここ数年、四重渓温泉には足を運んでいないのですが、まさかこちらのお宿がクローズしていたとは知りませんでした。残念です。Googleで検索しても「閉業」と表示されてしまいますね。後継者問題で宿を閉めざるを得ないのは、台湾も日本も同じですね。
情報をお寄せくださりありがとうございました。
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