Okanagan's Twilight Days

人生の黄昏を迎え、日々の出来事を徒然のままに綴っています(*^_^*)

新・花燃ゆ、第30話“お世継ぎ騒動!~後編” 2015年7月27日

2015-07-27 15:10:08 | 日記・エッセイ・コラム

萩の杉家には、大奥からの使いが来て、美和が兄・寅之助の命日ために作った、寅兄の大好物だった羊羹の入った朱塗りの木箱が届いて居った、突然そこへ、御用!御用じゃ!と叫びながら役人が突入してきた!?何です?、「高杉晋作は居らぬか?」・・・奥の部屋にも、屋根裏部屋にも居りません!、あのう、これは一体?、「その木箱の中に密書が入って居らぬか?」、密書?、「ええい!かせ!」、武井壮似の役人は羊羹の裏を改めたが、何も出てこなかった、亀「どうでもよろしゅう御座いますが、わらじぐらいお脱ぎくださいませ!」、滝「羊羹はこちらにお返しを!」、やはり高杉は墓に?、梅太郎「寅の墓ですか?」、高杉は一体どこに居るのじゃ!?・・・

野山獄では伊之助が壁に向かって瞑想にふけっていた、そこへ旅支度をした高杉がやって来た、伊之助「生きちょったか!」、高杉「馴染の小唄の師匠の家に!今朝これが届きました!」と一通の文を伊之助に差し出した、「それによると、10月27日、椋梨がわしを狙って捜索をかける!」、伊之助「美和がお前に?」、高杉「赤子が生まれる祝いにと、銀姫様より羊羹を賜ったそうです!その箱の中に、これが!」、伊之助「銀姫様が?それは誰にも手が出せん!謀ったな、美和!うっふふふ」その文を高杉に返した、高杉「如何です?そこからの眺めは?」、そこの壁には寅次郎が書いた“至誠(まごころ)”の二文字が彫り込んであった、こないだまで高杉が入っていた牢であった!・・・

外には野山獄の住人・高須久子も顔を覗かせていた、高杉が弱音を吐いた「久坂が死んで、わしは決して迷わぬと決めました!しかし、いささか参っちょります!藩から狙われ、攘夷を唱えた仲間からも追われ、わしは一体何を為すべきか?」、伊之助「椋梨に惑わされ、大事なものを見失のうては遺憾!」、大事なもの?、「幕府は遠からず崩れ落ちる!その後、この日本を誰が率いる?我等じゃ!我等の手で、徳川の世に幕を引く!」、高杉「長州の手で!」、伊之助「雄藩を結び、日本を動かす!」、高杉「面白い!日本を狂わせよと!」、伊之助「今、わし等がここに居るのは、皆の思いを抱え、事を為すためじゃ!」・・・

その帰り、晋作は高杉家に立ち寄ろうとした、その近くまで来ると父・小忠太が待っていた、父上、何故ここに?、小忠太「そちらの道には、追手が居る!こちらへ行け!」、晋作「すべてお見通しなんですね、父上は!私の隠れ家やも、立ち寄る先も!」、小忠太「時々思う、何故、この様な辞世に、お前の父であったかと?それもまた、宿命であったのかのう?」、晋作「誇りに思うて居ります!父上を!代々続く高杉の家を、立派に守ってこられた!」、小忠太「それも、今日限りじゃ!お前とは縁を切る!何処へでも、行け!」、晋作は父に深く頭を下げ走り去って行った、行け、晋作よ!・・・

花を生ける銀姫の部屋に、両手を着いた美和が居た、銀姫『昨日、祝いの品を届けた家より、礼が参った!』、木箱の上には雅よりの書状 “奥方より、主(あるじ)は無事で御座います!” が添えられていた、誠で御座いますか?美和は銀姫を頼もしく思い、見直した、銀姫は嬉しそうに言った『さすがに、わたしの名の入った品は、誰も改めなかった様じゃのう!』、ありがとう御座います!、銀姫『わたしはお前が嫌いじゃ、一人では何も出来ぬくせに、潮を丸め込み、部屋中の者を巻き込み、挙句(あげく)に、わたしの名を使って!』、あっ、美和は何かを思い出した?、何じゃ?、「あっ、そうか、元徳様の分は!?」、銀姫『忘れて居った!あっははははは~~~!』、美和「姫様のお話をする元徳様は、楽しそうで御座いました!」・・・

その夜、白装束に身を包んだ銀姫は念入りに化粧をされた、潮がやって来て告げた『間もなく元徳様、お渡りに御座います!』、その時、鈴が鳴らされ、元徳様のお成り~~~!すると銀姫は待ちきれず喜び勇んで、小走りで元徳様をお迎えに向かった!姫様~~~!姫様~~~!お付の女中と歩いてくる白装束の元徳様と恥ずかしげに対面した、銀姫と元徳様は互いに近づき、如何した?、早う、お話がしたくて!あっははは~~~!姫らしい!誠に姫らしい!、熱々じゃった、その夜のお二人は激しく燃え上がり、夜通し中?お世継ぎづくりに励まれたことでしょう!さぞお世継ぎ誕生の手応えを感じながら、ファイトいっぱ~~~つ!・・・

