残念ながら欠場したがあの世界記録2°03′59″保持者エチオピアのハイレ・ゲブレシラシェがエントリーしていたとは知らなかった、もう38歳と引退が囁(ささや)かれ歳は歳だが、それに昨年の覇者・藤原正和(Honda)も欠場した、小生、まだマラソンでの優勝はないが、男子優勝候補にモグス(山梨学院大→アイデム)を挙げたい・・・
日本人トップ候補はなんと言っても昨年唯一“サブテン男(2°09′34″オタワ・マラソン)”のハイテク・プロランナー・藤原新(あらた、29歳、拓大→JR東日本→レモンシステム)である、彼は緻密(ちみつ)に自分のタイムやランニングホームなどのデーターをパソコンに入力し、それに基づき自己分析する頭脳的な走りを心がけている、彼の更なる躍進に期待が懸かる・・・
男子外国勢では2008年Hondaに在籍し活躍したエチオピアのハイネ・メコンネン(30歳、マラソン自己ベスト2°07′37″)が日本に里帰りしてきた、もう一人エチオピアからツェガエも上位を狙う、ケニアからは2°07′29″のベストを持つキプサングが優勝を狙う、ケニアからもう二人、ビウォットとリモも充分日本勢を脅かす存在となるだろう・・・
東京マラソンでの女子は何故か代表選考対象外である?ここ2年マラソンから遠ざかっているが、お馴染み三井住友の実力者・渋井陽子(31歳)と、確か初マラソンながら伸び盛りの第一生命・勝又美咲(25歳)、それに最近精彩を欠いているがセカンドウインドの嶋原清子(34歳)を中心に動いていくだろう、また外国勢ではロシアのタチアナ・ペトロワ(27歳)も中距離から転向して2009ロス・マラソンを2°25′53″で優勝して調子を上げてきている、同じロシアの自己ベスト2°26′13″を持つタチアナ・アリャソワ(31歳)も強敵だ・・・
小生は今回初マラソンに挑むワコール“駅伝の妖精”樋口紀子(25歳)に注目したい、小生彼女を見かけると初代ポッキー娘・新垣結衣を思い浮かべる、ガッキー似の彼女は突風に吹き飛ばされそうな体重40キロに足らない細身だが底知れない強さを持っている、そうそう今年1月30日の大阪国際女子マラソンで天満屋の浦田佳小里と一緒にペースメーカーを務めている・・・
スタート時9時10分の新宿は晴れていて陽射しも強い、風も微風で気温も7.2℃だが、湿度が43%と少し乾燥している、きっと気温はグングン登るだろう、給水をシッカリとらねば、9時5分、35名(男女10キロの部を合わせて)ほどの車椅子ランナーがスタートしたあと、今期で勇退するか?スターター石原慎太郎東京都知事の合図の下、25人の国内外招待エリートランナー、陸連登録ランナーそして市民ランナーを含め、倍率9.2倍!応募数なんと335000人から選ばれし男女36000人のランナー達がコースへ飛び出して行った・・・
ランナーたちは靖国通りの5km地点を過ぎてから皇居周辺にそって日比谷通りへ入る、10km地点のある晴海通から右折して、東京タワーの見える第一京浜を品川の折り返し地点へ向かう、15km地点を通過して直ぐ品川を折り返し第一京阪を北上する、道上寺を過ぎると20km地点を通過する、晴海通に戻り左折して銀座中央通りへ入る、日本橋から25kmを過ぎ雷門浅草の折り返しへ向かう、浅草を折り返すと、現在の高さ594mスカイツリーを左に見てペースメーカーがすべて外れる30km地点を過ぎて花の銀座に戻る・・・
