Okanagan's Twilight Days

人生の黄昏を迎え、日々の出来事を徒然のままに綴っています(*^_^*)

新・花燃ゆ、第28話“泣かない女!~前編” 2015年7月12日

2015-07-12 19:30:03 | 日記・エッセイ・コラム

今朝8時半に家を出て、小生と家内は次男の運転する車に同乗して鳥取に向かった、この旅は次男の発案だった、今年3月1日に鳥取中央病院に救急搬送され、その4日に息を引き取った亡き長男を弔うために、播但道、中国縦貫道から鳥取自動車道を経て、鳥取市街地を抜け、浦富、岩美から、そして長男が最後のサーフィンに出かけた陸上川(くがみがわ)河口にある東浜(ひがしはま)海岸を訪れた、今日の東浜は蒸し暑く、風も波もなく凪(な)いでいた、何組かの家族連れの親子がパラパラ海水浴を楽しんでいた、サーファー達は車の中で波を待っているようだ・・・

  

帰りは山陰ジオパークロードを辿り、東浜から直ぐ隣の兵庫県境を越え、浜坂から温泉町・湯村温泉街を抜け、美方の山中を南下して行った、村岡のドライブインステーション“日本海”で昼食を摂った、小生は但馬牛肉ピリ辛ラーメン800円を喰った、程よいピリ辛がうめえのなんのって!(*^_^*)ジュルリ!更に養父の裏街道を南下して、播但自動車道の“朝来クリスタル道の駅”ではお馴染みの黒豆アイス300円を頂いてから家路を急いだ、この秋には来春の散骨の打ち合わせのため鳥取市賀露の渡船業者に逢いに行ってこようと計画している・・・・

 

禁門の変の後、朝廷はすぐさま“長州征討”を命じる詔(みことのり)を幕府に下した、同じ頃、イギリスをはじめとする四か国(しかこく)連合艦隊による下関報復が開始されていた、今日から花燃ゆは新しく展開し、文は、老女・園山様の御恩情により毛利家山口藩庁の女の城・大奥御殿に、御半下頭・志乃の下で“奥勤め見習い”として上がることとなった、大奥は、老中、表使(おもてつかい)、若年寄(わかどしより)、中老(ちゅうろう)、御側目(おそばめ)など色んな階級に分かれているようだった、奥での名前を頂いて初めて半下(はんした)になれるようである!そこに毛利敬親の正室・都美姫と嫡男・元徳の正室・銀姫が現れ、下関が異敵の手のものに落ちたと知らされた!・・・

大砲291門、兵力5000人余りと、圧倒的な連合艦隊の軍事力の前に長州藩はなすすべがなく下関は壊滅され、占拠された!暫く不穏な日々が続くとしても、その様な事は殿方にお任せすればよいことで、大奥には関係なく、ただ日常の御勤めを万事怠りなくなお一層励み備えればよかった、見習いの仕事は水汲みから始まった、文は他の半下とともに桶を両手に持って水を汲みに行った、文は初日からやらかしてしもうた、桶の水を廊下でこぼしてしもうたのじゃ!・・・

文らが水をふき取っていると、そこへ銀姫がやって来て文に声をかけた、『お前が家(や)の主なら奥の守りを何とする?答えてみよ!』、文「鉄砲で御座いましょうか?異国には女子でも扱える、こまい短筒があると聞き及んで居ります!それで己の身を守るのです!」、その文の答えが、えろう銀姫に気に入られた、だが、銀姫はおなごの戦さは美くしゅうなければ?と考え直して言った、でも短筒は美しくない!そうじゃ美しくて雅な内掛けをふんだんに飾りたてて敵の気勢を削ぐのじゃ!そんなことか~~~い!銀姫は天然じゃった!老女・潮(うしお)も呆れて居た、その時、文が園山様からお呼びがかかった?・・・

その頃、表のまつりごとの場では、周布政之助が藩庁にやって来て敬親に申し出た 、「砲台は壊滅し、もはや戦いを続けることが出来ません、一刻も早よう、異国と停戦の交和を結ぶべきで御座います、すでに奇兵隊の高杉晋作を獄から出し、下関に送って居ります!」、周布は交和の交渉役として高杉を推した!答えはいつもの『そうせえ!』だけではなく、『交渉役には装束(しょうぞく)などを整えさせ、最上の格を与え、毛利家の名に恥じぬよう致せ!』が返って来た、ははは~~~!・・・

一方、下関では、高杉が伊藤利助とともに異国との交和に赴くよう、お世継ぎ元徳様から直々に申し渡されたとの噂は、奇兵隊にも波紋を呼び起こしていた、異国に頭を下げるなんど、攘夷を目指してきた塾生たち、中原復亮(またすけ)ら奇兵隊士には受け入れがたき事であった!一刻も早く高杉を探し出し、交和を思いトドませるんじゃと怒り心頭じゃった!伊藤は友の井上聞多(ぶんた)にも交和に出てくれるよう頼んだが、井上は反対じゃった!頭の固い攘夷派なんぞ討たれてしもたらええんじゃと、応じなかった、伊藤と井上はイギリス留学の際、日本を列強に負けん国にする!と誓いあった仲であった!井上はその場にいた高杉に、お前は如何するんじゃ?だまっちょらんで、なんとか言え!と訊いた、高杉は立ち上がって答えた『わしはゆく、俺には秘策がある!これは好機じゃ!』と・・・

文は、園山さまに付き添われ、高杉の父・小忠太(こちゅうた)の前に出ていた、小忠太はおもむろに、殿より代々、高杉家が拝領致してきた“五七の桐のご紋”の礼服を差出し、文に、下関で異国との交和に臨む高杉晋作には無くてはならないものゆえ、手渡してくれよと頼まれた!そのような大切なものを何故わたくしに?、な~~んでか?その当時、下関には交和に応じんとする男で溢れて居った、故、男では危ない!?小忠太に是非!と頭を下げられ、文は「慎んでお受けいたします!お家のため、亡き夫・久坂玄瑞のために、命を懸けても!必ずや、この品、高杉様にお届けいたします!」と、そのお仕えお引き受けした!・・・

そして、武芸の心得のあるお次・鞠(まり)と云うお目付け役と共に、その品を大切に背負い、旅笠、脚絆姿の文は、園山様に見送られて大奥をあとにしようとしていた、その前に、文は園山様に「無事この使いを果たした暁には、見習いから正式な奥勤めとしてお認めくださいますか?御前様に御身観得叶う身と成りましょうか?」と訊いた、園山『それは、その時となったら考えよう!』と言ってくれた、文のシッカリ者~~!国を窮地に追いやった夫の罪滅ぼしとなれば良いがと、都美姫は密かに願っていた!・・・

文は、下関への道中の途中、休憩のときに鞠に言った「私を見張れと言われてきましたか?いいんです、ありのままの全てを園山様にお伝えください!隠すようなことは何もありませんから!」鞠が大奥の隠密であることは重々承知をして居った 、高杉が攘夷派の者と通じていないかと鞠が訊いた、高杉様とは、これまで、ずっと顔を合わせてきましたから、例え違う道を歩むとしても、これからもずっと・・・、奥勤めを始めたのはその方々のためではあのません!では何故?文は母・滝と父・百合乃助の事を思っていた、そうです、文は自棄(やけ)になったのでなかった、自分の脚で歩きたかっただけじゃ!自分の目や耳で自分の生きとる場所を確かめとうなったんじゃ!そうじゃ、久坂さまの代わりに、好きなだけ、好きなだけ、歩けば良い!・・・

 

 

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