その頃、萩を脱した高杉は、追手を逃れ更に西へ下ろうとしていた!ある橋に差し掛かったとき、品川弥二郎が待ち構えていた!、お前か!、「高杉さんを討つのは、わししか居らん!皆んな死んだ!久坂さんも、入江さんも、寺島さんも、何故、攘夷を棄てた?仲間を裏切った!?」火花を散らす激しい斬り合いが続いた、まだ、そげなこと言うちょるんか?ハァ~~~!、高杉「お前には斬れん!」、侮(あなど)んなあ!、高杉「わしもお前は斬れん!わし等が斬りあわならん長州は間違うとる!」、品川「行け!早う!」、高杉「俺は久坂も、稔麿も、入江も、寺島も、誰のことも忘れたりせん!必ず戻る!それまで生きちょけ!」高杉は先を急いだ!・・・

ある日、大奥に椋梨が訪ねていた、都美姫『奥に、まつりごとの邪魔立てをした者が居ると?』、園山『高杉と桂のことか?』、椋梨「その高杉が、如何いう手立てか、萩から逃げたよしに御座います!」、都美姫『奥の者が手を貸したと申すか?』、椋梨「捕える策を漏らした者が居るやもと!?」、都美姫『奥の者が疑われるとは心外の極み!』、椋梨「これは口が過ぎました、が、御前様の目の届かぬところで、砦(とりで)に綻(ほころ)びがあるやも知れず、老婆心ながら!」・・・

椋梨が帰った後、美和が都美姫の前に呼ばれた、美和「身に覚えは有りません!」、都美姫『しかし、現に高杉は追手を逃れ、萩からも脱したと云う!』・・・その時、沈黙を破って日出が「申し訳御座いません!わたくしがお役目を怠ったばかりに!」と手を着いた、園山『如何云うことじゃ!?』、「その場で羊羹の包みを、改めて居りましたなら!」、美和「違います!元々、包みの中には何も!」、日出「まさか美和殿に限って、その様な事を致すとは!」、奥御殿総取締役・園山が吼(ほ)えた『鞠!奥勤めにて、守るように言われたことを申してみよ、鞠「奥向きの事は、何事によらず、外へ漏らしてはならず!」・・・

都美姫『その戒めを破った者を、捨て置く訳にはゆかぬ!お前は奥より下がるが良い!』、美和「御前様!?」、『お待ちくださいませ!』そこに銀姫と潮が現れた、銀姫『勝手に暇に出されては困ります!』、姫!、『美和はわたくしの女中で御座います!』、都美姫『この者は奥の仕来りを破り、表のまつりごとを阻もうとした!』、銀姫『御前様、が、出来ました!』、うっ?、えっ?、潮『無事、男(おのこ)が、お生まれになれば、お世継ぎに御座います!』、都美姫『世継ぎ!?』、一斉に皆がひれ伏した!・・・

銀姫『これから先は人出が要ります、わたくしは江戸育ち故、萩育ちの者が居ると、心強う御座います!つまらぬことで、お世継ぎ誕生に触(さわ)ることが御座りませぬよう、平にお願いする次第に御座ります!』、姫様!、都美姫『御萩か!?子孫繁栄の祈りが、効いたようじゃ!奥の仕来りとは、誠に有難きものじゃ!おのこであれば、良いがのう!』、ははあ~~~!・・・この銀姫(毛利安子)は9歳にして毛利敬親の養女となり、何と15歳で、第8代周防徳山藩主・毛利広鎮(ひろしげ)の十男・元徳を婿として迎え結婚した、山口大神宮に安産祈願したのち、元治2(1865)2月7日に、見事!お世継ぎ・毛利元昭(もとあきら、毛利宗家29代当主)を授かった!一見、天然ぽいが、明治・大正を生き抜き、日本赤十字社の要職を勤め、また婦人教育に尽力したシッカリもんだった!・・・

瀬戸際のところで、美和は銀姫に助けられた、姫様!誠に!、銀姫『良い!礼を言うのは、恐らく私の方じゃ!そなた、どの様な思いも、貫けば、外を動かすと、誠に思うか?』、美和「恐れながら、奥とは、その様な場所かと!」、銀姫『は~~ん!?相変わらず、ふてぶてしいおなごじゃ!』、はっ!、『わたしは、これから戦わねばならぬ!この子の母として!』、美和「お力に成りとう存じます!」、銀姫『出来るか?お前に!』、美和「必ずや!」・・・奥に敗北した椋梨が将棋の前に座って考えていた「さ~~て、次の一手を如何致すか?」・・・椋梨藤太の影は、美和の直ぐ近くに迫っていた!・・・

 

 

 

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