Okanagan's Twilight Days

人生の黄昏を迎え、日々の出来事を徒然のままに綴っています(*^_^*)

花燃ゆ、第27話“妻のたたかい!~後編” 2015年7月7日

2015-07-07 14:21:20 | 日記・エッセイ・コラム

久坂等の興した“禁門の変”の敗北により、幕府から、朝敵とされ、長州征討(せいとう)の命が降りた、また藩からその責任を取らされた久坂家は、家名が断絶され、久米次郎の養子縁組を破談するとの、長州藩命が、文を失意の淵に追い込んだ!しかし文は弱音を吐かず奮起して、久坂等急進尊王攘夷派を忌み嫌う、保身のため幕府の犬と化した椋梨邸に一人乗り込んだ!文は奥方の美鶴と、重臣・椋梨藤太(むくなし とうた)に泣きすがって、久坂家家名断絶の取り下げを重役らに取り次いで頂きたいと申し出た!・・・

だが、椋梨は、けんもほろろに『ここはお前の様なものが来るところではない!久坂家が責任を取って取潰されるのは当然のこと!』と地面に、縋(すが)る文を押し倒した!文は椋梨に訊いた「貴方なんですか?久坂をこないな目に会わしたのは!?」、椋梨は文を見下して言った『あっははは、くだらん、お前に何が出来る?おなごの分際で!お前に出来ることはただ一つ、己の無力を嘆(なげ)け!』、椋梨が火急の用とぬかして屋敷を後にした、文は、余りの悔しさに耐えかねて、大声で泣きわめき、雨水に濡れた地面を叩き続けた!哀れ、文・・・

「久坂等は皆死んだか!」とぽつんと呟(つぶや)き・・・夜の野山獄の中で高杉晋作は手を合わせた、“おくれても、おくれても又 君たちに誓いし言を、吾 忘れめや!”と松陰の教えを空(そら)んじた、「久坂、俺は狂うぞ!」・・・杉家に帰った文は自分の部屋にしていた屋根裏部屋で、鏡の前に座り口紅を塗っていた、そして心の中で云った「旦那様!」、文の胸の中にはメラメラと何かが燃えていた、何と、文は奥御殿総取締役・園山様を訪ねていた、文は園山様の前に出ることを許され言った『台場造りではお世話になりました、お願いしたいことが御座います!』、文は久坂のために何か重要な事を願い出ていた・・・

その間、文の留守中に、杉家には久坂の位牌が帰って来ていた、そこへ伊之助が急遽長崎から戻って来た、その時、母・滝が文とともに帰宅した、伊之助が膝まづいて言った『済まなかった!藩のまつりごとの中に居り乍ら、寅次郎のみならず、久坂まで死なせてしもうた!』、父「君の所為ではない!」、文が言った「兄上、お顔をお上げください、皆様、本日は久坂のためにお集まり頂き、ありがとうあんした、皆様にお話が御座います、先程、奥の老女、園山様にお会いして、お城で働かせてくださいと、お願いして参りました!」、どういう事じゃ?皆が驚いた?・・・

文は答えた『分からんからです、何故?あの人が死んだんか?分からんままに弔いを!?そねなことは出来ません!寅兄は何故死んだんです?稔麿さんは?入江さんは?亀太郎さんは?寺島さんは?久坂は?だってあの人は生きると!約束してくれた、共に生きると!』、伊之助「文・・・」、『いやいや、私は受け入れん!絶対許さん!あの人を殺したもんを!何故?それが分かるまで、弔ったりせん!涙も流さん!だから、あの人は死んでなんかおらん!』、伊之助「お城に奉公に上がって、どげんする積りじゃ?」、父・百合乃助「奥に入れば家にも帰られんのじゃぞ!」・・・

文『構いません!小間使いでも、下働きでも、何でもやります!そうやって、まつりごとの真ん中でのし上がって、何時か殿様の御前に出られる時が来たら、直にお尋ねいたします!私の大切な人達が、何故?無惨に死ななければならなかったかを!』、文は、久米次郎!と声をかけ言った『あなたには、私たち夫婦が勝手を致しました、でも、行かせてください!きちんと、また、あなたの前に立てるように!』、『皆様、これまでお世話になりました、お別れ申し上げます!』文は深々と頭を下げた、・・・久坂の声が聞こえてきた“俺は生きたど!文、お前も生きろ!”、旦那様、これまでの私はもう居りません!文と云う無力な女の名を棄てます!・・・

 

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