銀座四丁目を左折して、築地の35km地点から晴海を経て豊洲を抜けるまで、勝負どころとなる4つの橋(佃大橋、朝潮大橋、春海橋、東雲橋)を渡る!豊洲の湾岸エリアを抜けると、そこにはお台場の臨海副都心が広がり、球体のメディアタワーがそびえるフジテレビ“FCGビル”が飛び込んでくる、そして40km地点を過ぎ、41.1km地点の最後のアップダウンとなる有明中央橋を渡り切ると、ゴールが待つ有明の東京ビッグサイトへまっしぐらに突き進んでいく!・・・
昨年S&B食品に入ったカロキを含む3人の男子ペースメーカー達は先頭集団を序盤から5キロラップ14′56″と15分を切るペースで引っ張り、10kmを29′57″で、15kmを44′50″で、20kmを59′55″で、そして25km地点をなんと1°15′02″で通過した!ゴール予想タイムが2時間6分台となる高速レースの展開となった!・・・
あっ!25キロ過ぎ、トップ集団で快調に飛ばしていた我等期待の藤原新が脚に来たか高速に着いて行けず徐々に遅れていく!遂には失速し戦意喪失していった、完走すらも危ぶまれる!入船も置かれていく、30km地点をなんと1°29′56″で通過する!依然と2時間6分台ペースだ!最後のペースメーカーがはずれメコネンとビウォットの二人が更にペースを上げトップグループを作る・・・
川内と幸田が少し遅れ、モグス、尾田とジュイの2位集団が出来る、33キロ過ぎだっただろうかメコネンがビウォットを引き離し単独ドップに立った!あっ!モグスが34キロ過ぎから遅れ気味になっていく!そのままモグスはじりじり後方に置かれていった、メコネンが35km地点をなんと!まだまだ2時間6分台ペースの1°44′58″で通過する!ここからゴールまで勝負どころとなる5つの橋のアップダウンが待ち受ける・・・
多くの有力選手がこの高速レースから振り落とされていった中、30歳で初マラソンに挑んだトヨタ自動車の尾田賢典(よしのり)と昨年4位で招待選手の栄誉をゲットした川内優輝(23歳、春日部高→学習院大→埼玉陸協、埼玉県職員)の二人がダークホースとして浮かび上がった、終盤、メコネンとビウォットに少し先を譲ったものの、彼等は2位グループにとどまり攻めの走りに徹して、日立電線のジュイとともに、この高速レースに果敢に着いて行ったのである!・・・
一旦遅れていたものの川内がジリジリ差を縮め39キロで尾田とジュイの2位グループを捕えた!あっ!40キロで果敢にもジュイと尾田の前に出て!“市民ランナーの星”川内が日本人トップに躍り出たのである!次第に尾田とジュイトの差が広がっていく凄い!あと3キロだ!『たとえ陸上のエリート学校に行けなくても!エリート実業団に入れなくても!僕の姿を観てくれ!こつこつ努力すればきっと夢は叶うのだ!』川内の顔にはそんな執念が漲(みなぎ)っていた!・・・
小生、これまでの大会でも先頭集団の中に彼の特徴ある風貌をよく見かけてきた記憶がある、解説によれば箱根でも関東学連選抜のメンバーとして2007年と2009年に6区の山降りを走った実力者でもあるらしい、また彼は職場までスーツ姿で毎日通勤ランする好青年である、このままで行くと昨年東京マラソンで出した自己ベストの2°12′36″を大幅に更新する!テグ世界陸上代表基準タイム2°09′30″以内を大きくクリアしてゴールする☆さすればテグへの切符は確実なものとなる!またロンドン五輪代表も見えてくる!川内よ!ファイトいっぱ~~~つ!・・・
40km地点を少しペースを落として2°00′41″で通過したメコネンが独走態勢で41.1キロ地点の有明中央大橋を登っていく、フィニッシュ地点がある有明の臨海副都心に“東京ビッグサイト”が見えてきた、そしてハイル・メコネンがフィニッシュ・ストレッチに入り駆け抜ける、4戦目にして初優勝のGoa~~~l!☆僅かビクトル・ロスリン(スイス)が2008年大会に樹立した大会記録2°07′23″には及ばないのか?でもでも近年日本ではお目にかからない2°07′34″という素晴らしいタイムでメコネンが優勝のテープを切った☆☆ヽ(^。^)ノ☆2位2°08′14″でケニアのビウォットがゴールしていく☆☆・・・
そしてそして最後まで諦めず死闘の走りを貫徹した川内優輝が日本人トップの3位☆ななな~~~んとテグ代表選考基準タイムを遥かに超える2°08′36″でGoa~~~l!☆とった!とった!昨年は4位で賞金100万円だったが、3位ならがっぽり300万円は☆うっしっしっし~~行くのでは☆いかん!そんなことより!川内が栄えある二人目のテグ代表を勝ちとった☆ヽ(^。^)ノばんざ~~~い☆
そして川内とともに最後まで粘りに粘った!尾田賢典(30歳、大牟田高→関東学院大→トヨタ自動車)がこれまた代表基準タイムをクリアする2°09′02″の日本人2位総合4位で初マラソンを走りぬきGoa~~~l!☆4位なので賞金100万円は頂だきでえ!☆・・・
4位以降の順位とタイムは次のようになった、5位2°09′10″でジュイ(日立電線)が、6位2°10′50″でリモ(ケニア)がゴールした、そのあと7位2°11′07″で旭化成の幸田高明が死力を尽くして走りぬきバッタリ地面に倒れた、8位2°11′25″でキプサング(ケニア)が、9位2°11′49″でツェガエ(エチオピア)がフィニッシュした、そのあと10位2°12′04″でHondaの堀口貴史が死のロードを終えた、35歳のベテラン入船敏(さとし、鹿児島商高→カネボウ)が11位2°12′33″で厳しいレースを終えた・・・
女子は中盤27キロまでだっただろうか勝又に先を譲ったものの、野口みずき日本最高タイム2°19′12″に次ぐ世界歴代7位2°19′41″(2004ベルリンマラソン)の記録を持つ渋井陽子が快調に飛ばし終盤まで第一人者の貫禄と意地を見せた、故障で直前になって2009年ベルリン世界陸上への出場を諦めてしまった以来のビッグレースだ、優勝して復活の証が欲しい!あっ!かつて日本陸上界男子10000mで一世を風びした平塚潤(じゅん、42歳、日体大→ヱスビー食品、現城西大駅伝部監督)が常に横にはり着いて渋井を引っ張っていた・・・
一時はこのまま行くと渋井が優勝かに思えた、しかし終盤、渋井の足が止まった!お母さんの看病に多くの時間を費やしたために連習不足が響いたか足元をおぼつかなくなり、ロシアのアリャソワに簡単に交わされ、またあっ!ななな~~~んと!何時の間にか上がって来ていた樋口紀子にも、そしてロシアのベトロワにもかわされてしまった、もはや渋井には粘る余力はなかった・・・
結局、東京マラソンの女王に輝いたは、タイムは平凡だったが、圧倒的な強さを見せて2°27′29″でゴールしたロシアのタチアナ・アリャソワだった!☆そして2位は!☆今回初マラソンに挑んだワコール駅伝の妖精・樋口紀子が日本人トップ!2°28′49″でGoa~~~l!☆少しタイムが平凡すぎたかな、でもテグ代表候補に挙がって欲しい、きっと候補には挙がるだろう、挙がってくれ!・・・
3位2°28′56″のタチアナ・ペトロワに次いで、4位日本人2位2°29′03″で渋井陽子が無念のゴールインとなった!中盤まで女子のトップを走った勝又美咲は5位2°31′10″で初マラソンを飾った☆、6位以降は次のようになった、6位2°32′02″で鈴木澄子(ホクレン)が、7位2°32′51″で山崎里菜(パナソニック)が、8位2°33′10″で宮崎翔子(豊田自動織機)がレースを走り切った、嶋原清子はどうしたのだろう?一度も画面に映らずに終わった・・・